誰からも愛されないオレが『神の許嫁』だった話

野良猫のらん

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第三話

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 スニウは朗らかで愛想がいい。
 そんなスニウに回される仕事は、当然巡礼者の案内が多かった。ウエルが代わった仕事も、巡礼者の案内だった。
 
「ぜ、ぜんぶ荷物をもってもらっちゃって、ほんとに平気なんですか?」
 
 ウエルが巡礼者の荷をすべて背負うと、巡礼者の老人は慌てた。
 
 ウエルが今日案内することになる巡礼者は、こめかみから頬にかけて派手にタトゥーを施した老人だった。湾曲した刃のような模様で、その鋭いタトゥーが老人の穏やかな物腰と印象が相反するとウエルは感じた。
 タトゥーを顔に施すのはマバ族という氏族の風習だ。老人はマバ族の者だ。
 
 マバ族の彼は、スニウが死んだときに案内していた巡礼者とは別の巡礼者だ。昨日案内されていた巡礼者は、とっくに神殿に着いて今は修行の真似事をしているだろう。
 巡礼者はまず見晴らしのいい崖で山神の住まいを拝み、次に神殿に数日間寝泊まりして、神官のありがたい説教を受けたり修行したりする。その際、神殿は巡礼者からたっぷり寄付をもらうのだという。
 
「これくらい、荷のうちには入らない」
 
 ウエルは短く答えた。
 いつも身長よりも高く積んだ荷を運んでいるのだ、老人の手荷物など軽かった。
 
 それにしても慣れない。愛想の悪いウエルは、巡礼者の案内仕事はほとんど任されることがなかった。案内をするのは本当に久々のことだった。
 
 今日は巡礼者を崖まで案内する必要はない。スニウが死んで初めて、神官たちが「大切な巡礼者に何かあってはならぬから」と崖を立ち入り禁止にしたからだ。あくまで彼らにとって大切なのは、山跳びではなく金づるの巡礼者だ。神官たちのことを思い返すと、反吐が出そうだった。
 
「ははあ。山跳びさんが力持ちっていうのは、本当なんですねえ」
 
 老人は感心したように顎髭を引っ張った。
 ウエルはそんな老人をきっと睨みつけ、言い放つ。
 
「いいか爺さん、山では絶対にオレの指示に従え。山の中では、オレの後についてこい。勝手にうろちょろするなよ。落石があったときは『ラク』と叫ぶから、真っ先に頭を守って小さく丸まれ」
「はいはい、分かりました」
 
 ウエルの鋭い視線もなんのその、老人は鷹揚に笑って頷いた。
 ヘラヘラして、調子が狂う。話を聞いているのだろうか。ウエルは眉間に皺を寄せた。
 
 案内中に巡礼者が死ねば、案内していた山跳びの責任になる。それだけに、ウエルは厳しい態度になった。
 だが意外にも、登山を始めてから老人がウエルの言いつけに逆らうことはなかった。
 にこにことついてきて、ウエルのことを偉そうだと叱ることもなかった。
 それどころか、登山中しばしば話しかけてきた。
 
「山跳びさんは、なんでこんな仕事をしているんです? 言っちゃ悪いが、その、楽な仕事には思えませんが」
 
 老人がこんな問いをしてきたのは、彼の体力を気遣って休憩している最中のことであった。
 ウエルは老人に水筒を手渡しながら、答えた。
 
「孤児だからだよ。孤児が就ける職業はほとんどないが、山跳びにならなれる」
 
 農夫は畑がないとできない。商売は元手がないとできない。職人に弟子入りするには、コネがいる。
 その点、山跳びになるのに必要なものは身一つだけだ。丈夫な身体さえあればいい。
 
「孤児? すると、山跳びさんのご両親は……」
「オレが五つのときに、流行り病で死んだよ」
 
 およそ十六年前、テンジン族の間で病が流行った。次々と人が死んでいった。だからウエルと同年代の山跳びは多かった。スニウもその一人だった。
 両親は優しい人だったように思う。だが長年の間に記憶は薄れてきて、どんな顔をしていてどんな声をしていたかも朧げだ。
 今では、街の人間たちに異端と噂されるような両親たちへの怒りが、懐かしい思いを上回っている。
 
「たった五つのときにご両親と死に別れたなんて! なんて辛い人生を……!」
 
 ウエルにとってはとっくに過去のものとなった痛みを、老人は自分のことのように心を痛めて、顔を歪ませた。タトゥーの刻まれた顔をくしゃくしゃにして、涙を今にも零さんばかりだった。
 
「……山跳びをやるのを選んだ理由は、もう一つある」
 
 あまりにも老人が悲しむので、ウエルはつい言うつもりのなかったことを口に出した。
 
「もう一つ?」
「オレは、この山が好きなんだ。白い頂きを見ていると、なんとも言えず胸が熱くなる。一度でいいからあの峰を踏めたらと思ってしまうんだ」
 
 ウエルの信仰心を育てた要素の一つは、純白の聖地への憧れだろう。ついに誰にも言ったことのなかった想いを、目の前の老人に吐露してしまった。
 
「お山のてっぺんまでは、流石の山跳びさんでも行くのは大変なんですか?」
「爺さん、そもそも雪が降る地は踏みしめてはならないことになっているんだよ。禁足地だ」
 
 どんなに強い憧れを抱いていても、そこには辿り着けぬ事情を教える。
 この国は一年中暑く、季節は雨期と乾期しかない。下界に雪が降ることは決してない。雪が降るのは聖地の三分の二ほどより上だけ。雪が降るほどの高さには、足を踏み入れてはならないことになっている。神の臥し所を騒がせてはいけないから、と神官たちは説明している。
 間違っても人が入らぬように、神殿よりも高い場所へと向かう道は柵で塞がれている。
 
「ああ、なら仕方ない。残念ですねえ」
 
 老人の声音は寂しげなものだったが、山跳びをしているのも悪くはないと思ってもらえたようだ。
 
「そうだな。仕方ない」
 
 ウエルは肩を竦めると、老人を睨んだ。
 
「ほら、さっさと水筒の水を飲め!」
「はいはい」
 
 何が嬉しいのか、老人はにこにこと笑って水筒に口をつけた。


 崖に寄る必要性さえなければ、危険な箇所はあまりない。
 それでも思わぬアクシデントに遭うことがあるのが登山というものだが、ウエルは無事にマバ族の老人を神殿まで送り届けることができた。
 
 驚くべき報せが届いたのは、その二日後のことだった。
 
「爺さんが行方不明になった?」
「ああ、『少しは山跳びさんみたいに鍛えたい』なんて言って、神殿から出ていって散歩に行ったらしい。それっきり、帰ってこないのだと」
 
 凶事を告げた年上の山跳びは、青い顔をしていた。
 
「それで、神官たちがこう言っている。巡礼者がいなくなったのは案内を担当した山跳びの責任であるから、その者が探しに行くべきと」
 
 いつもなら案内の仕事なんて担当しないのに。たまたまスニウの仕事を代わるだなんて言い出したばかりに、大変なことになってしまった。
 案内を担当した山跳びの責任だと? 案内中ならばともかく、神殿に着いたあとのことは知らない。自分たちで探しに行きたくなくて、神官たちは責任を押しつけているのだ。
 
「ウエル、どうする?」
 
 本当ならばそれで罰されるのだとしても、『そんなこと知るか』と放り出してやりたい。
 けれども、マバ族の老人の朗らかな笑みが脳裏を過った。あの爺さんが死んでしまうのは嫌だなと、ウエルは思った。
 
「……分かった、探しにいく」
 
 ウエルは頷いた。


 いつものように支度を整え、祭殿の前に跪いた。
 今日ばかりは「労働をこなします」ではなく、「爺さんを見つけてきます」と山神に誓った。誓ったからといって山神が加護をくれるわけではないが、勇気を得た気がした。
 
 神はただそこにあるだけ。人々はそれを勝手に崇めるだけ。それが正しい信仰の在り方だ。誰に教わるでもなく、ウエルはそう感じていた。
 
 ウエルはまず神殿に赴き、老人が散歩に行った方角などを聞き出そうとした。大した収穫は得られなかった。老人がどちらに行ったかなど誰も見ていなかったし、ウエルは冷たくあしらわれた。
 
 仕方なく、老人が行ったであろう方角を予想して探す。
 老人は健康な肉体をしていたが、とはいえ年を召している。歩きやすい道を行くはずだ。となると、あちらではなくこちらの……といった具合に想像の中の老人の足取りを辿った。
 
「これは、一体……」
 
 ある場所で、驚くべきものを目にした。禁足地への道のりを封じる柵が、壊れていたのだ。崩壊し、その先への進入が可能になってしまっていた。
 
 老人が壊したとは思わない。だが、この先に進んでしまった可能性はあるだろうか。ウエルは必死に考えた。
 雪の降る場所は禁足地だとは言ったが、柵の向こうに行くなとは教えていなかった。だって老人は、従順に後ろをついてきてくれていたのだから。あの時は必要なかった。
 分からずに柵の向こうに行ってしまった可能性は、ある。
 
「くそ……っ!」
 
 柵の向こうがすぐ禁足地になっているわけはない。あくまでも、雪のある場所が禁足地だ。禁足地に辿り着くまでに、老人を連れ戻せば問題はない。
 ウエルは悪態を吐きながら、壊れた柵を乗り越えて先に進んだ。

 
 茶色い山に引かれた一筋の傾いた線。それが、ウエルの進んでいる道だった。
 
 道はなだらかながらも、上へ上へと向かっている。坂道は体力を消耗させるが、荷物のない今、身体はこれ以上なく軽い。ウエルはすいすい進んでいった。
 
 進みながら、人が通った痕跡がないかと道端に目を走らせる。人が通ると、石を蹴ってしまったりする。
 あった。動いたばかりの小石が。
 だいぶ前に動いた小石ならば、風に削られて丸くなっているはずだ。だがその小石はそうではなかった。鋭い面が上を向いている。
 
 確実にこの道を通った者がいる。確信を得ると、ウエルは足を速めた。
 上へと進むごとに、空気は少しずつ冷たくなっていった。思わず、夢の中の雪景色を連想した。
 このまま上へ上へと、雪の見える場所まで行けば、夢の中のあの人が待っているのだろうか。そんな非現実的な期待をしてしまう。
 
「これは――」
 
 不意に、開けた空間に出た。
 風が、ウエルの黒髪をさらう。今までの細い山道と打って変わって、だだっ広い岩場に出た。
 岩の間にところどころ、白い砂が見える。いや、砂ではない――。
 
「雪だ」
 
 ポツリ、呟いた。
 夢にまで見た雪が、遠くに見えた。思い描いていたような一面の雪景色ではなく、岩と岩の間に雪が少しずつ、点々と積もっていた。
 
 この先に進んでしまえば、いよいよ禁足地だ。禁を犯すことになってしまう。
 
 夢遊病のように歩みを進めようとし、はっと気がついた。
 この先に老人が進んだはずはない。雪のある場所は禁足地だと、教えてあるのだから。
 ここまで来て、老人は初めて自分が来てはいけない場所に来てしまったと気がついたのかもしれない。その後老人はどうしたろうか。間違いなく、元来た道を戻ろうとしたはずだ。
 
 ウエルは、元来た道を振り返った。
 駆けた。
 
 それはすぐに見つかった。登るときには一本道に見えても、下りる時には二股に分かれて見える道というのはある。この山道にもそういう道があり、その先に――老人が倒れていた。
 
「爺さん!」
 
 岩でできた天然の階段を踏み外したのだろう。岩場の下に蹲る老人の姿が見えた。タトゥーの刻まれた特徴的な顔がそこにあった。
 最悪の想像に顔が青くなるのを感じながら、ウエルは岩場を下りていった。
 
「爺さん、爺さん!」
 
 老人の元に駆け寄る。
 不用意に身体を動かしてはいけないと分かってはいても、思わず揺すってしまった。
 
「うう……」
 
 呻き声が聞こえた。生きている。
 ウエルはいくらか冷静さを取り戻し、老人の身体の傷をチェックしていった。骨が何本か折れているようだった。だが、いますぐ生命に関わる傷はない。
 
「良かった……」
 
 ほっと大きく息を吐いた。
 背負子を下ろすと、老人の身体を縄で背負子に縛りつけた。骨折箇所を刺激しないように気を遣いながらも、決して彼が落ちてしまうことのないようにしっかりと縛った。
 
「さあ、帰ろう」
 
 老人を背負うと、正しい道に戻りウエルは下山を開始した。
 柵があった場所まで戻ると、そこには数名の神官たちが詰めかけていた。
 今頃老人のことを探しにきたのだろうか。
 呑気に考えていると、神官たちは両側からウエルの腕を掴んだ。
 
「な、何をする……んですか!」
 
 捕らえられる理由が分からず、ウエルは混乱した。
 
「見たぞ」
「禁足地に立ち入ったな」
 
 神官たちは硬い声で告げた。
 誰かが神殿に言いつけたのか、それとも神官の誰かが発見したのか。彼らは禁足地への立ち入りを禁ずる柵が壊れているのを知ったのだろう。もしかしたら、ウエルが入っていった後ろ姿も見たのかもしれない。
 だから、こうしてウエルを捕らえにきたのだ。
 
「立ち入っていません、禁足地に踏み入る前で引き返しました!」
 
 白く光る雪は目にした。だが、決して踏みしめてはいない。教えでは柵から向こうではなく、雪の降る地が禁足地のはずだ。
 
「お前の言葉など信じられるわけがなかろう」
「この異端者が。来い」
 
 神官たちは、ウエルの言葉に少しも耳を傾けようとはしなかった。悔しさに唇を噛む。
 
「わ、分かりました。素直についていきます! オレの背中に爺さんがいるんです、乱暴にしないでください!」
 
 必死に訴えたが、神官たちは聞く耳持たず乱暴にウエルを連行した。
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