こんなもんだろう

かぁくん

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序章3 謎の出会い

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えみの母と父の葬式がひらかれる日が決まった。
通夜の夜、母の妹が来て言った。

母の妹「えみちゃん、私と一緒に暮らさない?」

えみは首を横に振った。

母の妹「そうだよね。ばぁばとじぃじの方がいいよね。よし!わかった!じゃあいつでも私の所遊びおいで!私が女の楽しみ方を教えてあげるよー」

悪巧みをしているかのようなニヤニヤして言った。
えみは少し笑った。

母の妹「あ!笑ったぁ。待ってるね!」

母達の棺桶はしまっている。えみにも見せてくれなかった。
沢山の人が来た。
えみ(なんか皆怖そう)
ある人が母の妹に言った。

A「どうしても見れないんでしょうか?」
母の妹「見ても本人かわからないと思います」

通夜が終わり。
次の日、母と父は燃やされた。
燃えた後の骨は顔の部分がほとんどなかった。
その後親戚達が集まり皆で酒を飲んでいる。
子供も何人かいたがえみは1人でずっと下を見ていた。


葬式も終わり何日かたち、祖母が言った。

祖母「そろそろ幼稚園行ってみる?」

えみ(行きたくないなぁ。けど嫌って言ったらばぁばまた悲しむかな?)
えみは頷いた。

祖母「じゃあ明日からばぁばと一緒に行こ!」

えみはまた頷く。
次の日幼稚園に行き、えみは教室に入ると、祖母と先生が話をしている。
そしてえみの所には皆が集まってきた。

子供「何してたの?」

えみは喋れない。
えみ(どうしよう。そんないっぱいで来ないで)
えみがびくびくしていると、祖母と話していた先生が来た。

先生「皆聞いてくれる?えみちゃんは今辛い事がたくさんあって話す元気がでません。だからみんな喋る元気がでるまで皆で待ってあげましょう。」
園児たちはボーッとえみを見た。

子供「元気でるといいね!」

えみは何も言わずに下を見た。
その日は皆がえみに優しかった。
えみは嬉しかった。
家に帰ると祖母が料理をし始めた。
えみは手伝いに行こうと台所に向かう。
えみが祖母の服を引っ張る。

祖母「わ!びっくりした!えみちゃんいたの!?」

えみは料理を手伝いたくて料理を指差す。

祖母「今日はカレーだよ。向こうで待っててね」

えみの気持ちは通じない。えみはもう1度料理を指差す。

祖母「カレー嫌?」

えみ(違う!手伝いたいの!)
そう思ったが伝わらず、諦めて首を横にふった。

祖母「じゃあ待っててね」

えみはコタツに入りテレビをつけた。
しばらくすると祖父が帰ってきた。
祖父はいつもただいまは言わない。
何も言わずえみに近づいて行く。

祖父「おーい。えみ、今日は幼稚園楽しかったかー?」

えみの頬をグリグリして聞いた。
えみ(痛い!痛い!)
祖父は土建屋で働いているので手がごつごつしている。
えみ(楽しくはなかったけど、どうだろう?)
えみはわからないような感じで首をかしげた。

祖父「わかんないか!まぁいい!幼稚園行けて偉かったな」

えみは笑って頷いた。

祖母「じじぃ!手洗ってこい!」
祖父「わかったよ。じじぃじゃなくてじぃじだよなぁ、えみぃ」

ヘラヘラしながらえみに言った。

祖父達はまだ若い。20で母を産み、母も20でえみを産んだ。父は親が早く亡くなり親戚に預けられたが18でアパートを借りて働いていた。だが2人が19の時子供ができた事がわかり祖父に言われるがままにこの家に来た。祖父達は同じ歳なので祖父達は46歳。そして母の妹は24。妹は20で結婚した。相手は父の仕事の後輩。今は家から10分程のアパートに住んでいる。だが中々子供ができず、えみを自分の子供かの様にあつかう。
祖父の名前は生田元気。祖母は生田舞。父は婿に入ったので吉村から苗字が変わり生田純。母は生田舞花。母の妹は旦那と結婚して木村舞美。その旦那は木村陣。
祖母と母の妹は気が強かった。母は少し怖がりでいつもニコニコしていた。

このころからえみは幼稚園で喋る事ができないせいでよく1人でいた。その頃からよく絵を描いて1人で暇な時間を過ごしていた。
絵は苦手でまず何を描いていいのかわからない。
結局えみはただ紙を汚しているだけのようなものだった。
ある時男の子が近づいて来てえみの描いている絵を見て紙を取り上げそしてビリビリにやぶき走って逃げて行った。
だがえみはいつかこんな事をされる時がくるだろうとは思っていた。
えみはひどいとは思ったが、辛くはなかった。
紙を拾いに行こうとするとまた男の子がやって来た。
えみ(また?次は何するの?)
すると男の子は紙を拾いだした。
えみ(何?一緒に拾ってくれるだけ?)
えみも一緒に拾った。
拾い終わるとえみの顔を見た。
えみ(何か女の子みたいな顔してる)
そしてえみをみてこう言った。

男の子「僕、心。君はえみちゃん?これからは僕がえみちゃんの事守ってあげる。」

えみ(いきなり何?別にそんなのいらない)

心「いいんだよ。僕は決めたんだ」
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