2 / 2
2.Last fight 〜 final war? 〜
Last fight 〜 final war? 〜
しおりを挟むそして、俺らは着々と仲間を増やし、剣士である俺と魔王、魔法使いであるミサ、そして街を出て仲間になった剣士のヒナタとソウタ、魔法使いのサクラ、モモカ、ユリの5人を加え、計8人の編成である。
俺達は、この世界の人々を助けたいという同じ願いだった。
そして、最後の戦いである『魔王討伐』がはじまるのであった。
「おい、西の魔王! お前の悪事を許さない。今まで行ってきた悪事、死を持って償え!」
魔王が西の魔王に言い放った。
「ほう、貴様という人間の分際で逆らおうというのか?」
西の魔王は人を侮辱すように言った。
「我は東の魔王だ。おぬし、人間を侮辱する発言聞き捨てならぬぞ」
魔王は怒りを込めて言った。
「何、貴様東の魔王か、昔人間に助けれたようだが、たかが一回だけだろう。人間は、醜い生物だ。争い、自分自身や身内さえ良ければ、他の生物を躊躇なく殺し、人間だけが暮らしやすい環境をつくっているではないか? それでも、貴様は人間の味方をするのか?」
西の魔王は言った。
「だが、それは一部だけだろう、我にしてくれた人間のように助けくれる人間もいる。それにだ、西の魔王よ、今お主がしていることは、今言った人間は醜いと思うことと同じではないか?その行動をしている時点で、自分の事を『私は醜い』と表しているようなものではないか?」
魔王は言った。
「……もうよい、貴様もこの世界も嫌いだ。消し吹き飛んでしまえ!」
西の魔王は怒りを込めて言った。
ーーーーそして、最後の戦いがはじまった。
俺達は、西の魔王と魔物約1000体を相手にした。
それは、とても残酷な戦いだった。
今まで考えたこともなかったが、魔物とはいいえ生きているのである。
(なんで、こんな戦いを俺らはしているのだろう)
そう俺は疑問を抱いた。
魔物を倒し終えたその時だった。
「西の魔王よ、なぜ仲間が死んでいくのにも関わらず、助けないんだよ。そしてなぜ、このような戦いをしているんだ?」
俺は言った、一言一言に思いを込めて。
「仲間などいくらでもいる、一体死んだとしても変わらないであろう、そしてこの戦いの意味は……」
俺は西の魔王が言った一言一言に重みを感じた。
だが、最後の言葉が聞こえなかった。
「なんのために戦いがあるの……?」
俺は小さく悲しい声で聞き返したが西の魔王は、こたえなかった。
そして、本当に最後の戦いを俺達は終えた。
ーーーそして、真実が明かされる。
戦いの後、魔王が俺の隣に座った。
「実はな、西の魔王は昔、街民と協和していたんだ。だが、その頃戦争が起きて魔王軍と人間が対立関係になったんだ。西の魔王は、諦めなかった、また人間とともに暮らすことを夢見ていた。だが、いつの日か西の魔王は人間と協和することを諦めたんだ」
魔王は悲しそうに語ってくれた。
そこで、俺は西の魔王の戦う理由が分かった気がした。
「昔のように協力しないと生きていけないと人間が理解すれば、またともに暮らせると思い、財宝を取り上げたりして協力しないと行けない環境を自分を犠牲にしてまで、つくりあげたんじゃないかな」
俺は魔王に言った。
「あいつ自身、そういう思いがあっての行動だったのかもな」
魔王は感心したような表情で言った。
(そういえば、最後の戦い、西の魔王は力を弱めていたように見えた。それって、俺達が魔王と共に戦っていたから……だったりして)
(ん、視界がぼやけるな……)
ーーーーそして、目覚めのとき
次に目を開いた時には、目覚し時計が鳴り響く自分の部屋だった。
「あれ、あれは夢……? それにしてははっきり覚えているな」
俺は不思議に思うのであった。
The end.
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
この幸せがあなたに届きますように 〜『空の子』様は年齢不詳〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
ファンタジー
天寿を全うしたチヒロが生まれ変わった先は、なんと異世界だった。
目が覚めたら知らない世界で、少女になっていたチヒロ。
前世の記憶はある。でも今世の記憶は全くない。
そんなチヒロは人々から『空の子』様と呼ばれる存在になっていた!
だけど『空の子』様とは《高い知識を持って空からやってくる男の子》のことらしい。
高い知識なんてない。男の子でもない。私はどうしたら?
何が何だかわからないまま、それでも今を受け入れ生きていこうとするチヒロ。
チヒロが現れたことで変わっていく王子レオン、近衛騎士のエリサ。そしてシンを
始めとするまわりの人々。そのうち彼女の秘密も明らかになって?
※年ごとに章の完結。
※ 多視点で話が進みます。設定はかなり緩め。話はゆっくり。恋愛成分はかなり薄いです。
3/1 あまりに恋愛要素が薄いためカテゴリーを変更させていただきました。
ただ最終的には恋愛話のつもり……です。優柔不断で申し訳ありません。
※ 2/28 R15指定を外しました。
※ この小説は小説家になろうさんでも公開しています。
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる