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”マリーあの子にはあまり近づかないほうがいい”

・・・・・え?な、なんで?

”エフリアちゃんどうして?”

”嫌な魔力を感じる・・・・”

”嫌な魔力?それって・・・”

「マリー・・・?マリーちゃん?大丈夫?」

「・・・・あ、はい!!え?なんですか?え~っと大丈夫です!」

「今、ちょっと手が離せないから奥の部屋にいる見習いさん達に悪いんだけど渡してきて貰えるかしら?」

「これ・・・・エプロンですか?」

「ちょっと汚れていたしお客様あっての商売なのに見習いといえどもエプロンが汚れていては失礼と思って」

エフリアちゃんと念話していたためイザベラ様の言葉に反応が遅れてしまったので思わず苦笑いを浮かべる
あたしはイザベラ様のお願いに快く頷くとそそくさと奥の部屋に入っていった
一番奥にある見習いさん達専用の部屋は辺り一面様々な生地が収納されておりテーブルには様々な裁縫道具が置かれていた

「あら?マリーちゃんどうしたの?」

「これ、イザベラ様に頼まれてきました」

「あ、新しいエプロンね?ありがとう今日はいつもより遅くない?もう帰るの?」

「はい、もうすぐ帰ろうかと・・・・えっと」

四人いる見習いさんだけどここにいるのは三人だけ・・・・あれ?エプロン一枚残ってるけど・・・

「あの~もうひとりの見習いさんは?」

「あ~裏口にいるんじゃない?でも・・・・えっ、マリーちゃん?!」

「わかりました~!!」

何か言ってたような気がしたけどもうひとりの見習いさんにエプロンを渡そうと思いあたしは何も考えず走り出す
すると何処からか大きな声が聞こえて来た女の人の声と男の声?言い争うような声が耳に入って来た
まずいな・・・・・これは後にしたほうがよさそう?・・・・と思った瞬間聞き覚えのある名前が聞こえその場に縫い付けられたように固まってしまった

「駄目よ!!聖女アウラ様に診てもらえれば母さんの病は治るの!駄目ったら駄目」

「あ~そんなの無理に決まってんだろこんな端した金じゃ一生かかっても診てもらえねえぜ!お前知らねえのか?」

「え?な・・・・・なにを?」

「金貨をたんまり渡さねえと診てもらえねえって話だぜ、へへへへっここの見習いの給料じゃ何年かかることやら」

「だからコツコツ貯めて・・・・・「んなことしてたらあいつ死んじまうぜ、だったら今俺が使ったほうがいいだろ」

「よこせったらよこせよ!!!」

「だ・・・・駄目!!これは・・・・」

たぶんお金を奪い合っていたんだろう彼らは力任せに引っ張ったと同時にふたりはひっくり返り転んでしまう
でも女の人はお金の入った袋を離そうとはしない、中年の酒臭い酔っぱらったこの男は余程頭にきたのか目の前の女の人をなんのためらいもなく殴りつけると頬を張り倒した

「おい!よこせよ!金よこせって言ってんだろ!ふざけんな誰がここまで育ててやったと思ってんだ?俺はお前の育ての親だぞ!」

ち・・・・・父親?!この男父親なの?娘の頬を殴り飛ばす父親がいるなんて・・・・!許せない

「暴力反対!!駄目です!」

エフリアちゃんに近づかないほうがいいって言われていたのに・・・・・・
気が付いたら走り出していて彼女に暴力をふるう目の前の男にそんなことを言っていた






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