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踊り場の大鏡
二十三人目
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前村を逃がす為に、その場に立ち止まったサラはカーブミラーを見て、背後から迫って来る人影を横目に見ていた。
いざとなったら、ガチガチに固まっているギプスで殴れば大丈夫だと自分に言い聞かせて。
ゆっくりと近付いて来るその人影の姿が判断出来た時、サラは目を疑った。
「な……やっぱり、あんただったんだね。私を押したのもあんたなんだろ! アエリ!」
カーブミラーに映る人物。
アエリが迫って来るのを見て、思わず声を上げて振り返ったサラ。
だが……そこにアエリの姿はないどころか、遠くに人が一人いるだけだったのだ。
「えっ……そんな。確かにアエリの姿が見えたと思ったのに。なんで……」
途端に感じる、凍り付くような悪寒。
ゾワゾワとする肌を撫でられているかのような不快感に、サラは身震いをせずにはいられなかった。
今までにこんな不気味な事態は起こったことがない。
まるで自分が異空間にでも迷い込んでしまったかのような、気味の悪い不思議な感覚だった。
しばらく何も考えることが出来ずに、呆然と立ち尽くしていると……背後からパチパチという、何かが弾けるような音が聞こえ始めたのだ。
動けば空気の刃が身体中を切り刻みそうな緊張感の中、その音の発生源が気になって。
深呼吸をひとつ。思い切って振り返ってみて……サラは力なくその場に崩れ落ちた。
いざとなったら、ガチガチに固まっているギプスで殴れば大丈夫だと自分に言い聞かせて。
ゆっくりと近付いて来るその人影の姿が判断出来た時、サラは目を疑った。
「な……やっぱり、あんただったんだね。私を押したのもあんたなんだろ! アエリ!」
カーブミラーに映る人物。
アエリが迫って来るのを見て、思わず声を上げて振り返ったサラ。
だが……そこにアエリの姿はないどころか、遠くに人が一人いるだけだったのだ。
「えっ……そんな。確かにアエリの姿が見えたと思ったのに。なんで……」
途端に感じる、凍り付くような悪寒。
ゾワゾワとする肌を撫でられているかのような不快感に、サラは身震いをせずにはいられなかった。
今までにこんな不気味な事態は起こったことがない。
まるで自分が異空間にでも迷い込んでしまったかのような、気味の悪い不思議な感覚だった。
しばらく何も考えることが出来ずに、呆然と立ち尽くしていると……背後からパチパチという、何かが弾けるような音が聞こえ始めたのだ。
動けば空気の刃が身体中を切り刻みそうな緊張感の中、その音の発生源が気になって。
深呼吸をひとつ。思い切って振り返ってみて……サラは力なくその場に崩れ落ちた。
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