転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

青波明来

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アウラside

覚えたてのカーテシーをしたまま目線を下げて挨拶をする
何度も練習したけれどやりなれないのでかなりこの体制はきつい足がぷるぷるするわ
そんなことを考えていたあたしの耳に鈴の鳴るような穏やかな声が耳に響いてきた

「ああ、あなたが・・・・あなたがそうなのね!立ちなさい礼など必要ないわ」

「キャ・・・・キャロル?!どうしてここに?」

「も、申し訳ありません旦那様!!奥様がどうしても旦那様のところに行くと飛び出して行ったので仕方なく」

「はあ、そうか・・・・・まあ来てしまったものは仕方がない別室に連れていけ」

「ま・・・・待ってください!旦那様この子は・・・・この子はわたくしの子マリアンヌなのでしょう?」

マリアンヌ・・・・?マリアンヌとは誰だろう?私の子ってことは奥様のお嬢様ってこと?

「キャロルこの子はマリアンヌではない」

「マリアンヌじゃない・・・・?」

公爵様はゆっくりと奥様のほうに向かうとそっと肩を抱き寄せた
奥様は不安そうな表情を浮かべかなり動揺しているようであたしはどうすればよいのかただ見て居るしかできなかった

「年が違うし外見も違う・・・・あの子ではないよ」

「そう、そうなのねあの子ではないのね・・・・」

奥様はそう呟くと手に持っていた何かをぽとりと落としてふらふらと部屋を出て行った
その場に残ったのはたぶん服のよう・・・・・これは?
わたしがそっと手に取るとそれは子供服で女の子向けのワンピースのようだった

「悪かったね、妻が済まないことをした」

「い、いいえ!!あ、あの・・・・これ」

「こんなものをまた買ったんだな、キャロルは諦めが悪い」

「旦那様!!奥様にとってお嬢様は「わかっている・・・・わかっているよ」

「あの・・・お嬢様がいらっしゃるんですね」

「以前はいたってほうが正解だ」

「・・・・え?「わたしはもうあの子は死んだと思ってるのに妻は諦められないらしい」

「アウラ様奥様はお嬢様の誕生日が近づくと必ず服やドレスを作るのです、今日手に持っていたのは去年作ったものでしょう」

「お嬢様は亡くなられたのですか?」

「これは・・・・・公爵家の秘事になるので君に明かすわけにはいかないんだ」

そう答えると公爵様の顔が影を帯びたように沈んだように思えた
公爵家のお嬢様に何かあったに違いないこれはあたしが入る隙があるかも・・・・
あたしには聖魔法がある・・・・お嬢様になにがあったか知らないけどこの夫婦からは離れないほうが王太子殿下の妻になる為には近道だわ幾ら聖女だなんだって言われてもあたしはもう平民、王太子妃になる為には貴族の養子にならないと一歩が進めない・・・・・

「わたし公爵様の領地に行ってもよろしいでしょうか?」

気付いたらそんな言葉を発していた
公爵様の領地で聖魔法を使おう・・・・・そう心の中で思ったあたしは王太子妃へと進みだしていた

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