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聖女と魔王と魔女編

夜明けを待つ

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 呼んでいる声が、聞こえた。

 おいで。

 その声は待っていた声とは違ったが、甘く誘うようだった。
 私は外を見る。
 まだ暗いがじきに夜明けだろう。

「ごめんなさい」

 外に出ようという衝動に、身を任せてしまうことを。
 ここまで連れてきてもらって、それを裏切るような真似をすることを。

「あなたはどうか」

 そう続けて、やめた。
 私などが言う話ではない。

 手にしていたものをすべて失わせた。

 後悔しても遅すぎる。


 私は私の話の終わりを見に行く。
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