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三章 龍の花嫁
69 水遊び sideナオキ
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僕はナオキ、元々は勇者だったけど、同じ勇者に奴隷の首輪をつけられていた。マーガレットさんに助けてもらったけどね。
一応、勇者になる前のことは記憶喪失ってことにしてもらってる。
多分、記憶喪失じゃないことはバレてると思うけど、気を使ってくれてるのかあまり深く聞いてくることは無いんだよね。
村にもすっかり慣れて、基本的には子供達に魔法を教えたり、巡回に出てる悪魔たちにつきそったりする仕事を請け負ってる。
今日は非番で、遊びに誘ってきたアダムと一緒になにかしようと思ったんだけど……。
「暑い……」
夏真っ盛りだ。かき氷が食べたくなるなぁ。こっちの世界にもかき氷ってあるのかな? マーガレットさんに言ったら魔法で作って貰えそうだけど。
ていうか、自分で作れるんだった!
とりあえず、暑くて溶けそうになってるアダムの周りの空気を魔法で冷やしておこう。
「ふわぁ……。生き返る……」
こたつにはいってる時のマーガレットさんと反応が完全に一緒だ。やっぱり親子ってことだね。
さて、かき氷を作ろうか。
まずは魔法で氷をつくって……細かく砕くのはどうしよう。風系統の魔法とかかな。
意外と細かく魔法を制御するのは難しいな。
「なにしてるの?」
「ん? かき氷っていう冷たい食べ物を作ろうと思ってさ。ただこの魔法が難しくて……」
「こんな感じー?」
アダムの魔法で氷がどんどん細かく砕かれてる。
……アダムにお願いしようかな。僕はシロップになりそうなものを探してこよう。
悔しくなんてないよ。ちっともね。毎日の魔法の訓練時間を増やそうって決めたけどね。
この前のアーさんとの戦いも、結局体力不足で神器が維持できなくて負けたし、走り込みとかもしなくちゃダメかなぁ。……その前に痩せろって言われそうだけど、バレンタインとかヤニムあたりに。
よし、果実を少し分けてもらったから、これを絞ってシロップにしよう。
「アダム、出来た……って、なんでいるのさ」
アダムのところに戻ったら、なぜか当たり前のような顔をしてバレンタイン、ヤニム、マトンがいた。
バレンタインとマトンはたしか休みだったけど、ヤニムはカブさんのとこの当番じゃなかったっけ?
「あいつには嫁が出来たからな……ぐぬぬ、カブさんに先を越されるなんて」
嫁ができたことと仕事をサボってることは関係ないんじゃ……ま、いっか。怒られるのはヤニムだし。ヤニム、ルールーさんやシルフィさんに怒られすぎて最早見慣れた光景だしね。
「そんなことよりもナオキ、アダムがつくってるのはなんなんだ? アダムに聞いてもよくわからんて言うし」
「あぁ、かき氷って食べ物だよ。こうやって砕いた氷に果実のシロップをかけて……」
では一口。ぱくっ。……うっま! 魔法でつくった氷だから、氷そのものはイマイチだけど果実のシロップが凄く甘くて美味しい。
「な、なんか美味しそうだな。私も欲しいぞナオキ」
「僕も僕も!」
「僕も欲しいなぁ」
バレンタイン、アダム、マトンにもあげよう。3人ともとっても美味しそうに食べてる。
「おいナオキ、俺にもくれよ」
「じゃあヤニムは大盛りにしてあげるよ、ほら」
ふふふ……かき氷の洗礼を味わうといいよヤニム。
「おお、美味そうだな。いただきマース。んー! うっま! 体も冷えるし、この暑さにぴったりだな!」
そういってヤニムはどんどんかき氷を口に運んでいく。
しばらく食べ続けたところで、手が止まった。
「うっ……」
「どうしたの? ヤニム」
「あ、頭がァァァァァ!」
「「「ヤ、ヤニムゥゥゥ!?」」」
ヤニムは頭を抱えて苦しみはじめた。ははは、やっぱりこの世界でも冷たいものを一気に食べると頭がキーンとなるのは変わらないんだね。
「ははは、冷たいものを一気に食べると頭がキーンってなるんだよ、毒とかじゃないから大丈夫」
「なんだよもう! はめやがったなナオキ」
「騙されるのが悪いのさ、ヤニム」
「くそー!」
悔しいとばかりにおかわりを要求してくるヤニム。みんなもなんだかんだでまだ食べたいのかどんどんおかわりを求めてくる。
お、アダムは複数のシロップを混ぜてる。もうそこにたどり着くとは……やるねアダム。
……ん、とてつもなき大きい気配が近づいてくる。マーガレットさんだね。あの人、ほとんど魔力を隠してないから近づいてくるとすぐにわかる。
「甘い匂いと、涼し気な気配がすると思ったら……なにやら美味しそうなものを食べてますね」
「マーガレットさんも食べます? かき氷って名前なんですけど」
「かき氷……いかにも涼しそうな名前ですね。氷にシロップをかけて味付けをするんですね」
いただきます、とマーガレットさんがかき氷を食べる。そして、大きな笑顔をうかべた。
「んー! 美味しいですね! これこそ夏の食べ物って感じです。ナオキが考えたんですか?」
「あ、えっと……そうです。僕が考えました」
記憶喪失の設定なのに故郷の食べ物とか言ったら変だからね。
「お母さん、仕事は?」
「終わりましたよー。だから今日はみんなと遊びに来ました」
アダムがとっても嬉しそうな顔を浮かべる。大人びてるところもあるし、知識や魔法だけで考えれば並の大人じゃ歯が立たないレベルなんだけど、こういうところは子供って感じだね。
かき氷を食べ終え、長い髪を結ったマーガレットさんは、子供のような笑顔で言った。
「水遊び、しましょう!」
み、水遊び? 水着のないこの世界でそれは可能なのかな。
いや、みんなの水着に興味があるとかそういうわけじゃないよ。
「まずは、地面に穴を掘ります」
うわ……すごい量の魔力が注ぎ込まれてる。一瞬で水遊びをするための穴ができたね。
「地面を固めて……ちょっとだけ温めた水を入れます」
「えー、マーガレット様、冷たくしないんですか?」
「いくら真夏とはいえ、冷水に浸かったら風邪をひきますよ」
たしかに。最初は冷たくて気持ちよくても、入ってるうちにどんどん寒くなって風邪をひくってことはありそうだね。
「ヤニムは大丈夫じゃない? なんとかは風邪ひかな行って言うじゃん」
「水に沈めるぞマトン」
「はい、喧嘩はダメですよ。……よし、水もはれたので、入っていいですよ」
そう言うと、アダムとヤニムが上半身裸になって水に飛び込んだ。潔いいなぁ。
ちなみに、2人が飛び込む直前、マーガレットさんによって体を綺麗にする魔法がかけられていたから水が汚れることも無さそうだね。
じゃあ、僕も入ろうかな。
よっと!
「……ナオキ、腹が浮いてんぞ」
「うるさいよヤニム」
人をデブみたいに呼んで欲しくないな。僕はぽっちゃりであって、デブじゃないんだよ。
「みんな涼しそうですね、私も入りましょうか」
そのマーガレットさんの言葉に、思わずヤニムとマトンと僕の目線がマーガレットさんに向けられる。
「……脱ぎませんよ?」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。すごい冷えきった声で言われた……。ヤニムなんて恐怖で沈んでる。
マーガレットさんは魔法で水の上にちいさなテントのようなものを浮かべて、その中で楽しむみたいだ。
「みずのひんやりが伝わってきますねー」
「む、何をやってるのだマーガレット」
「あ、アーさん。水遊びです」
ぞろぞろと悪魔たちがやってくる。ドワーフ達も酒と椅子を持ってサイドで飲むみたいだ。
子供たちも来てるし……今日は一日水遊びかな。風邪ひかないようにしないと!
一応、勇者になる前のことは記憶喪失ってことにしてもらってる。
多分、記憶喪失じゃないことはバレてると思うけど、気を使ってくれてるのかあまり深く聞いてくることは無いんだよね。
村にもすっかり慣れて、基本的には子供達に魔法を教えたり、巡回に出てる悪魔たちにつきそったりする仕事を請け負ってる。
今日は非番で、遊びに誘ってきたアダムと一緒になにかしようと思ったんだけど……。
「暑い……」
夏真っ盛りだ。かき氷が食べたくなるなぁ。こっちの世界にもかき氷ってあるのかな? マーガレットさんに言ったら魔法で作って貰えそうだけど。
ていうか、自分で作れるんだった!
とりあえず、暑くて溶けそうになってるアダムの周りの空気を魔法で冷やしておこう。
「ふわぁ……。生き返る……」
こたつにはいってる時のマーガレットさんと反応が完全に一緒だ。やっぱり親子ってことだね。
さて、かき氷を作ろうか。
まずは魔法で氷をつくって……細かく砕くのはどうしよう。風系統の魔法とかかな。
意外と細かく魔法を制御するのは難しいな。
「なにしてるの?」
「ん? かき氷っていう冷たい食べ物を作ろうと思ってさ。ただこの魔法が難しくて……」
「こんな感じー?」
アダムの魔法で氷がどんどん細かく砕かれてる。
……アダムにお願いしようかな。僕はシロップになりそうなものを探してこよう。
悔しくなんてないよ。ちっともね。毎日の魔法の訓練時間を増やそうって決めたけどね。
この前のアーさんとの戦いも、結局体力不足で神器が維持できなくて負けたし、走り込みとかもしなくちゃダメかなぁ。……その前に痩せろって言われそうだけど、バレンタインとかヤニムあたりに。
よし、果実を少し分けてもらったから、これを絞ってシロップにしよう。
「アダム、出来た……って、なんでいるのさ」
アダムのところに戻ったら、なぜか当たり前のような顔をしてバレンタイン、ヤニム、マトンがいた。
バレンタインとマトンはたしか休みだったけど、ヤニムはカブさんのとこの当番じゃなかったっけ?
「あいつには嫁が出来たからな……ぐぬぬ、カブさんに先を越されるなんて」
嫁ができたことと仕事をサボってることは関係ないんじゃ……ま、いっか。怒られるのはヤニムだし。ヤニム、ルールーさんやシルフィさんに怒られすぎて最早見慣れた光景だしね。
「そんなことよりもナオキ、アダムがつくってるのはなんなんだ? アダムに聞いてもよくわからんて言うし」
「あぁ、かき氷って食べ物だよ。こうやって砕いた氷に果実のシロップをかけて……」
では一口。ぱくっ。……うっま! 魔法でつくった氷だから、氷そのものはイマイチだけど果実のシロップが凄く甘くて美味しい。
「な、なんか美味しそうだな。私も欲しいぞナオキ」
「僕も僕も!」
「僕も欲しいなぁ」
バレンタイン、アダム、マトンにもあげよう。3人ともとっても美味しそうに食べてる。
「おいナオキ、俺にもくれよ」
「じゃあヤニムは大盛りにしてあげるよ、ほら」
ふふふ……かき氷の洗礼を味わうといいよヤニム。
「おお、美味そうだな。いただきマース。んー! うっま! 体も冷えるし、この暑さにぴったりだな!」
そういってヤニムはどんどんかき氷を口に運んでいく。
しばらく食べ続けたところで、手が止まった。
「うっ……」
「どうしたの? ヤニム」
「あ、頭がァァァァァ!」
「「「ヤ、ヤニムゥゥゥ!?」」」
ヤニムは頭を抱えて苦しみはじめた。ははは、やっぱりこの世界でも冷たいものを一気に食べると頭がキーンとなるのは変わらないんだね。
「ははは、冷たいものを一気に食べると頭がキーンってなるんだよ、毒とかじゃないから大丈夫」
「なんだよもう! はめやがったなナオキ」
「騙されるのが悪いのさ、ヤニム」
「くそー!」
悔しいとばかりにおかわりを要求してくるヤニム。みんなもなんだかんだでまだ食べたいのかどんどんおかわりを求めてくる。
お、アダムは複数のシロップを混ぜてる。もうそこにたどり着くとは……やるねアダム。
……ん、とてつもなき大きい気配が近づいてくる。マーガレットさんだね。あの人、ほとんど魔力を隠してないから近づいてくるとすぐにわかる。
「甘い匂いと、涼し気な気配がすると思ったら……なにやら美味しそうなものを食べてますね」
「マーガレットさんも食べます? かき氷って名前なんですけど」
「かき氷……いかにも涼しそうな名前ですね。氷にシロップをかけて味付けをするんですね」
いただきます、とマーガレットさんがかき氷を食べる。そして、大きな笑顔をうかべた。
「んー! 美味しいですね! これこそ夏の食べ物って感じです。ナオキが考えたんですか?」
「あ、えっと……そうです。僕が考えました」
記憶喪失の設定なのに故郷の食べ物とか言ったら変だからね。
「お母さん、仕事は?」
「終わりましたよー。だから今日はみんなと遊びに来ました」
アダムがとっても嬉しそうな顔を浮かべる。大人びてるところもあるし、知識や魔法だけで考えれば並の大人じゃ歯が立たないレベルなんだけど、こういうところは子供って感じだね。
かき氷を食べ終え、長い髪を結ったマーガレットさんは、子供のような笑顔で言った。
「水遊び、しましょう!」
み、水遊び? 水着のないこの世界でそれは可能なのかな。
いや、みんなの水着に興味があるとかそういうわけじゃないよ。
「まずは、地面に穴を掘ります」
うわ……すごい量の魔力が注ぎ込まれてる。一瞬で水遊びをするための穴ができたね。
「地面を固めて……ちょっとだけ温めた水を入れます」
「えー、マーガレット様、冷たくしないんですか?」
「いくら真夏とはいえ、冷水に浸かったら風邪をひきますよ」
たしかに。最初は冷たくて気持ちよくても、入ってるうちにどんどん寒くなって風邪をひくってことはありそうだね。
「ヤニムは大丈夫じゃない? なんとかは風邪ひかな行って言うじゃん」
「水に沈めるぞマトン」
「はい、喧嘩はダメですよ。……よし、水もはれたので、入っていいですよ」
そう言うと、アダムとヤニムが上半身裸になって水に飛び込んだ。潔いいなぁ。
ちなみに、2人が飛び込む直前、マーガレットさんによって体を綺麗にする魔法がかけられていたから水が汚れることも無さそうだね。
じゃあ、僕も入ろうかな。
よっと!
「……ナオキ、腹が浮いてんぞ」
「うるさいよヤニム」
人をデブみたいに呼んで欲しくないな。僕はぽっちゃりであって、デブじゃないんだよ。
「みんな涼しそうですね、私も入りましょうか」
そのマーガレットさんの言葉に、思わずヤニムとマトンと僕の目線がマーガレットさんに向けられる。
「……脱ぎませんよ?」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。すごい冷えきった声で言われた……。ヤニムなんて恐怖で沈んでる。
マーガレットさんは魔法で水の上にちいさなテントのようなものを浮かべて、その中で楽しむみたいだ。
「みずのひんやりが伝わってきますねー」
「む、何をやってるのだマーガレット」
「あ、アーさん。水遊びです」
ぞろぞろと悪魔たちがやってくる。ドワーフ達も酒と椅子を持ってサイドで飲むみたいだ。
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