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ヒューナ村
決意
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「ただいま、、、」
レオの家を出たデイジーは昨日とは違い、何事もなく自分の家に着いた。
自分の部屋に入ると、カバンを机に置いて部屋の鏡に映る自分の姿をじっと見つめた。
(、、、、、)
そして夢で聞いた鈴の音を思いだしていた。
透き通るきれいな音の中にどこか悲しそうな音は、デイジーの頭の中に残っていた。
“知りてぇんだったらお前が動かねぇと何も変わらねぇ”
「何も、変わらない、、、」
昔、三人で森の湖でレイズの練習をしていた時からデイジーは二人の背中を追うことしかできない泣き虫でいた。
村でいじめっ子にからかわれて泣いていてもいつもレオとリオに助けられていた頃を思い出した。
「私、変わらなきゃ、、、」
覚悟を決めたような目つきで鏡に映る自分を見る。
そして胸に手を当て、ぎゅっと拳を握りしめた。
次の日、学校がお休みだからかいつもより少し遅めに起き、私服に着替えて身支度を整えた。
鏡に映る自分の顔が、昨日より自然に笑えるようになったのに気づき「よし」と言って部屋を後にした。
家を出たデイジーはレオの家のチャイムを鳴らす。すると家の中からトコトコと足音が聞こえると、ガチャっと玄関が開き白く長い髭を生やした老人が出てきた。
老人はデイジーに気づくと「おぉよく来たのぉデイジー」と笑った。
「こんにちは、村長」
そう、この老人はヒューナ村の村長でレオとリオの祖父だ。
「いつも孫たちと仲良くしてくれてありがとのぉ。二人に会いに来てくれたのか?」
「はい、休みの日にすみません」
「ええんじゃよ。さ、上がっておくれ」
そう言うと村長は玄関を大きく開け、デイジーを招き入れた。
デイジーは「ありがとうございます」と言って家の中に入った。
「あれ?デイジー、どうしたの」
「あ、リオ」
中に入ると、リオが私服で本を抱えて玄関近くまで来ていた。
「あ、もしかして出かける予定だった?」
「うん、でもデイジーの家に向かおうとしていたんだよ」
「私の家に?」
「話したいことがあってね、ちょうどよかった。飲み物持っていくから、先にレオの部屋に行っててくれる?レオが部屋にいるから」
そう言われるとデイジーは「わかった」と言って村長に頭を下げた後、レオの部屋へと向かった。
リオは部屋に向かったデイジーの後ろ姿を見て嬉しそうに笑った。
「若い子はいいのぉ」と隣で村長が冷やかすと、リオの顔が少し赤くなり咳払いをしてそそくさとキッチンに向かった。
デイジーはレオの部屋の前につくと「ふぅ」と深呼吸をしてドアをノックした。
すると中から「誰だ?」と言う聞きなれた安心する声が聞こえた。でも、やはりどこか不機嫌な声でもある。
「突然、ごめんなさい。私だけど、、、」
「デイジー?」
話しかけると、足音が近づきガラッとドアが開き、私服姿のレオが出てきた。
「ごめんね、休みの日に」とデイジーが言うとレオは頭を掻きながら「全くだよな、休みだってのに」と憎まれ口を言いながらも体はデイジーを部屋に招いているそぶりを見せる。
「お邪魔します」とレオの部屋に入ると、昨日と少し違いベットにはたくさんの本が積まれていた。
「もしかして、予定があった?」
「別に、休みだから寝てただけだ」
大あくびを見せながらレオは自分のベットに座り、デイジーはレオの近くに直に座った。
すると、タイミングよく飲み物を持ったリオが部屋を開けて入ってきた。
「お待たせ」と言いながら、目の前のテーブルにそれぞれ飲み物を置き「それで、デイジーはどうしたの?」とリオも近くに座った。
デイジーはぎゅっと拳に力を入れると「あ、あのね、、、」と話し出した。
「私、昨日二人に話をして、二人の気持ちも聞いたら昔のことを思い出したの」
「昔?」
「私がいじめられていると二人は必ず助けてくれて、いつも守ってくれて、すごくうれしかった」
「、、、」
「でも、それが当たり前になっていくと強い二人の前じゃ私はきっと役に立てないんだって、どんどん自信を無くしていたの。」
少し震えながら話すデイジーを二人は黙って話を聞いている。
「それでも昨日レオから自分で動かないと”変わらない”って聞いて改めて思ったの、今度は私が二人を守れるくらいに強くなりたいって、、、変わりたいって思ったの」
「デイジー、、、」
「私は知りたい。自分の目で、体で、全部で知りたい。二人に変わった私を見てほしい。だから、、、」
「ロゼリア学園の編入試験、受けようとおもう」と顔を上げ、二人を見つめる。
その顔は昨日までの暗く思いつめた表情から一変し、覚悟を決めた目をしていた。デイジーの瞳の奥にはどこか希望を持っているようにも見えた。
その姿を見たリオとレオは、顔を似合わせるとリオはクスッと笑い、レオは「はぁ」とため息をついた。
予想していなかった二人の反応に対してデイジーは「あ、あの、、、」と戸惑っていた。
「それがデイジーの答えでいいんだね?」
「うん、ロゼリア学園に行って時の巫女について知りたい。強くなって二人を守れるように変わりたい、、、!」
「随分と大きく出たな、守るったってオレたちより強くならねぇと無理だろ」
「なるよ、自分のことちゃんと信じてあげたいから!」
そう言うとデイジーは今まで見たことないくらいの飛びっきりの笑顔を見せた。
またリオとレオが顔を見合わせると「いいんじゃね」と言ってレオはそのままベットに寝転んだ。
「多分、デイジーはそう言うと思ったから僕たちでも準備していたんだよ」
「準備?」
「お前がロゼリア学園に行くって言ったらオレたちも行くつもりだったからな」
「え、でも、、、二人に迷惑は、、、」
「一応言っておく、オレがロゼリア学園に行きてぇの!受験票を受け取ったんだからな」
そう言って自分の受験票をひらひらと見せつける。
不安そうに「リオも、、、?」と聞くと、いつもと同じ笑顔を見せて「今日、僕がデイジーの家に行こうとしたのはね、これを見せたかったんだ」と自分が持っていた本をデイジーに見せた。
その本はロゼリア学園について書かれてある本だった。
「昨日、デイジーが帰った後に街に行く用事があってね、そこの資料館に行ってこの本を譲ってもらったんだ」
「よかったの?」
「本自体、古くてもう読んでいる人もこの辺りじゃいないからって言ってくれてね。それで気になるところがあったんだ」
そう言うとリオはペラペラと本をめくり、とあるページをデイジーに見せた。
それはロゼリア学園が建てられた歴史が記載されているようだった。
「昔、ロゼリア学園を建てた人物は世界を救った女性の方で、その伝説は今も語り継がれていて『再生の女神』って呼ばれているんだって」
「再生の女神、、、」
「時の巫女の情報は見つけられなかったけど、なんとなくこの再生の女神が気になってね。だから僕も自分が知りたいからロゼリア学園に行こうと思うよ」
「い、いいの、、、?」
「オレもリオも自分で決めたんだよ。お前と同じでな」
「デイジーも自分で決めたんでしょ。僕たちも自分の意志で決めたんだよ、デイジーのせいじゃないよ」
二人は優しくデイジーを見つめると、デイジーは嬉しそうな笑顔で「ありがとう!」と言った。
こうして三人はロゼリア学園と時の巫女、そして再生の女神についての謎を解明するべく、まずはロゼリア学園編入試験合格を目指した。
レオの家を出たデイジーは昨日とは違い、何事もなく自分の家に着いた。
自分の部屋に入ると、カバンを机に置いて部屋の鏡に映る自分の姿をじっと見つめた。
(、、、、、)
そして夢で聞いた鈴の音を思いだしていた。
透き通るきれいな音の中にどこか悲しそうな音は、デイジーの頭の中に残っていた。
“知りてぇんだったらお前が動かねぇと何も変わらねぇ”
「何も、変わらない、、、」
昔、三人で森の湖でレイズの練習をしていた時からデイジーは二人の背中を追うことしかできない泣き虫でいた。
村でいじめっ子にからかわれて泣いていてもいつもレオとリオに助けられていた頃を思い出した。
「私、変わらなきゃ、、、」
覚悟を決めたような目つきで鏡に映る自分を見る。
そして胸に手を当て、ぎゅっと拳を握りしめた。
次の日、学校がお休みだからかいつもより少し遅めに起き、私服に着替えて身支度を整えた。
鏡に映る自分の顔が、昨日より自然に笑えるようになったのに気づき「よし」と言って部屋を後にした。
家を出たデイジーはレオの家のチャイムを鳴らす。すると家の中からトコトコと足音が聞こえると、ガチャっと玄関が開き白く長い髭を生やした老人が出てきた。
老人はデイジーに気づくと「おぉよく来たのぉデイジー」と笑った。
「こんにちは、村長」
そう、この老人はヒューナ村の村長でレオとリオの祖父だ。
「いつも孫たちと仲良くしてくれてありがとのぉ。二人に会いに来てくれたのか?」
「はい、休みの日にすみません」
「ええんじゃよ。さ、上がっておくれ」
そう言うと村長は玄関を大きく開け、デイジーを招き入れた。
デイジーは「ありがとうございます」と言って家の中に入った。
「あれ?デイジー、どうしたの」
「あ、リオ」
中に入ると、リオが私服で本を抱えて玄関近くまで来ていた。
「あ、もしかして出かける予定だった?」
「うん、でもデイジーの家に向かおうとしていたんだよ」
「私の家に?」
「話したいことがあってね、ちょうどよかった。飲み物持っていくから、先にレオの部屋に行っててくれる?レオが部屋にいるから」
そう言われるとデイジーは「わかった」と言って村長に頭を下げた後、レオの部屋へと向かった。
リオは部屋に向かったデイジーの後ろ姿を見て嬉しそうに笑った。
「若い子はいいのぉ」と隣で村長が冷やかすと、リオの顔が少し赤くなり咳払いをしてそそくさとキッチンに向かった。
デイジーはレオの部屋の前につくと「ふぅ」と深呼吸をしてドアをノックした。
すると中から「誰だ?」と言う聞きなれた安心する声が聞こえた。でも、やはりどこか不機嫌な声でもある。
「突然、ごめんなさい。私だけど、、、」
「デイジー?」
話しかけると、足音が近づきガラッとドアが開き、私服姿のレオが出てきた。
「ごめんね、休みの日に」とデイジーが言うとレオは頭を掻きながら「全くだよな、休みだってのに」と憎まれ口を言いながらも体はデイジーを部屋に招いているそぶりを見せる。
「お邪魔します」とレオの部屋に入ると、昨日と少し違いベットにはたくさんの本が積まれていた。
「もしかして、予定があった?」
「別に、休みだから寝てただけだ」
大あくびを見せながらレオは自分のベットに座り、デイジーはレオの近くに直に座った。
すると、タイミングよく飲み物を持ったリオが部屋を開けて入ってきた。
「お待たせ」と言いながら、目の前のテーブルにそれぞれ飲み物を置き「それで、デイジーはどうしたの?」とリオも近くに座った。
デイジーはぎゅっと拳に力を入れると「あ、あのね、、、」と話し出した。
「私、昨日二人に話をして、二人の気持ちも聞いたら昔のことを思い出したの」
「昔?」
「私がいじめられていると二人は必ず助けてくれて、いつも守ってくれて、すごくうれしかった」
「、、、」
「でも、それが当たり前になっていくと強い二人の前じゃ私はきっと役に立てないんだって、どんどん自信を無くしていたの。」
少し震えながら話すデイジーを二人は黙って話を聞いている。
「それでも昨日レオから自分で動かないと”変わらない”って聞いて改めて思ったの、今度は私が二人を守れるくらいに強くなりたいって、、、変わりたいって思ったの」
「デイジー、、、」
「私は知りたい。自分の目で、体で、全部で知りたい。二人に変わった私を見てほしい。だから、、、」
「ロゼリア学園の編入試験、受けようとおもう」と顔を上げ、二人を見つめる。
その顔は昨日までの暗く思いつめた表情から一変し、覚悟を決めた目をしていた。デイジーの瞳の奥にはどこか希望を持っているようにも見えた。
その姿を見たリオとレオは、顔を似合わせるとリオはクスッと笑い、レオは「はぁ」とため息をついた。
予想していなかった二人の反応に対してデイジーは「あ、あの、、、」と戸惑っていた。
「それがデイジーの答えでいいんだね?」
「うん、ロゼリア学園に行って時の巫女について知りたい。強くなって二人を守れるように変わりたい、、、!」
「随分と大きく出たな、守るったってオレたちより強くならねぇと無理だろ」
「なるよ、自分のことちゃんと信じてあげたいから!」
そう言うとデイジーは今まで見たことないくらいの飛びっきりの笑顔を見せた。
またリオとレオが顔を見合わせると「いいんじゃね」と言ってレオはそのままベットに寝転んだ。
「多分、デイジーはそう言うと思ったから僕たちでも準備していたんだよ」
「準備?」
「お前がロゼリア学園に行くって言ったらオレたちも行くつもりだったからな」
「え、でも、、、二人に迷惑は、、、」
「一応言っておく、オレがロゼリア学園に行きてぇの!受験票を受け取ったんだからな」
そう言って自分の受験票をひらひらと見せつける。
不安そうに「リオも、、、?」と聞くと、いつもと同じ笑顔を見せて「今日、僕がデイジーの家に行こうとしたのはね、これを見せたかったんだ」と自分が持っていた本をデイジーに見せた。
その本はロゼリア学園について書かれてある本だった。
「昨日、デイジーが帰った後に街に行く用事があってね、そこの資料館に行ってこの本を譲ってもらったんだ」
「よかったの?」
「本自体、古くてもう読んでいる人もこの辺りじゃいないからって言ってくれてね。それで気になるところがあったんだ」
そう言うとリオはペラペラと本をめくり、とあるページをデイジーに見せた。
それはロゼリア学園が建てられた歴史が記載されているようだった。
「昔、ロゼリア学園を建てた人物は世界を救った女性の方で、その伝説は今も語り継がれていて『再生の女神』って呼ばれているんだって」
「再生の女神、、、」
「時の巫女の情報は見つけられなかったけど、なんとなくこの再生の女神が気になってね。だから僕も自分が知りたいからロゼリア学園に行こうと思うよ」
「い、いいの、、、?」
「オレもリオも自分で決めたんだよ。お前と同じでな」
「デイジーも自分で決めたんでしょ。僕たちも自分の意志で決めたんだよ、デイジーのせいじゃないよ」
二人は優しくデイジーを見つめると、デイジーは嬉しそうな笑顔で「ありがとう!」と言った。
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