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「最近数年前に流行った伝染病がまた流行りだしたらしい・・・・・困ったねえ」

「伝染病・・・・・ですか?師匠それはどんな病で?」

「咳やのどの痛み、高熱が続き赤い発疹が出る主に子供が多くかかる病だったんだが今回は大人も発症するひとが多くてね・・・・・熱が下がっても発疹は体中に出るらしく悪魔の病って言われてるらしい」

「悪魔の病・・・・」

「なんでも子供だけじゃなく大人でも発疹が治まっても少し跡が残るらしい・・・・特に顔になんて跡が残ったら女の子はたまったもんじゃないだろうそれに治療薬がないから体力のない年寄りや子供は亡くなる者も多いって聞いたよ」

ライラさんはそう言いながら薬草の本やら魔術の本を読んで難しそうな顔を浮かべていた
赤い発疹に咳や喉の痛み・・・・・高熱が続くそれって前世でのはしかや水疱瘡?
あたしは小さい頃予防接種をしていたからかかったことなかったけど・・・・
どうしたらいいんだろう何かヒントがないかな?ワクチンとかあればいいんだけどこの世界にはないだろうな
なんて魔の森に籠ってライラさんとああでもないこうでもないって言いながら治療薬について考えていたあたし達にもたらされたのは思いもよらない出来事だった


「ま・・・・マリー!!マリーはいるか?!」

「あ、あれ?アルフレッド様?ど、どうしたんですか?こんな朝早くから朝ご飯もまだなのに」


「そ、そんなことより事件だ!事件なんだよ大変なんだ!!」


ぜえぜえ息を切らしてやってきたのはアルフレッド君だ
いつも来るときは前もって魔法便で手紙を飛ばして何日に来るって連絡してからここまで転移してくるのに
なんでも王家専用の転移する装置があるらしくてここに来るときはいつも転移装置でライラさんのところに来る
いいなあ転移装置・・・・・でも物凄くお高いらしいとはアルフレッド君が言ってたけど今日はなんでまた?

「大変って何がですか?」

「おやなんだい騒がしいねえ、こんな朝早くにどうしたんだい?」

「し・・・・・師匠おはようございます!あのですね、は・・・・母上が例の伝染病に感染したらしく俺のところに
連絡があって今から行こうと思って」

「あ・・・・アルフレッド様!!あっ皆様おはようございます!っていうか今王都中伝染病が流行ってるのに母上様のところに行くなんて無理ですって!!駄目ですよ」

「母上様って市内に住んでるご生母のイザベラ様のとこかい?」

アルフレッド君がはライラさんの言葉に頷く、余程心配なのか彼は居てもたっても居られないようだ
ギルバートさんは何が何でも行かせたくないみたいだけどそうだよねえ仮にも王家の御子息だもん
でも待って・・・・ご生母ってことはお城に住んでる王妃様は実の母ではないのかな?
なんで実の母親はお城から離れて住んでるんだろ?まあ・・・・色々聞きたいけどこれは聞ける雰囲気じゃないし
部外者のあたしが聞けるわけがないよね、ちらりと彼のほうを見るとバチっと目が合った


「マリー!アウラって女の子知ってるか?」

「へ?知ってますけどなんでアルフレッド様が?あ、え~っと一緒の孤児院に居た女の子ですけど彼女が何か?」

「彼女は聖女らしいんだ!聖魔法が使えるらしいんだよ」

「そ、そんなばかなアウラさんが「お前から・・・・マリーから頼んで欲しいんだ母上を治してくれって」

あたしの手を握りしめ懇願するアルフレッド君が必死の形相であたしを見つめていた



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