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4話
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写真を撮って全てを胃の中に収めた私はお手洗いに行って帰ってきた。
「帰ろっか」
りっくんは椅子から立ち上がって、私の荷物を持ってくれた。
「えっいいよ、自分で持つよ」
たまに彼氏に鞄持ってもらってる子を見かけるけど、あれは羨ましとか思わない。鞄ぐらい自分でもつよって思う。
りっくんはそのまま会計を素通りした。
「え!?あれお会計は?」
「払っておいた」
「いいよ」
「いや……でも」
バイトもしてない高校生に払わせるのは頂けない。だってあんな凝った料理は結構なお値段する。マックじゃないよって言いたい。
「大丈夫、こないだ企業主催の弁論大会で入賞して、ノートパソコン貰って別に要らないから売ったら結構な収入になったから」
……頭の良い奴は稼ぎ方もスマートだな。ここは素直に甘えておこう。
「ありがとう、りっくん。ごちそう様でした」
「じゃあ帰ろっか」
りっくんは私の手を握って、駅に向かった。
揺れる度、肩が触れる少し窮屈な電車の中、私はある言葉を言って欲しくて尋ねた。
「玲奈ちゃんってすっごく可愛いいよね」
「うん、そうだね」
欲しい言葉を貰えなくてモヤっとする。
「りっくんも玲奈ちゃんみたいな子がいいんでしょ?」
「俺はあんまり自分を可愛いって思っているような感じの子は、苦手なんだよね。もっと普通に可愛い感じの身近な子がいいよ」
「そっか」
胸が靄が晴れてスッとする。りっくんの想いに応える気もない癖に、こんな事言わせて、私は本当にズルい奴だ。
「お疲れ様です」
私はバイトを終えバイト先の居酒屋を歩いて帰った。
今日も蒸し暑い。アイスを買って帰ろうとコンビニに寄った。チョコモナカにしようか雪うさぎ大福にしようか……迷った私は両方レジに持っていった。
再び涼しいコンビニから蒸し暑い外に出ると、反対車線のフルスモのワンボックスカーの窓からは入れ墨をした腕を出している男と目があった。
「ねぇ~一緒に遊ぼうよ~!」
男が大声で叫ぶと後ろの窓が空いて、派手な色の頭をした3人の男達が手を振った。私は絵里の話を思い出して、怖くなった。4人も居たら抵抗しても敵わない。こっちに来ようとウィンカーを上げているが、車通りが多く来れないらしい。コンビニに逃げようかと思ったけど、店員さんが助けてくれなくて連れて行かれたらと思うと踏み切れず、走ってコンビニの横の小道に逃げ込み、マンションの非常階段を登って隠れた。少しするとさっきの車がやって来て、”おーい”とか叫んで私を探しているようだった。逃げたから嫌だってわかるはずなのに、追いかけてくるのが余計に怖くて、その場から30分経っても動けずにいた。家には父も母も居なくて、誰も他に頼る事が出来ない私はりっくんに電話した。
「バイトの帰り道、男に車で追いかけられて怖いの」
「どこにいるの!!」
「国道のセブンの近くのマンション」
「すぐ行く」
私は携帯を握り染めて、小さくなりながらりっくんが来るのを待ち続けた。
「みぃちゃ~ん!」
20分ぐらい待っているとりっくんの呼ぶ声が聞こえた。
「りっくん、こわかったよ~」
私はりっくんの胸にしがみついて、大声で子供のように泣きじゃくった。私の肩を抱くりっくんの手が震えていた。
「早く帰ろう」
りっくんの自転車の後ろに乗って家まで帰った。
「今日、泊まってかない?一人じゃ怖くて」
「わかった」
私達は和室に布団を隣同士に、二組敷いて手を繋いで別々に寝た。
朝起きると手はしっかり繋がれたままで、手を離すとりっくんは起き上がってきた。
「おはよう」
「だめ見ないで」
私は顔を隠した。瞼が重い。きっと泣いたから目が腫れている。こんなブサイクな顔を見ないでほしい。だってりっくんは寝起きでもかっこいいんだもん。余計に見られたくなかった。
「なんで?」
「目が腫れてるから」
「別にいいのに」
私は洗面所に急いで行って顔を洗って、瞼を冷やして腫れを取った。
リビングに行くとりっくんはテレビでニュースを見ていた。
「りっくん、昨日は本当にありがとう」
私は深く頭を下げた。本当に怖かったから、思い出すと涙が出そうになる。
「みぃちゃんが無事で良かった。みぃちゃんの所に向かう途中、嫌な想像ばかりが頭を過ぎって、不安でしょうがなかった。また何かあったら直ぐに呼ぶんだよ」
「うん。私もりっくんが困った時は何でもいって」
「ありがとう」
私は台所に立った。りっくんに目玉焼きとソーセージに白米を用意した。私は年下の幼馴染が食べる様子を眺めた。なんだか胸が温かくなった。
「帰ろっか」
りっくんは椅子から立ち上がって、私の荷物を持ってくれた。
「えっいいよ、自分で持つよ」
たまに彼氏に鞄持ってもらってる子を見かけるけど、あれは羨ましとか思わない。鞄ぐらい自分でもつよって思う。
りっくんはそのまま会計を素通りした。
「え!?あれお会計は?」
「払っておいた」
「いいよ」
「いや……でも」
バイトもしてない高校生に払わせるのは頂けない。だってあんな凝った料理は結構なお値段する。マックじゃないよって言いたい。
「大丈夫、こないだ企業主催の弁論大会で入賞して、ノートパソコン貰って別に要らないから売ったら結構な収入になったから」
……頭の良い奴は稼ぎ方もスマートだな。ここは素直に甘えておこう。
「ありがとう、りっくん。ごちそう様でした」
「じゃあ帰ろっか」
りっくんは私の手を握って、駅に向かった。
揺れる度、肩が触れる少し窮屈な電車の中、私はある言葉を言って欲しくて尋ねた。
「玲奈ちゃんってすっごく可愛いいよね」
「うん、そうだね」
欲しい言葉を貰えなくてモヤっとする。
「りっくんも玲奈ちゃんみたいな子がいいんでしょ?」
「俺はあんまり自分を可愛いって思っているような感じの子は、苦手なんだよね。もっと普通に可愛い感じの身近な子がいいよ」
「そっか」
胸が靄が晴れてスッとする。りっくんの想いに応える気もない癖に、こんな事言わせて、私は本当にズルい奴だ。
「お疲れ様です」
私はバイトを終えバイト先の居酒屋を歩いて帰った。
今日も蒸し暑い。アイスを買って帰ろうとコンビニに寄った。チョコモナカにしようか雪うさぎ大福にしようか……迷った私は両方レジに持っていった。
再び涼しいコンビニから蒸し暑い外に出ると、反対車線のフルスモのワンボックスカーの窓からは入れ墨をした腕を出している男と目があった。
「ねぇ~一緒に遊ぼうよ~!」
男が大声で叫ぶと後ろの窓が空いて、派手な色の頭をした3人の男達が手を振った。私は絵里の話を思い出して、怖くなった。4人も居たら抵抗しても敵わない。こっちに来ようとウィンカーを上げているが、車通りが多く来れないらしい。コンビニに逃げようかと思ったけど、店員さんが助けてくれなくて連れて行かれたらと思うと踏み切れず、走ってコンビニの横の小道に逃げ込み、マンションの非常階段を登って隠れた。少しするとさっきの車がやって来て、”おーい”とか叫んで私を探しているようだった。逃げたから嫌だってわかるはずなのに、追いかけてくるのが余計に怖くて、その場から30分経っても動けずにいた。家には父も母も居なくて、誰も他に頼る事が出来ない私はりっくんに電話した。
「バイトの帰り道、男に車で追いかけられて怖いの」
「どこにいるの!!」
「国道のセブンの近くのマンション」
「すぐ行く」
私は携帯を握り染めて、小さくなりながらりっくんが来るのを待ち続けた。
「みぃちゃ~ん!」
20分ぐらい待っているとりっくんの呼ぶ声が聞こえた。
「りっくん、こわかったよ~」
私はりっくんの胸にしがみついて、大声で子供のように泣きじゃくった。私の肩を抱くりっくんの手が震えていた。
「早く帰ろう」
りっくんの自転車の後ろに乗って家まで帰った。
「今日、泊まってかない?一人じゃ怖くて」
「わかった」
私達は和室に布団を隣同士に、二組敷いて手を繋いで別々に寝た。
朝起きると手はしっかり繋がれたままで、手を離すとりっくんは起き上がってきた。
「おはよう」
「だめ見ないで」
私は顔を隠した。瞼が重い。きっと泣いたから目が腫れている。こんなブサイクな顔を見ないでほしい。だってりっくんは寝起きでもかっこいいんだもん。余計に見られたくなかった。
「なんで?」
「目が腫れてるから」
「別にいいのに」
私は洗面所に急いで行って顔を洗って、瞼を冷やして腫れを取った。
リビングに行くとりっくんはテレビでニュースを見ていた。
「りっくん、昨日は本当にありがとう」
私は深く頭を下げた。本当に怖かったから、思い出すと涙が出そうになる。
「みぃちゃんが無事で良かった。みぃちゃんの所に向かう途中、嫌な想像ばかりが頭を過ぎって、不安でしょうがなかった。また何かあったら直ぐに呼ぶんだよ」
「うん。私もりっくんが困った時は何でもいって」
「ありがとう」
私は台所に立った。りっくんに目玉焼きとソーセージに白米を用意した。私は年下の幼馴染が食べる様子を眺めた。なんだか胸が温かくなった。
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