絶命教室 怪人ミラーと恐怖のゲーム

怪人ミラー

二十八話目

「私に何が起こってるの!?  なんでこんなことになってるのよ！  何かに潰される！」


どれだけ泣こうと喚こうと、怪人ミラーは手を緩めない。


その異常事態に気付いたのか、教室にいた二人の生徒が慌てて廊下に飛び出した。


ナオミの凄惨な死のトラウマが蘇ったのだろうか。


その判断は正しく、理解していないのはタクヤだけだった。


「お前、そんな格好して何してんの？  ミサキとグルになって、俺をハメようとしてる？」


「ち、違……鏡だよ！  ミサキが鏡を向けたら……私達は殺されるっ！  あがっ！」


天井が、もうリンカを押し潰すくらいに床に近くなっていた。


逆らえないほど強烈な力が加わって、リンカの皮膚が裂けて血が噴出し始める。


半笑いで見ていたタクヤも、やっとその事態の異常さに気付いたのだろう。


骨が砕け、肉が押し潰されて、ミンチになってもまだ天井は止まらない。


怪人ミラーが必死にハンドルを回し続けて、原型がなくなるくらいに押し潰しているからだ。


鏡を見ていればわかる。


設置された壁の隙間から、天井の隙間から血や肉が押し出されていることが。


他の二人と比べれば、感じる痛みは少なかったかもしれない。


だが、タクヤにはとてつもない恐怖を与えられただろう。