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金色の髪を一つに束ねて紫色の瞳を持つ小さな少女、魔術師ライラさんのところで知り合ったと息子であるアルフレッドから聞いたイザベラはこの少女のことがはじめて会った時から気に入っていた
大きな瞳に屈託なく笑う少女は笑顔がまるで太陽のようで抜けるように白い肌が少女の美貌を引き立たせていた

(これは大きくなったらかなりの美少女になりそう・・・・とても平民には見えないこれはひとりで歩かせたら人攫いにでも会いそうだわ)

傍らに座ってお昼寝をしている真っ白なフェンリルを見つめるとイザベラは無意識に微笑んだ
ライラさんのフェンリルが傍に付いているし大丈夫だと思うけど・・・・
イザベラは何げなく工房の中の生地を眺めていたマリーちゃんの手に持っている袋に目がいった
これは・・・・?何枚かの異なる柄の生地が重なり合うように縫われてひも付きの袋のようになっていた

「マリーちゃんこれは?これはなに?」

「・・・・え?なにって・・・あ?これですか?」

「これはどうやって作ったの?!」

「これは余った生地で作りました、あの・・・・・駄目でしたか?ゴミ箱に捨ててあった生地を持ち帰ってあたしがつくったんですけど」


「え?捨ててあった生地で?!これが?」

「ご・・・・ごめんなさい!!勝手に・・・・あの」

「ううんそうじゃないの!捨ててあったんだからマリーちゃんがどう使ってもいいのよでもこんな風になるなんて」

「え、ど・・・・どうしたんですか?」

「マリーちゃんその袋わたしによく見せて!!」

そう言いながらイザベラ様はあたしが端切れで作った巾着袋を食い入るように見つめている
ゴミ箱にたんまり捨ててあったのを貰っていって勉強の合間に作ったもの!そう、前世でいうところのパッチワーク
なんか懐かしくなって自分用のお財布や小物入れに作ったんだけど・・・・・どうしたんだろう

「アニー!!アニーは居るかしら?」

イザベラ様は突然何かを閃いたかのように叫びだすと奥に居る見習いのお針子の名前を呼んだ

「はい奥様どうしましたか」

「捨ててあった布破棄しないで取っておいて欲しいの」

「はい?あの・・・・・ゴミ箱に捨ててあったあの布ですか?」

「そう!ちょっと試してみたいことがあるの少し取っておいて」

「はい・・・・わかりました」

20代前半位の小柄な女の子、茶色い髪を二つに無造作に結んだそばかす顔が印象的なその子とふと何気なく目が合う・・・・・瞬間彼女はあたしを見るなり大きな目を見開いて固まった
え?なに?ど・・・・・どうしたの?この女の人固まったまま動かないんだけど?

「アニー?アニーったらどうしたの?」

「え?い・・・・いやあの・・・・あたし・・・」

「アニー?顔色が悪いわよ真っ青だわ!どこか具合でも悪いの?もしやあたしの病がうつったんじゃ」

「い・・・・いいえ!!だ、大丈夫ですあたし・・・・仕事に戻ります!」

そう言いながらそそくさと奥の仕事場に隠れるように行く彼女をエフリアちゃんが食い入るように見つめていた


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