メスイキしないと死ぬ呪いをかけられたので、ライバルに「抱いてくれ」と頼み込んだらヤンデレだった件。

第五話 一ヶ月後……

「それでは本日の講義を終了します」

　闇魔術の講義が終わった。
　学生たちは伸びをしたり、ノートを片づけたりして各々物音を立て始める。
　俺も手早くノートを片付け、立ち上がった。

「ジェイミー」

　その時、柔らかい声が教室の入り口から聞こえてきた。
　俺は笑顔を浮かべて振り向いた。

「クライド！」

　クライドが迎えに来てくれたのだ。
　俺は彼に駆け寄ると、勢いよく抱き着いた。

「ジェイミー、愛しているよ」

　クライドは抱き着いた俺の顎を掴んで上を向かせると、唇に軽い口づけを落とした。
　途端に、周囲の女学生たちから黄色い悲鳴が上がった。

　メスイキしないと死ぬ呪いを悪魔にかけられてから、一ヶ月。クライドと俺は、すっかり学園内の名カップルとなっていた。

　俺はクライドの手を繋ぎ、並んで廊下を歩く。
　大好き、愛しているの気持ちを込めてぎゅっと握る手に力を込めた。

　禁書の悪魔は、恋のキューピッドだった。
　クライドという素晴らしい人と結び付けてくれたのだから。
　
　クライドは優しいし、こうして毎日迎えに来てくれるし、料理上手で朝食と夕食を作ってくれるし、裁縫上手で外れたボタンもすぐにつけてくれるし、それからそれから……とにかく俺は毎日幸せだ。
　特に極めつけの素晴らしいことは……

「ジェイミー、今日もメスイキさせてあげるからね」
　
　周囲に聞こえない声音の囁きに、全身がゾクゾクとして、それだけで達してしまいそうになった。
　
　そう、クライドは毎日セックスしてイかせてくれるのだ。
　その気持ちよさといったら……もう彼から離れることはできない。

「も、もう！　人前で変なこと言うな！」

　俺は頬を真っ赤にしながら怒った。
　けれども下腹はきゅんきゅうとしているし、後ろの入り口はヒクヒクしてしまっている。

　もう頭の中は、クライドとのセックスでいっぱいだ。
　今日はクライドとどんなセックスをしようかな……♡