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貴女のいる時間の中で
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色々物思いになっていると、引戸を開けて淳子さんが入ってきた。普段つけていない眼鏡をつけてきていた。駅から走ってきたのか、また後ろ髪が少し乱れていて、それを手ぐしで整えていた。いつもつけていない眼鏡姿の淳子さんにまた見惚れてしまっていら自分がいた。
「遥人さん。遅れてしまいましたね。ごめんなさい。」
深々と頭を下げて、謝っているところに、その声を聞きつけて、板長が奥から出てきた。
「お、淳子ちゃん。いらっしゃい。早速もう来てくれたのね。ありがとうよ。また美味しいところをいっぱい食べて帰ってよね。成田くんが言ってたけど、限定のお刺身ランチでいいかい?」
「ハイ。それで構いません。遥人さんは、何にしたの?あ、もしかして唐揚げでしょ?」
「よくわかりましたね。その通りです。後で唐揚げあげますね。」
「楽しみです。あー。お腹空きましたね。そういえば、ここまで来る途中に思い出したんですけど、昨日の飲食代はどうされたんですか?私の財布の中、お金が全然減ってなくて。」
「いいんですよ。もう済ませましたから。板長がご機嫌で、だいぶご馳走になってしまいましたので。気にしないでくださいね。」
お昼ランチを話しながら、ゆっくり食べた後、少しカフェでラテを飲んで、淳子さんとは別れた。淳子さんの子どもから連絡が入り、予想以上に早く帰ってくるらしく、足早に帰っていった。
ただ、ご飯食べながら、LINEを交換して、LINEが出来るようになったので、帰った後も、LINEの中で繋がっていた。
『今日はお疲れ様でした。遥人くん。朝から面接もこなしてたので、今日はゆっくり休んでください。私はその間寝てましたから…(笑)』
『いやいや。仕事なんで。淳子さんは、寝てても良いですよ。それに、仕事と言っても喋ってただけですから。大丈夫ですよ。』
『あー。そんなこと言ってるぅ。今度、蒼井常務とか、江田看護部長に言っておこうっと❤️』
『そんな返しを淳子さんするんですね。気をつけないとです。』
そんなやり取りをしながら家路に着いたので、一緒に居てるような気がしながらであった。
淳子さんのこと、どんどん気になっていく自分がいることは、気になっていたが、それを意識していくのは、気にしないように奥底にしまい込んで、思い過ごしていった。
LINEを交換してからというもの、LINEのやり取りが、ほぼ毎日のように続いた。淳子さんの方から、LINEが届いたり、ぼくの方からLINEを送ったり、たわいない内容がほとんどであるが。
『遥人くん。なにしてるの?』
『お風呂に入ってたよ』
『そうなんですね。実はわたしもお風呂なんです。』
『一緒ですね。』
『ぼくは眠くなったので、おやすみしますね。淳子さんはもう寝てるかな』
『実はまだ起きてました~。ダウンタウンの録画してたのを見てました。もうこんな時間なんですね。わたしもそろそろ寝ようかな。』
『レモン酎ハイ美味しいよ。遥人くんとまた一緒に飲みたいな。』
『ホントに。また飲みたいですね。』
『それはそうと、今日は、松岡さんちゃんと出勤してきました。少し笑顔やったんで、ちょっとホッとしました😊またその辺をお話ししたいです。師長さんに話しておきますね』
『はい。承知しました。』
最近では、ぼくのことをくんってつけて話していたり、敬語もなくなりつつある。どんどん二人の距離が近くなっていっている。
この先どうなっていくのかわからないが、確実に日に日に気になる存在がおおきくなってくる。
休み明け、朝イチ出勤すると、蒼井常務から内線が入った。おそらく、週末の舞浜美雪の面接の結果だろう。専務に話すると話されていたので、なんらかの結論が出たと思われる。
「成田くん。おはよう。出勤して間もなくて申し訳ないが、日出くんと一緒にぼくの部屋まできてもらえないか?日出くんにはまだ伝えてないので、ぼくの方からまた連絡しておくよ。今、席には居ないだろう?」
「おはようございます。はい。デスクにはいらっしゃいません。あの週末の面接の件ですか?」
「そうなんだ。その件で、日出くんにも話しておきたくて。」
「承知しました。では、そのようにします。日出課長がデスクに戻り次第、お部屋まで伺います。ありがとうございます。」
笑いを含みながらの会話であったので、おそらく良い方向にやり取りが進んだように感じるが、若葉病院の1Aの話もある。その件も、また蒼井常務だけではなく、日出課長にも報告をしなければならない。合わせて報告しよう。
「成田主任。おはようございます。土曜日の面接の舞浜さん。どうでしたか?」
人事部クラークの岸さんがこえをかけてきた。おそらく、先程蒼井常務との内線での話を聞いていたのだろう。
「おはよう。岸さん。早速いま常務から内線があったよ。おそらく土曜日の、その舞浜美雪の件だろうね。土曜日面接したのだけど、なかなかハッキリと質問に対して返してくる人でね。保育園での人との関わりがよかったんだろう。うまくいけば、うちのチームに加わると思うよ。面接が終わった後に、ぼくの下に付ければいいと言ってくれたから。あ、それは内緒にしといてね。」
「そこまで常務と話が進んでいるなら、もう採用やないですかぁ。これで滞ってる業務が少し改善されそうで、主任の業務も少し改善されるんではないですか?」
「だといいけどね。でも、まずは人事の経験がないから、まずどんなルーティンなのか、どんなサイクルで動いているのかを見て感じてもらわないとね。」
そんな風に岸さんと話していると、日出課長がデスクに戻ってきた。ニヤニヤしているから、おそらく蒼井常務から法人の携帯電話に連絡が入ったのだろう。
「遥人さん。遅れてしまいましたね。ごめんなさい。」
深々と頭を下げて、謝っているところに、その声を聞きつけて、板長が奥から出てきた。
「お、淳子ちゃん。いらっしゃい。早速もう来てくれたのね。ありがとうよ。また美味しいところをいっぱい食べて帰ってよね。成田くんが言ってたけど、限定のお刺身ランチでいいかい?」
「ハイ。それで構いません。遥人さんは、何にしたの?あ、もしかして唐揚げでしょ?」
「よくわかりましたね。その通りです。後で唐揚げあげますね。」
「楽しみです。あー。お腹空きましたね。そういえば、ここまで来る途中に思い出したんですけど、昨日の飲食代はどうされたんですか?私の財布の中、お金が全然減ってなくて。」
「いいんですよ。もう済ませましたから。板長がご機嫌で、だいぶご馳走になってしまいましたので。気にしないでくださいね。」
お昼ランチを話しながら、ゆっくり食べた後、少しカフェでラテを飲んで、淳子さんとは別れた。淳子さんの子どもから連絡が入り、予想以上に早く帰ってくるらしく、足早に帰っていった。
ただ、ご飯食べながら、LINEを交換して、LINEが出来るようになったので、帰った後も、LINEの中で繋がっていた。
『今日はお疲れ様でした。遥人くん。朝から面接もこなしてたので、今日はゆっくり休んでください。私はその間寝てましたから…(笑)』
『いやいや。仕事なんで。淳子さんは、寝てても良いですよ。それに、仕事と言っても喋ってただけですから。大丈夫ですよ。』
『あー。そんなこと言ってるぅ。今度、蒼井常務とか、江田看護部長に言っておこうっと❤️』
『そんな返しを淳子さんするんですね。気をつけないとです。』
そんなやり取りをしながら家路に着いたので、一緒に居てるような気がしながらであった。
淳子さんのこと、どんどん気になっていく自分がいることは、気になっていたが、それを意識していくのは、気にしないように奥底にしまい込んで、思い過ごしていった。
LINEを交換してからというもの、LINEのやり取りが、ほぼ毎日のように続いた。淳子さんの方から、LINEが届いたり、ぼくの方からLINEを送ったり、たわいない内容がほとんどであるが。
『遥人くん。なにしてるの?』
『お風呂に入ってたよ』
『そうなんですね。実はわたしもお風呂なんです。』
『一緒ですね。』
『ぼくは眠くなったので、おやすみしますね。淳子さんはもう寝てるかな』
『実はまだ起きてました~。ダウンタウンの録画してたのを見てました。もうこんな時間なんですね。わたしもそろそろ寝ようかな。』
『レモン酎ハイ美味しいよ。遥人くんとまた一緒に飲みたいな。』
『ホントに。また飲みたいですね。』
『それはそうと、今日は、松岡さんちゃんと出勤してきました。少し笑顔やったんで、ちょっとホッとしました😊またその辺をお話ししたいです。師長さんに話しておきますね』
『はい。承知しました。』
最近では、ぼくのことをくんってつけて話していたり、敬語もなくなりつつある。どんどん二人の距離が近くなっていっている。
この先どうなっていくのかわからないが、確実に日に日に気になる存在がおおきくなってくる。
休み明け、朝イチ出勤すると、蒼井常務から内線が入った。おそらく、週末の舞浜美雪の面接の結果だろう。専務に話すると話されていたので、なんらかの結論が出たと思われる。
「成田くん。おはよう。出勤して間もなくて申し訳ないが、日出くんと一緒にぼくの部屋まできてもらえないか?日出くんにはまだ伝えてないので、ぼくの方からまた連絡しておくよ。今、席には居ないだろう?」
「おはようございます。はい。デスクにはいらっしゃいません。あの週末の面接の件ですか?」
「そうなんだ。その件で、日出くんにも話しておきたくて。」
「承知しました。では、そのようにします。日出課長がデスクに戻り次第、お部屋まで伺います。ありがとうございます。」
笑いを含みながらの会話であったので、おそらく良い方向にやり取りが進んだように感じるが、若葉病院の1Aの話もある。その件も、また蒼井常務だけではなく、日出課長にも報告をしなければならない。合わせて報告しよう。
「成田主任。おはようございます。土曜日の面接の舞浜さん。どうでしたか?」
人事部クラークの岸さんがこえをかけてきた。おそらく、先程蒼井常務との内線での話を聞いていたのだろう。
「おはよう。岸さん。早速いま常務から内線があったよ。おそらく土曜日の、その舞浜美雪の件だろうね。土曜日面接したのだけど、なかなかハッキリと質問に対して返してくる人でね。保育園での人との関わりがよかったんだろう。うまくいけば、うちのチームに加わると思うよ。面接が終わった後に、ぼくの下に付ければいいと言ってくれたから。あ、それは内緒にしといてね。」
「そこまで常務と話が進んでいるなら、もう採用やないですかぁ。これで滞ってる業務が少し改善されそうで、主任の業務も少し改善されるんではないですか?」
「だといいけどね。でも、まずは人事の経験がないから、まずどんなルーティンなのか、どんなサイクルで動いているのかを見て感じてもらわないとね。」
そんな風に岸さんと話していると、日出課長がデスクに戻ってきた。ニヤニヤしているから、おそらく蒼井常務から法人の携帯電話に連絡が入ったのだろう。
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