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「ああ、なんだライラばあさんかそれがよ~この子が親に置いてかれたらしくてちと困ってたんだよ」

「なんだ捨て子かい不景気なせいなのかここんとこ多いねえ」

そう言いながらおばあさんはべそをかいているあたしにちらりと視線を移した

一瞬目を見開いたかと思うと何か考えているような彼女に目が離せなかった

「厄介なものつけてんねえ、全くどうなってんだい」

「・・・・は?ばあさん何か言ったか?」

「いや、何も・・・・ところであんた名前は?」

「ま、マリーでしゅ」

「年は?「さ・・・・さんしゃいでしゅ」

「もうすぐ日も落ちて夜道も危なくなる帰るにしても危険すぎるしどうだい取りあえずあたしんちに来るか?」

「えっ・・・・「マリーとやら家はどこだい?」

「こ、孤児院でしゅ」

「孤児院か・・・・まあ後で魔法便で連絡はするとしてあたしんとこに来るかい?それとも自分で歩いて帰るかい?」


「お、おばあしゃんとこに行くでしゅ」

「じゃあ決まりだボブこの子は取りあえず今夜はあたしが引き取るよ」

「た、助かった恩にきるよ!じゃあな嬢ちゃんいい子にするんだぞ」


わしゃわしゃと頭を撫でると馬車はあたし達を置いて去っていく

歩いて一人で帰るなんて選択肢あたしにはないよ、こんなチビで何時間かかることか

「ほらしっかり歩くんだよこの先にある魔の森を抜けていくよ」


彼女は信じられないことを呟いた

え?魔の森?魔の森って聞いたことがある

子供は絶体入っちゃいけないよって言われてるところだ

子供を叱る時魔の森の魔物に食わせるよって言うのが定番の言い方だったりする

そんなところに今から行くの?冗談でしょ?

彼女はあたしの顔が引きつってるのがわかったのかにやりと不敵な笑みを浮かべていた


「あたしの家は魔の森の中にあるんだよ大丈夫だあたしがいる限りあんたは安全だよ」


そうひとこと言うとすたすたと歩き出したどの位歩いたんだろ着いていくのがやっとのあたしは小走りになる

まだ幼児のこの身体はまだまだ不便なことも多い、息を切らしてついていくあたしを見かねたのか彼女は溜息をついた


「面倒だね~仕様がない転移するか」

・・・・・は?て、転移?

転移って移動するあれ?


「遅くてイライラするんだよほらしっかり捕まって」

彼女はあたしとしっかり手を繋ぐとしっかりと抱き寄せた

「行くよ」

その一言でなんの呪文も唱えずにぶんって音がしたかと思うと何処かに移動する

目の前にあったのは蔦が生い茂る家で周りには様々な花や草木が辺りを囲むまるでおとぎ話に出てくるような屋敷が広がっていた






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