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17話 出征当日①
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「出来たー」
パーティーから3日かけてやっと完成した御守だ。間に合わないかと思って昨日は徹夜してしまった。刺繍苦手だからすっごく時間がかかってしまった。私のイメージフラワーの藤の花と彼のイメージである狼。藤の花言葉は”決して離れない”とか”忠実な””恋に酔う”とかであるけど別にアピールしてる訳じゃない。とにかくとても細かくて大変だった。中にはリラックス効果のあるラベンダーのポプリを入れた。鋏を手に取る。あと大事なものは……ごそごそ…ちょっきん! アソコの毛である。恥ずかしい……。このお守りは戦争などで遠くへ行く人の安全を祈る昔からある由緒ある御守です。
もうすぐエバンの出立式が始まる。出立式が始まれば、もう会えなくなってしまうので、その前に会うために私は急いで用意した。
王宮外苑にある騎士団駐屯所にやってきた。別れを惜しむ人で溢れている。門番をしている騎士に話しかけ、エバンの居場所を教えてもらい、司令部のある建物にやってきた。ここまでくる人は居なくて、やっぱり目立つのか、ジロジロ見られて居心地が悪い。しかも、普通は入れないので家名を出して入れてもらった。名家万歳。
背の高い騎士様たちの中で、更に背の高い灰色の髪を見つける。
「エバン様!」
声をかけると振り返り嬉しそうに破顔して走ってきた。そしてクツクツと笑い、私を抱きしめた。
「きゃっ! エバン様。離してください」
「すまん! まさか会いに来てくれるなんて思って無かったから……同期が幻影魔法でいたずらしたのかと思ったんだ」
「いえ、みんな見てますから……離してください」
通りかかる騎士様が”お熱いな”とか声をかけてきて恥ずかしい……赤面した。耐えられない。でも、ちょっと可愛くない言い方だったかも。
「あのこれ御守です」
「ははっ、まさか御守まで作ってくれるとは思わなかった。嬉しいよ。大事にする」
エバンは御守の匂いを鼻につけて嗅いだ。恥ずかしくて赤くなっていた顔が一層真っ赤になる。
「いい匂いだ」
「ギャッ! そんなの匂いを嗅がないで下さい!」
「なんでだ? どっちもいい匂いだったぞ」
ニヤニヤしてエバンがからかう様に言った。
――絶対、わかって言っているわ!
「エバン様がこんな人だと思いませんでした。もう返してください」
私が精一杯手を伸ばして、ジャンプしても背の高いエバンの頭上に掲げられた御守には届かない。エバン様は無様な私を楽しげに見下ろしている。
「いいか、男はみんなエロいもんなんなだよ。こんなモン貰って嗅がない男はいない」
「でもせめて私がいないところで嗅いでほしいという乙女心を理解してほしいです」
「わかった。いない所で毎夜嗅ぐよ」
「拡大解釈しすぎです。そんなこと言ってません。もー……知りません。……でもどうか、ご武運を……。でも恥ずかしくて嫌ですけど……毎夜嗅いでもいいですから、無事に帰って来てください」
エバンは微笑ましいものを見るような、慈しむような笑みをして私を見た。彼のコバルトブルーは穏やかな海のように凪いでいる。私の胸はドキドキしてしまう。それになぜか温かい。恥ずかしくて仕方がない私は逃げるように去った。
「ほんとにありがとう。絶対にアルセナ嬢のもとに無事に帰るからなー!」
大きな声で彼は言った。
エバンがあんな人だと思わなかった。けれども、
一層好感が持てると思っている自分がいた。
エバンはアルセナが見えなくなるまで見送った。
「いるんですよね? まだまだですね。殺気が隠せてないですよ」
「はぁ? 馬鹿ですか? 態とですよ」
「左様でございますか。では俺に勝てると思っているのですか?」
「決して負けませんよ」
「……これから出立しなければならないので、剣のみのお相手でいいですかね」
「…………」
エバンは腰に刺さった剣を抜いて構えるとアリスフォードも剣を抜き構えた。美しいはずの翠緑色の瞳が禍々しく鈍く光る。真剣は陽光を受けて光る。
「アルちゃんに寄る害虫は死ねよ」
「殿下に俺は殺せないですよ! 護衛対象より弱い護衛などいませんからね。はぁー相変わらず、いい性格してますね……」
アリスフォードはエバンに切りかかった。血の上った頭では剣は冴えない。アリスフォードは切歯扼腕したが、エバンは余裕ぶった表情でそれを受けた。一方的にアリスフォードが何度も斬りつけまいと剣を振るうが、エバンがそれを余裕で受ける状況が暫く続いた。
二人は剣王と呼ばれた前スペンサー家当主を師としている。兄弟弟子だった。お互い相手の剣はよく知っている。
「早く殺れよ」
「五月蝿い!」
エバンはいつも殿下に敬語を使っているが戦闘中ではその限りではない。
剣戟の音が鳴る。
「俺、これから戦争に行くんだけど、知ってますよね。殿下が命令したんですよね」
「…………」
「ほら左、ほら上、次は右……」
力の差は歴然で、まるで指導のように言った場所にエバンは打ち込んだ。形勢逆転。体格の良い体から繰り出される剣は重く、アリスフォードはその重さに歯を食いしばり受けた。ただいつもならもっと対等に対抗出来たはずだが、経験の少なさが冷静さを欠かせている。
「邪念が多すぎる。ただ相手の剣筋のみ感じよ、と教わったろ? それじゃあ俺は殺せないよ……残念だな」
ニヤけた笑みが消える。今の状態でもすごかったのにも関わらず、剣戟は篠つく雨のような激しさになった。それに伴いアリスフォードの顔が険しくなる。鋭く力強い横一閃、アリスフォードの剣が弾かれた。エバンはそして急所である鳩尾に剣を突き刺した。腹から血が滲んできて、それはあっという間に服を赤に染めた。アリスフォードは腹を押さえて致命傷を与えた相手を忌々しげに睨んだ。しかしそれも永くは続かなかった。アリスフォードは鮮血を吐いた。
「さっさと治癒魔法かけろよ」
「クソッ! 」
「相手に真剣を向ければ生死をかけた戦いになるのは当然ですよね。悪く思わないでくださいね」
アリスフォードは呪文を唱え、治癒魔法を自身にかけた。彼の傷が淡い光に包まれると傷口は消え去った。体力、傷口の全てが回復したが、赤く染まった破けた服はそのままである。アリスフォードにエバンは殺せないかったが、エバンにもアリスフォードは殺せなかった。
「続きは帰ってからですね」
「アルちゃんの御守は置いてけよ」
エバンは鼻で笑って、匂い袋を嗅いだ。
「はぁー……アルセナ嬢の、マジいい匂いだな………」
この男、嗅覚は犬並みでしっかりと彼女の香りを嗅ぎ分けている。
這いつくばっていたアリスフォードは顔を上げ睨み付ける。
その目の前に匂い袋ををぶら下げれば、アリスフォードは即座に最高速度で取ろうと手を伸ばしたが、しかし虚しく空を切った。エバンはニヤニヤしながら、ホレホレと目の前にチラつかせては弄んだ。
「返せ!」
「俺が貰ったものだろ!」
エバンとアリスフォードの身長差は30センチ近い。アリスフォードが手を伸ばしても飛んでも届かない。苛立ったアリスフォードがエバンの脛を蹴った。
「いてっ!」
しかし、匂い袋は離さなかった。
「死ね。さっさと戦死しろ!」
「生きて戻ってアルセナ嬢に俺の命も、全てを捧げるんです。アルセナ嬢の為以外に死ぬわけない。彼女を根性悪から守らなきゃいけないので」
「なんだよ、それ……アルちゃん取ったら死んでや
る」
「いいや、殿下はアルセナ嬢がいるこの世を捨てられないですよ」
アリスフォードはその通りだと反論できずに歯が噛みした。
「クソッタレ」
と吐き捨てた。アリスフォードの胸中は悔しさ、不甲斐なさでぎっしり詰まって……胸から何かがこみ上げる。彼は気づかれないように踵を返して歩いていった。本日は晴天だが、アリスフォードの足元には雫が溢れた。
パーティーから3日かけてやっと完成した御守だ。間に合わないかと思って昨日は徹夜してしまった。刺繍苦手だからすっごく時間がかかってしまった。私のイメージフラワーの藤の花と彼のイメージである狼。藤の花言葉は”決して離れない”とか”忠実な””恋に酔う”とかであるけど別にアピールしてる訳じゃない。とにかくとても細かくて大変だった。中にはリラックス効果のあるラベンダーのポプリを入れた。鋏を手に取る。あと大事なものは……ごそごそ…ちょっきん! アソコの毛である。恥ずかしい……。このお守りは戦争などで遠くへ行く人の安全を祈る昔からある由緒ある御守です。
もうすぐエバンの出立式が始まる。出立式が始まれば、もう会えなくなってしまうので、その前に会うために私は急いで用意した。
王宮外苑にある騎士団駐屯所にやってきた。別れを惜しむ人で溢れている。門番をしている騎士に話しかけ、エバンの居場所を教えてもらい、司令部のある建物にやってきた。ここまでくる人は居なくて、やっぱり目立つのか、ジロジロ見られて居心地が悪い。しかも、普通は入れないので家名を出して入れてもらった。名家万歳。
背の高い騎士様たちの中で、更に背の高い灰色の髪を見つける。
「エバン様!」
声をかけると振り返り嬉しそうに破顔して走ってきた。そしてクツクツと笑い、私を抱きしめた。
「きゃっ! エバン様。離してください」
「すまん! まさか会いに来てくれるなんて思って無かったから……同期が幻影魔法でいたずらしたのかと思ったんだ」
「いえ、みんな見てますから……離してください」
通りかかる騎士様が”お熱いな”とか声をかけてきて恥ずかしい……赤面した。耐えられない。でも、ちょっと可愛くない言い方だったかも。
「あのこれ御守です」
「ははっ、まさか御守まで作ってくれるとは思わなかった。嬉しいよ。大事にする」
エバンは御守の匂いを鼻につけて嗅いだ。恥ずかしくて赤くなっていた顔が一層真っ赤になる。
「いい匂いだ」
「ギャッ! そんなの匂いを嗅がないで下さい!」
「なんでだ? どっちもいい匂いだったぞ」
ニヤニヤしてエバンがからかう様に言った。
――絶対、わかって言っているわ!
「エバン様がこんな人だと思いませんでした。もう返してください」
私が精一杯手を伸ばして、ジャンプしても背の高いエバンの頭上に掲げられた御守には届かない。エバン様は無様な私を楽しげに見下ろしている。
「いいか、男はみんなエロいもんなんなだよ。こんなモン貰って嗅がない男はいない」
「でもせめて私がいないところで嗅いでほしいという乙女心を理解してほしいです」
「わかった。いない所で毎夜嗅ぐよ」
「拡大解釈しすぎです。そんなこと言ってません。もー……知りません。……でもどうか、ご武運を……。でも恥ずかしくて嫌ですけど……毎夜嗅いでもいいですから、無事に帰って来てください」
エバンは微笑ましいものを見るような、慈しむような笑みをして私を見た。彼のコバルトブルーは穏やかな海のように凪いでいる。私の胸はドキドキしてしまう。それになぜか温かい。恥ずかしくて仕方がない私は逃げるように去った。
「ほんとにありがとう。絶対にアルセナ嬢のもとに無事に帰るからなー!」
大きな声で彼は言った。
エバンがあんな人だと思わなかった。けれども、
一層好感が持てると思っている自分がいた。
エバンはアルセナが見えなくなるまで見送った。
「いるんですよね? まだまだですね。殺気が隠せてないですよ」
「はぁ? 馬鹿ですか? 態とですよ」
「左様でございますか。では俺に勝てると思っているのですか?」
「決して負けませんよ」
「……これから出立しなければならないので、剣のみのお相手でいいですかね」
「…………」
エバンは腰に刺さった剣を抜いて構えるとアリスフォードも剣を抜き構えた。美しいはずの翠緑色の瞳が禍々しく鈍く光る。真剣は陽光を受けて光る。
「アルちゃんに寄る害虫は死ねよ」
「殿下に俺は殺せないですよ! 護衛対象より弱い護衛などいませんからね。はぁー相変わらず、いい性格してますね……」
アリスフォードはエバンに切りかかった。血の上った頭では剣は冴えない。アリスフォードは切歯扼腕したが、エバンは余裕ぶった表情でそれを受けた。一方的にアリスフォードが何度も斬りつけまいと剣を振るうが、エバンがそれを余裕で受ける状況が暫く続いた。
二人は剣王と呼ばれた前スペンサー家当主を師としている。兄弟弟子だった。お互い相手の剣はよく知っている。
「早く殺れよ」
「五月蝿い!」
エバンはいつも殿下に敬語を使っているが戦闘中ではその限りではない。
剣戟の音が鳴る。
「俺、これから戦争に行くんだけど、知ってますよね。殿下が命令したんですよね」
「…………」
「ほら左、ほら上、次は右……」
力の差は歴然で、まるで指導のように言った場所にエバンは打ち込んだ。形勢逆転。体格の良い体から繰り出される剣は重く、アリスフォードはその重さに歯を食いしばり受けた。ただいつもならもっと対等に対抗出来たはずだが、経験の少なさが冷静さを欠かせている。
「邪念が多すぎる。ただ相手の剣筋のみ感じよ、と教わったろ? それじゃあ俺は殺せないよ……残念だな」
ニヤけた笑みが消える。今の状態でもすごかったのにも関わらず、剣戟は篠つく雨のような激しさになった。それに伴いアリスフォードの顔が険しくなる。鋭く力強い横一閃、アリスフォードの剣が弾かれた。エバンはそして急所である鳩尾に剣を突き刺した。腹から血が滲んできて、それはあっという間に服を赤に染めた。アリスフォードは腹を押さえて致命傷を与えた相手を忌々しげに睨んだ。しかしそれも永くは続かなかった。アリスフォードは鮮血を吐いた。
「さっさと治癒魔法かけろよ」
「クソッ! 」
「相手に真剣を向ければ生死をかけた戦いになるのは当然ですよね。悪く思わないでくださいね」
アリスフォードは呪文を唱え、治癒魔法を自身にかけた。彼の傷が淡い光に包まれると傷口は消え去った。体力、傷口の全てが回復したが、赤く染まった破けた服はそのままである。アリスフォードにエバンは殺せないかったが、エバンにもアリスフォードは殺せなかった。
「続きは帰ってからですね」
「アルちゃんの御守は置いてけよ」
エバンは鼻で笑って、匂い袋を嗅いだ。
「はぁー……アルセナ嬢の、マジいい匂いだな………」
この男、嗅覚は犬並みでしっかりと彼女の香りを嗅ぎ分けている。
這いつくばっていたアリスフォードは顔を上げ睨み付ける。
その目の前に匂い袋ををぶら下げれば、アリスフォードは即座に最高速度で取ろうと手を伸ばしたが、しかし虚しく空を切った。エバンはニヤニヤしながら、ホレホレと目の前にチラつかせては弄んだ。
「返せ!」
「俺が貰ったものだろ!」
エバンとアリスフォードの身長差は30センチ近い。アリスフォードが手を伸ばしても飛んでも届かない。苛立ったアリスフォードがエバンの脛を蹴った。
「いてっ!」
しかし、匂い袋は離さなかった。
「死ね。さっさと戦死しろ!」
「生きて戻ってアルセナ嬢に俺の命も、全てを捧げるんです。アルセナ嬢の為以外に死ぬわけない。彼女を根性悪から守らなきゃいけないので」
「なんだよ、それ……アルちゃん取ったら死んでや
る」
「いいや、殿下はアルセナ嬢がいるこの世を捨てられないですよ」
アリスフォードはその通りだと反論できずに歯が噛みした。
「クソッタレ」
と吐き捨てた。アリスフォードの胸中は悔しさ、不甲斐なさでぎっしり詰まって……胸から何かがこみ上げる。彼は気づかれないように踵を返して歩いていった。本日は晴天だが、アリスフォードの足元には雫が溢れた。
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