39 / 135
おうちにかえりたい編
姫君の支度
しおりを挟む
「おかえりなさい」
何食わぬ顔で戻れば、オスカーが既に部屋にいた。ソファで寛いでいる。きちんと入れたお茶のよい匂いがした。
外を守っていた者をどう言いくるめたのだろうか。確かに担当ではないと確認したはずだ。
「代わってもらいましたよ。姫はちょっと雑なんです。ジンジャーがいつもしないことをしたんです。確認しないわけにはいかないでしょう?」
「いつからいたの」
「現地で問題がないと確認してからは戻りましたよ。妃殿下のお茶もらうくらいはいいですよね」
気配を殺すのがまたうまくなっているな。それなりに重量はあるはずだから音がしないはずはないんだけど。いつもよりさらに動きにくそうな近衛の服でよくやったものだ。
本職の本気はさすがに気がつかない。
ユリアを見れば横に首を振っていた。知らなかったらしい。そして、気がつきもしなかったようだ。
「今度は俺も混ぜてくださいね」
言い訳すべきかちょっと迷っている間にしれっとオスカーが言ってきたので、キッチンの残り物のサンドイッチを押しつけた。証拠隠滅だ。
「貴重な姫様手作りですよ。味わって食べてくださいね。あと一つください」
ユリアもちゃっかり食べようとしている。
「ほんと色々できますね」
「どれも兄弟には及ばないわ。異能さえ大した物ではないし」
「……一撃必殺ほかは壊滅みたいな人たちと比べても姫様の方がおかしいですからね」
「失礼な」
確かに得意分野以外は全く、見向きもしない傾向が皆にあった気がするが。
私の場合は姉のプライドを守るためにある嗜んだ程度だ。すぐに皆に追い越される。
「多領域に有能(オールランダー)の自覚はないんですよね……」
「無自覚で自覚しているから一人で平気なんじゃないか」
ほんとにこそこそと聞こえるように言うのやめて欲しい。本気で聞かせたくなければ、いくらでもやりようがあるので聞かれてもいいや程度の認識なんだろう。
「さて、寝てくるわ。今は起きてては不審でしょうし。それ、とっとと片付けなさいね」
一人で寝室に戻ることにする。眠くはないが、着替えやらなにやらしている間にいつもの時間になるだろう。
「あ、姫様」
「なぁに?」
「色々探られ始めたので、誰を引き入れるかご検討ください」
保った方かしらね。
オスカーの意見は、誰かを引き入れたいということになる。
ユリアはきょとんとした顔で、サンドイッチを頬張っていた。……本当に策謀向きじゃない。
「な、なんなのっ! その生暖かい目って」
和むなぁと思って。
完全にオフだ。お仕事だともうちょっとこう、物騒な感じだから。
「ユリアは可愛いなぁと思って」
オスカーが呆れたように言っている。同感だ。
しかし、ユリアが何か言いかけてもう一度サンドイッチを口にしているところも。ちょこっと赤い耳も。
気がつかないんだろうな。オスカーは。
「姫様のがうつったんですよ」
「別に何も言ってないけど。
それはともかく、考えておくわ。こいつは嫌ってのがいたら教えてちょうだい」
「ジャックは避けたい」
「はい、私もジャック」
……おいおい。すごい人気ないぞ。逆に興味深い。
「なんと言うんですかね。不安定過ぎて、ちょっと、おすすめしません」
オスカーは言葉にしづらそうにしている。
「野生の勘」
とユリアは言うが野生生物じゃないでしょう。貴方は。
勘がよいとは聞いたことがないんだけど。単純に好みの問題だろうか。
「わかったわ」
私も王と近いのではないかと思うから手を出すなら最後だと思うし、籠絡するならジンジャーとしてだろう。
「……悪寒がしました」
そんな勘はいいのね。うっすら笑って、背を向けた。
「姫様、今、なに考えたんですかっ! 私、人身御供にしようとかしてませんか」
さあ、どうかしらね。
何事もなく昼も過ぎ、昨日、ローガンからもらった服や他のものを置いたままだったことを思い出した。正確には開けて一枚目と二枚目が、灰色と茶色だったのでちょっとやる気をなくしたんだ。ちなみにその下は黒だった。もうめくる気も起きなかった。
別に華やかさは求めていないがもっと可愛いが欲しい。似合うかどうかは別として。
それはさておき、用事があるので衣装を選ばなければいけない。通知は来ないけど。
「式典があるらしいから、衣装を選んで欲しいのだけど」
と言ったら侍女が招集された。
メリッサ、エルダー、マリーゴールド、ソレルの四人だ。似たような雰囲気で揃ったようで、各自個性的である。
それが何日か付き合ってようやくわかってきた。
メリッサは無表情ではあるが感情の揺れ幅がないと言うわけではないようだ。過去の自分を見ているようで、ちょっとだけ親近感がある。
エルダーは薄い微笑みで首をかしげる癖がある。淡々と仕事をしているようで、ちょっとサボっているときがあるとユリアが言っていた。
マリーゴールドが一番年下らしく、ユリアにこんな事も出来ないのとツンデレしていた。しかたないから教えてあげると世話を焼いているところを見ると妹たちを思い出す。
ソレルは一番そつなく、そっと気を遣ってくれる。殺風景だった部屋に花が飾られ、地味な食器が落ち着いた色合いに変わっていたりする。
そんな四人の中に居るジンジャーはちょっと毛色が違うように見えた。
ひとりぽつねんと寝台に座らせられ、衣装入れから服を出す仕事をしているのだが。
「おかしい。私が見たのは一箱だった」
ジンジャーは首をひねっている。私の記憶でも一箱だった。10枚は入っていないと踏んでいたのだが、いつの間に積まれているのか。
総数二十枚。
三分の一が色違い。どっちが似合うかわからないから両方入れたよ、という声が聞こえそうでげんなりする。
「初孫に喜ぶ、おじいちゃんか」
ソレルがぼそりと呟いた。まさに、それだ。
装飾品の方も見たくない。
「今回使えそうなものを選びましょう」
メリッサが仕切るのは家格が一番高いことと長く城に仕えているからだそうだ。暗黙の了解であるらしい。
ユリアが直球で聞いて彼女たちが困惑していたものだ。
ああでもないこうでもないと服を広げて言う彼女たちは楽しそうだった。
いつになったら決まるのかわからないという事実がなければ付き合ってもいいけど。これが嫌で、試着しなくなったんだなと思いだした。
あの中には入れないなぁと。
いつから思ったんだろう。
「姫様?」
「なぁに?」
「どうぞ」
ソレルはやっぱり気が利くらしい。サイドテーブルを近くに寄せてお茶と菓子を用意してくれた。本を数冊置いてくれる。
「お待たせして申しわけございません。寛いでお待ちください」
ソレルはすっと頭を下げて戻る。
「ありがとう」
少し彼女は笑ったような気がした。
選ばれたのはぱっと見は平凡と言える服だった。薄い赤の布で作った花が裾の縫い付けられている。徐々に淡い花が散らばって、最後は白になっていた。
その白い花は玉虫色。
装飾はキラキラとしたガラス玉を多用したものだった。微かな光でも煌めくように首もとと髪を飾る。両手首に付けると用意されたのは小さな鈴が連なったものだった。途中で一人抜けてどこかにいったかと思えば、祭事担当から借りてきたと言っていた。
聖女より聖女らしい格好を決めてきました、と言葉ではなく主張されていている。
暗黙の了解で伴侶の色を入れたりするのですけどねとマリーゴールドは言っていた。無視している。
ある種、女子力の結集だ。全力で、殴りに行くスタイル。
小さく笑いがこみ上げてきた。
「素敵ね」
最良の日に、悪意の雫を垂らすにはとてもうってつけ。
それにしても私の周りにはこんな人ばかり集まってくるのはどうしてかしら?
その答えが思いがけず手に入るのは、もう少し先のことだった。
何食わぬ顔で戻れば、オスカーが既に部屋にいた。ソファで寛いでいる。きちんと入れたお茶のよい匂いがした。
外を守っていた者をどう言いくるめたのだろうか。確かに担当ではないと確認したはずだ。
「代わってもらいましたよ。姫はちょっと雑なんです。ジンジャーがいつもしないことをしたんです。確認しないわけにはいかないでしょう?」
「いつからいたの」
「現地で問題がないと確認してからは戻りましたよ。妃殿下のお茶もらうくらいはいいですよね」
気配を殺すのがまたうまくなっているな。それなりに重量はあるはずだから音がしないはずはないんだけど。いつもよりさらに動きにくそうな近衛の服でよくやったものだ。
本職の本気はさすがに気がつかない。
ユリアを見れば横に首を振っていた。知らなかったらしい。そして、気がつきもしなかったようだ。
「今度は俺も混ぜてくださいね」
言い訳すべきかちょっと迷っている間にしれっとオスカーが言ってきたので、キッチンの残り物のサンドイッチを押しつけた。証拠隠滅だ。
「貴重な姫様手作りですよ。味わって食べてくださいね。あと一つください」
ユリアもちゃっかり食べようとしている。
「ほんと色々できますね」
「どれも兄弟には及ばないわ。異能さえ大した物ではないし」
「……一撃必殺ほかは壊滅みたいな人たちと比べても姫様の方がおかしいですからね」
「失礼な」
確かに得意分野以外は全く、見向きもしない傾向が皆にあった気がするが。
私の場合は姉のプライドを守るためにある嗜んだ程度だ。すぐに皆に追い越される。
「多領域に有能(オールランダー)の自覚はないんですよね……」
「無自覚で自覚しているから一人で平気なんじゃないか」
ほんとにこそこそと聞こえるように言うのやめて欲しい。本気で聞かせたくなければ、いくらでもやりようがあるので聞かれてもいいや程度の認識なんだろう。
「さて、寝てくるわ。今は起きてては不審でしょうし。それ、とっとと片付けなさいね」
一人で寝室に戻ることにする。眠くはないが、着替えやらなにやらしている間にいつもの時間になるだろう。
「あ、姫様」
「なぁに?」
「色々探られ始めたので、誰を引き入れるかご検討ください」
保った方かしらね。
オスカーの意見は、誰かを引き入れたいということになる。
ユリアはきょとんとした顔で、サンドイッチを頬張っていた。……本当に策謀向きじゃない。
「な、なんなのっ! その生暖かい目って」
和むなぁと思って。
完全にオフだ。お仕事だともうちょっとこう、物騒な感じだから。
「ユリアは可愛いなぁと思って」
オスカーが呆れたように言っている。同感だ。
しかし、ユリアが何か言いかけてもう一度サンドイッチを口にしているところも。ちょこっと赤い耳も。
気がつかないんだろうな。オスカーは。
「姫様のがうつったんですよ」
「別に何も言ってないけど。
それはともかく、考えておくわ。こいつは嫌ってのがいたら教えてちょうだい」
「ジャックは避けたい」
「はい、私もジャック」
……おいおい。すごい人気ないぞ。逆に興味深い。
「なんと言うんですかね。不安定過ぎて、ちょっと、おすすめしません」
オスカーは言葉にしづらそうにしている。
「野生の勘」
とユリアは言うが野生生物じゃないでしょう。貴方は。
勘がよいとは聞いたことがないんだけど。単純に好みの問題だろうか。
「わかったわ」
私も王と近いのではないかと思うから手を出すなら最後だと思うし、籠絡するならジンジャーとしてだろう。
「……悪寒がしました」
そんな勘はいいのね。うっすら笑って、背を向けた。
「姫様、今、なに考えたんですかっ! 私、人身御供にしようとかしてませんか」
さあ、どうかしらね。
何事もなく昼も過ぎ、昨日、ローガンからもらった服や他のものを置いたままだったことを思い出した。正確には開けて一枚目と二枚目が、灰色と茶色だったのでちょっとやる気をなくしたんだ。ちなみにその下は黒だった。もうめくる気も起きなかった。
別に華やかさは求めていないがもっと可愛いが欲しい。似合うかどうかは別として。
それはさておき、用事があるので衣装を選ばなければいけない。通知は来ないけど。
「式典があるらしいから、衣装を選んで欲しいのだけど」
と言ったら侍女が招集された。
メリッサ、エルダー、マリーゴールド、ソレルの四人だ。似たような雰囲気で揃ったようで、各自個性的である。
それが何日か付き合ってようやくわかってきた。
メリッサは無表情ではあるが感情の揺れ幅がないと言うわけではないようだ。過去の自分を見ているようで、ちょっとだけ親近感がある。
エルダーは薄い微笑みで首をかしげる癖がある。淡々と仕事をしているようで、ちょっとサボっているときがあるとユリアが言っていた。
マリーゴールドが一番年下らしく、ユリアにこんな事も出来ないのとツンデレしていた。しかたないから教えてあげると世話を焼いているところを見ると妹たちを思い出す。
ソレルは一番そつなく、そっと気を遣ってくれる。殺風景だった部屋に花が飾られ、地味な食器が落ち着いた色合いに変わっていたりする。
そんな四人の中に居るジンジャーはちょっと毛色が違うように見えた。
ひとりぽつねんと寝台に座らせられ、衣装入れから服を出す仕事をしているのだが。
「おかしい。私が見たのは一箱だった」
ジンジャーは首をひねっている。私の記憶でも一箱だった。10枚は入っていないと踏んでいたのだが、いつの間に積まれているのか。
総数二十枚。
三分の一が色違い。どっちが似合うかわからないから両方入れたよ、という声が聞こえそうでげんなりする。
「初孫に喜ぶ、おじいちゃんか」
ソレルがぼそりと呟いた。まさに、それだ。
装飾品の方も見たくない。
「今回使えそうなものを選びましょう」
メリッサが仕切るのは家格が一番高いことと長く城に仕えているからだそうだ。暗黙の了解であるらしい。
ユリアが直球で聞いて彼女たちが困惑していたものだ。
ああでもないこうでもないと服を広げて言う彼女たちは楽しそうだった。
いつになったら決まるのかわからないという事実がなければ付き合ってもいいけど。これが嫌で、試着しなくなったんだなと思いだした。
あの中には入れないなぁと。
いつから思ったんだろう。
「姫様?」
「なぁに?」
「どうぞ」
ソレルはやっぱり気が利くらしい。サイドテーブルを近くに寄せてお茶と菓子を用意してくれた。本を数冊置いてくれる。
「お待たせして申しわけございません。寛いでお待ちください」
ソレルはすっと頭を下げて戻る。
「ありがとう」
少し彼女は笑ったような気がした。
選ばれたのはぱっと見は平凡と言える服だった。薄い赤の布で作った花が裾の縫い付けられている。徐々に淡い花が散らばって、最後は白になっていた。
その白い花は玉虫色。
装飾はキラキラとしたガラス玉を多用したものだった。微かな光でも煌めくように首もとと髪を飾る。両手首に付けると用意されたのは小さな鈴が連なったものだった。途中で一人抜けてどこかにいったかと思えば、祭事担当から借りてきたと言っていた。
聖女より聖女らしい格好を決めてきました、と言葉ではなく主張されていている。
暗黙の了解で伴侶の色を入れたりするのですけどねとマリーゴールドは言っていた。無視している。
ある種、女子力の結集だ。全力で、殴りに行くスタイル。
小さく笑いがこみ上げてきた。
「素敵ね」
最良の日に、悪意の雫を垂らすにはとてもうってつけ。
それにしても私の周りにはこんな人ばかり集まってくるのはどうしてかしら?
その答えが思いがけず手に入るのは、もう少し先のことだった。
2
お気に入りに追加
712
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】陛下、花園のために私と離縁なさるのですね?
紺
ファンタジー
ルスダン王国の王、ギルバートは今日も執務を妻である王妃に押し付け後宮へと足繁く通う。ご自慢の後宮には3人の側室がいてギルバートは美しくて愛らしい彼女たちにのめり込んでいった。
世継ぎとなる子供たちも生まれ、あとは彼女たちと後宮でのんびり過ごそう。だがある日うるさい妻は後宮を取り壊すと言い出した。ならばいっそ、お前がいなくなれば……。
ざまぁ必須、微ファンタジーです。
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
【完結】悪役令嬢エヴァンジェリンは静かに死にたい
小達出みかん
恋愛
私は、悪役令嬢。ヒロインの代わりに死ぬ役どころ。
エヴァンジェリンはそうわきまえて、冷たい婚約者のどんな扱いにも耐え、死ぬ日のためにもくもくとやるべき事をこなしていた。
しかし、ヒロインを虐めたと濡れ衣を着せられ、「やっていません」と初めて婚約者に歯向かったその日から、物語の歯車が狂いだす。
――ヒロインの身代わりに死ぬ予定の悪役令嬢だったのに、愛されキャラにジョブチェンしちゃったみたい(無自覚)でなかなか死ねない! 幸薄令嬢のお話です。
安心してください、ハピエンです――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる