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4話 私の女王様
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私は決死の思いで、理事長室のドアを叩くと”どうぞ”と声がした。
「失礼します」
コツンコツンとヒールの音を響かせながら、攻略対象者の理事長が座る執務机の前まで行った。目の前には渋いアッシュグレイの髪、思慮深い濃紺の瞳を持つ、この学園の理事長であり、王弟であるグランセラン公爵閣下がいる。私は優雅に頭を下げた。心臓の鼓動が早くなる。
「アルセナ・ベアテ・クリマスタと申します。以後お見知りおき」
「ああ。堅苦しいのはいいんだ。何度か王城で会ったことがあるよね。クリマスタ公爵閣下は元気か」
「おかげさまで元気でやっております」
「ところで、アルセナ嬢にはアリスフォードと学年長をやってもらいたいと思っているんだが……どうかな」
彼は首を傾げた。なぜだろ。眼鏡をかけた渋いおじ様といった風貌の理事長なのに、なぜか少し可愛らしい。アリスフォードもとっても可愛いらしので、王族の血筋なのだろか。
「謹んでお受けいたします」
「良かったら少し話そうそこに座ってくれる?アリスフォードのことも話したいし……」
ソファを差した。先ほどメイドが用意してくれたお茶から湯気が立ち昇っている。私はハンドサインでメイドを下がらせるように指示を出した。メイドが理事長をみれば、彼は頷き、メイドは辞去した。部屋には二人きりだ。
乙女ゲームではここで選択肢がでる。
1、ソファに座る。
2、変態と罵る。
3、お茶を理事長の所まで持っていく。
2番が明らかにおかしいが、正解は2番である。3番はアンネリースの正解である。
少し震える足を鷹揚に運びながら、理事長が座る椅子の前まで来た。椅子を回転させて私と向かい合うようにすれば、彼のズボンがはちきれんばかりに膨張している。彼は先ほどから目を見開き、私を目で追っていた。
彼の股間に膝を割り入れ、両手を彼の首に回して耳元で囁いた。膝に彼の硬いものが、確かな質感を持って主張している。
「二回りも年下の少女に性的興奮して、変態ですね」
理事長の顔は驚愕に彩られている。先程までの大人の余裕は消し飛んでいる。
「ば、馬鹿をいうな!私が変態だって!?」
頭を振って怒鳴る。でも、私は知っている。彼は怒っているわけじゃない、図星をつかれて焦っているのだと。そういう風に見れば、彼が必死に言い訳をしている男の子に見えた。
「17歳以下の少女にしか欲情できない変態さんでしょ? アリスじゃなくて、私に用があると正直に申したら……考えてあげてもよろしくてよ」
私は彼を見下ろし、口角を上げた。
「なぜそれを……そ、そうだ。僕は初めて会った時から、君に欲情していた。こんなどうしようもない変態な僕でもいいのか」
「変態でもいいの。ありのままのあなたでいいの。だから私に欲情なさい」
いたずらが見つかって叱られた子供が許してもらって心底ホッとしたような表情をしていた。私も心底ホッとした。万が一乙女ゲームと違っていたら、大変なことになっていた。
たしか、彼に初めて会ったのは7歳だったと思う……まごうことなく、ロリコンである。
私は立ち上がり、ゆっくり、ゆっくりとスカートを捲し上げて、あのスケスケTバックのパンツを見せつけた。彼はそれに釘付けになっていた。私はもう、変な汗かきまくりである。
「みたい?私は処女だし、まだ毛も生えてないのよ」
――うわぁ、なんてことを言っているんだ! 恥ずかしい。羞恥で死ねる。
彼の頬は高揚し、私の花園に手を伸ばしてきたが……私は彼の頬を叩いて、睨み付けた。
「誰が触っていいと言ったの?」
「申し訳ございません」
あの地位も名誉も実力も美貌も、人々が欲しがるすべてを持っているあのグランセラン公爵が私に土下座をしてきた。彼を欲する幾多のご婦人やご令嬢がこれをみたら、羨ましがるだろうか? それとも失望するだろうか?
「私は寛大だから許してあげるわ。以後気を付けて」
私は何様だろうか。思わず遠くを見つめた。窓の外は晴れ渡っていて眩しい。
「ありがとうございます。僕のちいさな女王様」
――いや……女王様はお前の姉だろう。
美丈夫である紳士が私の足の甲にキスをした。この地位も権力も美貌もスペックも世の中の人が欲する者を全て持っていると過言でない男が私に傅いている。背筋が何故かゾクゾクした。
「いいこと、明日の放課後も行くから、私の好きな茶菓子を用意してまってなさい」
「かしこまりました」
私は靴音を響かせて理事長室を後にした。
「失礼します」
コツンコツンとヒールの音を響かせながら、攻略対象者の理事長が座る執務机の前まで行った。目の前には渋いアッシュグレイの髪、思慮深い濃紺の瞳を持つ、この学園の理事長であり、王弟であるグランセラン公爵閣下がいる。私は優雅に頭を下げた。心臓の鼓動が早くなる。
「アルセナ・ベアテ・クリマスタと申します。以後お見知りおき」
「ああ。堅苦しいのはいいんだ。何度か王城で会ったことがあるよね。クリマスタ公爵閣下は元気か」
「おかげさまで元気でやっております」
「ところで、アルセナ嬢にはアリスフォードと学年長をやってもらいたいと思っているんだが……どうかな」
彼は首を傾げた。なぜだろ。眼鏡をかけた渋いおじ様といった風貌の理事長なのに、なぜか少し可愛らしい。アリスフォードもとっても可愛いらしので、王族の血筋なのだろか。
「謹んでお受けいたします」
「良かったら少し話そうそこに座ってくれる?アリスフォードのことも話したいし……」
ソファを差した。先ほどメイドが用意してくれたお茶から湯気が立ち昇っている。私はハンドサインでメイドを下がらせるように指示を出した。メイドが理事長をみれば、彼は頷き、メイドは辞去した。部屋には二人きりだ。
乙女ゲームではここで選択肢がでる。
1、ソファに座る。
2、変態と罵る。
3、お茶を理事長の所まで持っていく。
2番が明らかにおかしいが、正解は2番である。3番はアンネリースの正解である。
少し震える足を鷹揚に運びながら、理事長が座る椅子の前まで来た。椅子を回転させて私と向かい合うようにすれば、彼のズボンがはちきれんばかりに膨張している。彼は先ほどから目を見開き、私を目で追っていた。
彼の股間に膝を割り入れ、両手を彼の首に回して耳元で囁いた。膝に彼の硬いものが、確かな質感を持って主張している。
「二回りも年下の少女に性的興奮して、変態ですね」
理事長の顔は驚愕に彩られている。先程までの大人の余裕は消し飛んでいる。
「ば、馬鹿をいうな!私が変態だって!?」
頭を振って怒鳴る。でも、私は知っている。彼は怒っているわけじゃない、図星をつかれて焦っているのだと。そういう風に見れば、彼が必死に言い訳をしている男の子に見えた。
「17歳以下の少女にしか欲情できない変態さんでしょ? アリスじゃなくて、私に用があると正直に申したら……考えてあげてもよろしくてよ」
私は彼を見下ろし、口角を上げた。
「なぜそれを……そ、そうだ。僕は初めて会った時から、君に欲情していた。こんなどうしようもない変態な僕でもいいのか」
「変態でもいいの。ありのままのあなたでいいの。だから私に欲情なさい」
いたずらが見つかって叱られた子供が許してもらって心底ホッとしたような表情をしていた。私も心底ホッとした。万が一乙女ゲームと違っていたら、大変なことになっていた。
たしか、彼に初めて会ったのは7歳だったと思う……まごうことなく、ロリコンである。
私は立ち上がり、ゆっくり、ゆっくりとスカートを捲し上げて、あのスケスケTバックのパンツを見せつけた。彼はそれに釘付けになっていた。私はもう、変な汗かきまくりである。
「みたい?私は処女だし、まだ毛も生えてないのよ」
――うわぁ、なんてことを言っているんだ! 恥ずかしい。羞恥で死ねる。
彼の頬は高揚し、私の花園に手を伸ばしてきたが……私は彼の頬を叩いて、睨み付けた。
「誰が触っていいと言ったの?」
「申し訳ございません」
あの地位も名誉も実力も美貌も、人々が欲しがるすべてを持っているあのグランセラン公爵が私に土下座をしてきた。彼を欲する幾多のご婦人やご令嬢がこれをみたら、羨ましがるだろうか? それとも失望するだろうか?
「私は寛大だから許してあげるわ。以後気を付けて」
私は何様だろうか。思わず遠くを見つめた。窓の外は晴れ渡っていて眩しい。
「ありがとうございます。僕のちいさな女王様」
――いや……女王様はお前の姉だろう。
美丈夫である紳士が私の足の甲にキスをした。この地位も権力も美貌もスペックも世の中の人が欲する者を全て持っていると過言でない男が私に傅いている。背筋が何故かゾクゾクした。
「いいこと、明日の放課後も行くから、私の好きな茶菓子を用意してまってなさい」
「かしこまりました」
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