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第十八話 彼と一緒なら

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 彼の手が尻を撫で、その奥の大事な場所に触れる。

「おや」

 クチュリと響いた水音に、彼がほくそ笑む。

「準備してきたのか」

 かあっと顔が熱くなる。

「そんなに早く私としたかったのか?」

 あらかじめ解しておいたそこを、彼の指がクチュクチュと弄る。

「わ、分かってんなら、はやく……っ!」

 自分の下肢から卑猥な音が響いているのが恥ずかしくて堪らない。
 クソ、エリクの奴わざとやってんだろ……っ!

「少しは貴方の可愛い反応を楽しませてくれないか?」

 彼の長い指がある一点をコリ、と摩る。

「……ッ!?」

 ビクリと身体が跳ねる。
 性感帯を直接弄られる快感に、全身が熱くなる。

「あッ、ぁ、あぁッ!」

 彼が指を動かし続ける。
 グチュグチュと音は響き続け、快感が身体を駆け抜ける。

「はンっ、ぁ、だめ……っ!」

 このままではオレだけ気持ちよくなってしまう。
 エリクと一緒に気持ちよくなりたいのに――――。

「すまん、揶揄いすぎたな」

 ぬちゅり、指が引き抜かれる。

「は……?」

 代わりに何か熱いモノが充てがわれる。
 上体を起こして見下ろすと、それは彼自身だった。

(これを、挿入れるのか……っ)

 ごくりと生唾を飲む。
 もちろん、その先に訪れるであろう快感を期待して。

「大丈夫か?」

 彼が優しい声音で尋ねる。
 それにしっかりと頷きを返した。

「ああ」
「そうか。なら、挿入れるぞ」

 彼のモノが、ゆっくりと押し込まれた。

「く……っ」

 圧迫感がゆっくりとオレの内側を埋めていく。
 彼のモノの大きさを想像して後孔を解しておいたつもりだが、彼のそれは想像よりも大きかったようだ。
 生理的な涙がぽろぽろと眦から零れる。

「痛いか?」
「ううん、平気……っ」

 まったく痛くないわけではないけれど、それ以上に身体が熱くなっていくのが分かる。
 剛直が肉壁を擦り上げる動きに、確かに快感を覚えている。

「もっと、奥まで来て……っ!」

 涙で潤んだ瞳で彼を見つめた。

「っ、人を煽るのが上手いな」

 剛直が内側を押し拡げるように進み、また戻っていく。
 その小刻みな律動が、性感帯のしこりを擦り上げていく。

「ぁ、あぁッ、あァッ!」

 少しずつ大胆になっていくピストンに、女のような声で喘いでしまう。

「そそる声だな……っ!」

 それに彼は萎えるどころか、興奮したように律動を激しくさせる。
 肉と肉を打つ乾いた音が響く。

「あッ、ぁ、あぁっ! エリクぅ……ッ!」

 彼の表情からは余裕が失われつつある。
 その必死な顔が嬉しくて愛おしくて堪らない。

「アン……ッ!」

 彼がオレの手をぎゅっと掴んで握る。
 指を互い違いに組み直す余裕もなく、ぐちゃぐちゃのまま手を握り合う。

 剛直がオレの最奥を何度も何度も抉り、叩きつけられる。
 その度に悦びが全身を駆け抜ける。

「はぁッ、ぁ! あぁ……っ! エリク、イく……っ!」

 絶頂の予感を覚えて、必死で彼に訴える。

「ああ、一緒にイこう……っ!」

 腰を打ち付ける律動が一段と激しくなる。
 オレを絶頂に導こうと最奥を何度も穿つ。
 彼の手を一層強く握ったその瞬間――――

「――――――――ッ!!!」

 快感が弾け、頭の中が真っ白になった。
 勝手に仰け反る身体を押さえつけるように、彼が剛直を押し込む。
 深く深く繋がったその瞬間、熱いものが身体の内側を満たしていくのを感じた……

「はあ……はあ……」

 束の間、意識が途切れていたような気がする。

 すごく、ヨかった。

 荒い息を整えながら、エリクに笑いかける。
 彼は微笑みながらオレの左手を取り、接吻を落とす。
 接吻くちづけを落とされた薬指が熱くて、嬉しかった。

 ありのままのオレを受け入れてくれる彼となら、この世界にどんなバグが溢れていようと超えていける気がした。
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