3 / 39
第三話 フリージア、憧れ
しおりを挟む
「そんなに儂の髪が好きか?」
風のように姿を現したバルト教師は、ニヤニヤと笑っている。
「あ、いえ、その、髪が美しいと思ったのは本当ですが……っ」
「ふんふん……」
彼は顔面蒼白になったケントに歩み寄り、品定めする。
そして勝手に彼の眼鏡に手をかけると、外してしまった。
「うわっ」
「へえ、なかなか可愛い顔してんじゃねぇか」
バルトはケントの素顔を見つめて、舌舐めずりする。
濡れた唇が艶っぽく光った。
ケントは蛇に睨まれた蛙のように動けない。
「明日のテストで満点取れたら、ご褒美をシてやろうか少年?」
「ご、ごほうび……?」
ケントはただただ彼の言葉を復唱する。
よくよく見れば彼の頬は真っ赤に染まっていた。
「じゃ、明日は期待してるぜ」
バルトは言うだけ言うと背を向けて去っていった。
屋内なのに風が吹いて彼のローブが靡いたと思った瞬間、彼の姿は消えていた。
「あ、あの僕、今、可愛いって言われた……?」
ケントは眼鏡をかけ直しながら、隣のオレに尋ねる。
「お前、ヤバい目の付けられ方をしたんじゃないか?」
オレは可笑しくなってニヤリと笑ったのだった。
*
蝋燭に火を灯し、机に向かう。
たった26字だ。それくらいの名前と意味と読み方ぐらい覚えなければならない。
ふと、ドアがそっと開く僅かな軋みに振り向く。
アレクシスが戻ってきたところだった。
「古代エルフ語の暗記か」
机に向かうオレに彼が声をかけられる。
「……」
オレは無視する。
彼と交わす言葉などないからだ。
「覚えるコツを教えてやろうか?」
「……」
黙って首を横に振った。
「まあ、そうつれなくするな」
彼は苦笑しながらノートを覗き込んでくる。
なんだコイツ、図々しいな。
彼の滑らかな黒肌が間近にある。
彼の面長の顔が整っていることがよく見えた。
真っ黒な石で彫られた彫像だってこの美しさは繊細過ぎて再現できないだろう。
彼の顔に見惚れている自分にハッとする。
クソ、コイツの何もかもが理解できない。
理解できなさに腹が立ってくる。
「Qèrt, Wæve, Èstraj, Rïel……」
アレクシスは低い声でそれぞれの文字の名前を読み上げていく。
旧い言葉が黒い唇から紡がれていく。
今ではもう魔術にしか使われない、棄てられた言葉を。
「空、川、火、大地……そしてlüno、月。頭の中に箱庭を思い浮かべるんだ」
「……箱庭なんか、見たことねえよ」
思わず、口を開いてしまった。
彼があまりにも無意識に嫌味なものだから。
だから、住んでる世界が違い過ぎるんだ。
合うはずがないのに、どうしてオレを選んだんだ。
「じゃあ、小さな世界を思い浮かべよう」
彼は穏やかに答える。
耳元で囁いてるかのような密やかな声に、背筋がゾクゾクとする。
「太陽と月が交互に空の帳の色を変え、大地を山や川が飾り、樹木は四季に応じて装いを変える」
彼の低い声はするりと頭の中に入ってきて、想像の中で彩りが広がる。
風の香りが鼻を擽るような気さえした。
「古代言語の文字の名一つ一つは精霊の名でもある。紡ぎたい魔術の色に照応した詞が即座に浮かんでくるように、この小さい世界を自在に歩くかのように、愛でるように、オレたちはこの言葉を覚えねばならない」
彼の静かな言葉を聞いて感じた。
彼がこの学校の首席なのは、ただ単にお勉強が得意だからというだけではないだろう。
彼は古代魔術を愛してるのだ。この魔術を学ぶことの根源的意味を知っている気がする。だからこそ、一番の成績を修めることが出来るほどに勉学に打ち込めたのだろう。
本当に、オレとは違う生き物だ。
「目を閉じれば内側にいつも世界を感じられるようにするんだ」
彼が話を続ける。
「だから最初からイメージに紐づけて全て覚えてしまうのが有効な方法だと思うんだが……どうだろうか」
彼はオレに穏やかに微笑みかける。
誰にでも優しい自信に満ち溢れた優等生。そんな顔だ。
彼を真っ直ぐに見据えると、オレは答えた。
「まったく役に立たねえ。もっと機械的な覚え方のがいい」
「そ、そうか……」
アレクシスは残念そうに眉を下げた。
「いいか、お前のやり方を押し付けるな。オレに構うな」
オレは彼を一睨みして釘を差すと、視線を教科書に落とした。
彼が何故オレを選んだのか分かってきた。
要は施しをしたいのだ。
「平民出身の劣等生にも優しく勉強を教えてあげる自分」を実現していい気分に浸りたいだけなんだ。
だからあえて刻印の儀で平民出身っぽそうでいかにも頭が良くなさそうな顔をしてる人間……オレを選んだのだろう。
オレに本気で一目惚れなんかしてたはずがない。
その手に乗ってなんかやるものか。
こう見えても暗記なら得意なんだ。
「……すまない、邪魔をしたな。あまり根を詰め過ぎないようにな」
背中にかけられた言葉に、オレは振り向きもしなかった。
お前の力なんか借りなくたって、満点くらい取ってやる。
それから暫くして彼が「おやすみ」と言ってベッドに潜り込む気配がした。
オレは一瞥もせず、机に向かい続けている。
「クエルトゥ、ウィーヴィ……」
頭の中に入っているか確認する為に、目を閉じて暗唱する。
「エストレ、リエル、テルム、えっと……」
Tèroumの次はなんだったか。
思い起こそうとする。
すると自然に低い囁きが頭の中に響く。
「……Yœ, Üste, Ïstrà, Oste……」
アレクシスの声だ。
一文字一文字読み上げてくれた彼の声を思い起こしてしまう。
「くそ……っ!」
何故だか、頬が熱くて堪らなかった。
*
翌日の授業後。
食堂でケントは返ってきたテスト用紙に目を落として固まっていた。
彼のテスト用紙を覗き込んでみる。
一問を除いてすべて正解していた。
「わざと一問だけ落としたのか?」
昨日、ケントが教師に絡まれていたことを思い出して尋ねた。
ちなみにオレは満点だった。
アレクシスが教えてくれたおかげかどうかは分からないが、暗記したことがするすると思い出せたのだ。
「いや……満点目指してたんだけど……」
ケントはガクリと肩を落とした。
どうやらうっかり一問間違えてしまったようだ。
そんなにあの教師の「ご褒美」とやらを楽しみにしていたとは、意外だった。
「よ、少年。隣いいか?」
その時、トレーを持ったバルト教師が声をかけてきた。
やはり神出鬼没な男だ。彼もここで昼食を摂る気だろうか。
「今日のテスト、惜しかったな。それとも、儂は誘いを断られたのか?」
バルトはニヤニヤとケントに笑いかける。
「ち、違います! 満点取りたかったんですけど、本当にうっかり一か所間違えてしまって……!」
「そうか、良かった。フラれた訳ではなかったんだな」
「あ、あの、なら……!」
彼らのやり取りを聞きながら飯を食っていると、不意に影が差す。
「バルト先生……うちの後輩にちょっかいを出さないでいただきたい」
見ると白ローブの上級生がいた。
金髪の上級生は、厳めしく眉根に皺を寄せている。
彼の手の甲に白い花の刻印がある。
ケントの手の甲にあるのと同じものだ。
そうか、こいつがケントの番相手なのか――――。
風のように姿を現したバルト教師は、ニヤニヤと笑っている。
「あ、いえ、その、髪が美しいと思ったのは本当ですが……っ」
「ふんふん……」
彼は顔面蒼白になったケントに歩み寄り、品定めする。
そして勝手に彼の眼鏡に手をかけると、外してしまった。
「うわっ」
「へえ、なかなか可愛い顔してんじゃねぇか」
バルトはケントの素顔を見つめて、舌舐めずりする。
濡れた唇が艶っぽく光った。
ケントは蛇に睨まれた蛙のように動けない。
「明日のテストで満点取れたら、ご褒美をシてやろうか少年?」
「ご、ごほうび……?」
ケントはただただ彼の言葉を復唱する。
よくよく見れば彼の頬は真っ赤に染まっていた。
「じゃ、明日は期待してるぜ」
バルトは言うだけ言うと背を向けて去っていった。
屋内なのに風が吹いて彼のローブが靡いたと思った瞬間、彼の姿は消えていた。
「あ、あの僕、今、可愛いって言われた……?」
ケントは眼鏡をかけ直しながら、隣のオレに尋ねる。
「お前、ヤバい目の付けられ方をしたんじゃないか?」
オレは可笑しくなってニヤリと笑ったのだった。
*
蝋燭に火を灯し、机に向かう。
たった26字だ。それくらいの名前と意味と読み方ぐらい覚えなければならない。
ふと、ドアがそっと開く僅かな軋みに振り向く。
アレクシスが戻ってきたところだった。
「古代エルフ語の暗記か」
机に向かうオレに彼が声をかけられる。
「……」
オレは無視する。
彼と交わす言葉などないからだ。
「覚えるコツを教えてやろうか?」
「……」
黙って首を横に振った。
「まあ、そうつれなくするな」
彼は苦笑しながらノートを覗き込んでくる。
なんだコイツ、図々しいな。
彼の滑らかな黒肌が間近にある。
彼の面長の顔が整っていることがよく見えた。
真っ黒な石で彫られた彫像だってこの美しさは繊細過ぎて再現できないだろう。
彼の顔に見惚れている自分にハッとする。
クソ、コイツの何もかもが理解できない。
理解できなさに腹が立ってくる。
「Qèrt, Wæve, Èstraj, Rïel……」
アレクシスは低い声でそれぞれの文字の名前を読み上げていく。
旧い言葉が黒い唇から紡がれていく。
今ではもう魔術にしか使われない、棄てられた言葉を。
「空、川、火、大地……そしてlüno、月。頭の中に箱庭を思い浮かべるんだ」
「……箱庭なんか、見たことねえよ」
思わず、口を開いてしまった。
彼があまりにも無意識に嫌味なものだから。
だから、住んでる世界が違い過ぎるんだ。
合うはずがないのに、どうしてオレを選んだんだ。
「じゃあ、小さな世界を思い浮かべよう」
彼は穏やかに答える。
耳元で囁いてるかのような密やかな声に、背筋がゾクゾクとする。
「太陽と月が交互に空の帳の色を変え、大地を山や川が飾り、樹木は四季に応じて装いを変える」
彼の低い声はするりと頭の中に入ってきて、想像の中で彩りが広がる。
風の香りが鼻を擽るような気さえした。
「古代言語の文字の名一つ一つは精霊の名でもある。紡ぎたい魔術の色に照応した詞が即座に浮かんでくるように、この小さい世界を自在に歩くかのように、愛でるように、オレたちはこの言葉を覚えねばならない」
彼の静かな言葉を聞いて感じた。
彼がこの学校の首席なのは、ただ単にお勉強が得意だからというだけではないだろう。
彼は古代魔術を愛してるのだ。この魔術を学ぶことの根源的意味を知っている気がする。だからこそ、一番の成績を修めることが出来るほどに勉学に打ち込めたのだろう。
本当に、オレとは違う生き物だ。
「目を閉じれば内側にいつも世界を感じられるようにするんだ」
彼が話を続ける。
「だから最初からイメージに紐づけて全て覚えてしまうのが有効な方法だと思うんだが……どうだろうか」
彼はオレに穏やかに微笑みかける。
誰にでも優しい自信に満ち溢れた優等生。そんな顔だ。
彼を真っ直ぐに見据えると、オレは答えた。
「まったく役に立たねえ。もっと機械的な覚え方のがいい」
「そ、そうか……」
アレクシスは残念そうに眉を下げた。
「いいか、お前のやり方を押し付けるな。オレに構うな」
オレは彼を一睨みして釘を差すと、視線を教科書に落とした。
彼が何故オレを選んだのか分かってきた。
要は施しをしたいのだ。
「平民出身の劣等生にも優しく勉強を教えてあげる自分」を実現していい気分に浸りたいだけなんだ。
だからあえて刻印の儀で平民出身っぽそうでいかにも頭が良くなさそうな顔をしてる人間……オレを選んだのだろう。
オレに本気で一目惚れなんかしてたはずがない。
その手に乗ってなんかやるものか。
こう見えても暗記なら得意なんだ。
「……すまない、邪魔をしたな。あまり根を詰め過ぎないようにな」
背中にかけられた言葉に、オレは振り向きもしなかった。
お前の力なんか借りなくたって、満点くらい取ってやる。
それから暫くして彼が「おやすみ」と言ってベッドに潜り込む気配がした。
オレは一瞥もせず、机に向かい続けている。
「クエルトゥ、ウィーヴィ……」
頭の中に入っているか確認する為に、目を閉じて暗唱する。
「エストレ、リエル、テルム、えっと……」
Tèroumの次はなんだったか。
思い起こそうとする。
すると自然に低い囁きが頭の中に響く。
「……Yœ, Üste, Ïstrà, Oste……」
アレクシスの声だ。
一文字一文字読み上げてくれた彼の声を思い起こしてしまう。
「くそ……っ!」
何故だか、頬が熱くて堪らなかった。
*
翌日の授業後。
食堂でケントは返ってきたテスト用紙に目を落として固まっていた。
彼のテスト用紙を覗き込んでみる。
一問を除いてすべて正解していた。
「わざと一問だけ落としたのか?」
昨日、ケントが教師に絡まれていたことを思い出して尋ねた。
ちなみにオレは満点だった。
アレクシスが教えてくれたおかげかどうかは分からないが、暗記したことがするすると思い出せたのだ。
「いや……満点目指してたんだけど……」
ケントはガクリと肩を落とした。
どうやらうっかり一問間違えてしまったようだ。
そんなにあの教師の「ご褒美」とやらを楽しみにしていたとは、意外だった。
「よ、少年。隣いいか?」
その時、トレーを持ったバルト教師が声をかけてきた。
やはり神出鬼没な男だ。彼もここで昼食を摂る気だろうか。
「今日のテスト、惜しかったな。それとも、儂は誘いを断られたのか?」
バルトはニヤニヤとケントに笑いかける。
「ち、違います! 満点取りたかったんですけど、本当にうっかり一か所間違えてしまって……!」
「そうか、良かった。フラれた訳ではなかったんだな」
「あ、あの、なら……!」
彼らのやり取りを聞きながら飯を食っていると、不意に影が差す。
「バルト先生……うちの後輩にちょっかいを出さないでいただきたい」
見ると白ローブの上級生がいた。
金髪の上級生は、厳めしく眉根に皺を寄せている。
彼の手の甲に白い花の刻印がある。
ケントの手の甲にあるのと同じものだ。
そうか、こいつがケントの番相手なのか――――。
27
お気に入りに追加
447
あなたにおすすめの小説

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

学園と夜の街での鬼ごっこ――標的は白の皇帝――
天海みつき
BL
族の総長と副総長の恋の話。
アルビノの主人公――聖月はかつて黒いキャップを被って目元を隠しつつ、夜の街を駆け喧嘩に明け暮れ、いつしか"皇帝"と呼ばれるように。しかし、ある日突然、姿を晦ました。
その後、街では聖月は死んだという噂が蔓延していた。しかし、彼の族――Nukesは実際に遺体を見ていないと、その捜索を止めていなかった。
「どうしようかなぁ。……そぉだ。俺を見つけて御覧。そしたら捕まってあげる。これはゲームだよ。俺と君たちとの、ね」
学園と夜の街を巻き込んだ、追いかけっこが始まった。
族、学園、などと言っていますが全く知識がないため完全に想像です。何でも許せる方のみご覧下さい。
何とか完結までこぎつけました……!番外編を投稿完了しました。楽しんでいただけたら幸いです。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

総長の彼氏が俺にだけ優しい
桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、
関東で最強の暴走族の総長。
みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。
そんな日常を描いた話である。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる