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第28話 問題は持ち運ぶもの
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「聖女様、このお肉!すごく美味しくなってます!」
「私はチーズを推しますわ。見事なきつね色です」
「こっちのソーセージもすごくいい香りですよ!ハムも全然違います!土地神様すごいです!」
「問題ナイ」
羊飼いさんから放牧の代価として提供いただいている、チーズ、お肉、ハム、ソーセージ。
そのままでいただいても、もちろん美味しいのですが、今日は聖女様が発見した画期的な調理方法により、美味しさがさらに一段、いえ、数段上がってしまったのです!
◇ ◇ ◇ ◇
切っ掛けは、あたしが土地神様の香りに気がついたことでした。
いつもの薪に変えて泥炭を召し上がるようになってしばらくしてから、土地神様から漂ってくる水蒸気にほのかに香りがついているように感じられたのです。
「土地神様、ひょっとして香水を変えられました?」
「香水 ハ シナイ。筐体 ハ 適宜 高温蒸気 洗浄ヲ行イ 無菌状態 ヲ 維持 シテイル」
ちょっと傷ついたように土地神様が仰るので、慌てて否定しました。
「いいえ!土地神様が臭うとか、そんな意味じゃありませんとも!ただ、すごくいい匂いがするものですから」
聖女様が眼鏡をキラリと光らせます。
「ひょっすると原因は泥炭かもしれませんね」
「泥炭が?たしかにタイミングとしては合ってますけど・・・」
「文献によれば泥炭はお酒や燻製肉の香り付けに使われることもあるそうですよ。土地神様は泥炭を召し上がっているのですから、煙に香りがついてもおかしくありません」
「燻製肉ですか・・・あたし、干し肉にはあんまりいい思い出がないんですけど・・・」
盛り上がりかけた食欲がぐんと後退していくのを感じます。
あたしの思い出にある干し肉は、硬くて塩気が強すぎて不味い肉のことです。
下町の人間にはお肉は高いので軍隊の放出品っぽい干し肉ぐらいしか回ってこないのです。
ですが、その品質はお察しの通りの水準でありまして・・・棒鱈の方が腐りかけていないだけ、まだマシです。
「燻製肉は保存よりも味付けのために加工するのですよ。カチカチになるまで干すのでなく、香り付けのために軽く燻すのだとか。何倍も美味しくなるので買い取り額が上がる、と文献には書かれていた記憶がありますね。たしか蟲車で運んできた書籍の中に加工法もあったはず・・・」
「探してきます!燻製ですね!」
あたしは聖女様が止めるのも聞かず、脱兎のごとく書籍の山へと突っ走ったのです。
◇ ◇ ◇ ◇
文献を参考に何度かの試行錯誤を経て、燻製の方法と最適な燻す時間はわかってきました。
燻製、美味しいです。
チーズもソーセージもハムもお肉も3割増しで美味しく豊かな香りで幸せになれます。
が、根本的な問題が発覚しました。
「でも、ちょっと燻すのって時間かかりますね・・・」
「そうですね。昼間は出来れば泥炭の運搬に労力を割きたいですから。でも夕方からとなると夜間ずっと火を見ているわけにはいきませんし」
聖女様とあたしの二人きりの暮らしで、燻製の作成は時間がかかりすぎるのです。
特に今のように「泥炭を大量に運び込んで地下の計算機を動かそう作戦」を実施していると、昼間はずっと泥炭池と神殿を運搬船で往復をしていますから焚き火に吊された肉に張りついているわけにはいきません。
かといって離れていると失敗の確率はあがります。
「羊飼いのおじさんにお願いします?」
「そうですねえ。ですが羊飼いさんもご自分のお仕事があるでしょうし・・・」
羊飼いのおじさんもずっと神殿近くに居るわけでなく、羊を載せて一族の土地と舟で往復をしていますから、燻製をずっと見ていてもらうわけにはいきません。
「運搬船の上で燻製をつくるのはどうです?」
「火事になります」
「そうですよねえ・・・」
泥炭のように燃えるものを満載したお船の上で火を燃やすわけにはいきません。
「うーん・・・」
聖女様が水を出せるとして目を離した隙に燃え広がったりしたら船ごと失われてしまいます。
「むうーん・・・」
たかが食べ物のために土地神様への感謝となる作戦を挫折させるわけにはいきません。
たかが食べ物です!
「むううーん・・・」
ちょっと美味しい薫り高いチーズや深みの増した味のソーセージやきつね色のハムの・・・うう・・・
「ぐぬぬ・・・」
「リリア、唇を噛みしめ過ぎて血と涎がでていますよ」
「ち、違います!これは・・・乾燥です!お肌が乾燥して割れてるだけです!」
「なら、いいのですが。とりあえず口を拭きなさい」
「はい・・・」
仕方ありません・・・しばらく燻製は棚上げです・・・
そうしてしょんぼりと下を向いておりますと
「燻製ツクル」
と、土地神様が仰るのです。
とてもありがたいお話ですが、熱い水蒸気を吹きかけても燻製にはなりません。
大変美味しい蒸し料理にはなるのですけど。
すると土地神様は様々な管の走った口をぱかりとあけまして
「中 ニ ツルス」
と、仰ったのです。
◇ ◇ ◇ ◇
土地神様の口の中に横棒をワタして、燻製にしたい食材を吊す。
とても罪深い仕儀ではありますが、燻製は大成功でした。
何しろ焚き火と異なり、火力と煙が安定しておりますし、泥炭運搬の作業中は常に近くにいるものですから出来具合についても常に確認していただけます。
それと不思議なことに、土地神様に作っていただく燻製は、どの食材も数回目からはとても安定して美味しくなったのです。
「おそらく土地神様は体の中に仕掛けがあって、時間を測ったり温度を測ることがとても正確にお出来になるのね」
というのが聖女様の推測でした。
「それってお腹の中に時計があるようなものなのでしょうか?」
「それに近いかもしれません。ひょっとするとピラミッドの地下にあった巨大な歯車機械の計算機のようなものが、土地神様のお腹か頭の中にあるのかも」
「とっても便利ですねえ!」
お腹の中に時計があったら、朝ご飯の準備やお料理がとっても便利になるに違いありません。
お貴族様のやお金持ちの商人の中には懐中時計という、ポケットに入れるサイズの時計を持っている人もいるそうですが、あたしのような庶民は王城や教会の鐘を聞いて時刻を推測するしかないのです。
「あまり正確に時間がわかっても忙しない暮らしになるだけかもしれませんよ」
聖女様は思慮深げに紅茶を飲んでおられますが、もし正確に時間が測れたら紅茶だってもう少し美味しく簡単に淹れられるようになるに違いないのです。
◇ ◇ ◇ ◇
王国の南端の港は難民達で溢れかえっています。
土地をうち捨てた農民達が「隣国で活躍中の王子の庇護を求めて」港から隣国へ渡ることを希望したからです。
その余波で軍の補給は混乱をきたしています。
「いったいこの連中は何だ!とっととどこかへ追い散らせ!軍務の邪魔だ!」
「それが、上の方から連中を渡海させてやれ、と指令が来ておりまして・・・」
「はあ!? 軍は戦争中だぞ! 難民の面倒など見られるか!」
「どこも同じことを言ってまして、それでどうせ問題になるなら隣国に投げてしまった方がいいとの判断でしょう・・・」
「棄民か。彼らは王国国民だぞ」
「ですが、ここには連中に食わせる飯も飲ませる水もありません。海を渡せば少なくとも水と土地はあります」
「・・・そういうことか。クソッ」
こうして、干魃により土地を失った王国農民の一部は戦争によって綺麗に掃除された隣国の農地へと入植することになったのです。
問題が解決したわけではありませんが、当面は別の者に少なくとも責任を押しつけることはできた。
王国首脳部は、そう信じています。
「私はチーズを推しますわ。見事なきつね色です」
「こっちのソーセージもすごくいい香りですよ!ハムも全然違います!土地神様すごいです!」
「問題ナイ」
羊飼いさんから放牧の代価として提供いただいている、チーズ、お肉、ハム、ソーセージ。
そのままでいただいても、もちろん美味しいのですが、今日は聖女様が発見した画期的な調理方法により、美味しさがさらに一段、いえ、数段上がってしまったのです!
◇ ◇ ◇ ◇
切っ掛けは、あたしが土地神様の香りに気がついたことでした。
いつもの薪に変えて泥炭を召し上がるようになってしばらくしてから、土地神様から漂ってくる水蒸気にほのかに香りがついているように感じられたのです。
「土地神様、ひょっとして香水を変えられました?」
「香水 ハ シナイ。筐体 ハ 適宜 高温蒸気 洗浄ヲ行イ 無菌状態 ヲ 維持 シテイル」
ちょっと傷ついたように土地神様が仰るので、慌てて否定しました。
「いいえ!土地神様が臭うとか、そんな意味じゃありませんとも!ただ、すごくいい匂いがするものですから」
聖女様が眼鏡をキラリと光らせます。
「ひょっすると原因は泥炭かもしれませんね」
「泥炭が?たしかにタイミングとしては合ってますけど・・・」
「文献によれば泥炭はお酒や燻製肉の香り付けに使われることもあるそうですよ。土地神様は泥炭を召し上がっているのですから、煙に香りがついてもおかしくありません」
「燻製肉ですか・・・あたし、干し肉にはあんまりいい思い出がないんですけど・・・」
盛り上がりかけた食欲がぐんと後退していくのを感じます。
あたしの思い出にある干し肉は、硬くて塩気が強すぎて不味い肉のことです。
下町の人間にはお肉は高いので軍隊の放出品っぽい干し肉ぐらいしか回ってこないのです。
ですが、その品質はお察しの通りの水準でありまして・・・棒鱈の方が腐りかけていないだけ、まだマシです。
「燻製肉は保存よりも味付けのために加工するのですよ。カチカチになるまで干すのでなく、香り付けのために軽く燻すのだとか。何倍も美味しくなるので買い取り額が上がる、と文献には書かれていた記憶がありますね。たしか蟲車で運んできた書籍の中に加工法もあったはず・・・」
「探してきます!燻製ですね!」
あたしは聖女様が止めるのも聞かず、脱兎のごとく書籍の山へと突っ走ったのです。
◇ ◇ ◇ ◇
文献を参考に何度かの試行錯誤を経て、燻製の方法と最適な燻す時間はわかってきました。
燻製、美味しいです。
チーズもソーセージもハムもお肉も3割増しで美味しく豊かな香りで幸せになれます。
が、根本的な問題が発覚しました。
「でも、ちょっと燻すのって時間かかりますね・・・」
「そうですね。昼間は出来れば泥炭の運搬に労力を割きたいですから。でも夕方からとなると夜間ずっと火を見ているわけにはいきませんし」
聖女様とあたしの二人きりの暮らしで、燻製の作成は時間がかかりすぎるのです。
特に今のように「泥炭を大量に運び込んで地下の計算機を動かそう作戦」を実施していると、昼間はずっと泥炭池と神殿を運搬船で往復をしていますから焚き火に吊された肉に張りついているわけにはいきません。
かといって離れていると失敗の確率はあがります。
「羊飼いのおじさんにお願いします?」
「そうですねえ。ですが羊飼いさんもご自分のお仕事があるでしょうし・・・」
羊飼いのおじさんもずっと神殿近くに居るわけでなく、羊を載せて一族の土地と舟で往復をしていますから、燻製をずっと見ていてもらうわけにはいきません。
「運搬船の上で燻製をつくるのはどうです?」
「火事になります」
「そうですよねえ・・・」
泥炭のように燃えるものを満載したお船の上で火を燃やすわけにはいきません。
「うーん・・・」
聖女様が水を出せるとして目を離した隙に燃え広がったりしたら船ごと失われてしまいます。
「むうーん・・・」
たかが食べ物のために土地神様への感謝となる作戦を挫折させるわけにはいきません。
たかが食べ物です!
「むううーん・・・」
ちょっと美味しい薫り高いチーズや深みの増した味のソーセージやきつね色のハムの・・・うう・・・
「ぐぬぬ・・・」
「リリア、唇を噛みしめ過ぎて血と涎がでていますよ」
「ち、違います!これは・・・乾燥です!お肌が乾燥して割れてるだけです!」
「なら、いいのですが。とりあえず口を拭きなさい」
「はい・・・」
仕方ありません・・・しばらく燻製は棚上げです・・・
そうしてしょんぼりと下を向いておりますと
「燻製ツクル」
と、土地神様が仰るのです。
とてもありがたいお話ですが、熱い水蒸気を吹きかけても燻製にはなりません。
大変美味しい蒸し料理にはなるのですけど。
すると土地神様は様々な管の走った口をぱかりとあけまして
「中 ニ ツルス」
と、仰ったのです。
◇ ◇ ◇ ◇
土地神様の口の中に横棒をワタして、燻製にしたい食材を吊す。
とても罪深い仕儀ではありますが、燻製は大成功でした。
何しろ焚き火と異なり、火力と煙が安定しておりますし、泥炭運搬の作業中は常に近くにいるものですから出来具合についても常に確認していただけます。
それと不思議なことに、土地神様に作っていただく燻製は、どの食材も数回目からはとても安定して美味しくなったのです。
「おそらく土地神様は体の中に仕掛けがあって、時間を測ったり温度を測ることがとても正確にお出来になるのね」
というのが聖女様の推測でした。
「それってお腹の中に時計があるようなものなのでしょうか?」
「それに近いかもしれません。ひょっとするとピラミッドの地下にあった巨大な歯車機械の計算機のようなものが、土地神様のお腹か頭の中にあるのかも」
「とっても便利ですねえ!」
お腹の中に時計があったら、朝ご飯の準備やお料理がとっても便利になるに違いありません。
お貴族様のやお金持ちの商人の中には懐中時計という、ポケットに入れるサイズの時計を持っている人もいるそうですが、あたしのような庶民は王城や教会の鐘を聞いて時刻を推測するしかないのです。
「あまり正確に時間がわかっても忙しない暮らしになるだけかもしれませんよ」
聖女様は思慮深げに紅茶を飲んでおられますが、もし正確に時間が測れたら紅茶だってもう少し美味しく簡単に淹れられるようになるに違いないのです。
◇ ◇ ◇ ◇
王国の南端の港は難民達で溢れかえっています。
土地をうち捨てた農民達が「隣国で活躍中の王子の庇護を求めて」港から隣国へ渡ることを希望したからです。
その余波で軍の補給は混乱をきたしています。
「いったいこの連中は何だ!とっととどこかへ追い散らせ!軍務の邪魔だ!」
「それが、上の方から連中を渡海させてやれ、と指令が来ておりまして・・・」
「はあ!? 軍は戦争中だぞ! 難民の面倒など見られるか!」
「どこも同じことを言ってまして、それでどうせ問題になるなら隣国に投げてしまった方がいいとの判断でしょう・・・」
「棄民か。彼らは王国国民だぞ」
「ですが、ここには連中に食わせる飯も飲ませる水もありません。海を渡せば少なくとも水と土地はあります」
「・・・そういうことか。クソッ」
こうして、干魃により土地を失った王国農民の一部は戦争によって綺麗に掃除された隣国の農地へと入植することになったのです。
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