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トイレの花子さん
三十個目
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また、一時の静寂。
その嫌な雰囲気を誤魔化す為に、ショウコが小さく呟く。
「くそっ。足が痛い。アイラのやつ、ダイエットでもしろっての。潰れてるとは言え、すげぇ重かったわ」
少しでも場を和ませようと思ったのか、そんな冗談も混ぜて。
「ショウコ……あの……」
コハナは不思議に感じていた。
つい先程まで、誰がトイレの個室に入るべきか、誰が花子さんかで揉めていたのに、今は皆助かる為に必死に抵抗している。
異形の二人をどうにか出来たら、次はまた、個室に入る人を決めなければならないのにだ。
危機的状況にあれば皆協力し合えるのに、それがなくなればまた争いが起こる。
どちらにしても地獄だ。この地獄から抜け出すには、結局友達を犠牲にするしかないのだ。
追い詰められたこの状況にも関わらず、考えるのはそんなことばかり。
「なんだよ。礼ならいらないからな。私はアイラが嫌いなだけなんだからさ。それにしても……おかしいな。あいつら来ないぞ?」
どれだけ待っても、先程のように襲い掛かって来ることはなかった。
ただ静寂の中に身を置いて、少しでも物音がすれば反応するくらいには気を張っていたが……その物音一つも聞こえないでいた。
あれだけ恨みたっぷりに襲い掛かって来ていたのにどういうことだと不思議に思ったが、コハナは一つの結論に達したようだ。
その嫌な雰囲気を誤魔化す為に、ショウコが小さく呟く。
「くそっ。足が痛い。アイラのやつ、ダイエットでもしろっての。潰れてるとは言え、すげぇ重かったわ」
少しでも場を和ませようと思ったのか、そんな冗談も混ぜて。
「ショウコ……あの……」
コハナは不思議に感じていた。
つい先程まで、誰がトイレの個室に入るべきか、誰が花子さんかで揉めていたのに、今は皆助かる為に必死に抵抗している。
異形の二人をどうにか出来たら、次はまた、個室に入る人を決めなければならないのにだ。
危機的状況にあれば皆協力し合えるのに、それがなくなればまた争いが起こる。
どちらにしても地獄だ。この地獄から抜け出すには、結局友達を犠牲にするしかないのだ。
追い詰められたこの状況にも関わらず、考えるのはそんなことばかり。
「なんだよ。礼ならいらないからな。私はアイラが嫌いなだけなんだからさ。それにしても……おかしいな。あいつら来ないぞ?」
どれだけ待っても、先程のように襲い掛かって来ることはなかった。
ただ静寂の中に身を置いて、少しでも物音がすれば反応するくらいには気を張っていたが……その物音一つも聞こえないでいた。
あれだけ恨みたっぷりに襲い掛かって来ていたのにどういうことだと不思議に思ったが、コハナは一つの結論に達したようだ。
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