転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君？平民のままがいいので逃げてもいいですか

１２

「ロジータ今日はお行儀よくしてるのよマリーのお世話の為に連れて来たけど治療している間は教会の書庫で本を読んでいても構わないわ」


「はい、ミラ様大丈夫ですちゃんと出来ます」


今日ロジータはシスターミラの付き添いで教会を訪れていた

教会での治癒魔法での治療の為マリーを連れて行くというのでロジータは付き添いに立候補したのだ


シスターミラが言うにはマリーは何回か治癒魔法を受ける必要があるので通わなければならないらしい


ロジータが見たところミルクもよく飲むし健康そうなのに何処が悪いのだろうか

ここでならマリーの首輪の事も何か聞けるかもしれない


そう思ったロジータは将来の自分の為行動を起こしたのだ


この孤児院では１５歳で卒業して自活しなければならない


それは誰であろうと同じで男の子は騎士になったり冒険者になったり道は色々あるけれど女の子となると貴族の愛人になったり何処かにお嫁に行ったりすればまだいいほうでそれも駄目となると修道院くらいしかない


アウラに言われたことをやり遂げようとシスターミラに着いていく


驚いたのは奥にある部屋に連れてこられ治療をしている間待っていなさいと門前払いをされたこと


ロジータも病気をしたとき連れてこられたことがあるけれどこんなところで治療はしなかった


閉められた扉の前でどうしようと考える・・・何かマリーに関する重要な話をしているに違いない


咄嗟に隣の部屋に行こうと思い立ち入るとそこは客室のような部屋


こっそり入り隣の部屋の話を聞こうと窓に近づく


なんという偶然だろうほんの少し開いた窓から隣の声が聞こえてくるではないか


ロジータは息を呑んで話を聞いていたマリーの首輪の秘密を・・・聞き耳を立てていると話し声が聞こえて息を呑んだ


「うん間違いなくこれはわが国で奴隷制が敷かれていた時に使っていた代物だ・・・だが何故こんなものをこの子に？これを持っているということはおそらく貴族に違いないとは漠然と思うのだが」


「長官・・・・誰が着けたのかということも大事ですが今はこれを外すことが大事だと」


「そうか、そうだなシスターミラうっかりしていた・・・・だが３歳からと言ったが元気そうだし１歳になったらゆっくり始めてみようか？」


「本当ですか？ありがとうございます！！」


奴隷・・・・今奴隷って言ったよね？じゃあマリーは奴隷の子なの？


大変・・・・！！アウラさんに早く教えなきゃいけない咄嗟にロジータが思ったのはそのことだけ


振り返らず見つからないように教会の書庫へと急ぐ彼女に気付くものは誰もいない