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52話
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アリスがゆっくりと腰を動かした。
「つらい?」
「ううん。嬉しい」
アリスが抜き差しするたびにぐちゅぐちゅと音がする。何度も何度も抽挿を繰り返すたび、痛みが和らいで快感が強くなっていく。再び快楽の波に飲み込まれ、甘く鳴いていた。疼いていた奥を突かれてもっともっとと腰を振った。上り詰め、絶頂に達した瞬間、お臍の下の辺りに白く光輝く。マケールと契約したときのと同じ魔法陣が浮かび上がった。
「アルちゃんの中、ハッ、気持ちいい……」
「「イクッ」」
二人同時に果てた。全身の力が抜け、ベットの上に腕を投げ出した。まだお腹が収縮してる。引き抜かれ、アソコから白濁とした液体が溢れた。アリスから黒い靄が立ち上り、光の粒に変わって大気に溶ける。
「まだ、足りない……」
「えっ!?」
ひっくり返され、腰を持ち上げられ四つん這いにされ、アリスの未だ冷めやらぬ熱杭が再び挿入される。
「ひっ……!」
先程より奥に突き刺さる。苦しい程の快感に思わず、悲鳴を上げた。
肌が合わさる音と私の嬌声に時折、アリスが苦しそうに声を上げる。
何度も何度も最奥を突かれ、頂きに上り詰めてもう訳がわからなくなった。
思考は停止し、奥を突かれる度、目がチカチカする。
そして私は一際大きく上り詰め、意識を失った。
体が重い。目を開けるといつもの私の私室のベットの天蓋が見えた。
夢……どっちが? 今か、それとも魔王の復活がか……。
――手……おもっ。
手を着いて起き上がろうとしたが、動かなかった。目線を左右に見ると右手にはアリス、左手にはエバンがいて、二人とも手を握って眠っていた。
手を抜こうと僅かに身動いだ。それだけで二人は目を覚ました。
「アルちゃん!」
「姫! 丸2日寝てたんです」
二人同時に起き上がり、声を上げた。
「お、おはよう」
掛ける言葉が見つからない。
エバンの体には包帯が何ヶ所も巻かれていた。
「エバン、大丈夫?」
「はい……暫くお守り出来ません。申し訳ございません」
エバンはしょぼくれている。
「なんで…? アリス!」
アリスを読んで何故と言うような少し非難が混じった目を向けてしまう。だってアリスにかかれば、欠損すら治せるのに。
「だってこのクソ野郎が……世話になりたく無いって」
アリスは冷たく鋭い目つきで、エバンを見る。
「でも、2週間ほどで治ると思います」
「えっ?」
うそでしょ? 足にギプスしてるってことは骨が折れてるってことなのに、たった2週間で治るって……常人なら3ヶ月だよ。
「化け物だな」
「元魔王に言われたくねぇーわな。そんなことより
、姫がお体がご無事でよかったです」
エバンが私の手の甲に口づけしたが、それどころではない。アリスとエッチしたことがバレて恥ずかしい。どんな顔をしていいかわからない。と言うか、王都上空であんなことするなんて……声とか聞こえてないよね。もし、聞こえてたら…………死ねる。恥ずかしくて死ねる。
未だ二人は私の手を握りしめていた。
「チッ、殺しとけばよかった……」
「そ、そんなこといっちゃだめでしょ!」
「やるか?」
「ちょっと待って。アリスもエバンも。特にエバンは怪我してるし……私のせいでごめんなさい」
「アルセナ姫のせいではありません」
「うん、アルちゃんのせいじゃないよ」
「「こいつのせいだから」」
「はぁ? おまえが弱いせいだろ?」
「いやいや、何言ってんの? 俺より弱いじゃん!治癒能力無かったら雑魚だろ」
「それも俺の力だけだから」
二人は喧嘩を始めた。あまりに白熱し過ぎてエバンが立ち上がったので腰に抱きついて制止した。
「まだ無理しちゃダメ!」
「ちっ、うぜぇ」
アリスは私をエバンから引き剥がし、彼にアイアンクローをかまして、治癒魔法を掛けた。優しく光って怪我が治っていく。魔王の影響だろうか……アリス口が悪くなっている。
「頼んでねぇのに余計なことしやがって……」
「もう……仲良くしましょう。ねっ」
私は二人とも大切だから、仲良くしてほしい。
「「わかったよ」」
アリスとエバンは同時に言葉を発した。
わたしの腹の虫が盛大に鳴った。
「ただいま、お食事をお持ちします」
と言って立ち上がったエバンを押しのけて、俺が取りに行くとアリスが言う。二人は喧嘩をしながら出ていった。戻って来た二人は、再び私を挟んベットに腰掛けた。
「はい、アルちゃん。あ~ん」
アリスがショートパスタが入った野菜たっぷりのスープをひと匙掬って私のお口に運んだ。ふーふーと匙に入ったスープに息を吹きかけ冷ましたアリスが可愛かった。
「いえいえ、こういう時は五穀がゆです」
対抗するエバンも、お粥を私の口に運んだ。二人とも優しそうな笑みを浮かべているが、目が少し怖い。どっちを先に食べるのかと無言の圧力を感じた私は、スープと粥の入った器と二人の匙を取り上げて、お粥をスープに浸してすべて自分で食べた。その間も何やら言い合っているが、無視した。
「アリス、エバン。着替えるから出てってください」
ずっと寝ていた体が鈍って、だるい。ベルを鳴らして専属メイドのアンを読んだ。入って来るなりアンは瞳を潤ませ、心配したんですからと言って私の手を握った。そういえば魔物はどうなったのだろうか? 彼らが喧嘩をするからそれどころではなくまだ聞いていないので、アンに訊ねた。
「当主様のお話しによると3割程度は討伐したそうですが、王都の外の状況はまだわからないみたいで」
その魔物の大半はアリスとエバンが倒したらしい。魔物は活性化が収まって、殆どが大人しくしてるので人も街も被害はない。然し王都への進行は止まっているが未だ城外にはたくさんの魔物がいる。あとは駆逐すれば元の環境に戻るだろう
然し、アンの表情は晴れない。アンは祈るように指を組んで、悲しそうに俯いた。アンの家族は王都に住んでないので、心配なんだろうかと思ったが、何も出来ることがないので尋ねなかった。
「つらい?」
「ううん。嬉しい」
アリスが抜き差しするたびにぐちゅぐちゅと音がする。何度も何度も抽挿を繰り返すたび、痛みが和らいで快感が強くなっていく。再び快楽の波に飲み込まれ、甘く鳴いていた。疼いていた奥を突かれてもっともっとと腰を振った。上り詰め、絶頂に達した瞬間、お臍の下の辺りに白く光輝く。マケールと契約したときのと同じ魔法陣が浮かび上がった。
「アルちゃんの中、ハッ、気持ちいい……」
「「イクッ」」
二人同時に果てた。全身の力が抜け、ベットの上に腕を投げ出した。まだお腹が収縮してる。引き抜かれ、アソコから白濁とした液体が溢れた。アリスから黒い靄が立ち上り、光の粒に変わって大気に溶ける。
「まだ、足りない……」
「えっ!?」
ひっくり返され、腰を持ち上げられ四つん這いにされ、アリスの未だ冷めやらぬ熱杭が再び挿入される。
「ひっ……!」
先程より奥に突き刺さる。苦しい程の快感に思わず、悲鳴を上げた。
肌が合わさる音と私の嬌声に時折、アリスが苦しそうに声を上げる。
何度も何度も最奥を突かれ、頂きに上り詰めてもう訳がわからなくなった。
思考は停止し、奥を突かれる度、目がチカチカする。
そして私は一際大きく上り詰め、意識を失った。
体が重い。目を開けるといつもの私の私室のベットの天蓋が見えた。
夢……どっちが? 今か、それとも魔王の復活がか……。
――手……おもっ。
手を着いて起き上がろうとしたが、動かなかった。目線を左右に見ると右手にはアリス、左手にはエバンがいて、二人とも手を握って眠っていた。
手を抜こうと僅かに身動いだ。それだけで二人は目を覚ました。
「アルちゃん!」
「姫! 丸2日寝てたんです」
二人同時に起き上がり、声を上げた。
「お、おはよう」
掛ける言葉が見つからない。
エバンの体には包帯が何ヶ所も巻かれていた。
「エバン、大丈夫?」
「はい……暫くお守り出来ません。申し訳ございません」
エバンはしょぼくれている。
「なんで…? アリス!」
アリスを読んで何故と言うような少し非難が混じった目を向けてしまう。だってアリスにかかれば、欠損すら治せるのに。
「だってこのクソ野郎が……世話になりたく無いって」
アリスは冷たく鋭い目つきで、エバンを見る。
「でも、2週間ほどで治ると思います」
「えっ?」
うそでしょ? 足にギプスしてるってことは骨が折れてるってことなのに、たった2週間で治るって……常人なら3ヶ月だよ。
「化け物だな」
「元魔王に言われたくねぇーわな。そんなことより
、姫がお体がご無事でよかったです」
エバンが私の手の甲に口づけしたが、それどころではない。アリスとエッチしたことがバレて恥ずかしい。どんな顔をしていいかわからない。と言うか、王都上空であんなことするなんて……声とか聞こえてないよね。もし、聞こえてたら…………死ねる。恥ずかしくて死ねる。
未だ二人は私の手を握りしめていた。
「チッ、殺しとけばよかった……」
「そ、そんなこといっちゃだめでしょ!」
「やるか?」
「ちょっと待って。アリスもエバンも。特にエバンは怪我してるし……私のせいでごめんなさい」
「アルセナ姫のせいではありません」
「うん、アルちゃんのせいじゃないよ」
「「こいつのせいだから」」
「はぁ? おまえが弱いせいだろ?」
「いやいや、何言ってんの? 俺より弱いじゃん!治癒能力無かったら雑魚だろ」
「それも俺の力だけだから」
二人は喧嘩を始めた。あまりに白熱し過ぎてエバンが立ち上がったので腰に抱きついて制止した。
「まだ無理しちゃダメ!」
「ちっ、うぜぇ」
アリスは私をエバンから引き剥がし、彼にアイアンクローをかまして、治癒魔法を掛けた。優しく光って怪我が治っていく。魔王の影響だろうか……アリス口が悪くなっている。
「頼んでねぇのに余計なことしやがって……」
「もう……仲良くしましょう。ねっ」
私は二人とも大切だから、仲良くしてほしい。
「「わかったよ」」
アリスとエバンは同時に言葉を発した。
わたしの腹の虫が盛大に鳴った。
「ただいま、お食事をお持ちします」
と言って立ち上がったエバンを押しのけて、俺が取りに行くとアリスが言う。二人は喧嘩をしながら出ていった。戻って来た二人は、再び私を挟んベットに腰掛けた。
「はい、アルちゃん。あ~ん」
アリスがショートパスタが入った野菜たっぷりのスープをひと匙掬って私のお口に運んだ。ふーふーと匙に入ったスープに息を吹きかけ冷ましたアリスが可愛かった。
「いえいえ、こういう時は五穀がゆです」
対抗するエバンも、お粥を私の口に運んだ。二人とも優しそうな笑みを浮かべているが、目が少し怖い。どっちを先に食べるのかと無言の圧力を感じた私は、スープと粥の入った器と二人の匙を取り上げて、お粥をスープに浸してすべて自分で食べた。その間も何やら言い合っているが、無視した。
「アリス、エバン。着替えるから出てってください」
ずっと寝ていた体が鈍って、だるい。ベルを鳴らして専属メイドのアンを読んだ。入って来るなりアンは瞳を潤ませ、心配したんですからと言って私の手を握った。そういえば魔物はどうなったのだろうか? 彼らが喧嘩をするからそれどころではなくまだ聞いていないので、アンに訊ねた。
「当主様のお話しによると3割程度は討伐したそうですが、王都の外の状況はまだわからないみたいで」
その魔物の大半はアリスとエバンが倒したらしい。魔物は活性化が収まって、殆どが大人しくしてるので人も街も被害はない。然し王都への進行は止まっているが未だ城外にはたくさんの魔物がいる。あとは駆逐すれば元の環境に戻るだろう
然し、アンの表情は晴れない。アンは祈るように指を組んで、悲しそうに俯いた。アンの家族は王都に住んでないので、心配なんだろうかと思ったが、何も出来ることがないので尋ねなかった。
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