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ロゼリア学園入学
リュミエット・ハイド
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朝食を終えた4人は食堂を出ると、校舎まで向かった。
ロゼリア学園の敷地内はかなり広く、寮から校舎までの道はかなりある。
4人は話しながら歩き続け、しばらくすると編入試験の会場であった校舎が見えてきた。
近づくと校舎の入り口に誰かが立っているのが見えた。
「皆様、おはようございます。お待ちしておりました。」
そこには黒い執事服を着たグランがいた。
4人は一斉に「おはようございます」と頭を下げて挨拶を交わした。
「改めまして、ご入学おめでとうございます。皆様はこれからロゼリア学園の生徒として学園生活を送っていただきます。まず初めに、学園長であるリュミエット様へご挨拶に行きますので、ついてきてください。」
グランは説明を終えると「こちらです」と言いながら校舎の中へと入って行き、その後ろを4人は順番について行った。
中に入ると、試験会場の時とは違い極めて普通の校舎内であった。
「リュミエット様って昨日、リオとレオを合格にしてくれた人だよね」
「そうだね」
「運が良かったのね」
「なんだともういっぺん言ってみろ、この陰険女!」
((レオ、今日まともに喋った、、、))
グランの後に続きながら、途中アリエルとレオが口喧嘩を始めた。その2人の喧嘩を止める事なく、後ろで見守っているデイジーとリオはお互い顔を見合わせて苦笑いを浮かべていた。
後ろでそんなやりとりをしていたのを気にせず進み続けたグランは「こちらです。」と言ってとある扉の前で立ち止まった。
「こちらが学園長室です。これから学園長と皆様でお話をしていただきます。」
「話?なんの?」
レオの質問に対して「それは学園長に会えばわかります。」と言って扉をノックした。
「はい。」
「グランです。編入生様をお連れいたしました。」
「あぁ、そうかい。入っていいよ。」
部屋の中から返事が聞こえるとグランは「失礼します。」と扉を開け4人を中へ通した。
中に入るときちんと整理整頓された部屋の周りは、端から端までぎっしりと詰まった本棚があり部屋の奥には大きな机に向かって座っている人物がいた。
「よく来てくれたね。待っていたよ。」
「!!!」
ふふッと笑いかける姿は中性的な顔立ちで、そこにいる誰もが目を奪われていた。
ただ1人、デイジーを除いて。
「グラン、連れてきてくれてありがとう。」
「とんでもございません。皆様、こちらが学園長のリュミエット様です。1人ずつご挨拶を。」
「アリエル・スキューマです」
「リオ・イグトルスです」
「レオ・イグトルス」
「、、、」
1人ずつ名乗っていく中、デイジーだけは黙ってリュミエットを見つめているだけだった。
「、、、デイジー?」
「あ、ご、ごめんなさい。えっと、デイジー・クラルです」
リオの声にハッと我に返ったデイジーは慌てて名乗るとリュミエットは優しい顔で頷いて聞いていた。
「みんな、自己紹介ありがとう。僕は学園長のリュミエット・ハイドだよ。昨日の試験モニターで言ったけど、直接会うのは初めてだからね。みんな、改めて入学おめでとう。」
リュミエットの言葉に4人は背筋を伸ばして「ありがとうございます」と答えた。
緊張して硬くなっているのか、そんな彼らにリュミエットは「そんなに緊張しなくていいよ、リラックスして。」と微笑みながら声をかけた。
「君たちは今日から本格的にロゼリア学園の生徒として過ごしてもらうことになるよ。ここではレイズを学び、それを活かす事を目的として校外活動の一環である『学園ギルド』というクラスがあるんだ。」
「ギルド?」
「ギルドは依頼をこなして報酬を受け取る仕事の組織。街にもあるでしょ。それと同じようにロゼリア学園ギルドも色々なところからの依頼をこなす特別クラスの事よ」
「さすが君はよく知っているね、アリエル」
「なんでそんなの知ってんだ?」
「別になんでもいいでしょ」
レオの質問にそっけない態度で答えると、レオは少しイラついたような顔でアリエルを睨んでいる。
「それで君たちも入学したのだから是非、その学園ギルドに入ってほしいんだ。学園ギルドは結構あるからそこに加入するのもいいし、『ギルドマスター』と『ギルドリーダー』がいれば新しい学園ギルドを自分で作る事もできるよ。」
「この学園ではギルドに入ることが絶対条件ですか?」
「普通はそんな事はないんだけど、君たちには少し特殊なお願いがあって入学してもらったんだ。」
「特殊なお願い?」
リオが聞くとそれまで優しい顔で話をしていたリュミエットの顔つきが変わり、真剣な目で4人を見つめた。
「君たちは『ディリオン』という組織を知っているかな。」
「ディ、ディリオン、、、?」
「大きな闇ギルドを率いる凶悪な組織だよ。レイズを使って悪さをする。泥棒や傷害、時には殺人をするのも躊躇しないような危ない組織。」
「「「「、、、」」」」
「このベルベット王国では昔『ディリティリオン』と呼ばれる巨大な蛇の魔物が世界を危機に陥れた伝説があってね。その厄災の元凶がディリオンなんだ。」
「その伝説って再生の女神の?」
リオが質問するとリュミエットは驚いた顔を見せ「よく知っているね」と笑って見せた。
「試験を受ける前に馭者さんが教えてくれました。でも、そのディリオンの事じゃなくて再生の女神が一頭の龍と一緒に魔物を鎮めたって」
「そう。実はこのロゼリア学園の旧校舎裏に大樹があるんだ。その木の下に再生の女神が鎮めた魔物『ディリティリオン』が埋まっている。」
「「「「!!!!」」」」
リュミエットの言葉に4人は背筋を凍らせた。
厄災の魔物ディリティリオンが眠っているというのはとても衝撃的だった。
「って言われてるだけね。」
「はぁ?」
「僕も実際に見たわけでもないし、厄災が起きたって言われているときまだぼく生まれてないからね。その伝説を守って僕の『結界』のレイズで大樹を隠しているからロゼリア学園の生徒も実際に見た人は少ないと思うよ。」
真剣な眼差しから一変し、急にラフな話し方になり戸惑い始めた。
「そ、それでそのディリオンがどうしたんですか」
「ちょっと小耳に挟んだ噂なんだけどね、ディリオンがまた良からぬ動きを見せているみたいなんだよね。」
「良くない動きってどんなだ?」
「ディリオンの闇ギルドがいくつか犯罪行為をしている話が最近増えているんだ。闇ギルドの活動が活発になっているのはディリオンが関わっていると思って間違い無いだろうからね。」
「そんな事、知らなかった、、、」
リュミエットからの話を聞いたデイジーが不安そうな表情を浮かべて俯いていた。
隣に立っているアリエルはデイジーに気づくと肩に触れて落ち着かせた。
「それでこんな話をした後にいうのもなんだけど、君たちにはそんなディリオンと戦ってほしいんだ。」
「「「「、、、は?/え?」」」」
「どうしたの?」
リュミエットの発言に4人は口をポカンと開けて呆然としていた。
「いやいや、それが本当ならやばい奴らなんだろ!?なんで入学したてのオレらがそんなやばい奴らと戦うんだよ!」
「そうですね。僕たちは危険を犯しに入学した訳じゃありませんから」
「確かにいきなり言われて戸惑うのもわかるけど、正直ロゼリア学園の編入は通常ならありえない事なんだよ。」
「というと?」
「ロゼリア学園はそもそも1年に一度開かれる試験しか生徒を集めない。しかもその1回で入学できる生徒はほとんどいない。だから、今回開いた編入試験は珍しいんだよ。」
「な、何が言いてーんだよ」
レオの戸惑った様子の質問にリュミエットはまた真剣な目で見つめると静かに口を開いた。
「今回の編入試験はディリオンとの戦いができる生徒かを見極めていたんだ。」
ロゼリア学園の敷地内はかなり広く、寮から校舎までの道はかなりある。
4人は話しながら歩き続け、しばらくすると編入試験の会場であった校舎が見えてきた。
近づくと校舎の入り口に誰かが立っているのが見えた。
「皆様、おはようございます。お待ちしておりました。」
そこには黒い執事服を着たグランがいた。
4人は一斉に「おはようございます」と頭を下げて挨拶を交わした。
「改めまして、ご入学おめでとうございます。皆様はこれからロゼリア学園の生徒として学園生活を送っていただきます。まず初めに、学園長であるリュミエット様へご挨拶に行きますので、ついてきてください。」
グランは説明を終えると「こちらです」と言いながら校舎の中へと入って行き、その後ろを4人は順番について行った。
中に入ると、試験会場の時とは違い極めて普通の校舎内であった。
「リュミエット様って昨日、リオとレオを合格にしてくれた人だよね」
「そうだね」
「運が良かったのね」
「なんだともういっぺん言ってみろ、この陰険女!」
((レオ、今日まともに喋った、、、))
グランの後に続きながら、途中アリエルとレオが口喧嘩を始めた。その2人の喧嘩を止める事なく、後ろで見守っているデイジーとリオはお互い顔を見合わせて苦笑いを浮かべていた。
後ろでそんなやりとりをしていたのを気にせず進み続けたグランは「こちらです。」と言ってとある扉の前で立ち止まった。
「こちらが学園長室です。これから学園長と皆様でお話をしていただきます。」
「話?なんの?」
レオの質問に対して「それは学園長に会えばわかります。」と言って扉をノックした。
「はい。」
「グランです。編入生様をお連れいたしました。」
「あぁ、そうかい。入っていいよ。」
部屋の中から返事が聞こえるとグランは「失礼します。」と扉を開け4人を中へ通した。
中に入るときちんと整理整頓された部屋の周りは、端から端までぎっしりと詰まった本棚があり部屋の奥には大きな机に向かって座っている人物がいた。
「よく来てくれたね。待っていたよ。」
「!!!」
ふふッと笑いかける姿は中性的な顔立ちで、そこにいる誰もが目を奪われていた。
ただ1人、デイジーを除いて。
「グラン、連れてきてくれてありがとう。」
「とんでもございません。皆様、こちらが学園長のリュミエット様です。1人ずつご挨拶を。」
「アリエル・スキューマです」
「リオ・イグトルスです」
「レオ・イグトルス」
「、、、」
1人ずつ名乗っていく中、デイジーだけは黙ってリュミエットを見つめているだけだった。
「、、、デイジー?」
「あ、ご、ごめんなさい。えっと、デイジー・クラルです」
リオの声にハッと我に返ったデイジーは慌てて名乗るとリュミエットは優しい顔で頷いて聞いていた。
「みんな、自己紹介ありがとう。僕は学園長のリュミエット・ハイドだよ。昨日の試験モニターで言ったけど、直接会うのは初めてだからね。みんな、改めて入学おめでとう。」
リュミエットの言葉に4人は背筋を伸ばして「ありがとうございます」と答えた。
緊張して硬くなっているのか、そんな彼らにリュミエットは「そんなに緊張しなくていいよ、リラックスして。」と微笑みながら声をかけた。
「君たちは今日から本格的にロゼリア学園の生徒として過ごしてもらうことになるよ。ここではレイズを学び、それを活かす事を目的として校外活動の一環である『学園ギルド』というクラスがあるんだ。」
「ギルド?」
「ギルドは依頼をこなして報酬を受け取る仕事の組織。街にもあるでしょ。それと同じようにロゼリア学園ギルドも色々なところからの依頼をこなす特別クラスの事よ」
「さすが君はよく知っているね、アリエル」
「なんでそんなの知ってんだ?」
「別になんでもいいでしょ」
レオの質問にそっけない態度で答えると、レオは少しイラついたような顔でアリエルを睨んでいる。
「それで君たちも入学したのだから是非、その学園ギルドに入ってほしいんだ。学園ギルドは結構あるからそこに加入するのもいいし、『ギルドマスター』と『ギルドリーダー』がいれば新しい学園ギルドを自分で作る事もできるよ。」
「この学園ではギルドに入ることが絶対条件ですか?」
「普通はそんな事はないんだけど、君たちには少し特殊なお願いがあって入学してもらったんだ。」
「特殊なお願い?」
リオが聞くとそれまで優しい顔で話をしていたリュミエットの顔つきが変わり、真剣な目で4人を見つめた。
「君たちは『ディリオン』という組織を知っているかな。」
「ディ、ディリオン、、、?」
「大きな闇ギルドを率いる凶悪な組織だよ。レイズを使って悪さをする。泥棒や傷害、時には殺人をするのも躊躇しないような危ない組織。」
「「「「、、、」」」」
「このベルベット王国では昔『ディリティリオン』と呼ばれる巨大な蛇の魔物が世界を危機に陥れた伝説があってね。その厄災の元凶がディリオンなんだ。」
「その伝説って再生の女神の?」
リオが質問するとリュミエットは驚いた顔を見せ「よく知っているね」と笑って見せた。
「試験を受ける前に馭者さんが教えてくれました。でも、そのディリオンの事じゃなくて再生の女神が一頭の龍と一緒に魔物を鎮めたって」
「そう。実はこのロゼリア学園の旧校舎裏に大樹があるんだ。その木の下に再生の女神が鎮めた魔物『ディリティリオン』が埋まっている。」
「「「「!!!!」」」」
リュミエットの言葉に4人は背筋を凍らせた。
厄災の魔物ディリティリオンが眠っているというのはとても衝撃的だった。
「って言われてるだけね。」
「はぁ?」
「僕も実際に見たわけでもないし、厄災が起きたって言われているときまだぼく生まれてないからね。その伝説を守って僕の『結界』のレイズで大樹を隠しているからロゼリア学園の生徒も実際に見た人は少ないと思うよ。」
真剣な眼差しから一変し、急にラフな話し方になり戸惑い始めた。
「そ、それでそのディリオンがどうしたんですか」
「ちょっと小耳に挟んだ噂なんだけどね、ディリオンがまた良からぬ動きを見せているみたいなんだよね。」
「良くない動きってどんなだ?」
「ディリオンの闇ギルドがいくつか犯罪行為をしている話が最近増えているんだ。闇ギルドの活動が活発になっているのはディリオンが関わっていると思って間違い無いだろうからね。」
「そんな事、知らなかった、、、」
リュミエットからの話を聞いたデイジーが不安そうな表情を浮かべて俯いていた。
隣に立っているアリエルはデイジーに気づくと肩に触れて落ち着かせた。
「それでこんな話をした後にいうのもなんだけど、君たちにはそんなディリオンと戦ってほしいんだ。」
「「「「、、、は?/え?」」」」
「どうしたの?」
リュミエットの発言に4人は口をポカンと開けて呆然としていた。
「いやいや、それが本当ならやばい奴らなんだろ!?なんで入学したてのオレらがそんなやばい奴らと戦うんだよ!」
「そうですね。僕たちは危険を犯しに入学した訳じゃありませんから」
「確かにいきなり言われて戸惑うのもわかるけど、正直ロゼリア学園の編入は通常ならありえない事なんだよ。」
「というと?」
「ロゼリア学園はそもそも1年に一度開かれる試験しか生徒を集めない。しかもその1回で入学できる生徒はほとんどいない。だから、今回開いた編入試験は珍しいんだよ。」
「な、何が言いてーんだよ」
レオの戸惑った様子の質問にリュミエットはまた真剣な目で見つめると静かに口を開いた。
「今回の編入試験はディリオンとの戦いができる生徒かを見極めていたんだ。」
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