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第二部 セルフィニエ辺境伯領編
第百五十六話 魔術理論入門 ①
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「さてカレン殿下、魔術の授業を始めましょう」
バスティアンさんは僕をにこやかに迎えてくれた。
先週はちょっと失敗しちゃって怒られたけど、バスティアンさんはもう怒ってないみたいだ。良かった。
「まず私は最初に殿下に謝罪したいことがございます」
「え?」
「先週のあれは私の指導法が不適切でした。殿下には理不尽なことを申してしまったかもしれません。申し訳ございませんでした」
それどころかバスティアンさんは頭を下げてくる。
どうすればいいか分からず僕は戸惑う。
「え、えと、とりあえず頭を上げてください……っ!」
僕にはバスティアンさんの教え方の何がいけなかったのかも分かってないのだ。
いきなり謝られても何と言ったものか分からない。
「殿下が特別なお方であることを考慮に入れず型にはまった授業を行い、殿下に失敗させてしまいました。それが私の落ち度です。その反省を活かして殿下の為の特別なカリキュラムを組みましたので、どうかお許しいただけませんか」
「許します、許しますから頭を上げてください……!」
僕が再三お願いすると彼はやっと頭を上げてくれた。
彼の真剣な表情と目が合う。
「殿下がお優しい方で助かりました。では新しいカリキュラムに従って殿下にはまず基礎の理論を学んでいただきます。先週の授業で行ったことは一旦忘れて下さい」
「はい!」
せっかくバスティアンさんがカリキュラムを組み直してくれたのだ、心機一転頑張ろう。
「まず、教科書を渡します」
バスティアンさんは一冊の本を渡してくれた。
『魔術理論入門』と書かれた古めかしい革張りの分厚い本だ。とても入門編とは思えない重厚さだ。
「こちらは城の備品ですので、魔術理論に関する授業が終われば返本して頂くことになります。ご了承下さい」
「はい、分かりました。毎回授業の終わりに返せばいいんですか?」
「いえご自身で授業時間外でお読みいただいて自習して頂きたいのでこの単元が終わるまではお持ち下さい。もし難し過ぎて読めない単語などありましたら、授業時間にご質問して下さい」
「はーい!」
こんなに高そうな本を貸してくれるなんて僕は信用されてるようだ。
僕が皇子だからかな?
「ではまず教科書の六ページを開いてください」
こうして無事に二回目の魔術の授業がスタートしたのだった。
バスティアンさんは僕をにこやかに迎えてくれた。
先週はちょっと失敗しちゃって怒られたけど、バスティアンさんはもう怒ってないみたいだ。良かった。
「まず私は最初に殿下に謝罪したいことがございます」
「え?」
「先週のあれは私の指導法が不適切でした。殿下には理不尽なことを申してしまったかもしれません。申し訳ございませんでした」
それどころかバスティアンさんは頭を下げてくる。
どうすればいいか分からず僕は戸惑う。
「え、えと、とりあえず頭を上げてください……っ!」
僕にはバスティアンさんの教え方の何がいけなかったのかも分かってないのだ。
いきなり謝られても何と言ったものか分からない。
「殿下が特別なお方であることを考慮に入れず型にはまった授業を行い、殿下に失敗させてしまいました。それが私の落ち度です。その反省を活かして殿下の為の特別なカリキュラムを組みましたので、どうかお許しいただけませんか」
「許します、許しますから頭を上げてください……!」
僕が再三お願いすると彼はやっと頭を上げてくれた。
彼の真剣な表情と目が合う。
「殿下がお優しい方で助かりました。では新しいカリキュラムに従って殿下にはまず基礎の理論を学んでいただきます。先週の授業で行ったことは一旦忘れて下さい」
「はい!」
せっかくバスティアンさんがカリキュラムを組み直してくれたのだ、心機一転頑張ろう。
「まず、教科書を渡します」
バスティアンさんは一冊の本を渡してくれた。
『魔術理論入門』と書かれた古めかしい革張りの分厚い本だ。とても入門編とは思えない重厚さだ。
「こちらは城の備品ですので、魔術理論に関する授業が終われば返本して頂くことになります。ご了承下さい」
「はい、分かりました。毎回授業の終わりに返せばいいんですか?」
「いえご自身で授業時間外でお読みいただいて自習して頂きたいのでこの単元が終わるまではお持ち下さい。もし難し過ぎて読めない単語などありましたら、授業時間にご質問して下さい」
「はーい!」
こんなに高そうな本を貸してくれるなんて僕は信用されてるようだ。
僕が皇子だからかな?
「ではまず教科書の六ページを開いてください」
こうして無事に二回目の魔術の授業がスタートしたのだった。
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