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トイレの花子さん
二十二個目
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コハナを追って、二人も教室に戻った。
「あんた……アイラを殺したね。不意打ちしてさ、汚い手を使って」
教室の隅で震えて、ミラとショウコを見ていたコハナが、二人に向かって椅子を投げ付けた。
当然、途中で落下し、机に当たって床に転がったのだが。
「だって! 誰かが入らなきゃならないんでしょ! それに、アイラとショウコがいたら、力で無理矢理入れられるもん! だからせめて、どっちか一人だけになったら……何とかなると思ったんだもん!」
もはや、当初の目的の「花子さんを探す」ということも忘れている様子のコハナ。
いや、もしかすると、忘れていないからこそアイラを犠牲にしたのかもしれない。
状況から言って、この中で一番怪しいとされるのはコハナだ。
トイレと教室だけの空間で、他のヒントを探し出す方が難しいだろうから。
「ちょっと……ちょっと落ち着こう! 皆、喧嘩をしても意味ないよ!」
「こんな状況で落ち着いてられるかよ! 見ただろミラ! こいつは人を殺したんだ! 自分が助かる為にな!」
「わかってる! わかってるけど! だからこそ落ち着かせてよ! もうわけわかんないよ! 友達が死ぬのが当たり前とか、そんなの嫌なのに!」
暴走するコハナ、責め立てるショウコ、そして混乱するミラ。
正解するにしろ間違うにしろ、あと一人個室に入らなければならない恐怖が、三人の心を蝕み始めていた。
「あんた……アイラを殺したね。不意打ちしてさ、汚い手を使って」
教室の隅で震えて、ミラとショウコを見ていたコハナが、二人に向かって椅子を投げ付けた。
当然、途中で落下し、机に当たって床に転がったのだが。
「だって! 誰かが入らなきゃならないんでしょ! それに、アイラとショウコがいたら、力で無理矢理入れられるもん! だからせめて、どっちか一人だけになったら……何とかなると思ったんだもん!」
もはや、当初の目的の「花子さんを探す」ということも忘れている様子のコハナ。
いや、もしかすると、忘れていないからこそアイラを犠牲にしたのかもしれない。
状況から言って、この中で一番怪しいとされるのはコハナだ。
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「ちょっと……ちょっと落ち着こう! 皆、喧嘩をしても意味ないよ!」
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「わかってる! わかってるけど! だからこそ落ち着かせてよ! もうわけわかんないよ! 友達が死ぬのが当たり前とか、そんなの嫌なのに!」
暴走するコハナ、責め立てるショウコ、そして混乱するミラ。
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