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おうちにかえりたい編
閑話 彼女の知らないこと
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「あーん」
と我が夫は人を餌付けする。
一応、一国の王である。外に出るとちゃんとしている、と思いたい。
「最近、一妃と遊んでなかったから」
試食会と称して私を膝に乗せて私を甘やかす準備は万端だ。
テーブルの上にはお菓子や料理が並んでいる。
四妃のお茶も色々そろえていた。
城内の最奥にある家族用の居間は、今は二人だけ。ちょっと前までいた子供たちも今は勉強の時間と連行されていった。
私はと言えば、いやーっ! 父様とあそぶーっ! と叫ぶ声が遠ざかるのを見送った。
わるいのだけど、私も夫といちゃいちゃしたいのだ。
「仕方ないでしょう? 年度末って制度をやめてくれれば死ぬような思いしなくてよいのではないでしょうか?」
「締切がないとみんな、がんばれない」
真理すぎてぐうの音もでない。
あの頃は大変だったねとしみじみ話し込みたいわけでもないので、その話題はさっさと捨て去る。
楽しいこと、楽しいこと。
結婚十年目のお祝いどうしようか、とか、式典するとか、料理とかもてなしとか……あれ?
「仕事の話はしない」
神妙に肯くが、無理なのではないだろうか。
仕事のつきあいの方が長いし、仕事の話ばかりしてきた気がする。
外交などは二妃が請け負ってくれたし、慈善活動は五妃が担当、三妃は研究所などの管轄。
私は、終始金勘定している。
結果、国庫の番人を称する夫である国王とは仕事上で良く顔を合わせる。
尚、四妃は自由人過ぎて放置されている。緑の手を持つと言われるほどに植物を育てるのが上手で、お茶のブレンドの神と崇められているが、いかんせん、気分の上下が激しい。
「四妃渾身の元気になるお茶。どこがと言わず忍び笑いしていたのが不安でしかない」
……それを私が飲むのですか。
そうですか。
よい笑顔で、迫られたら断れないの知ってますよね?
ああ、もう、なんだって……。
そのお茶を口をつける前に事件は起こった。
「失礼しますっ」
慌てた様子で扉を開けた衛兵と入ってくる若い男性。
「ボスから、アレが市場にでたと連絡がありました」
……なにかあったら開けても良いとはしているけど、これはないのではないだろうか。
さすがに開けた人も衛兵も気まずそうな顔をした。
もちろん私も気まずい。平然とした顔を装っている夫もたぶん気まずい。
せめてノックくらいはして欲しい。
入ってきた男性は知っている顔ではない。制服でローガン商会の社員であろうと思うくらいだ。城内の何十にも及ぶチェックを越えてきたのだから、偽物ではないだろう。
しかもここは家族用なので、よっぽどの用がなければ通されない。
つまりはまずい事が今起こっているということ。
お茶のカップはさすがに下ろした。
残念そうな顔をされたのだけど、今はそんな時じゃないでしょ。
膝の上から降りようとしたら、ホールドされた。なぜ、ぎゅうとしてくるのだ。逃げたりはしないよ。たぶん。きっと。そうだといいな。
だって、面倒ごとだもの。
それもお金のかかる。
いや、それ以上に。
「アレって? どれ?」
機嫌が良さそうに聞こえるのが既にヤバイ兆候。
彼は外に婿や嫁に行った兄弟にはそれぞれ救難信号用の装飾品を贈っている。サイズや形を変えていくつも。
市場に流れればどれほど時間がかかろうとも知ることが出来る。そんな仕組みさえ作った。
「青と赤の指輪と。北方より来たとのことです」
「……ふぅん」
上機嫌なふぅんに聞こえる。
ちらと見れば口の端が上がっていた。
うわぁ。
誰だ。彼の逆鱗に触れたのは。
殲滅も生ぬるい焦土に変えることさえも厭わない彼の怒りに触れたのは。
滅多に怒らないし、自分が何をされてもまず、笑って解決しそうな彼が激怒するのは。
「俺の可愛い妹になにをしたって?」
家族と認定した人間が害されたときだけだ。
その中に自分も含まれているのがちょっと怖い。簡単に殺されるなよと脅されているのだ。
「特に伝言もついていなかったことで、奪われたのではないかと」
「ないね。盗られたんだろ」
途端につまんなそうな顔になる。
ほっとした顔を見せたくなかったのだろう。なにかすり寄ってくるので頭を撫でた。
「調べろという前に調べてきたんだろ? どうなの?」
「それが、既に別の妃がいると」
「はぁ?」
ほどほど機嫌の悪い声。
ああ、こりゃあ出費は避けられない。別に彼女の心配をしないわけではないが、こんな時の夫は箍が外れる。
後先考えない。
それをどうにか真っ当な範囲内に押さえるのが大変なのだ。
「神に与えられたとは言われてますが」
「光の神はそんな事に興味がない。どっかの色ボケか……」
口に出して、夫も気がついたらしい。
そんな情報が入らない方がおかしい。
どこかで誰かが情報の隠蔽をした。
その誰かが、人ではない可能性すらある。
神の手はまだ世界に触れられるほどに近い。
「四妃を呼べ。二妃と兄弟たちに連絡を」
こういった事態に強いのは四妃だ。むしろ、このような時のために妃をしてもらっている。
「ローガンは?」
「既に向かいました」
「なるほどね。ヴァージニアが助けを求めるまで静観するように伝えておくように」
「良いのですか?」
「あの子にはあの子のやり方がある。こちらはそのとき動けるように準備するだけだ」
余裕ぶっているけど、少し手が震えている。
「許さない」
小さい声だったので、幸い聞いたのは私だけだった。
出来れば、私も聞きたくなかった。
ああ、まずいな。
国が消えるどころで済むかな。ぐちゃぐちゃにしたあげくに放置しそうで怖い。ずっと内乱を起こしているような国になるだろう。
闇の神は彼の神がお嫌いだから、止めるどころか煽る。神官たちにも落ち着くように言わねば。
黙ってしまった夫の代わりに衛兵と伝令に新たな命を与えて下がらせる。
必要とあれば神にさえ喧嘩を売りに行ってしまうこの困った旦那様をどう宥めようか考えながら。
「俺は間違えたかな」
「どうかしら?」
とりあえず、その眉間のしわを伸ばそう。あとがついたら子供が泣く。そうでなくても父様ちょっとお顔怖いのと言われているんだから。
指で広げようとしたら、少し笑った。
「ヴァージニアがここにいるのも良くなかったわ。それだけは確か」
「そもそも、アレに会わせたのが痛恨の失敗だ。時々悪夢に見る」
アレ。
この兄弟間では決して名前で呼ばれない男。
ヴァージニアに大女だの男女だの、可愛くいないだの言った幼なじみ。私はほとんど顔を見たことがない。
世の中には、好きな子にいじわるしてしまう男の子という人種がいてな、やり過ぎるんだよ。
夫が苦い顔で言っていたのだから相当だろう。
そのときにあれこれあって、ヴァージニアは男装し始めた。
私はヴァージニアが小さな紳士になったあたりからしか知らないので、ずっと女の子の格好していると違和感を覚えたりする。
あれ、男の子? と騙されてしまうほど、きっちり模倣していたからだ。みんな、彼女だと知っていたのに、男装していれば男の兄弟として扱うほどに。
それが、妙な具合に歪んで婿に欲しいとかおかしな話になっていったのだ。
ちょうど一年くらい前から少しずつ。
「国外に放り投げたい」
視界に入るのが嫌なのはわかる。過激派な他の兄弟は殺せとか言っているのだから、お優しいことで。
お姉様大好き末妹が暗殺者差し向けているのを止めているのだからご苦労なことだ。
「きっと一年前になんかあった」
「誰も知らないのよね」
そのあとから強固に女であること捨てるように、男装ばかりしていたのだ。
「アレが余計なこと、また言ったんだろ。二度と元に戻せないような事をさ」
少し、元の調子に戻ってきた。
「好きなのかしらね?」
「知らねぇよ。俺は大事なものはうざいくらい構う主義だ」
「……で、年頃の娘に嫌われるのね」
「……ほんとそれな」
あと十年後、死ぬわ。と言い出したので、頭を撫でてあげた。
がちゃりと扉が開く音がした。
視線を向ければ頭だけのぞき込んだ四妃と目があった。
「……出直しましょうか?」
「なんでみんなノックしないの?」
「ええっ!? 楽しそうな予感がしたんですっ!」
ドアが閉まってれば開けるし、開けるなって箱があれば開けるし、押すなって押せってことでしょ? などという自由人のやりそうなことはわかるが、思考回路は理解出来ない。
その後、ぱらぱらと人が集まり始めたもののなぜか私は膝の上で、離してはもらえなかった。なにこの羞恥地獄。
この後、三日ほど口をきかなかった。
と我が夫は人を餌付けする。
一応、一国の王である。外に出るとちゃんとしている、と思いたい。
「最近、一妃と遊んでなかったから」
試食会と称して私を膝に乗せて私を甘やかす準備は万端だ。
テーブルの上にはお菓子や料理が並んでいる。
四妃のお茶も色々そろえていた。
城内の最奥にある家族用の居間は、今は二人だけ。ちょっと前までいた子供たちも今は勉強の時間と連行されていった。
私はと言えば、いやーっ! 父様とあそぶーっ! と叫ぶ声が遠ざかるのを見送った。
わるいのだけど、私も夫といちゃいちゃしたいのだ。
「仕方ないでしょう? 年度末って制度をやめてくれれば死ぬような思いしなくてよいのではないでしょうか?」
「締切がないとみんな、がんばれない」
真理すぎてぐうの音もでない。
あの頃は大変だったねとしみじみ話し込みたいわけでもないので、その話題はさっさと捨て去る。
楽しいこと、楽しいこと。
結婚十年目のお祝いどうしようか、とか、式典するとか、料理とかもてなしとか……あれ?
「仕事の話はしない」
神妙に肯くが、無理なのではないだろうか。
仕事のつきあいの方が長いし、仕事の話ばかりしてきた気がする。
外交などは二妃が請け負ってくれたし、慈善活動は五妃が担当、三妃は研究所などの管轄。
私は、終始金勘定している。
結果、国庫の番人を称する夫である国王とは仕事上で良く顔を合わせる。
尚、四妃は自由人過ぎて放置されている。緑の手を持つと言われるほどに植物を育てるのが上手で、お茶のブレンドの神と崇められているが、いかんせん、気分の上下が激しい。
「四妃渾身の元気になるお茶。どこがと言わず忍び笑いしていたのが不安でしかない」
……それを私が飲むのですか。
そうですか。
よい笑顔で、迫られたら断れないの知ってますよね?
ああ、もう、なんだって……。
そのお茶を口をつける前に事件は起こった。
「失礼しますっ」
慌てた様子で扉を開けた衛兵と入ってくる若い男性。
「ボスから、アレが市場にでたと連絡がありました」
……なにかあったら開けても良いとはしているけど、これはないのではないだろうか。
さすがに開けた人も衛兵も気まずそうな顔をした。
もちろん私も気まずい。平然とした顔を装っている夫もたぶん気まずい。
せめてノックくらいはして欲しい。
入ってきた男性は知っている顔ではない。制服でローガン商会の社員であろうと思うくらいだ。城内の何十にも及ぶチェックを越えてきたのだから、偽物ではないだろう。
しかもここは家族用なので、よっぽどの用がなければ通されない。
つまりはまずい事が今起こっているということ。
お茶のカップはさすがに下ろした。
残念そうな顔をされたのだけど、今はそんな時じゃないでしょ。
膝の上から降りようとしたら、ホールドされた。なぜ、ぎゅうとしてくるのだ。逃げたりはしないよ。たぶん。きっと。そうだといいな。
だって、面倒ごとだもの。
それもお金のかかる。
いや、それ以上に。
「アレって? どれ?」
機嫌が良さそうに聞こえるのが既にヤバイ兆候。
彼は外に婿や嫁に行った兄弟にはそれぞれ救難信号用の装飾品を贈っている。サイズや形を変えていくつも。
市場に流れればどれほど時間がかかろうとも知ることが出来る。そんな仕組みさえ作った。
「青と赤の指輪と。北方より来たとのことです」
「……ふぅん」
上機嫌なふぅんに聞こえる。
ちらと見れば口の端が上がっていた。
うわぁ。
誰だ。彼の逆鱗に触れたのは。
殲滅も生ぬるい焦土に変えることさえも厭わない彼の怒りに触れたのは。
滅多に怒らないし、自分が何をされてもまず、笑って解決しそうな彼が激怒するのは。
「俺の可愛い妹になにをしたって?」
家族と認定した人間が害されたときだけだ。
その中に自分も含まれているのがちょっと怖い。簡単に殺されるなよと脅されているのだ。
「特に伝言もついていなかったことで、奪われたのではないかと」
「ないね。盗られたんだろ」
途端につまんなそうな顔になる。
ほっとした顔を見せたくなかったのだろう。なにかすり寄ってくるので頭を撫でた。
「調べろという前に調べてきたんだろ? どうなの?」
「それが、既に別の妃がいると」
「はぁ?」
ほどほど機嫌の悪い声。
ああ、こりゃあ出費は避けられない。別に彼女の心配をしないわけではないが、こんな時の夫は箍が外れる。
後先考えない。
それをどうにか真っ当な範囲内に押さえるのが大変なのだ。
「神に与えられたとは言われてますが」
「光の神はそんな事に興味がない。どっかの色ボケか……」
口に出して、夫も気がついたらしい。
そんな情報が入らない方がおかしい。
どこかで誰かが情報の隠蔽をした。
その誰かが、人ではない可能性すらある。
神の手はまだ世界に触れられるほどに近い。
「四妃を呼べ。二妃と兄弟たちに連絡を」
こういった事態に強いのは四妃だ。むしろ、このような時のために妃をしてもらっている。
「ローガンは?」
「既に向かいました」
「なるほどね。ヴァージニアが助けを求めるまで静観するように伝えておくように」
「良いのですか?」
「あの子にはあの子のやり方がある。こちらはそのとき動けるように準備するだけだ」
余裕ぶっているけど、少し手が震えている。
「許さない」
小さい声だったので、幸い聞いたのは私だけだった。
出来れば、私も聞きたくなかった。
ああ、まずいな。
国が消えるどころで済むかな。ぐちゃぐちゃにしたあげくに放置しそうで怖い。ずっと内乱を起こしているような国になるだろう。
闇の神は彼の神がお嫌いだから、止めるどころか煽る。神官たちにも落ち着くように言わねば。
黙ってしまった夫の代わりに衛兵と伝令に新たな命を与えて下がらせる。
必要とあれば神にさえ喧嘩を売りに行ってしまうこの困った旦那様をどう宥めようか考えながら。
「俺は間違えたかな」
「どうかしら?」
とりあえず、その眉間のしわを伸ばそう。あとがついたら子供が泣く。そうでなくても父様ちょっとお顔怖いのと言われているんだから。
指で広げようとしたら、少し笑った。
「ヴァージニアがここにいるのも良くなかったわ。それだけは確か」
「そもそも、アレに会わせたのが痛恨の失敗だ。時々悪夢に見る」
アレ。
この兄弟間では決して名前で呼ばれない男。
ヴァージニアに大女だの男女だの、可愛くいないだの言った幼なじみ。私はほとんど顔を見たことがない。
世の中には、好きな子にいじわるしてしまう男の子という人種がいてな、やり過ぎるんだよ。
夫が苦い顔で言っていたのだから相当だろう。
そのときにあれこれあって、ヴァージニアは男装し始めた。
私はヴァージニアが小さな紳士になったあたりからしか知らないので、ずっと女の子の格好していると違和感を覚えたりする。
あれ、男の子? と騙されてしまうほど、きっちり模倣していたからだ。みんな、彼女だと知っていたのに、男装していれば男の兄弟として扱うほどに。
それが、妙な具合に歪んで婿に欲しいとかおかしな話になっていったのだ。
ちょうど一年くらい前から少しずつ。
「国外に放り投げたい」
視界に入るのが嫌なのはわかる。過激派な他の兄弟は殺せとか言っているのだから、お優しいことで。
お姉様大好き末妹が暗殺者差し向けているのを止めているのだからご苦労なことだ。
「きっと一年前になんかあった」
「誰も知らないのよね」
そのあとから強固に女であること捨てるように、男装ばかりしていたのだ。
「アレが余計なこと、また言ったんだろ。二度と元に戻せないような事をさ」
少し、元の調子に戻ってきた。
「好きなのかしらね?」
「知らねぇよ。俺は大事なものはうざいくらい構う主義だ」
「……で、年頃の娘に嫌われるのね」
「……ほんとそれな」
あと十年後、死ぬわ。と言い出したので、頭を撫でてあげた。
がちゃりと扉が開く音がした。
視線を向ければ頭だけのぞき込んだ四妃と目があった。
「……出直しましょうか?」
「なんでみんなノックしないの?」
「ええっ!? 楽しそうな予感がしたんですっ!」
ドアが閉まってれば開けるし、開けるなって箱があれば開けるし、押すなって押せってことでしょ? などという自由人のやりそうなことはわかるが、思考回路は理解出来ない。
その後、ぱらぱらと人が集まり始めたもののなぜか私は膝の上で、離してはもらえなかった。なにこの羞恥地獄。
この後、三日ほど口をきかなかった。
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