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「おっきくてきれいな犬でしゅねえ」

触りたくてもふもふしたいのを我慢しながらあたしはわんこの傍らに跪いて問いかける

そんなあたしを馬鹿にしたような態度の彼?彼女?は気にもせず目を閉じてなんだか眠そうだ

”幼子よ我は犬ではないぞ”


・・・・・・え?犬じゃないの?


「マリーとやらこれはフェンリルじゃよ」

フェンリル!?これがよく物語とかに出てくるフェンリルなの?ああ、信じられない

でもなんであたしの頭の中に会話が入ってくるんだろ?


”理由は判らぬがおぬしの魔力は心地よいからか・・・・わずかな魔力だがな、そうかもしやその首輪が原因か”

”フェンリルさんは判るの?”

”判る・・・しかしそなたの魂は変わってるの~面白過ぎるわ”


「なにやらわしの使い魔に気に入られたようじゃ食べ終わったら早う寝るんじゃぞ!わしは風邪薬のポーションを作ってから寝るから先に寝ていなさい」


「んぐっ・・・・・ライラしゃんポーション作るところみたいでしゅ」

「眠くはないのかい?「眠くないでしゅ!!」

「まあいいさ、残さず食べてからだ」


彼女にそう言われたあたしは嫌いな人参も残さず食べ終えるとポーション作りを眺めていた

すり鉢のようなもので薬草を粉末状にすると数種類の薬草を加えて魔力を流し込む

すると何処からか水が湧き出てきてゆっくり何かの液体を流し込みながら再び魔力を流し込むと綺麗な緑色に変わっていた

「興味があるのかい?」

「えっ・・・・「マリーの幼さでこんなに真剣に見てくれるなんて何処に興味を惹かれるのかって思ってさ」

「魔力をながしゅときょろとか色が変わるときょろとか素敵でしゅ」

「そうかい?「はい!あたしもやってみたいでしゅ」

「やってみたいのならちゃんと勉強しなくちゃねえ~あんた文字は読めんのかい?」

「よ・・・・よめましぇん」


読みたくても孤児院にはあまり本がないそれ以前に文字が読めないので勉強するにしてもまずは文字だ

貴族なら10歳から貴族の学校に入ることが義務づけられてるけど平民は裕福な商人とかくらいしか学校にいけないらしい

孤児院でも教えてくれるけど簡単な文字や計算くらいでそれも日々の生活で授業が出来ない日もある


学費は高いみたい・・・・・前世一応大学まで出たあたしはこちらの世界でも勉強したいって思ったけど孤児のあたしには先立つものがない


それに本を買おうにもかなり値が張るし、その事実を赤ん坊の時に聞いてちょっとショックを受けた

でもこのままじゃいけないって思ってる勉強しないと知識をつけないとこの世界では生きていけない孤児のあたしは
誰に頼ることも出来ないんだから


「ライラしゃんは薬師なんでしゅか?」

「まあそうだね~昔だけど宮廷で魔術師と薬師もしてたんだよだいぶ昔だけどね」


彼女の言葉に稲妻が走る、これだ!!って思いが駆け巡った

「ライラしゃん!!あたしを弟子にしてくだしゃい」

気が付けばそんな無謀な言葉を突然彼女に言い放っていた





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