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2.はじめまして
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「なに、このちんまいの」
如何にも高級そうなマンションの一室。
エレベーターを降りるとすぐ、玄関への廊下が続く。先へ進みその玄関ドアを開けると。
黒目勝ちの潤んだ瞳、サラサラの肩につく位の長さの黒髪ストレート。日焼けなど一切したことがないと思われる、透き通る様な白い肌。
眉目秀麗な少年に開口一番、そう言われた。
否定はしない。身長は百七十センチ、有るかないか。向かう少年は百七十センチはゆうに超えている。
「…はじめまして。俺は宮本大和。今日からお世話になります」
きっちり大人の挨拶をして正面に立つ少年を見据えた。いや。若干見上げた。そして、正しくは睨んだ。
その美しい、たおやかな容姿の少年はふうっと大仰にため息を吐き出し。
「兄さん。もしかして、こいつ?」
「ああそうだ。ちゃんと挨拶しろ。今日から家事全般、彼に頼む。大和、弟の亜貴だ」
岳から目で挨拶しろと促され、渋々、亜貴は顔を上げ。
「…鴎澤亜貴。よろしく」
眼光は鋭い。メンチ切ってやがる。こいつ兄貴より、そっち系じゃねぇのか?
「亜貴は高校二年生だ。ここで俺と暮らしてる。といっても俺は他にも別宅があるから、たまにしか来ないが。亜貴の話し相手になってくれると助かる。亜貴も俺だと思って頼ってやれ」
「ええ?! こいつが兄さんの代わり? ありえないって…」
「ありえないとかいうな。牧や藤にしてもいいんだぞ?」
「げ…。それはもっとヤダ」
「なら、色々言うな。お前を一人にしておくのは俺としては止めたいんだ。こいつと喧嘩したっていい。なんでも話せ」
「…しないよ。そんなの」
プイと顔を背けると、廊下を戻って行ってしまった。自室に戻ったのだろう。まるで移り気なネコのよう。
それを見送った岳はふうっとため息を吐き出した後。
「すまないな。亜貴は親父の正妻の子なんだが、母親が早くに亡くなってな。躾るものがろくにいなくて自由に育っちまった。ま、根は悪い奴じゃない。ただ、寂しいだけだ。面倒かもしれないが、相手をしてやってくれ。それも仕事の内だ」
「…はい」
正妻の子、ねぇ。
いかにもこっちの世界の話に聞こえた。まあ、苦労して育っては来てんだろうな。俺とはまた違った意味で。
ちっとも可愛げなど感じなかったが、とりあえず素直に返事だけは返した。
しかし、ちんまいって。ほんっと、刺さるよな。
岳が部屋を案内してくれる。
「リビングはこっちで、対面のキッチンがある。風呂は廊下を出て左の突き当りで──」
亜貴が正妻なら、岳はいわゆるお妾さんの子って事になるのか?
俺はまじまじと先を歩く岳の背を見つめた。
色々あるんだろうな。きっと。
広い背中に勝手に哀愁を感じる。
「キッチンにあるものは全て自由に使ってくれ。調理に必要なものがあれば言ってくれ。買いに行かせる」
早速戸棚や冷蔵庫を開け締めして物色する。どう見ても、何度見返しても、調味料が少な過ぎる。
塩と砂糖、やけに大きい七味唐辛子と胡椒、醤油のみ。
それに調理器具も。
お玉一つにしゃもじ一つにフライ返し一ケ。フライパンはやたらでかいのが一つに、これまた巨大な鍋がひとつだけ。あとは計量スプーンもすりおろし器も、ざるもボウルも軽量カップも…。
ああ! もうなんもない!!
「分かった…。俺は外に出られないのか?」
「そうだな。逃げ出されても困る。暫くは様子を見させてもらおうか」
「じゃあ、今から書き出すもの、全部用意してくれ。一つでも欠けさせるなよ?」
「あ? ああ…」
部屋を見るのもそこそこに、必要な調理器具、調味料、これから一週間程度の食料を一気に書き出した。
もしかして、掃除道具もろくにないんじゃないだろうか?
後で確認するか。
「なんか苦手なもん、あるのか?」
「俺はなにもないが…。亜貴は…なんだったかな?」
俺は哀しい目になると。
「たった一人の弟の好き嫌いもわかんねぇのかよ。わかった…。とりあえず、何でも対応できるようにしとく。下手に高い野菜とか買うなよ? 地場野菜かどうか、新鮮かどうか。調味料も国産材料かどうか。輸入品かどうか、ちゃんと後ろのラベル見るんだぞ? 下手に安いからって適当なもん選ぶなよ?」
そこまで一気に捲し立てると。
「…お前が行った方がいいか?」
さすがに俺の言葉に岳も心配になったらしい。
「もし許されるなら、今日だけは出させてくれ。あとは同じものを買ってくればいい」
「分かった…。俺が一緒に行く」
「了解」
ふうっと息をついて、メモを丁寧に折りたたみケツポケットに仕舞った。
+++
さて。
と、連れて来られたスーパーマーケットを腕組みして見渡した。
初めて連れて来られた店は、何が何処にあるのか分からない。一応、表示はあるが、それがどの順番に並んでいるかが分からないのだ。
結局、岳を後ろに引き連れ、あっちへ行ったかと思えばこっちに戻りを繰り返す。
いい加減、イライラする頃だろうと背後を振り返れば。
「最近、スーパーって来た事なかったんだ。広いし色々変わってて面白いな?」
嬉々とした岳の顔がそこにあった。
「イヤじゃないのか?」
「ちっとも。それに大和の選ぶの見てるのも面白い。そうやってラベル確認するんだな?」
「そうだよ。やっぱり体にいいもの入れたいだろ? 俺はそんなに稼げなかったから、妥協したけどさ。金、気にしたほうがいいか?」
「まあ、国産牛肉や、刺身大量買いするってんじゃなければある程度は」
「よし! じゃあ、ちょっと拘って見るか!」
語尾に音符がつく。
イヤだって。
幾らこっちが体にいいからと言っても、やはり予算が限られていれば、妥協するしかない。
無添加、国産。昔なら普通にあったものが、今は普通より高いお金を払わないと購入出来ないのだ。
いや。それが正しい価格なのか? 添加物入が安すぎるのか。
取り敢えず、この男の世話になっている間は、金銭について考えなくていいのだ。
ああ。嬉しいな。楽しいな。
と、背後でカートを押していた岳が。
「すげー。なんか背中から羽根が生えてるみたいだ…」
「ああ。生えてるとも。ここにいる間は自由に飛び回らせてもらう」
その言葉に一瞬間をおいて、岳が声を立てて笑い出した。
俺は思わずまじまじと見つめる。初めて見た、岳の本気の笑い顔かも知れない。
「っ前。変な奴!」
目の端の涙を拭いながら、暫く岳は笑っていた。
後で聞くと、俺が本当に飛び回る姿を想像して、笑いが止まらなくなったのだという。
+++
「よし。これである程度は揃ったな」
マンションに到着し、目の前に並ぶ調味料、調理器具の数々を満足気に眺める。
ブレンダーやホームベーカリーも追加で購入させて貰った。まあ、無くても何とかなるが、この際楽させて貰う。
鼻息荒くそれらを眺める俺に、岳は興味津々と言った様子。
時刻は深夜近い。そう言えば、夕飯を食いっぱぐれた事を思い出した。流石に今から何か作るつもりはないが。
ぐううと腹が鳴る。
「もしかして、まだ晩メシ食って無かったか?」
「食ってねぇ。これからって時にあんたらに拉致られたんだ。ハラ減った…」
「取り敢えず、カップラあるけど。食うか?」
「食う」
俺がそういうと、岳はふっと笑ってキッチンに向かい、適当に食料品が放り込まれている棚を開けた。
先程は見逃した戸棚に、零れ落ちそうなくらい、カップラーメン初め、レトルト食品や缶詰などなどが詰め込まれている。
「すげーな。それで食いつないでたのか?」
「まあな。俺は大抵外で食っちまうからいいが、あいつはまだ若いし食欲もある。俺も料理する気しないしな。藤や牧に頼むとろくでもないもん食わせるし…。早々、こんな所へ家政婦もこないし、矢鱈な人間は入れられないしな…」
「誰か女手のつてはないのかよ? あんたなら、料理好きの彼女の一人や二人──」
すると岳は淡々とした口調で。
「俺はそっちダメだから。かと言って、料理好きな奴ここへ連れ込むのもな…。さすがに弟のいる前ではな。俺はこう見えて結構イチャイチャしたい方でね。だから、結果こうなったってわけ」
気が付けば、目の前にカップラの山が築かれていた。
けっこう、驚きの発言があったが。まあ、この時世、隠す様な時代でもない。それもありなんだろう。
「…それは。そうだな。で、俺の登場か…」
「なんだ。俺のカミングアウトは驚かないのか?」
「そりゃ、驚いたけど。自由だろ。そんなの。生きていくのになんか関係あんのかよ? てか、亜貴はいったい今まで何食ってきたんだ? まさか全部カップラとレトルトか?!」
俺の態度に拍子抜けしたのか、頭をかきつつ。
「…まあ、あとは外で食ってたからな? ファミレスも結構多かったな。あとはファストフード店…」
「だめだ、だめだ、だめだぁ! 若い奴がそんなもん、食ってばっかじゃだめだって! 若いからこそ、吸収もいいんだ。もっと身体にいいもん食っとかないと!」
「すごい剣幕だな。おい…」
カミングアウトどころではない。そんな告白などどうでもいい。
流石に岳も引いたが。そんなことはお構いなかった。
「おい。亜貴の昼飯はどうなってる?」
「多分、コンビニか高校の売店で──」
「ああ! わかった。俺が明日から弁当作る。大したレパートリーなんてないが、そんなんじゃいかん!」
「わ、分かったって…」
岳がかなり引いて俺から離れた場所に立って頷いた。
如何にも高級そうなマンションの一室。
エレベーターを降りるとすぐ、玄関への廊下が続く。先へ進みその玄関ドアを開けると。
黒目勝ちの潤んだ瞳、サラサラの肩につく位の長さの黒髪ストレート。日焼けなど一切したことがないと思われる、透き通る様な白い肌。
眉目秀麗な少年に開口一番、そう言われた。
否定はしない。身長は百七十センチ、有るかないか。向かう少年は百七十センチはゆうに超えている。
「…はじめまして。俺は宮本大和。今日からお世話になります」
きっちり大人の挨拶をして正面に立つ少年を見据えた。いや。若干見上げた。そして、正しくは睨んだ。
その美しい、たおやかな容姿の少年はふうっと大仰にため息を吐き出し。
「兄さん。もしかして、こいつ?」
「ああそうだ。ちゃんと挨拶しろ。今日から家事全般、彼に頼む。大和、弟の亜貴だ」
岳から目で挨拶しろと促され、渋々、亜貴は顔を上げ。
「…鴎澤亜貴。よろしく」
眼光は鋭い。メンチ切ってやがる。こいつ兄貴より、そっち系じゃねぇのか?
「亜貴は高校二年生だ。ここで俺と暮らしてる。といっても俺は他にも別宅があるから、たまにしか来ないが。亜貴の話し相手になってくれると助かる。亜貴も俺だと思って頼ってやれ」
「ええ?! こいつが兄さんの代わり? ありえないって…」
「ありえないとかいうな。牧や藤にしてもいいんだぞ?」
「げ…。それはもっとヤダ」
「なら、色々言うな。お前を一人にしておくのは俺としては止めたいんだ。こいつと喧嘩したっていい。なんでも話せ」
「…しないよ。そんなの」
プイと顔を背けると、廊下を戻って行ってしまった。自室に戻ったのだろう。まるで移り気なネコのよう。
それを見送った岳はふうっとため息を吐き出した後。
「すまないな。亜貴は親父の正妻の子なんだが、母親が早くに亡くなってな。躾るものがろくにいなくて自由に育っちまった。ま、根は悪い奴じゃない。ただ、寂しいだけだ。面倒かもしれないが、相手をしてやってくれ。それも仕事の内だ」
「…はい」
正妻の子、ねぇ。
いかにもこっちの世界の話に聞こえた。まあ、苦労して育っては来てんだろうな。俺とはまた違った意味で。
ちっとも可愛げなど感じなかったが、とりあえず素直に返事だけは返した。
しかし、ちんまいって。ほんっと、刺さるよな。
岳が部屋を案内してくれる。
「リビングはこっちで、対面のキッチンがある。風呂は廊下を出て左の突き当りで──」
亜貴が正妻なら、岳はいわゆるお妾さんの子って事になるのか?
俺はまじまじと先を歩く岳の背を見つめた。
色々あるんだろうな。きっと。
広い背中に勝手に哀愁を感じる。
「キッチンにあるものは全て自由に使ってくれ。調理に必要なものがあれば言ってくれ。買いに行かせる」
早速戸棚や冷蔵庫を開け締めして物色する。どう見ても、何度見返しても、調味料が少な過ぎる。
塩と砂糖、やけに大きい七味唐辛子と胡椒、醤油のみ。
それに調理器具も。
お玉一つにしゃもじ一つにフライ返し一ケ。フライパンはやたらでかいのが一つに、これまた巨大な鍋がひとつだけ。あとは計量スプーンもすりおろし器も、ざるもボウルも軽量カップも…。
ああ! もうなんもない!!
「分かった…。俺は外に出られないのか?」
「そうだな。逃げ出されても困る。暫くは様子を見させてもらおうか」
「じゃあ、今から書き出すもの、全部用意してくれ。一つでも欠けさせるなよ?」
「あ? ああ…」
部屋を見るのもそこそこに、必要な調理器具、調味料、これから一週間程度の食料を一気に書き出した。
もしかして、掃除道具もろくにないんじゃないだろうか?
後で確認するか。
「なんか苦手なもん、あるのか?」
「俺はなにもないが…。亜貴は…なんだったかな?」
俺は哀しい目になると。
「たった一人の弟の好き嫌いもわかんねぇのかよ。わかった…。とりあえず、何でも対応できるようにしとく。下手に高い野菜とか買うなよ? 地場野菜かどうか、新鮮かどうか。調味料も国産材料かどうか。輸入品かどうか、ちゃんと後ろのラベル見るんだぞ? 下手に安いからって適当なもん選ぶなよ?」
そこまで一気に捲し立てると。
「…お前が行った方がいいか?」
さすがに俺の言葉に岳も心配になったらしい。
「もし許されるなら、今日だけは出させてくれ。あとは同じものを買ってくればいい」
「分かった…。俺が一緒に行く」
「了解」
ふうっと息をついて、メモを丁寧に折りたたみケツポケットに仕舞った。
+++
さて。
と、連れて来られたスーパーマーケットを腕組みして見渡した。
初めて連れて来られた店は、何が何処にあるのか分からない。一応、表示はあるが、それがどの順番に並んでいるかが分からないのだ。
結局、岳を後ろに引き連れ、あっちへ行ったかと思えばこっちに戻りを繰り返す。
いい加減、イライラする頃だろうと背後を振り返れば。
「最近、スーパーって来た事なかったんだ。広いし色々変わってて面白いな?」
嬉々とした岳の顔がそこにあった。
「イヤじゃないのか?」
「ちっとも。それに大和の選ぶの見てるのも面白い。そうやってラベル確認するんだな?」
「そうだよ。やっぱり体にいいもの入れたいだろ? 俺はそんなに稼げなかったから、妥協したけどさ。金、気にしたほうがいいか?」
「まあ、国産牛肉や、刺身大量買いするってんじゃなければある程度は」
「よし! じゃあ、ちょっと拘って見るか!」
語尾に音符がつく。
イヤだって。
幾らこっちが体にいいからと言っても、やはり予算が限られていれば、妥協するしかない。
無添加、国産。昔なら普通にあったものが、今は普通より高いお金を払わないと購入出来ないのだ。
いや。それが正しい価格なのか? 添加物入が安すぎるのか。
取り敢えず、この男の世話になっている間は、金銭について考えなくていいのだ。
ああ。嬉しいな。楽しいな。
と、背後でカートを押していた岳が。
「すげー。なんか背中から羽根が生えてるみたいだ…」
「ああ。生えてるとも。ここにいる間は自由に飛び回らせてもらう」
その言葉に一瞬間をおいて、岳が声を立てて笑い出した。
俺は思わずまじまじと見つめる。初めて見た、岳の本気の笑い顔かも知れない。
「っ前。変な奴!」
目の端の涙を拭いながら、暫く岳は笑っていた。
後で聞くと、俺が本当に飛び回る姿を想像して、笑いが止まらなくなったのだという。
+++
「よし。これである程度は揃ったな」
マンションに到着し、目の前に並ぶ調味料、調理器具の数々を満足気に眺める。
ブレンダーやホームベーカリーも追加で購入させて貰った。まあ、無くても何とかなるが、この際楽させて貰う。
鼻息荒くそれらを眺める俺に、岳は興味津々と言った様子。
時刻は深夜近い。そう言えば、夕飯を食いっぱぐれた事を思い出した。流石に今から何か作るつもりはないが。
ぐううと腹が鳴る。
「もしかして、まだ晩メシ食って無かったか?」
「食ってねぇ。これからって時にあんたらに拉致られたんだ。ハラ減った…」
「取り敢えず、カップラあるけど。食うか?」
「食う」
俺がそういうと、岳はふっと笑ってキッチンに向かい、適当に食料品が放り込まれている棚を開けた。
先程は見逃した戸棚に、零れ落ちそうなくらい、カップラーメン初め、レトルト食品や缶詰などなどが詰め込まれている。
「すげーな。それで食いつないでたのか?」
「まあな。俺は大抵外で食っちまうからいいが、あいつはまだ若いし食欲もある。俺も料理する気しないしな。藤や牧に頼むとろくでもないもん食わせるし…。早々、こんな所へ家政婦もこないし、矢鱈な人間は入れられないしな…」
「誰か女手のつてはないのかよ? あんたなら、料理好きの彼女の一人や二人──」
すると岳は淡々とした口調で。
「俺はそっちダメだから。かと言って、料理好きな奴ここへ連れ込むのもな…。さすがに弟のいる前ではな。俺はこう見えて結構イチャイチャしたい方でね。だから、結果こうなったってわけ」
気が付けば、目の前にカップラの山が築かれていた。
けっこう、驚きの発言があったが。まあ、この時世、隠す様な時代でもない。それもありなんだろう。
「…それは。そうだな。で、俺の登場か…」
「なんだ。俺のカミングアウトは驚かないのか?」
「そりゃ、驚いたけど。自由だろ。そんなの。生きていくのになんか関係あんのかよ? てか、亜貴はいったい今まで何食ってきたんだ? まさか全部カップラとレトルトか?!」
俺の態度に拍子抜けしたのか、頭をかきつつ。
「…まあ、あとは外で食ってたからな? ファミレスも結構多かったな。あとはファストフード店…」
「だめだ、だめだ、だめだぁ! 若い奴がそんなもん、食ってばっかじゃだめだって! 若いからこそ、吸収もいいんだ。もっと身体にいいもん食っとかないと!」
「すごい剣幕だな。おい…」
カミングアウトどころではない。そんな告白などどうでもいい。
流石に岳も引いたが。そんなことはお構いなかった。
「おい。亜貴の昼飯はどうなってる?」
「多分、コンビニか高校の売店で──」
「ああ! わかった。俺が明日から弁当作る。大したレパートリーなんてないが、そんなんじゃいかん!」
「わ、分かったって…」
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