60 / 82
54話
しおりを挟む
魔物の断末魔とそれを駆除する人の声で騒々しい。今、王都の外壁周りにいる魔物を駆除している。
エバンはバケットサンドの包みを片手に木陰に腰を下ろした。その隣にはありふれたブルネットの髪で純朴そうな青年に扮装したアリスフォードが立っていて、ガラス瓶に入っている飲み物を飲んでいた。
「食わねーの?」
「誰が作ったわからないもの食べたくない」
現在、他の土地との交易が絶たれ、食べ物の物価が上がり、バケットサンド一つでもそれなりの宝石ほどの価値がある。報酬はそのバケットサンド一つにも関わらず、青年は食べなかった。それは育ちと人を信じない性分のせいだった。
「なぁ……何で殺さなかった?」
「……………………」
「邪魔だろ?」
「アルちゃんが悲しむから。それにエバンが死んだら、ずっと一生片時もアルちゃんは忘れない……」
アリスフォードは皮肉げに笑って、そんなの許せないだろと言う。そして小声で付け足した。それに、嫌いじゃないからと。然し、エバンには届かなかった。
「俺は殺す気だったよ。殺せると思わなかったけど」
試合ではエバンの方が、明らかに強かった。然し、実戦では体力に限界のあるエバンにアリスフォードは勝てなかった。
「ふーん」
アリスフォードは興味なさげに空を見た。アリスフォードは不本意だが、エバンのことが嫌いではなかった。これはアルセナ以外の他人に対する彼の最大の好意に等しかった。
「相変わらず、化け物だな。うちの親爺共は……」
「あれが本物の化け物だよ」
「違いねぇな」
エバンの父で騎士団長であるスペンサー伯爵とエバンの祖父の元スペンサー伯爵が恐ろしい速度で魔物を葬っている。それはまるで芝刈り機のようだった。それをエバンはもう笑うしかないと言って、見ていた。
二人共、まだスペンサー騎士団長に単体で勝ったことはない。アリスフォードは舌打ちして昔を思い出していた。二人共まだ爺共に勝てたことはない。
「おいっ! 周りこめ……クソっ」
挟み撃ちにして、同時にエバンとアリスフォードが剣聖と呼ばれるスペンサー騎士団長に攻撃を仕掛けたが、一太刀で二人は薙払われた。彼らは今、スペンサー騎士団長に騎士団の練武場で稽古を付けて貰っていた。
「クソっ」
まだ青かったアリスフォードは拳で地面を叩いた。なんでも優秀以上に熟すアリスフォードでも、スペンサー騎士団長には二人がかりでも勝てないどころか、一太刀も当てられなかった。アリスフォードはまだ12歳で、しかないことだったが、それをアリスフォードもエバンも許せない。
ましてエバンはもう21歳で騎士団に入団して3年、もう一人前と言ってもおかしくない。彼我の戦力差は大きく、父の背中には届く位置にない。
二人は顔を突き合わせ作戦を練った。
「クスギの実の煙幕を使えばいい」
クスギの実は酢酸のような強烈な刺激臭のする実で、山での匂い消しや煙幕として戦争に使ったりする物だ。その効果は目に滲みて開けられなくなる事だった。
「そんな卑怯なことして意味ないだろ」
「どんな手を使っても勝つ。卑怯な手とか関係ない。勝者だけが正しいと決められる」
「あのな、戦争じゃないんだから……。はぁー、卑怯な手を使って勝っても、実力が上回らなきゃなんの意味もないだろ。それに正々堂々と勝たなきゃあのクソジジイ吠え面かかせられないしよ」
「それはそうだな。地面に屈服させ、足蹴にしないとな……」
「はぁー、お前な……」
エバンは呆れたような顔をし、少しだけその瞳に侮蔑を含ませた瞳でアリスフォードを見た。アリスフォードはこういうところだと思った。エバンが時々ほんの少しだけ、眩しく見え、そして少しだけ憎たらしいような気がするときがあるのは。今もそういった気持ちが湧いた。頭を振れば、その気持ちは霧散した。
彼は等しく誰にでも親切で優しく、騎士団長の子息という立場でありながら、貴族の騎士にも平民の騎士にも好かれ、親しまれている。アリスフォードはそれをなんと形容していいかわからないむず痒くうっすら不快な気持ちでエバンを時折見ていた。
その日、二人がかりでやっとスペンサー騎士団長に一太刀いれる事が出来たのだった。
「カンパーイ!」
エールの入ったジョッキを勢いよく、アリスフォードのグラスにエバンはぶつけた。エールが手に掛かり不機嫌そうにアリスフォードは顔を歪めた。エバンはエールを一気に半分飲み干した。
ここは街の大衆食堂兼酒場だ。貴族が来るような場所では無い。エバンは何度も来たことがあるが、アリスフォードは初めてだった。
「今日はやったな」
今日は初めて剣の師匠であるスペンサー騎士団長に一太刀入れられた日だ。エバンは自然と笑みを浮かべる。
「しょぼい」
「まぁまぁ……いいじゃん。こういう時は呑んで騒ぐんだよ」
「ここ……煩い」
「……お前、だから、友達いないんだよ」
「必要ない」
アリスフォードには友達がいないのは正確なことじゃない。第一王子として、必要な交流はある。同年代のよく話す間柄にある少年はアリスフォードを友達とは思ってなかった。何故なら無垢そうな外見に反して、非常に大人びたアリスフォードと同世代の少年少女は話しが合わなかった。対してエバンもアリスフォードのことを子供と思わなかった。
「お前、何が楽しくて生きてるわけ?」
アリスフォードは空を眺めて考えた。
「……お菓子食べてる時?」
首を傾げる姿はまるで天使のようだが、彼の本質とは相容れないためエバンは、その姿に愛らしいとは欠片も思わない。
「他は?」
「ん~、強かでこ狡い狸や狐を始末するとに、自分の計略が一部の狂いなく出来たときかな」
にっこりとアリスフォードが笑った。その笑顔に料理を持ってきた店員が見惚れ手が止まった。
「性格わるっ……そんなんだから、両陛下も心配なさっておられるんだよ」
赤面して止まっていた店員が動き出し、お待たせいたしましたと料理をテーブル置いた。香草で焼いた塊肉とソーセージからお腹が減るいい匂いがした。エバンが小皿に取り分け、肉の端を切り取り毒味してからアリスフォード渡した。それを受け取り怪訝な顔をしながら食べたアリスフォードは悪くないと思った。それは料理か、それとも今日の事か、それとも快活なこの兄弟子か……アリスフォードは考えなかった。
アリスフォードは魔物を切り殺す光景を見ながら、それらを思い出し、知らずうっすらと笑ってた。エバンはそれを見て、気持ち悪っと背筋を震わせ寝転び目を瞑った。
アリスフォードは何だかエバンに腹がたったので、普通は食べないゲテモノの魔物を焼いている一同のところにやってきて、一つ掴んだ。魔物は食べられるオークなどもあるが、焼いているのは普通食用されないもので、遊びで焼いて食べていた。アリスフォードはそれを持って、寝てるエバンの口の中に突っ込んだ。
「ん? なんだ? 香ばしくて……中は柔らかくて旨味と少し甘みもあって……リトルロブスターの稚魚!?」
リトルロブスターとは食用出来る魔物である。稚魚のうちに背わたを取って素揚げすると上手い。もちろん、大きく育ってから殻を剥いて食べても美味しい。
「ううん、レッドマンティス」
「うっうわっ! ぺぺっ…………おえっ…ぅおえっ…えっ……、ゲホッ…ゴホゴホ……」
節足動物の足が地面に吐き出された。未だ、エバンはえづいている。虫など平気そうなエバンだが、大の苦手だった。
それを見てアリスフォードはお腹を抱えて笑った。それは表情と感情が一致した笑顔だった。
エバンはバケットサンドの包みを片手に木陰に腰を下ろした。その隣にはありふれたブルネットの髪で純朴そうな青年に扮装したアリスフォードが立っていて、ガラス瓶に入っている飲み物を飲んでいた。
「食わねーの?」
「誰が作ったわからないもの食べたくない」
現在、他の土地との交易が絶たれ、食べ物の物価が上がり、バケットサンド一つでもそれなりの宝石ほどの価値がある。報酬はそのバケットサンド一つにも関わらず、青年は食べなかった。それは育ちと人を信じない性分のせいだった。
「なぁ……何で殺さなかった?」
「……………………」
「邪魔だろ?」
「アルちゃんが悲しむから。それにエバンが死んだら、ずっと一生片時もアルちゃんは忘れない……」
アリスフォードは皮肉げに笑って、そんなの許せないだろと言う。そして小声で付け足した。それに、嫌いじゃないからと。然し、エバンには届かなかった。
「俺は殺す気だったよ。殺せると思わなかったけど」
試合ではエバンの方が、明らかに強かった。然し、実戦では体力に限界のあるエバンにアリスフォードは勝てなかった。
「ふーん」
アリスフォードは興味なさげに空を見た。アリスフォードは不本意だが、エバンのことが嫌いではなかった。これはアルセナ以外の他人に対する彼の最大の好意に等しかった。
「相変わらず、化け物だな。うちの親爺共は……」
「あれが本物の化け物だよ」
「違いねぇな」
エバンの父で騎士団長であるスペンサー伯爵とエバンの祖父の元スペンサー伯爵が恐ろしい速度で魔物を葬っている。それはまるで芝刈り機のようだった。それをエバンはもう笑うしかないと言って、見ていた。
二人共、まだスペンサー騎士団長に単体で勝ったことはない。アリスフォードは舌打ちして昔を思い出していた。二人共まだ爺共に勝てたことはない。
「おいっ! 周りこめ……クソっ」
挟み撃ちにして、同時にエバンとアリスフォードが剣聖と呼ばれるスペンサー騎士団長に攻撃を仕掛けたが、一太刀で二人は薙払われた。彼らは今、スペンサー騎士団長に騎士団の練武場で稽古を付けて貰っていた。
「クソっ」
まだ青かったアリスフォードは拳で地面を叩いた。なんでも優秀以上に熟すアリスフォードでも、スペンサー騎士団長には二人がかりでも勝てないどころか、一太刀も当てられなかった。アリスフォードはまだ12歳で、しかないことだったが、それをアリスフォードもエバンも許せない。
ましてエバンはもう21歳で騎士団に入団して3年、もう一人前と言ってもおかしくない。彼我の戦力差は大きく、父の背中には届く位置にない。
二人は顔を突き合わせ作戦を練った。
「クスギの実の煙幕を使えばいい」
クスギの実は酢酸のような強烈な刺激臭のする実で、山での匂い消しや煙幕として戦争に使ったりする物だ。その効果は目に滲みて開けられなくなる事だった。
「そんな卑怯なことして意味ないだろ」
「どんな手を使っても勝つ。卑怯な手とか関係ない。勝者だけが正しいと決められる」
「あのな、戦争じゃないんだから……。はぁー、卑怯な手を使って勝っても、実力が上回らなきゃなんの意味もないだろ。それに正々堂々と勝たなきゃあのクソジジイ吠え面かかせられないしよ」
「それはそうだな。地面に屈服させ、足蹴にしないとな……」
「はぁー、お前な……」
エバンは呆れたような顔をし、少しだけその瞳に侮蔑を含ませた瞳でアリスフォードを見た。アリスフォードはこういうところだと思った。エバンが時々ほんの少しだけ、眩しく見え、そして少しだけ憎たらしいような気がするときがあるのは。今もそういった気持ちが湧いた。頭を振れば、その気持ちは霧散した。
彼は等しく誰にでも親切で優しく、騎士団長の子息という立場でありながら、貴族の騎士にも平民の騎士にも好かれ、親しまれている。アリスフォードはそれをなんと形容していいかわからないむず痒くうっすら不快な気持ちでエバンを時折見ていた。
その日、二人がかりでやっとスペンサー騎士団長に一太刀いれる事が出来たのだった。
「カンパーイ!」
エールの入ったジョッキを勢いよく、アリスフォードのグラスにエバンはぶつけた。エールが手に掛かり不機嫌そうにアリスフォードは顔を歪めた。エバンはエールを一気に半分飲み干した。
ここは街の大衆食堂兼酒場だ。貴族が来るような場所では無い。エバンは何度も来たことがあるが、アリスフォードは初めてだった。
「今日はやったな」
今日は初めて剣の師匠であるスペンサー騎士団長に一太刀入れられた日だ。エバンは自然と笑みを浮かべる。
「しょぼい」
「まぁまぁ……いいじゃん。こういう時は呑んで騒ぐんだよ」
「ここ……煩い」
「……お前、だから、友達いないんだよ」
「必要ない」
アリスフォードには友達がいないのは正確なことじゃない。第一王子として、必要な交流はある。同年代のよく話す間柄にある少年はアリスフォードを友達とは思ってなかった。何故なら無垢そうな外見に反して、非常に大人びたアリスフォードと同世代の少年少女は話しが合わなかった。対してエバンもアリスフォードのことを子供と思わなかった。
「お前、何が楽しくて生きてるわけ?」
アリスフォードは空を眺めて考えた。
「……お菓子食べてる時?」
首を傾げる姿はまるで天使のようだが、彼の本質とは相容れないためエバンは、その姿に愛らしいとは欠片も思わない。
「他は?」
「ん~、強かでこ狡い狸や狐を始末するとに、自分の計略が一部の狂いなく出来たときかな」
にっこりとアリスフォードが笑った。その笑顔に料理を持ってきた店員が見惚れ手が止まった。
「性格わるっ……そんなんだから、両陛下も心配なさっておられるんだよ」
赤面して止まっていた店員が動き出し、お待たせいたしましたと料理をテーブル置いた。香草で焼いた塊肉とソーセージからお腹が減るいい匂いがした。エバンが小皿に取り分け、肉の端を切り取り毒味してからアリスフォード渡した。それを受け取り怪訝な顔をしながら食べたアリスフォードは悪くないと思った。それは料理か、それとも今日の事か、それとも快活なこの兄弟子か……アリスフォードは考えなかった。
アリスフォードは魔物を切り殺す光景を見ながら、それらを思い出し、知らずうっすらと笑ってた。エバンはそれを見て、気持ち悪っと背筋を震わせ寝転び目を瞑った。
アリスフォードは何だかエバンに腹がたったので、普通は食べないゲテモノの魔物を焼いている一同のところにやってきて、一つ掴んだ。魔物は食べられるオークなどもあるが、焼いているのは普通食用されないもので、遊びで焼いて食べていた。アリスフォードはそれを持って、寝てるエバンの口の中に突っ込んだ。
「ん? なんだ? 香ばしくて……中は柔らかくて旨味と少し甘みもあって……リトルロブスターの稚魚!?」
リトルロブスターとは食用出来る魔物である。稚魚のうちに背わたを取って素揚げすると上手い。もちろん、大きく育ってから殻を剥いて食べても美味しい。
「ううん、レッドマンティス」
「うっうわっ! ぺぺっ…………おえっ…ぅおえっ…えっ……、ゲホッ…ゴホゴホ……」
節足動物の足が地面に吐き出された。未だ、エバンはえづいている。虫など平気そうなエバンだが、大の苦手だった。
それを見てアリスフォードはお腹を抱えて笑った。それは表情と感情が一致した笑顔だった。
10
お気に入りに追加
786
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
琴姫の奏では紫雲を呼ぶ
山下真響
恋愛
仮想敵国の王子に恋する王女コトリは、望まぬ縁談を避けるために、身分を隠して楽師団へ入団。楽器演奏の力を武器に周囲を巻き込みながら、王の悪政でボロボロになった自国を一度潰してから立て直し、一途で両片思いな恋も実らせるお話です。
王家、社の神官、貴族、蜂起する村人、職人、楽師、隣国、様々な人物の思惑が絡み合う和風ファンタジー。
★作中の楽器シェンシャンは架空のものです。
★婚約破棄ものではありません。
★日本の奈良時代的な文化です。
★様々な立場や身分の人物達の思惑が交錯し、複雑な人間関係や、主人公カップル以外の恋愛もお楽しみいただけます。
★二つの国の革命にまつわるお話で、娘から父親への復讐も含まれる予定です。
酸いも甘いも噛み分けて
篠原 皐月
恋愛
育った環境が微妙過ぎる為、恋愛方面には全く関心がない、自称他称《フリーズドライ女》の沙織。所属部署では紅一点という事も相まって、サクサクサバサバした仕事中心生活を満喫中。それに全く不満はなかったものの、最近の心のオアシスだったジョニーの来訪が遠ざかり、少々内心が荒んだ状態で飲みに行ったら思わぬ醜態を晒す事に。心の広いできた上司には笑って許して貰えたものの、何故かそれ以降、その上司に何かと構われる事になって、お互いのとんでもない秘密を暴露しあう羽目になる。
その上、社内の人間とは付き合わないと公言している彼との距離が、妙に近くなってきて……。
色々あって恋愛不感症気味の沙織と、妙な所で押しが弱い友之との紆余曲折ストーリーです。カクヨム、小説家になろうからの転載作品です。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる