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第一章

第4話 まおーしゃまのまほーでくっきんぐしょー!

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   スーパーマーケット到着。もちろん安全安心な人間界!。
   いつもいる魔界は、俺の城以外はヨツバには怖すぎるというのと、ノーブルキーで簡単にいつでも来れるのもある。
   問題があるとすれば、何を作ろうかも買うかも決まってないから、ヨツバと考えるか、俺が決めるかの2択、これは後者かな、ヨツバなら、きっと、きっと!何作っても喜んでくれるはず、そう信じたい。

「何作っろかなぁ?」
「ヨツバ、何食べたい?」
「う~ん、くれーぷ?」
「あははっ…」

   クレープ、何となく予想は出来ていた。けれど、俺はクレープの作り方何て分からない、ヨツバの思い通りの美味しくて、可愛いクレープを作れる自信がない。
   魔法を使おうとも思えない、使えば知らなくても作れる。でも此処は真心と愛情を込めて、この手で作りたい。

「まおーしゃ、だめなの?」

   ヨツバは俺の戸惑いを知る余地もなく、わくわくした瞳でマントを引っ張る。
   キラキラしたヨツバの瞳が眩しすぎて、断わる何て無理だ。
   俺が作る以外にもクレープをモニウに作ってもらうのとできる、だけど、それは逃げ、本当にどうすればいいんだろう。
   作るんだったら、クレープは諦めてもらおうかな。

「ヨツバ、オムライスなんてどう?」
「ん?おむらいしゅ?」
「クレープはまた今度作るからさ、」
「うん 」

   また今度作るって言ったからには、練習しないとな。
   そのまま、少し落ち込んだヨツバを連れてカートにお米、卵、玉ねぎ、ケチャップ、ピーマン、ソーセージ、きのこを入れ、お会計を済ませた。

「まおーしゃ!あれ、くれーぷ?」
「たべたいの?」
「きになるの!」

   ヨツバがパン屋さんに売っているフレンチトーストを指さした。クレープと勘違いしてみたいだけど、全然違うんだよな、色は似てると言えば、似てるが…。

「じゃあ、あれも買っちゃおっか!」
「くれーぷたのしみ!」

   クレープだと思ってるみたいだし、今日食べさせてあげられなかったおわびには、なるよね。ヨツバは喜んでるから良し!
   フレンチトーストを買った後、スーパーの駐車場の人目に付かない場所でノーブルキーを使い、魔王城に帰った。

「ただいまぁ」
「ただいまぁ!!」
「まおーさまにヨツバくん!おかえりなさい!」
「ヨツバくんにいす作ってみたんです!ここには、小さいいす、なかったので!」
「うわぁ!すごい!」
「ヨツバ良かったね!」
「うん!るんるん!」

   新しくて、キラキラした椅子に飛び乗るヨツバ、可愛すぎる、さすがモニウ、天才すぎる。

「こいぬをイメージしてみたんです!」
「ヨツバにぴったりだし、可愛すぎるよ!モーくん 」
「褒めてくれてありがとうございます!!」
「じゃ、俺は夕飯作ってくるね~ 」
「モーくん!さすがにキッチンはヨツバに危ないから、遊んであげてねぇ 」
「はい!分かりましたぁ!」

   ヨツバに炎や刃物みたいな危険な物がある。
   それに、ヨツバが気になって、寂しくなって、俺の所に来てくれても可愛いから、それなら安全に一緒に料理するつもり。
   そんな事を考え、少し幸せな気持ちになりながら、キッチンへ行く。

   (えっと、フライパンは、たしかこの辺にあった気がしたんだけど)

   正直、出来ると言えば出来るが、料理はあまりしていないため、フライパンなどの場所を少し忘れてしまっているみたい。
   自分でも少し呆れてしまう。 さっきノリノリでカートに材料を詰め込んで、俺でも作れるって言って、フライパンの場所忘れるのは、どこか恥ずかしい気がする。

「あ、あった…」
「フフッ     俺ってバカだなぁ 」
    
   普通にコンロの上に乗っていた。コンロ自体は目に入っていたので、ただの見落とし。  そこは何とか笑って誤魔化すとして、 料理開始!

  (火を付けて、まずは油をしくとこから!)

   ブワッ

   ラクという事もあって、火は魔法で付けようとしたけれど、火は出たものの、紫というか黒い火が出た。
    いつもの事では、あるけど、これは戦闘向きかつ攻撃的であって、今はというか今後、戦うつもり何てさらさらない。もしあるとすれば、ヨツバに何かあった時、守るぐらい。

  (はぁ、もう1度…!)

   ブワッ

  (また黒っ……次こそ…!) 

   ブワッ

  (今度は紫……普通のは出せないのかよ… 今度こそは…!)

   ブワッ

   中々出来ずにイライラして、火が燃え上がって行く部屋にモニウが入ってきた。

「えっ?!!まおーさま?!!キ、キッチンが燃えてます!?魔法を使うのは、もう辞めてください!!」
「あ、モ、モーくん?!ヨツバはどうしたの?!」
「どうしたもこうしたもありません!!まおーさま!キッチンを!火事に!しかけないでください!!」
「もぉ!!ヨツバくんに大人として良いの作りたいんですよね?!」
「火を付けるぐらいは良いかなぁって 」
「はぁ?!!まおーさま自分の魔法の威力知ってます?!貴方の紫の炎じゃコンロどころか、部屋ごと燃えますよ!!」
「分かってるって!とりま、これは消しとくから 」
「とりあえず!オレが普通に!付けときますね 」
「次、ここで火事起こしたら、一生まおーさまに料理させませんから 」

  さて、気を取り直して 料理再開。結局はラクは出来ない、出来ないなりに頑張るか。
  まずは、ピーマンやソーセージにケチャップを混ぜたチキンライスを作る。
  正直、 作るのは初めてだけど、上手くできた気がする。
   
   (チキンライス…良い匂いすぎる…)

   そんな匂いに釣られたのか、ヨツバが来た。

「おいしそ~ 」
「あ、ヨツバ!あとちょっとでできるからねぇ あと卵だけ!」
   (ボールを出して…)

   ヨツバが俺のマントを小さく引いた。

「どうしたの?」
「まおーしゃ…よつばもやりたい!」
「え~いいよ!いっしょにやろ!」
「うん!」
「じゃあ、まずこの卵をトントンってしてみて!」
「うん!こう?とぉんとん!」
「そう!あってる!次は、このボールの中にパカってしよ!」
「うん!できた!」
   
   可愛すぎる。毎日一緒に料理したいぐらい可愛い。
   そのあとフライパンに卵をしいたり、チキンライスを包んだりと順調にオムライスを作り、完成させ、ヨツバと一緒にダイニングへ向かった。

「よつば!たべるのたのしみ!るんるん!」
「もうすぐ食べれるよ 」 
「うん!」
    
   そして、ダイニングに着くと、ヨツバは、モニウが作ってくれた小さくて可愛い椅子に、俺は、テーブルの真ん中にある玉座のような椅子ではなく、ヨツバの隣にある椅子に座り、2人で食べ始めた。

「まおーしゃ!これおいしーね!」
「うん!ほんと自分で言うのもなんだけど、美味いんだけど!」
「でも 」
「ん?どうしたの?」

   ヨツバの笑顔が急に嫌な顔に変わった。

「これ、やなの!まおーしゃたべちゃめなの!」
「えっ?ヨツバそれ嫌い?」
「うん!おいしくない!!」

   ヨツバは、ピーマンが嫌みたい。本当は好き嫌いとか正直、辞めてほしい。でも、嫌がってる顔も俺の中では、可愛いから、食べてあげようかな何て考えちゃう。  でも、やっぱり、ここは厳しくいこうかな。

「ヨツバ!好き嫌いはだぁめ!ピーマンは苦いけどさ、食べたら、にこにこになるおまじないかかってるんだよ?」   
「にこにこ?……うん!」 
「にこにこ…にこにこ…!」

   ヨツバは、恐る恐るピーマンを口に近づけ、食べようとする。可愛い。心の中でたくさん応援しちゃう。

   パクっ!

「ん、ん、いや、うわ~~~~~ん!!!!」
「え、ヨツバ!泣くほどマズイ?!子供にはピーマンはダメなのかなぁ…」

   正直、そこまで嫌とは思わなかった。好き嫌いは辞めて方が、良いと聞いた事があるから、頑張って貰わない方が、良かったのかもしれない。

「まおーしゃにこにこになれるっていったもん!」

   そこだった。俺のにこにこになれるが、ダメだったのかな。でもエラいのは事実。褒めないと。

「あ、そこはごめん!でも頑張って食べたのエライ!よしよ~し 」
「んー!まおーしゃ!しんじない!」
「こわいもん!」
「ヨツバ、ごめんね、ってヨツバ!?」

   急に居なくなっていた、さっきまでいたはず。ほんと1分ぐらい前までは。
   ヨツバの小ささなら、まだ、遠くに行っていないはずだから、探してみよう。



 
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