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温泉と故郷と泣き叫ぶ豆
ある兄弟 3
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十分後。
あたしは自分の見識が甘かったことを思い知ります。うひーと悲鳴をあげながら盾の後ろに隠れる役どころになるとは思ってなかったんですよ。
ほんと、もうちょっと役に立つつもりだったんです。
災厄は本当に災厄でした。
世界の脅威は伊達ではありません。対個人ではなく、領域戦闘向きだったんです……。最初は逃げるあたしたちを一人ずつ狙っていたのですが、途中で切り替えました。
今、災厄は小ダメージの黒い雨を降らせています。悪質なことに魔道具が食われます。気がつくのが遅くて、あたしのマントのフードが虫食い状態です。表面を削られる程度なら問題ないのですが、本体に穴が開くと機能が落ちます。
今は防水の魔法ではじいていますが、それもどこまでもつか。生活魔法が役に立つ日が来るとはと感慨深げに思うのは既に現実逃避です。
災厄に雨を降らせながら銃弾を模した魔法を撃ち込まれてます。ゲイルさんにこれだけは覚えておけ教え込まれた大楯の魔法が役に立っております……。ゲイルさんの一撃も耐えるこれはそれなりに厚いんですが、心もとなくなってきてもう一度作るかどうか迷ってます。
エリックは魔法を避けるという芸当をやってのけていますが、よく見ると魔法をそらす何かを併用しているようです。不自然に曲がっていくので。
その流れ弾が時々飛んでくるのですけど、まあ、仕方ないでしょう。
二度ほどこちらに戻ってきては補給していったので多少は気にしてくれていると思うのですけど。補給は魔素の飴玉です。常用しない魔素の欠乏症用のものですが、使うなという状況でもありません。
ラスボス強いですね。
まあ、あたしもうひーと言っているだけでなく、魔法を練り上げているのですけど。使う予定もなかった殺戮魔法。向こうの世界で作られて、こちらの様式に変換されていた例のブツです。
不思議と呪式が馴染むんですよね。怖いですね。昔使ったことあるんでしょうか。
「我は謡う」
そこから先の言葉は圧縮された意味を読み取れない言葉。音だけを忠実に拾って再現するだけ。
気配を察したのかエリックがちょっと振り返りましたね。それなのに軌道上から避けないんですけど!?
「ディレイ、避けて」
ぎりぎりに避けていきましたよ。あの人……。なんなんですか。あの身体能力。魔導師なんでしてるの?
「あんなのいつ覚えた」
「そ、それはいいじゃないですか」
近くまで戻ってきたエリックが険しい表情なんですけど。い、いやぁ、バレちまいましたね。
そ、それはともかく、災厄にそれは直撃したはずなんです。
煙がしゅうしゅうと出て来ているんですが……。
「うわぁ。ダメなんですね」
災厄はぴんぴんとしてます。なんか血ではなく、黒いひびのようなものが体に走っていますが。
「ダメージは入ってるが、ヒビ程度か。そこから核まで割るのは出来そうだが、時間が必要だ」
「前衛が足りてないんですよね」
いまさら言っても仕方ないんですけど。もう、ほんと、ユウリでも連れてくれば良かったですね。そうしたら、逃げられそうですけど。
災厄がこうも堂々と出てきたのて、あたしとエリックの二人だけだったからでもありそうです。どっちも、死体にしたら役に立つ。嬉しくない話ですが。
「もうおしまい?」
面白がるように言う災厄は余裕たっぷりです。ここまで差があるとは、というのは言いわけでしょうね。
「大楯の後ろにいてください。ちょっと時間稼ぎをしまっ」
言い終わる前に盾がついに砕けました。予備作っとけば良かったとはいまさらですね。謎の光の直撃はちょっとまずいと別の呪式を組む前に、視界が遮られました。
「ちょ、ちょっと」
痛いくらいに抱きしめられてますよっ! がっつりエリックに庇われました。
「別に大したことない」
ご本人は確かに大したことなかったようですが、大事な武装用のマントがに大穴があいてます。これはまずいです。
「ごめんなさい。油断してました」
「アーテルが無事ならそれでいい。ものはものでしかない」
……。
「ただ、このままでは無理だな。
ユウリを呼んできてほしい」
「え? いま、王都にいるんじゃ?」
「しばらく時間稼ぎをしておくから」
それってここに残るってことですよね? それも、普通じゃなさそうな手段で。
「ちょ、ちょっと、なに言ってるんです? 他にもやり方ありますよ」
一回、領域閉鎖を解くという選択もありますけど、そっちも町に被害がでますから取りたくない手段ではあります。背に腹は代えられません。が、一応、エリックにどうしようかと見上げれば、視線をそらされまして。
さくっと災厄のほうへ向かうではありませんかっ!
「災厄、欲しいのは俺だろう?」
「うん。
この体は、やっぱり駄目だ。魂を消滅させないと勝手をする」
「……そうか。
体を渡す代わりに彼女には手を出さないでほしい」
「だ、だめっ」
がしっと背中から抱きつきますよ。これはいけません。推しを幸せにするのです。あたしは!
「少し、眠っていて」
柔らかい声は眠りを誘いくらっとします。倒れこみそうなあたしをゆっくりと床に横たえてくれます。なんで、こんなときに丁寧に扱うんですか。ダメですって。
「……あー、もー、主人公何してんですか」
力なくぼやいちゃいますよね。異世界の一般人に何させてんですか。こういう時にかっこよく登場してみんなを救っちゃうもんですよ!
そう思っても力不足と準備が足りないのと見込みが甘かったのを人のせいにするわけにはいきません。
推しが消滅の危機です!
気合いで眠気を追い払うのですよ! 精神攻撃は気合いで撃退ってゲイルさんも言ってました! 無茶なと呆れたリリーさんのコメントもありますが、そっちは気にしません。リリーさんも大概力業です。
気合いで起き上がります。立ち上がれないので、他にもなんかしていきましたねっ!
推しを幸せにするのに推しが邪魔になる日がくるとは。
ちょっとした小細工をしたあとに、あたしは声を張り上げました。
「災厄、取引しましょう! あたしの残りの人生、一緒に過ごすんです!」
「なにいってんの?」
唖然としたような災厄とあたしを黙らせようとなにかし始めたエリックが見えました。言葉で説得じゃなくて物理って……と苦笑がこぼれます。予想してましたけどね。
まあ、二度目は嫌なので、がっつり反射させる魔法をかけておいたのですよ。半分しか返せないですけど、十分でしょう。ちょっと時間を稼ぐには。
「あなたは寂しいって言ってました。だから、一緒にいましょう。ずっと。ひとりでいるよりずっと楽しいですよ」
バカな提案だとは思うんですよね。でも、ちょっと動揺はするはずです。深層であったときもお誘いされましたし。今、思い返せば、本編でも寂しがりやであるように思えたことがいくつかあるんですよね。
子供が、悪いことをして気を引くようなものが。
案の定、ちょっと迷ったように災厄は黙って。
「あーちゃん。ごめん。付き合って」
神ならざる身で、神殺しをするのはやはり覚悟が足りてませんでした。
ぇええ、と呆れたような声が遠くで聞こえたように思えます。
「あたしと一緒に、異界に留まりましょ」
ここからさらに遠くへとつなぐ門を呼ぶ。異界の魔力を練るには少々時間がかかるのですが、力ずくで開けるのは得意です。あーちゃんが。
愛しの旦那様を置いていくのは少々、未練がありますが、仕方ありません。
失敗してしまったのはあたしなので。
「幸せになってくださいね」
最後に、記憶も奪っておきましょうかね。そっちのほうが楽しくやって行けそうですし。
エリックに視線を向けたときでした。
「ちょっとまったぁっ!」
「……はい?」
幻聴ですかね? 今、ユウリの声がしたんですけど!?
あたしは自分の見識が甘かったことを思い知ります。うひーと悲鳴をあげながら盾の後ろに隠れる役どころになるとは思ってなかったんですよ。
ほんと、もうちょっと役に立つつもりだったんです。
災厄は本当に災厄でした。
世界の脅威は伊達ではありません。対個人ではなく、領域戦闘向きだったんです……。最初は逃げるあたしたちを一人ずつ狙っていたのですが、途中で切り替えました。
今、災厄は小ダメージの黒い雨を降らせています。悪質なことに魔道具が食われます。気がつくのが遅くて、あたしのマントのフードが虫食い状態です。表面を削られる程度なら問題ないのですが、本体に穴が開くと機能が落ちます。
今は防水の魔法ではじいていますが、それもどこまでもつか。生活魔法が役に立つ日が来るとはと感慨深げに思うのは既に現実逃避です。
災厄に雨を降らせながら銃弾を模した魔法を撃ち込まれてます。ゲイルさんにこれだけは覚えておけ教え込まれた大楯の魔法が役に立っております……。ゲイルさんの一撃も耐えるこれはそれなりに厚いんですが、心もとなくなってきてもう一度作るかどうか迷ってます。
エリックは魔法を避けるという芸当をやってのけていますが、よく見ると魔法をそらす何かを併用しているようです。不自然に曲がっていくので。
その流れ弾が時々飛んでくるのですけど、まあ、仕方ないでしょう。
二度ほどこちらに戻ってきては補給していったので多少は気にしてくれていると思うのですけど。補給は魔素の飴玉です。常用しない魔素の欠乏症用のものですが、使うなという状況でもありません。
ラスボス強いですね。
まあ、あたしもうひーと言っているだけでなく、魔法を練り上げているのですけど。使う予定もなかった殺戮魔法。向こうの世界で作られて、こちらの様式に変換されていた例のブツです。
不思議と呪式が馴染むんですよね。怖いですね。昔使ったことあるんでしょうか。
「我は謡う」
そこから先の言葉は圧縮された意味を読み取れない言葉。音だけを忠実に拾って再現するだけ。
気配を察したのかエリックがちょっと振り返りましたね。それなのに軌道上から避けないんですけど!?
「ディレイ、避けて」
ぎりぎりに避けていきましたよ。あの人……。なんなんですか。あの身体能力。魔導師なんでしてるの?
「あんなのいつ覚えた」
「そ、それはいいじゃないですか」
近くまで戻ってきたエリックが険しい表情なんですけど。い、いやぁ、バレちまいましたね。
そ、それはともかく、災厄にそれは直撃したはずなんです。
煙がしゅうしゅうと出て来ているんですが……。
「うわぁ。ダメなんですね」
災厄はぴんぴんとしてます。なんか血ではなく、黒いひびのようなものが体に走っていますが。
「ダメージは入ってるが、ヒビ程度か。そこから核まで割るのは出来そうだが、時間が必要だ」
「前衛が足りてないんですよね」
いまさら言っても仕方ないんですけど。もう、ほんと、ユウリでも連れてくれば良かったですね。そうしたら、逃げられそうですけど。
災厄がこうも堂々と出てきたのて、あたしとエリックの二人だけだったからでもありそうです。どっちも、死体にしたら役に立つ。嬉しくない話ですが。
「もうおしまい?」
面白がるように言う災厄は余裕たっぷりです。ここまで差があるとは、というのは言いわけでしょうね。
「大楯の後ろにいてください。ちょっと時間稼ぎをしまっ」
言い終わる前に盾がついに砕けました。予備作っとけば良かったとはいまさらですね。謎の光の直撃はちょっとまずいと別の呪式を組む前に、視界が遮られました。
「ちょ、ちょっと」
痛いくらいに抱きしめられてますよっ! がっつりエリックに庇われました。
「別に大したことない」
ご本人は確かに大したことなかったようですが、大事な武装用のマントがに大穴があいてます。これはまずいです。
「ごめんなさい。油断してました」
「アーテルが無事ならそれでいい。ものはものでしかない」
……。
「ただ、このままでは無理だな。
ユウリを呼んできてほしい」
「え? いま、王都にいるんじゃ?」
「しばらく時間稼ぎをしておくから」
それってここに残るってことですよね? それも、普通じゃなさそうな手段で。
「ちょ、ちょっと、なに言ってるんです? 他にもやり方ありますよ」
一回、領域閉鎖を解くという選択もありますけど、そっちも町に被害がでますから取りたくない手段ではあります。背に腹は代えられません。が、一応、エリックにどうしようかと見上げれば、視線をそらされまして。
さくっと災厄のほうへ向かうではありませんかっ!
「災厄、欲しいのは俺だろう?」
「うん。
この体は、やっぱり駄目だ。魂を消滅させないと勝手をする」
「……そうか。
体を渡す代わりに彼女には手を出さないでほしい」
「だ、だめっ」
がしっと背中から抱きつきますよ。これはいけません。推しを幸せにするのです。あたしは!
「少し、眠っていて」
柔らかい声は眠りを誘いくらっとします。倒れこみそうなあたしをゆっくりと床に横たえてくれます。なんで、こんなときに丁寧に扱うんですか。ダメですって。
「……あー、もー、主人公何してんですか」
力なくぼやいちゃいますよね。異世界の一般人に何させてんですか。こういう時にかっこよく登場してみんなを救っちゃうもんですよ!
そう思っても力不足と準備が足りないのと見込みが甘かったのを人のせいにするわけにはいきません。
推しが消滅の危機です!
気合いで眠気を追い払うのですよ! 精神攻撃は気合いで撃退ってゲイルさんも言ってました! 無茶なと呆れたリリーさんのコメントもありますが、そっちは気にしません。リリーさんも大概力業です。
気合いで起き上がります。立ち上がれないので、他にもなんかしていきましたねっ!
推しを幸せにするのに推しが邪魔になる日がくるとは。
ちょっとした小細工をしたあとに、あたしは声を張り上げました。
「災厄、取引しましょう! あたしの残りの人生、一緒に過ごすんです!」
「なにいってんの?」
唖然としたような災厄とあたしを黙らせようとなにかし始めたエリックが見えました。言葉で説得じゃなくて物理って……と苦笑がこぼれます。予想してましたけどね。
まあ、二度目は嫌なので、がっつり反射させる魔法をかけておいたのですよ。半分しか返せないですけど、十分でしょう。ちょっと時間を稼ぐには。
「あなたは寂しいって言ってました。だから、一緒にいましょう。ずっと。ひとりでいるよりずっと楽しいですよ」
バカな提案だとは思うんですよね。でも、ちょっと動揺はするはずです。深層であったときもお誘いされましたし。今、思い返せば、本編でも寂しがりやであるように思えたことがいくつかあるんですよね。
子供が、悪いことをして気を引くようなものが。
案の定、ちょっと迷ったように災厄は黙って。
「あーちゃん。ごめん。付き合って」
神ならざる身で、神殺しをするのはやはり覚悟が足りてませんでした。
ぇええ、と呆れたような声が遠くで聞こえたように思えます。
「あたしと一緒に、異界に留まりましょ」
ここからさらに遠くへとつなぐ門を呼ぶ。異界の魔力を練るには少々時間がかかるのですが、力ずくで開けるのは得意です。あーちゃんが。
愛しの旦那様を置いていくのは少々、未練がありますが、仕方ありません。
失敗してしまったのはあたしなので。
「幸せになってくださいね」
最後に、記憶も奪っておきましょうかね。そっちのほうが楽しくやって行けそうですし。
エリックに視線を向けたときでした。
「ちょっとまったぁっ!」
「……はい?」
幻聴ですかね? 今、ユウリの声がしたんですけど!?
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