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聖女と魔王と魔女編
身代わり5
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ローガンは人ではない。
わざわざ言うものでもないので、言うこともないが時々バレる。そして、バレる相手というのはやはり人のカテゴリにいなかったりする。
「至急っていうわりに平和なんだが」
ローガンは闇の神殿の前でイーサンに呼び出されていた。至急と伝令から聞いてやってきたのだが、本人はのんびりとしている。
イーサンは闇の神の神官という肩書で想像する人物像とはかけ離れた福福しい姿をしているグルメである。中身はやっぱりおかしいのだが。
「至急になったのは、痕跡を追えるうちにということがあってなんです」
「痕跡ってなんの?」
「なんか変な気配、だそうです。私も闇のお方からの又聞きなので。本来の依頼者は光のお方です」
「直で連絡すればいいのでは?」
「我が主がわがままちゃんで、私が使われるのは嫌なんだそうですよ」
あれは手に負えない悪ガキとでも言いたげなイーサン。曲がりなりにも創世の神であり、世に悪名名高き闇の神について言うような言葉でもない。
あれが悪ガキなら、うちのは……とローガンは考えかけてやめた。不毛すぎた。
イーサンは手早く説明しはじめる。
「形跡は、ある、姿はない。
気配も残っているが、追いかけるのが難しい、ってところであってる?」
要約するとそんな感じだった。
変な気配がするが、微弱で自分の目で見ると消えてしまいそうだから探してほしいらしい。
難易度は床に落ちた耳飾りほどと言っていた。
あると知っていれば探せるが、知らなければわからないかもしれない。
「そんなところですね。
さて、私は一時神殿に戻ります。ヴァージニア様から後方支援要請がありましたので」
「なにしてんの? うちのお姫様は」
「殴るって言ってましたね」
だから、なにを、といいかけてやめた。ローガンの危機意識がやめておけと言っている。イーサンもわかりにくく表現しているような話だ。
後で本人に聞けばいい。
「では、ご武運をお祈り申し上げます」
「そんな危ないことさせるわけ?」
「いつもなら神のご加護というところですが、必要ないでしょうし、何も言わないのもね」
つまりはイーサンなりの気遣いであるらしい。
ローガンは脱力して、イーサンを片手で追っ払った。
機嫌良さそうに去っていくところを見ると実は彼なりの冗談であったのかもしれない。ローガンは気を取り直して、言われた気配とやらをさがしに行く。
最初は、王城からだったようだ。
見上げればいつもと変わらぬ夜のようで、どこか殺伐とした雰囲気が漂っているようにローガンには思えた。
フィンレーはちゃんとやっているだろうかと不安になるが、いつまでも庇護下に置くわけにもいかないので何とか頑張ってもらうしかない。
ここからと言われていた場所に立てば、微かな熱のようなものが続いていくのが見えた。細いリボンのようにゆらゆら揺れる。
確かに強い目では追えないかもしれない。糸よりは太いがすぐに切れて散り散りになりそうな儚さがある。
ゆらゆら頼りなく続くものを追いかけて、最終的にたどり着いたのは意外な場所だった。
「……うち?」
ローガンの店だった。
最初から襲われる前提で金目のものや危ないものは片付けてあり、人も最低限のみ配置していた。今は無人で無施錠という入り放題ではあるが、役に立ちそうなものはない。立ち去った後らしく人の気配はない。
警戒しながらも自分の店に入るが、ほどほどに荒れている。もし、届け出ても強盗にでも押し入られた、とでもされそうな具合だ。
部屋を見回っても壊れたものはあれどなくなったものはさほどなさそうだった。想定内の損害で収まりそうだと安堵したが、ゆれる気配の件は片付いていない。
そちらに意識を戻せば店の外に続いていた。その方向には手狭になってので建てた別の棟がある。
なにかをさがすようにあちらこちらをふらふらし消えた。
「……ここ?」
ただの倉庫である。何の変化もなさそうだが、少し違和感があった。鍵をかけていたはずが、外れている。中に入れば一角だけ、荷物が崩れ落ちていた。
そこからなにか、出てきたように。
「これ、なんだったかな」
崩れ落ちた荷物の箱に入っているのは、この国ではあまり見ないものばかりだ。
ローガンはこの荷物に覚えがない。しかし、保管している以上、関係はあるはずだ。
「あ、ヴァージニアの荷物か」
そんなまずいものは入っていないはずだ。刃物の類や砥石などはお姫様が持っているには物騒だが、一般的に流通するものだろう。
崩れ落ちたその中心にあったのは、大きめの箱だ。
柔らかい敷布がしかれて、なにかのくぼみだけが残っている。
「………あ」
一つ、洒落にならないものがあった。
似ていて気持ち悪いとまで言われた等身大人形(分解済み)だ。しばらく使わないからと預かっていた。
分解された姿はバラバラ死体のようだと本人からも忌避されるようなブツである。見られたら誰か通報するかもと奥底に仕舞い込んでいた。
それが、内側から出ていったように見えた。
「なんか、憑いたっぽいな」
残り香のように残っていたのは、晴れた夏の日のあの埃っぽさだった。
念のためとローガンは店の中をもう一度、確認して回ったがやはりなにもなかった。裏口が開いていたが、ここから出ていったとも限らない。
気配も消えているが、探せないとは思えなかった。
中身はともかく、エルナの王族は皆一様に似た顔の美形だ。以前アイザックが出入りしていた時も風よりも早く噂が駆け巡った。それほどに目立つのだ。
そう思っていたのだが。現在時刻は深夜。明かり無く歩いていては誰も気がつかないかもしれない。あの人形に人のように明かりはいらない可能性は高い。
そんなのがうろついていたらむしろ何か怪談の類として残りそうである。
変に美しすぎるからより恐怖も増す。
「……回収しなければ」
戻ってきたヴァージニアがそれを知ったら無表情で迫ってきそうな気がする。
ねぇ、おにいさま、ちゃんと管理してっていったわよねぇ? と感情も焼失した声で問い詰められる。こんな時だけお兄様と呼ぶのがたちが悪い。
ローガンは部下を叩き起こすことを決めた。今日は危ないから早く帰って大人しくしているように伝えていたがそれどころではない。
一瞬フィンレーにも伝えるべきかとローガンは思ったが、後回しにした。即本人に伝えてしまいかねない。
それから数時間、ローガンたちは困惑していた。
襲撃の影響で人形が勝手に動き出したとだけ伝え、即回収しなければならないと部下たちに探させているのだが見つかりやすいものが見つからない。歩ける行動範囲をさがしてもなにもないのだ。
夜中と言えど酔っ払いや仕方なしに出かけているものもいる。それらに聞いても誰も知らない。
「あの目立つものが、見つからないってどういうことかしら」
一時ヴァージニア付きになっていたソフィアがそう言うのもわかる。本人の中身を知っているとそう思えないが、一種の神聖ささえもっている。遠くとも神の血を引くのは伊達ではない。
つまりは、素のままで人に見られて印象に残らないということがほとんどない。人形であっても姿かたちはちゃんと模してあるのだ。
ローガンであってもすぐに見つかると思ったのだ、面白い怪談付きになってとかで。
「誰かに拾われたのかも?」
「拾うか?」
「ほら、お美しいので、そういうお店で拾われるとか。人形とは一目でわからないし、自動で動くなんて想像もしないでしょ?」
「本当にそうだとしたら、殺される」
ローガンは身震いをした。言いだしたソフィアも早く回収しましょうと焦っている。
「目的がわかればいいんですけど。勝手に動いてるのなら、自我があるかもわかんないですよね」
「自我はあると思うんだ。そうか、目的」
「え。まさかそこ考えてなかったとか」
「後回しでとりあえず回収優先と思ったんだよ。見つからないとは想定してない」
「……そうでした。咄嗟に出てくる脳筋思考がダメな人たちでした」
「言い返せない……」
「心当たりはあるんですか」
「逃亡、延命、あるいは」
ローガンは言いかけて、気がついた。なぜ、あの人形に憑いたのか、ということを。
今、ヴァージニアは遠く北方の地で何かしているはずだ。通常の手段では戻ってくることはできない。
「もしかして、ヴァージニアになりすますつもりなんじゃないか?」
ローガンは慌ててフィンレーへ伝えることにした。
もしそうなら、自分こそが女王であると偽ることが絶好の機会だ。北方の地にいる本物を葬り去れば、永遠に成り代われる。
わざわざ言うものでもないので、言うこともないが時々バレる。そして、バレる相手というのはやはり人のカテゴリにいなかったりする。
「至急っていうわりに平和なんだが」
ローガンは闇の神殿の前でイーサンに呼び出されていた。至急と伝令から聞いてやってきたのだが、本人はのんびりとしている。
イーサンは闇の神の神官という肩書で想像する人物像とはかけ離れた福福しい姿をしているグルメである。中身はやっぱりおかしいのだが。
「至急になったのは、痕跡を追えるうちにということがあってなんです」
「痕跡ってなんの?」
「なんか変な気配、だそうです。私も闇のお方からの又聞きなので。本来の依頼者は光のお方です」
「直で連絡すればいいのでは?」
「我が主がわがままちゃんで、私が使われるのは嫌なんだそうですよ」
あれは手に負えない悪ガキとでも言いたげなイーサン。曲がりなりにも創世の神であり、世に悪名名高き闇の神について言うような言葉でもない。
あれが悪ガキなら、うちのは……とローガンは考えかけてやめた。不毛すぎた。
イーサンは手早く説明しはじめる。
「形跡は、ある、姿はない。
気配も残っているが、追いかけるのが難しい、ってところであってる?」
要約するとそんな感じだった。
変な気配がするが、微弱で自分の目で見ると消えてしまいそうだから探してほしいらしい。
難易度は床に落ちた耳飾りほどと言っていた。
あると知っていれば探せるが、知らなければわからないかもしれない。
「そんなところですね。
さて、私は一時神殿に戻ります。ヴァージニア様から後方支援要請がありましたので」
「なにしてんの? うちのお姫様は」
「殴るって言ってましたね」
だから、なにを、といいかけてやめた。ローガンの危機意識がやめておけと言っている。イーサンもわかりにくく表現しているような話だ。
後で本人に聞けばいい。
「では、ご武運をお祈り申し上げます」
「そんな危ないことさせるわけ?」
「いつもなら神のご加護というところですが、必要ないでしょうし、何も言わないのもね」
つまりはイーサンなりの気遣いであるらしい。
ローガンは脱力して、イーサンを片手で追っ払った。
機嫌良さそうに去っていくところを見ると実は彼なりの冗談であったのかもしれない。ローガンは気を取り直して、言われた気配とやらをさがしに行く。
最初は、王城からだったようだ。
見上げればいつもと変わらぬ夜のようで、どこか殺伐とした雰囲気が漂っているようにローガンには思えた。
フィンレーはちゃんとやっているだろうかと不安になるが、いつまでも庇護下に置くわけにもいかないので何とか頑張ってもらうしかない。
ここからと言われていた場所に立てば、微かな熱のようなものが続いていくのが見えた。細いリボンのようにゆらゆら揺れる。
確かに強い目では追えないかもしれない。糸よりは太いがすぐに切れて散り散りになりそうな儚さがある。
ゆらゆら頼りなく続くものを追いかけて、最終的にたどり着いたのは意外な場所だった。
「……うち?」
ローガンの店だった。
最初から襲われる前提で金目のものや危ないものは片付けてあり、人も最低限のみ配置していた。今は無人で無施錠という入り放題ではあるが、役に立ちそうなものはない。立ち去った後らしく人の気配はない。
警戒しながらも自分の店に入るが、ほどほどに荒れている。もし、届け出ても強盗にでも押し入られた、とでもされそうな具合だ。
部屋を見回っても壊れたものはあれどなくなったものはさほどなさそうだった。想定内の損害で収まりそうだと安堵したが、ゆれる気配の件は片付いていない。
そちらに意識を戻せば店の外に続いていた。その方向には手狭になってので建てた別の棟がある。
なにかをさがすようにあちらこちらをふらふらし消えた。
「……ここ?」
ただの倉庫である。何の変化もなさそうだが、少し違和感があった。鍵をかけていたはずが、外れている。中に入れば一角だけ、荷物が崩れ落ちていた。
そこからなにか、出てきたように。
「これ、なんだったかな」
崩れ落ちた荷物の箱に入っているのは、この国ではあまり見ないものばかりだ。
ローガンはこの荷物に覚えがない。しかし、保管している以上、関係はあるはずだ。
「あ、ヴァージニアの荷物か」
そんなまずいものは入っていないはずだ。刃物の類や砥石などはお姫様が持っているには物騒だが、一般的に流通するものだろう。
崩れ落ちたその中心にあったのは、大きめの箱だ。
柔らかい敷布がしかれて、なにかのくぼみだけが残っている。
「………あ」
一つ、洒落にならないものがあった。
似ていて気持ち悪いとまで言われた等身大人形(分解済み)だ。しばらく使わないからと預かっていた。
分解された姿はバラバラ死体のようだと本人からも忌避されるようなブツである。見られたら誰か通報するかもと奥底に仕舞い込んでいた。
それが、内側から出ていったように見えた。
「なんか、憑いたっぽいな」
残り香のように残っていたのは、晴れた夏の日のあの埃っぽさだった。
念のためとローガンは店の中をもう一度、確認して回ったがやはりなにもなかった。裏口が開いていたが、ここから出ていったとも限らない。
気配も消えているが、探せないとは思えなかった。
中身はともかく、エルナの王族は皆一様に似た顔の美形だ。以前アイザックが出入りしていた時も風よりも早く噂が駆け巡った。それほどに目立つのだ。
そう思っていたのだが。現在時刻は深夜。明かり無く歩いていては誰も気がつかないかもしれない。あの人形に人のように明かりはいらない可能性は高い。
そんなのがうろついていたらむしろ何か怪談の類として残りそうである。
変に美しすぎるからより恐怖も増す。
「……回収しなければ」
戻ってきたヴァージニアがそれを知ったら無表情で迫ってきそうな気がする。
ねぇ、おにいさま、ちゃんと管理してっていったわよねぇ? と感情も焼失した声で問い詰められる。こんな時だけお兄様と呼ぶのがたちが悪い。
ローガンは部下を叩き起こすことを決めた。今日は危ないから早く帰って大人しくしているように伝えていたがそれどころではない。
一瞬フィンレーにも伝えるべきかとローガンは思ったが、後回しにした。即本人に伝えてしまいかねない。
それから数時間、ローガンたちは困惑していた。
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夜中と言えど酔っ払いや仕方なしに出かけているものもいる。それらに聞いても誰も知らない。
「あの目立つものが、見つからないってどういうことかしら」
一時ヴァージニア付きになっていたソフィアがそう言うのもわかる。本人の中身を知っているとそう思えないが、一種の神聖ささえもっている。遠くとも神の血を引くのは伊達ではない。
つまりは、素のままで人に見られて印象に残らないということがほとんどない。人形であっても姿かたちはちゃんと模してあるのだ。
ローガンであってもすぐに見つかると思ったのだ、面白い怪談付きになってとかで。
「誰かに拾われたのかも?」
「拾うか?」
「ほら、お美しいので、そういうお店で拾われるとか。人形とは一目でわからないし、自動で動くなんて想像もしないでしょ?」
「本当にそうだとしたら、殺される」
ローガンは身震いをした。言いだしたソフィアも早く回収しましょうと焦っている。
「目的がわかればいいんですけど。勝手に動いてるのなら、自我があるかもわかんないですよね」
「自我はあると思うんだ。そうか、目的」
「え。まさかそこ考えてなかったとか」
「後回しでとりあえず回収優先と思ったんだよ。見つからないとは想定してない」
「……そうでした。咄嗟に出てくる脳筋思考がダメな人たちでした」
「言い返せない……」
「心当たりはあるんですか」
「逃亡、延命、あるいは」
ローガンは言いかけて、気がついた。なぜ、あの人形に憑いたのか、ということを。
今、ヴァージニアは遠く北方の地で何かしているはずだ。通常の手段では戻ってくることはできない。
「もしかして、ヴァージニアになりすますつもりなんじゃないか?」
ローガンは慌ててフィンレーへ伝えることにした。
もしそうなら、自分こそが女王であると偽ることが絶好の機会だ。北方の地にいる本物を葬り去れば、永遠に成り代われる。
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