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第十四話 この想いは
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淫らに腰を揺らし、奥の性感帯へと刺激が欲しいと彼を誘う。
こんな痴態を晒しては彼にどう思われるか分からないというのに。
手段は、目的に――――。
もう、この部屋から脱出する為だということはもうすっかり頭から消え失せていた。
「……」
それまで笑みを浮かべていた彼がふっと真顔になる。
え、もしかしてドン引きされた?
「アン」
彼が静かにオレを愛称で呼ぶ。
「男を煽ると怖い目に遭うぞと教えなかったかな?」
「へ?」
グチュリ。
二本目の指がナカに挿入される。
日頃から自慰で慣れていた後孔は容易くそれを飲み込んだ。
「あぁ……ッ!?」
グチュグチュと音を立てて二本の指でナカを擦られる。
指の腹が容赦なく性感帯のしこりを擦り上げる。
「あッ! あぁッ、ぁ、あぁ……ッ!!」
ヨすぎる。きもちいい。
口端からだらしなく涎を垂らしながら、ひたすらに喘ぐ。
駄目だ、こんなの。
こんな声を出して、こんな姿を晒したら……!
「アン……お前のこんなに可愛い姿を見れる初めての男になれて、光栄だ」
エリクが静かに笑う。
『初めての』って、エリクに見せるのすらこんなに恥ずかしいんだから、他の男に見せる訳がないのに……!
「あッ、あァっ! イグ……っ! イグ、イぐゥ……っ!!」
「ああ、イかせてやろう」
彼の指が動き、しこりを激しく擦り上げ、そして、
「――――ッ!!!!」
快感が、弾けた。
頭の中が真っ白になる。
「はあ……ぁ……」
気が付けばオレは荒く息をしながら天井を見上げていた。
達してしまったのだと気づくのにしばらくかかった。
身体の内側の異物感も消えている。
「エリク……」
見上げると、彼は傍に座っていた。
後ろだけで達する姿を彼に見られてしまった。
思い出して、顔が熱くなる。
「姫、気が付いたか」
彼の呼称が『アン』から『姫』に戻っている。
「エリク、続きは……?」
オレの乱れた姿に萎えてしまったのだろうか。
不安に胸が痛くなる。
「それは……今度にしよう。今はここから出るのが先決だ」
エリクがこの空間のドアを示す。
「へ……?」
ドアは開いていた。
それでやっと思い出した。
そもそもここから出る為に彼に身体を委ねていたのだということを。
確かにそれなら、彼がこんなところでオレを抱く理由もない。
早く騎士団の皆と合流しなければならないのだから。
オレに萎えたわけではなかったんだ、良かった。
「エリク……」
後で抱いてくれるんだよな?
つい、そう確認してしまいそうになった。
何を言おうとしてるんだ、オレは。
もう彼に抱かれる必要なんてないだろうが。
それとも、オレは……抱かれたいのか?
何度も思い描いて自分を慰めたように、彼に抱かれたいのだろうか。
――――もう、自分の想いを誤魔化すことはできなかった。
こんな痴態を晒しては彼にどう思われるか分からないというのに。
手段は、目的に――――。
もう、この部屋から脱出する為だということはもうすっかり頭から消え失せていた。
「……」
それまで笑みを浮かべていた彼がふっと真顔になる。
え、もしかしてドン引きされた?
「アン」
彼が静かにオレを愛称で呼ぶ。
「男を煽ると怖い目に遭うぞと教えなかったかな?」
「へ?」
グチュリ。
二本目の指がナカに挿入される。
日頃から自慰で慣れていた後孔は容易くそれを飲み込んだ。
「あぁ……ッ!?」
グチュグチュと音を立てて二本の指でナカを擦られる。
指の腹が容赦なく性感帯のしこりを擦り上げる。
「あッ! あぁッ、ぁ、あぁ……ッ!!」
ヨすぎる。きもちいい。
口端からだらしなく涎を垂らしながら、ひたすらに喘ぐ。
駄目だ、こんなの。
こんな声を出して、こんな姿を晒したら……!
「アン……お前のこんなに可愛い姿を見れる初めての男になれて、光栄だ」
エリクが静かに笑う。
『初めての』って、エリクに見せるのすらこんなに恥ずかしいんだから、他の男に見せる訳がないのに……!
「あッ、あァっ! イグ……っ! イグ、イぐゥ……っ!!」
「ああ、イかせてやろう」
彼の指が動き、しこりを激しく擦り上げ、そして、
「――――ッ!!!!」
快感が、弾けた。
頭の中が真っ白になる。
「はあ……ぁ……」
気が付けばオレは荒く息をしながら天井を見上げていた。
達してしまったのだと気づくのにしばらくかかった。
身体の内側の異物感も消えている。
「エリク……」
見上げると、彼は傍に座っていた。
後ろだけで達する姿を彼に見られてしまった。
思い出して、顔が熱くなる。
「姫、気が付いたか」
彼の呼称が『アン』から『姫』に戻っている。
「エリク、続きは……?」
オレの乱れた姿に萎えてしまったのだろうか。
不安に胸が痛くなる。
「それは……今度にしよう。今はここから出るのが先決だ」
エリクがこの空間のドアを示す。
「へ……?」
ドアは開いていた。
それでやっと思い出した。
そもそもここから出る為に彼に身体を委ねていたのだということを。
確かにそれなら、彼がこんなところでオレを抱く理由もない。
早く騎士団の皆と合流しなければならないのだから。
オレに萎えたわけではなかったんだ、良かった。
「エリク……」
後で抱いてくれるんだよな?
つい、そう確認してしまいそうになった。
何を言おうとしてるんだ、オレは。
もう彼に抱かれる必要なんてないだろうが。
それとも、オレは……抱かれたいのか?
何度も思い描いて自分を慰めたように、彼に抱かれたいのだろうか。
――――もう、自分の想いを誤魔化すことはできなかった。
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