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第十五話 ゼラニウム、愛を失う恐れ
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霊医術。
まずそれを学んでおいた方がいいのは確かだ。
別にアレクシスに「専属霊医術士になれ」と言われたからではない。
安定して儲かりそうな職業だからだ。
才能があるらしいのだから、学んでおくに越したことはないだろう。
その他には使役学だろうか。
アレクシスとエーファの間に隠された秘密を明かせれば、彼をぎゃふんと言わせられるかもしれない。
単純に彼が何を隠しているのかが気になる。
これで学びたい学問が二つ決まった。
残りはおいおい考えていけばいいだろう。
「なるほど、霊医術と使役か。いいと思う」
「お前は風の精霊に好かれてたのを活かすのか?」
オレは珍しく授業の後にケントと会話していた。
今まで授業が始まるまでの少しの間と、食堂で一緒に飯を食ってる時ぐらいしか彼とつるんでなかったのだ。
今は廊下で彼と立ち話をしている。
「ああ、それが風の精霊だけじゃなく水の精霊とも相性が良かったんだ」
「あ?」
オレは霊の精霊としか相性が良くなかったのに。
思わず彼を睨み付けて低い声を出していた。
「はは、そんな風に羨ましがられると擽ったいな」
ケントはオレの鋭い視線をジョークの一種だとしか思ってないようだった。
「まあ研鑽を積めば他の属性の精霊も応えてくれるようになるという。あまり気を落とす必要はないと思うよ」
「でも最初にどの精霊が応えてくれるかが、最終的な伸び代も表してるんだろう?」
霊属性の精霊に好かれている人間は、派生属性も霊に関連したものばかり得意になる。
他の属性も初級魔術くらいは、頑張れば中級魔術ぐらいは使えるようになるだろう。
だが上級魔術や複合魔術はというと、難しいようだ。
最初から多くの精霊に好かれてる方が才能があるということだ。
「うん、まあ……。でもすべての属性の魔術を使わなければならないことなんて早々ないし。自分の得意分野が求められている方向に行けばいいんだ」
「チッ、簡単に言ってくれるな。それで、お前のその才能が求められてる『方向』は何処だと思うんだ?」
話を元に戻す。
「最近は南の大陸が発見されて航海が盛んだろう? だから風読みの技術を学ぼうと思っている」
「南の大陸か」
その新大陸が発見されてから数十年になる。
新大陸を探索するとなれば飲み水も生み出せる古代魔術師は貴重な存在だ。
無風の時でも風を起こせるとなれば、ケントみたいのは重宝されることだろう。
黒い肌の貴族たちは元々南の大陸から来たと言われる。
ある日古代魔術にて海を渡り、それまでエルフの使う精霊魔術しか無かった北の大陸に智慧を分け与えた。
黒肌の人々はその知識によって人々の頂点に立ち、領土を治めるようになった。
そして身内だけで婚姻を結び、血が薄まらないようにした。
だから古く歴史のある家系ほど肌の色が黒いのだ。
現在古代魔術と呼ばれてるものは、エルフの「精霊魔術」と南から渡ってきた人々の「属性魔術」というものが合わさったものらしい。
やや脱線気味の授業でバルト先生がそう言っていた。
何百年もの時が過ぎ、やがて貴族たちは自分たちの祖先が元いた南の大陸を一目見てみたいと思うようになった。魂の故郷は一体どのような場所なのだろうかと。
貴族たちは金にものを言わせていくつもの船を南へと送った。
しかしそれらの多くは海の藻屑となった。古代魔術の知識が長い時の中でいくつか失われ、貴族の祖先たちが渡ってきた時よりも古代魔術は衰えていたから。
やっと数十年前に、南の大陸に渡る事が出来たのだ。
だから新大陸というよりも、旧大陸と呼ぶべきかもしれない。
「だが、旧大陸は危険かもしれねぇんだろ?」
「ああ、魔物が出るらしいがそこら辺は大丈夫だろう」
「そこじゃねえ。旧大陸が無人になった原因はまだ解明されてねえじゃねえか」
貴族たちは南の大陸に行けば自分たちと同じ祖先を持つ黒肌の人間がいると思っていた。
だが実際に旧大陸に辿り着くと、そこは無人の大陸だった。
それもただ無人だった訳ではない。
明かりの着いてない灯台が見えた。
港町があった。
人っ子一人いない、静かな港町が。
まるでついさっきまで人が住んでいたのに、瞬間的に消えてしまったかのような有様だった。
旧大陸の調査が進むにつれて、同じように人の姿だけがない町や村がいくつも見つかった。
そして未だに現地人とは一人も会えていない。
何らかの要因により旧大陸の人々は滅んでしまったのかもしれない。
旧大陸の人々同士で戦争をしたのだろうか。
それとも火山の噴火のような自然の災害によるものだろうか。
その原因は何なのか、未だに判明していない。
「でも魔物により殺されてしまった調査隊はいても、南大陸の人のように忽然と消えてしまった調査隊の例はない。南の大陸の人たちに何があったにせよ、それは過去のことだ」
ケントは危険のことなどまるで気にしてないようだった。
まあ確かに大陸へ行くのも儲かりそうだ。彼の選択もアリだろう。
「じゃあ、お互いに将来の為には勉学に励んどかないとな」
「ああ」
戦友、と言えば大仰かもしれない。
それでも同じ学び舎で同じ苦労を共にする仲間ぐらいにはケントのことを思い始めていた。
*
「これから鍛錬場で汗を流そうと思うんだが、どうだ。一緒に行かないか?」
部屋に戻ると、アレクシスにそう誘われた。
この間アレクシスと勝負して負けたオレがずっとヘソを曲げていたのを忘れた訳じゃあるまいに、いい度胸だな。
「別にいい」
「しかし、ずっと身体を動かさないでいると鈍ってしまうぞ」
「だから別にいいんだって。オレは魔術師になるんだから。剣はもう捨てたんだ」
オレがそう言うと、アレクシスは心配そうな顔になった。
「しかし、あれだけ腕が立つんだ。腕を磨いておいて損はないだろう」
もしかしてオレを負かしたせいで、オレの自信を折ってしまったと思っているのだろうか。
確かに、彼のせいでオレの自信は損なわれた。
「そういうことじゃない」
でも本質はそこじゃないんだ。
「オレがもう戦わなくてもいいように、おふくろが金を出してここに入れてくれたんだ。だから剣を握る暇があったら、勉強したい」
「『もう戦わなくてもいいように』?」
アレクシスが目を細めてオレの言葉を繰り返す。
そんな彼の様子を見て、オレはこれがいい機会かと思った。
「……前に、オレの過去を知りたがっていたな」
「ああ」
「ちょっと、こっちに来い」
ベッドの縁に腰掛けていたオレは、彼に隣に座るように促す。
彼は何か尋ねることもなくオレの隣に来てくれた。
オレは彼を上目遣いに見つめる。
そしてシャツのボタンを一つ一つ外し始めた。
「なッ!? ル、ルノっ!?」
何を勘違いしたのか彼が慌てる。
そんな彼を無視して、オレはシャツの下の素肌を彼に見せた。
「……っ」
彼が大きく息を呑む。
そこに傷跡だらけの素肌があったからだろう。
「綺麗な肌じゃなくて残念だったか?」
アレクシスは口をパクパクとさせながら、首を横に振る。
あまりのことに口もきけないといった様子だ。
まあこの程度のことで幻滅されるなら、所詮それまでだったということだ。
「これが肌を見せたくなかった理由だ。こんな傷ができるくらい、オレは戦いの中に身を置いていたんだ」
大浴場に行きたがらなかっただろう、と少し前の話を持ち出す。
そして彼が知りたがっていたオレの過去の一端を口にした。
「オレとおふくろは傭兵だったんだよ」
強がってニヤリと笑みを浮かべるが、彼の反応が怖くない訳がない。
指先が微かに震えてしまうのが自分でも分かった。
まずそれを学んでおいた方がいいのは確かだ。
別にアレクシスに「専属霊医術士になれ」と言われたからではない。
安定して儲かりそうな職業だからだ。
才能があるらしいのだから、学んでおくに越したことはないだろう。
その他には使役学だろうか。
アレクシスとエーファの間に隠された秘密を明かせれば、彼をぎゃふんと言わせられるかもしれない。
単純に彼が何を隠しているのかが気になる。
これで学びたい学問が二つ決まった。
残りはおいおい考えていけばいいだろう。
「なるほど、霊医術と使役か。いいと思う」
「お前は風の精霊に好かれてたのを活かすのか?」
オレは珍しく授業の後にケントと会話していた。
今まで授業が始まるまでの少しの間と、食堂で一緒に飯を食ってる時ぐらいしか彼とつるんでなかったのだ。
今は廊下で彼と立ち話をしている。
「ああ、それが風の精霊だけじゃなく水の精霊とも相性が良かったんだ」
「あ?」
オレは霊の精霊としか相性が良くなかったのに。
思わず彼を睨み付けて低い声を出していた。
「はは、そんな風に羨ましがられると擽ったいな」
ケントはオレの鋭い視線をジョークの一種だとしか思ってないようだった。
「まあ研鑽を積めば他の属性の精霊も応えてくれるようになるという。あまり気を落とす必要はないと思うよ」
「でも最初にどの精霊が応えてくれるかが、最終的な伸び代も表してるんだろう?」
霊属性の精霊に好かれている人間は、派生属性も霊に関連したものばかり得意になる。
他の属性も初級魔術くらいは、頑張れば中級魔術ぐらいは使えるようになるだろう。
だが上級魔術や複合魔術はというと、難しいようだ。
最初から多くの精霊に好かれてる方が才能があるということだ。
「うん、まあ……。でもすべての属性の魔術を使わなければならないことなんて早々ないし。自分の得意分野が求められている方向に行けばいいんだ」
「チッ、簡単に言ってくれるな。それで、お前のその才能が求められてる『方向』は何処だと思うんだ?」
話を元に戻す。
「最近は南の大陸が発見されて航海が盛んだろう? だから風読みの技術を学ぼうと思っている」
「南の大陸か」
その新大陸が発見されてから数十年になる。
新大陸を探索するとなれば飲み水も生み出せる古代魔術師は貴重な存在だ。
無風の時でも風を起こせるとなれば、ケントみたいのは重宝されることだろう。
黒い肌の貴族たちは元々南の大陸から来たと言われる。
ある日古代魔術にて海を渡り、それまでエルフの使う精霊魔術しか無かった北の大陸に智慧を分け与えた。
黒肌の人々はその知識によって人々の頂点に立ち、領土を治めるようになった。
そして身内だけで婚姻を結び、血が薄まらないようにした。
だから古く歴史のある家系ほど肌の色が黒いのだ。
現在古代魔術と呼ばれてるものは、エルフの「精霊魔術」と南から渡ってきた人々の「属性魔術」というものが合わさったものらしい。
やや脱線気味の授業でバルト先生がそう言っていた。
何百年もの時が過ぎ、やがて貴族たちは自分たちの祖先が元いた南の大陸を一目見てみたいと思うようになった。魂の故郷は一体どのような場所なのだろうかと。
貴族たちは金にものを言わせていくつもの船を南へと送った。
しかしそれらの多くは海の藻屑となった。古代魔術の知識が長い時の中でいくつか失われ、貴族の祖先たちが渡ってきた時よりも古代魔術は衰えていたから。
やっと数十年前に、南の大陸に渡る事が出来たのだ。
だから新大陸というよりも、旧大陸と呼ぶべきかもしれない。
「だが、旧大陸は危険かもしれねぇんだろ?」
「ああ、魔物が出るらしいがそこら辺は大丈夫だろう」
「そこじゃねえ。旧大陸が無人になった原因はまだ解明されてねえじゃねえか」
貴族たちは南の大陸に行けば自分たちと同じ祖先を持つ黒肌の人間がいると思っていた。
だが実際に旧大陸に辿り着くと、そこは無人の大陸だった。
それもただ無人だった訳ではない。
明かりの着いてない灯台が見えた。
港町があった。
人っ子一人いない、静かな港町が。
まるでついさっきまで人が住んでいたのに、瞬間的に消えてしまったかのような有様だった。
旧大陸の調査が進むにつれて、同じように人の姿だけがない町や村がいくつも見つかった。
そして未だに現地人とは一人も会えていない。
何らかの要因により旧大陸の人々は滅んでしまったのかもしれない。
旧大陸の人々同士で戦争をしたのだろうか。
それとも火山の噴火のような自然の災害によるものだろうか。
その原因は何なのか、未だに判明していない。
「でも魔物により殺されてしまった調査隊はいても、南大陸の人のように忽然と消えてしまった調査隊の例はない。南の大陸の人たちに何があったにせよ、それは過去のことだ」
ケントは危険のことなどまるで気にしてないようだった。
まあ確かに大陸へ行くのも儲かりそうだ。彼の選択もアリだろう。
「じゃあ、お互いに将来の為には勉学に励んどかないとな」
「ああ」
戦友、と言えば大仰かもしれない。
それでも同じ学び舎で同じ苦労を共にする仲間ぐらいにはケントのことを思い始めていた。
*
「これから鍛錬場で汗を流そうと思うんだが、どうだ。一緒に行かないか?」
部屋に戻ると、アレクシスにそう誘われた。
この間アレクシスと勝負して負けたオレがずっとヘソを曲げていたのを忘れた訳じゃあるまいに、いい度胸だな。
「別にいい」
「しかし、ずっと身体を動かさないでいると鈍ってしまうぞ」
「だから別にいいんだって。オレは魔術師になるんだから。剣はもう捨てたんだ」
オレがそう言うと、アレクシスは心配そうな顔になった。
「しかし、あれだけ腕が立つんだ。腕を磨いておいて損はないだろう」
もしかしてオレを負かしたせいで、オレの自信を折ってしまったと思っているのだろうか。
確かに、彼のせいでオレの自信は損なわれた。
「そういうことじゃない」
でも本質はそこじゃないんだ。
「オレがもう戦わなくてもいいように、おふくろが金を出してここに入れてくれたんだ。だから剣を握る暇があったら、勉強したい」
「『もう戦わなくてもいいように』?」
アレクシスが目を細めてオレの言葉を繰り返す。
そんな彼の様子を見て、オレはこれがいい機会かと思った。
「……前に、オレの過去を知りたがっていたな」
「ああ」
「ちょっと、こっちに来い」
ベッドの縁に腰掛けていたオレは、彼に隣に座るように促す。
彼は何か尋ねることもなくオレの隣に来てくれた。
オレは彼を上目遣いに見つめる。
そしてシャツのボタンを一つ一つ外し始めた。
「なッ!? ル、ルノっ!?」
何を勘違いしたのか彼が慌てる。
そんな彼を無視して、オレはシャツの下の素肌を彼に見せた。
「……っ」
彼が大きく息を呑む。
そこに傷跡だらけの素肌があったからだろう。
「綺麗な肌じゃなくて残念だったか?」
アレクシスは口をパクパクとさせながら、首を横に振る。
あまりのことに口もきけないといった様子だ。
まあこの程度のことで幻滅されるなら、所詮それまでだったということだ。
「これが肌を見せたくなかった理由だ。こんな傷ができるくらい、オレは戦いの中に身を置いていたんだ」
大浴場に行きたがらなかっただろう、と少し前の話を持ち出す。
そして彼が知りたがっていたオレの過去の一端を口にした。
「オレとおふくろは傭兵だったんだよ」
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