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三章 龍の花嫁
74 父と娘
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ジッキンデンさんは変身したあとしばらくは動けないようで、その巨体のまま1週間ほどは意識が戻らないみたいです。
その間、ハプスブル家の人達には国に滞在してもらうしかないですね。
「なんか、居候というか、そういうのが増えてきましたね」
ハプスブル家の人達に、神聖国のホープもなんだかんだで国にいます。
なんでも、いままでの自分の教えられてきたこととが本当に正しかったのか、悩んでいるみたいです。
あとは魔王国から来たスズキさんですね。
もともと書類仕事をしていたみたいで、文官勢のお手伝いを自ら進んでやってくれています。すごい戦力らしいです。
文官勢の仕事量は、だいぶ落ち着きましたし昼前仕事が始まり、の日暮れと共に仕事が終わります。たまに残業がありますけどね。
「ここはなんてホワイトなんだ……」
これはスズキさんの口癖らしいです。文官勢の他には、なんかナオキと仲がいいみたいですね。2人でお酒を飲んだりしてます。
いやー、にしてもジッキンデンさんはかなりキャラの濃い人でしたね。ノアの国の人達はみんな一癖ありますが、負けず劣らずの癖の強さです。
今はその巨体のまま倒れていますが、目覚めたらどうなることやら……。
あ、子供たち、それは山でも新しいダンジョンでも無いので登っちゃダメです。
てっぺんにノアの国の旗を立てたい? いやいや、ダメですよ。それ宣戦布告に近いです。
というか、旗なんていつの間に作ってたんです? ちょっと見せてください。
「これは……私ですか?」
シルエットですが、長い髪とこの服装は私ですね。
すごい恥ずかしいです。城に自分の名前がついた時もかなり恥ずかしかったですが、旗に自分のシルエットが使われているというのもかなりきますね……。
ただ話を聞いた限りだと、ノアの国旗としてかなり浸透しているようなので、諦めましょう。
ジッキンデンさんに壊されたマーガレット城はもう元通りにしましたし、ハプスブル家のみなさんへの対応も私が出る幕はありません。
つまり、暇ですね。
「よし、フェンのところに行きましょう」
最近、またもふもふする時間が減っていますから、今日はしっかりともふもふを味あわないといけません。
そうときまれば、フェンの家の前まで転移です!
つきました。フェンの家です。魔狼なので細かいつくりは違いますが、大体は人用の家と変わらない形をしています。
扉には装飾品もかけられてますし、私の家よりもオシャレかもしれません。……私も食器とか家具とか内装に気を使った方がいいでしょうか。
正直気持ちよく寝れる環境とお風呂、そして冬にはコタツが置ければそれだけでいいと思っちゃうんですよねー。
「キャン!」
そんなことを考えていると後ろから可愛い声が聞こえてきました。
「ファオラン、久しぶりですね」
「キャン!」
顔をぺろぺろとなめてきます。うう、ヨダレでベトベトですね。魔法を使えばすぐに綺麗になるので問題ないですが。
にしても……。
「大きくなりましたねファオラン。もう私の背と同じくらいじゃないですか」
かなり大きいです。フェンやシラユキのように大人の魔狼と違い、子供の魔狼は体の大きさを操作できないのでこのままどんどん大きくなるみたいです。
「ただ、まだまだ甘えん坊ですねぇ。ほら、もふもふー」
「キャン!」
喋るのもまだですね。言葉は理解していると思いますが、身体が育たないと人の言語を喋るのは難しいみたいです。
「ん? 主か。来てたのか」
「フェン、お邪魔してます」
「……キャン」
フェンの背中から小さな頭が顔を出します。シランですね。ファオランとは違い、シランは小さいままです。
同じ親を持つ子供でも、まったく違う進化をするのは魔狼にはよくあることみたいです。
シランを抱っこしようとしますが、ぷいっとそっぽを向かれてしまいました。
「シラン」
「いいんですよフェン、お父さんに甘えたい時期ですか?」
「今日はシラユキが狩りにでてるからな……寂しいのではないか? 我は最近妙に避けられていてな……」
あー、娘を持つ父親って感じの発言ですね。フェン。
「年頃というやつなのか……我は嫌われているのかもしれんな。父親というのは、難しいものだ……」
嫌われてる……多分違うと思いますけどね。シランはきっとフェンが好きですよ。
今も、何かを言いたそうに動きましたし。
「シランは、フェンのことを嫌ってなんかいませんよ。大丈夫です」
「そうなのか?」
「娘っていうのは、父親と仲良くするのが照れくさいような、どこか悔しいような、そんな時期があるんですよ。ね? シラン」
わかりますよ。私も、そういう時期がありました。お父さん、天国で元気にしてますかねー。
いつか、みんなでお墓参りに行かないといけませんね。私の今の生活を聞いたら、驚くでしょう。
「……そうなのか? シラン。お父さんのことが嫌いな訳じゃないんだな?」
「……パパのこと、嫌いじゃないし」
「「しゃ、喋った?!」」
フェンも驚いているということは、初めて喋ったってことですね。
びっくりしましたが、とても可愛い声ですね。すぐにそっぽを向いてしまいましたが、あれは照れ隠しです。
お父さんが、娘に嫌われてるかもと落ち込む姿を見たくなかったんでしょう。だからこそ、ちゃんと言葉で伝えたんですね。
「シラン……うぅ」
フェンが嬉しさのあまり泣いてます。たしかに、子供が初めて喋るというのは心揺さぶられますね。
「キャン!」
「もちろん、ファオランも喋れる日が来るのをお父さんは心待ちにしてるぞ」
「キャン!」
ファオランも嬉しそうにフェンにすりすりと頬をこすりつけています。かわいいですねー。
にしても、あの間に入ればもふもふに挟まることが出来ますね……ただ、家族団欒を壊す訳にも……うぅ。
「うわっ?!」
急に後ろからどつかれました。そして、ファオランとフェンのあいだにスポット埋まります。
もふもふです……とろけますね。もふもふー。
押したのはシランですか。すぐにぷいっとしてしまいますが、多分お礼ですかね?
お父さんが自分に嫌われてるかもと思っているのは悲しいですからね。ただ、素直に気持ちを伝えるのは難しいですから、私がキッカケになったのなら良かったです。
大したことはしてないですけどね。
「そろそろシラユキも帰ってくる。主、夕飯を食べていかないか?」
「いいんですか? ただ、アダムが1人になってしまいますね」
それは可愛そうです。アダムと連絡を取りましょうか、はなれていても魔法で話せます。
あ、アダムですか? お母さんです、今フェンのところに晩御飯のお誘いを受けたんですけど……ふむふむ、じゃあバレンタインとナオキとヤニムとスヤリスとご飯を食べに行くんですね?
ホープも連れていくんですか? その、仲良くできているのならば問題はありません。楽しんでくださいね。
気をつけていくんですよ。夜は冷えます。しっかりと上着を持っていかなきゃダメです。
ということで、アダムはみんなでご飯を食べに行くみたいです。最近はちらほらとご飯屋さんができ始めていますからね。
悪魔がやっているところもあれば、人がやっているところもあります。
あまり忙しくて行けてませんが、どこか行ってみたいですね。
「アダムはどうだった? なんなら、呼んでもまったく構わないぞ。子供たちも遊びたがる」
「キャン!」
「いえ、アダムはみんなでご飯を食べに行くみたいです。私だけですね」
「そうか、なら家に入るとしよう。夏といえど、夜は冷える。いつまでも外にいては主が風邪をひくぞ」
もふもふに包まれてますから大丈夫だとは思いますが……お邪魔させてもらいましょう。
そのあとはもふもふをたのしみつつ、シラユキのつくる料理を堪能しました。
魔狼といえど、料理の技術は高くとても美味しかったです。
また、遊びに行きましょう。
その間、ハプスブル家の人達には国に滞在してもらうしかないですね。
「なんか、居候というか、そういうのが増えてきましたね」
ハプスブル家の人達に、神聖国のホープもなんだかんだで国にいます。
なんでも、いままでの自分の教えられてきたこととが本当に正しかったのか、悩んでいるみたいです。
あとは魔王国から来たスズキさんですね。
もともと書類仕事をしていたみたいで、文官勢のお手伝いを自ら進んでやってくれています。すごい戦力らしいです。
文官勢の仕事量は、だいぶ落ち着きましたし昼前仕事が始まり、の日暮れと共に仕事が終わります。たまに残業がありますけどね。
「ここはなんてホワイトなんだ……」
これはスズキさんの口癖らしいです。文官勢の他には、なんかナオキと仲がいいみたいですね。2人でお酒を飲んだりしてます。
いやー、にしてもジッキンデンさんはかなりキャラの濃い人でしたね。ノアの国の人達はみんな一癖ありますが、負けず劣らずの癖の強さです。
今はその巨体のまま倒れていますが、目覚めたらどうなることやら……。
あ、子供たち、それは山でも新しいダンジョンでも無いので登っちゃダメです。
てっぺんにノアの国の旗を立てたい? いやいや、ダメですよ。それ宣戦布告に近いです。
というか、旗なんていつの間に作ってたんです? ちょっと見せてください。
「これは……私ですか?」
シルエットですが、長い髪とこの服装は私ですね。
すごい恥ずかしいです。城に自分の名前がついた時もかなり恥ずかしかったですが、旗に自分のシルエットが使われているというのもかなりきますね……。
ただ話を聞いた限りだと、ノアの国旗としてかなり浸透しているようなので、諦めましょう。
ジッキンデンさんに壊されたマーガレット城はもう元通りにしましたし、ハプスブル家のみなさんへの対応も私が出る幕はありません。
つまり、暇ですね。
「よし、フェンのところに行きましょう」
最近、またもふもふする時間が減っていますから、今日はしっかりともふもふを味あわないといけません。
そうときまれば、フェンの家の前まで転移です!
つきました。フェンの家です。魔狼なので細かいつくりは違いますが、大体は人用の家と変わらない形をしています。
扉には装飾品もかけられてますし、私の家よりもオシャレかもしれません。……私も食器とか家具とか内装に気を使った方がいいでしょうか。
正直気持ちよく寝れる環境とお風呂、そして冬にはコタツが置ければそれだけでいいと思っちゃうんですよねー。
「キャン!」
そんなことを考えていると後ろから可愛い声が聞こえてきました。
「ファオラン、久しぶりですね」
「キャン!」
顔をぺろぺろとなめてきます。うう、ヨダレでベトベトですね。魔法を使えばすぐに綺麗になるので問題ないですが。
にしても……。
「大きくなりましたねファオラン。もう私の背と同じくらいじゃないですか」
かなり大きいです。フェンやシラユキのように大人の魔狼と違い、子供の魔狼は体の大きさを操作できないのでこのままどんどん大きくなるみたいです。
「ただ、まだまだ甘えん坊ですねぇ。ほら、もふもふー」
「キャン!」
喋るのもまだですね。言葉は理解していると思いますが、身体が育たないと人の言語を喋るのは難しいみたいです。
「ん? 主か。来てたのか」
「フェン、お邪魔してます」
「……キャン」
フェンの背中から小さな頭が顔を出します。シランですね。ファオランとは違い、シランは小さいままです。
同じ親を持つ子供でも、まったく違う進化をするのは魔狼にはよくあることみたいです。
シランを抱っこしようとしますが、ぷいっとそっぽを向かれてしまいました。
「シラン」
「いいんですよフェン、お父さんに甘えたい時期ですか?」
「今日はシラユキが狩りにでてるからな……寂しいのではないか? 我は最近妙に避けられていてな……」
あー、娘を持つ父親って感じの発言ですね。フェン。
「年頃というやつなのか……我は嫌われているのかもしれんな。父親というのは、難しいものだ……」
嫌われてる……多分違うと思いますけどね。シランはきっとフェンが好きですよ。
今も、何かを言いたそうに動きましたし。
「シランは、フェンのことを嫌ってなんかいませんよ。大丈夫です」
「そうなのか?」
「娘っていうのは、父親と仲良くするのが照れくさいような、どこか悔しいような、そんな時期があるんですよ。ね? シラン」
わかりますよ。私も、そういう時期がありました。お父さん、天国で元気にしてますかねー。
いつか、みんなでお墓参りに行かないといけませんね。私の今の生活を聞いたら、驚くでしょう。
「……そうなのか? シラン。お父さんのことが嫌いな訳じゃないんだな?」
「……パパのこと、嫌いじゃないし」
「「しゃ、喋った?!」」
フェンも驚いているということは、初めて喋ったってことですね。
びっくりしましたが、とても可愛い声ですね。すぐにそっぽを向いてしまいましたが、あれは照れ隠しです。
お父さんが、娘に嫌われてるかもと落ち込む姿を見たくなかったんでしょう。だからこそ、ちゃんと言葉で伝えたんですね。
「シラン……うぅ」
フェンが嬉しさのあまり泣いてます。たしかに、子供が初めて喋るというのは心揺さぶられますね。
「キャン!」
「もちろん、ファオランも喋れる日が来るのをお父さんは心待ちにしてるぞ」
「キャン!」
ファオランも嬉しそうにフェンにすりすりと頬をこすりつけています。かわいいですねー。
にしても、あの間に入ればもふもふに挟まることが出来ますね……ただ、家族団欒を壊す訳にも……うぅ。
「うわっ?!」
急に後ろからどつかれました。そして、ファオランとフェンのあいだにスポット埋まります。
もふもふです……とろけますね。もふもふー。
押したのはシランですか。すぐにぷいっとしてしまいますが、多分お礼ですかね?
お父さんが自分に嫌われてるかもと思っているのは悲しいですからね。ただ、素直に気持ちを伝えるのは難しいですから、私がキッカケになったのなら良かったです。
大したことはしてないですけどね。
「そろそろシラユキも帰ってくる。主、夕飯を食べていかないか?」
「いいんですか? ただ、アダムが1人になってしまいますね」
それは可愛そうです。アダムと連絡を取りましょうか、はなれていても魔法で話せます。
あ、アダムですか? お母さんです、今フェンのところに晩御飯のお誘いを受けたんですけど……ふむふむ、じゃあバレンタインとナオキとヤニムとスヤリスとご飯を食べに行くんですね?
ホープも連れていくんですか? その、仲良くできているのならば問題はありません。楽しんでくださいね。
気をつけていくんですよ。夜は冷えます。しっかりと上着を持っていかなきゃダメです。
ということで、アダムはみんなでご飯を食べに行くみたいです。最近はちらほらとご飯屋さんができ始めていますからね。
悪魔がやっているところもあれば、人がやっているところもあります。
あまり忙しくて行けてませんが、どこか行ってみたいですね。
「アダムはどうだった? なんなら、呼んでもまったく構わないぞ。子供たちも遊びたがる」
「キャン!」
「いえ、アダムはみんなでご飯を食べに行くみたいです。私だけですね」
「そうか、なら家に入るとしよう。夏といえど、夜は冷える。いつまでも外にいては主が風邪をひくぞ」
もふもふに包まれてますから大丈夫だとは思いますが……お邪魔させてもらいましょう。
そのあとはもふもふをたのしみつつ、シラユキのつくる料理を堪能しました。
魔狼といえど、料理の技術は高くとても美味しかったです。
また、遊びに行きましょう。
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