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私が覚えているのはマリアという名前


乱立する大きな建物、行き交う車と人の波って・・・・・


これってなんの記憶?っていうかあたしを抱いて走っているのは誰?


っていうか何処まで行くのよ息も絶え絶えだよこの人って思った瞬間ひんやりした地面に置かれたあたし



・・・・・えっ?ま・・・・待って!!



声を出したいけど出せない!!かろうじて動くのは小さな手と足が動く


必死で声を出そうにもう~とかあ~しか出せないし


え?待ってこの小さな手ってあたし赤ちゃんになってる?!


って!!嫌だよ置いていかれたら困るんだけど!!



って思ったら思いが通じたのか彼女は振り返り再び戻って来た


よ・・・・よかった~って思ったのもつかの間顔に当たる数滴の水


雨が降って来たらしいのか彼女はくるんでいた布を引き寄せた


「お嬢様申し訳ありませんもうすぐですよ」



そう彼女は呟くと再び駆け出した・・・・・お嬢様ってなんであたしのことそう言うんだろ


この子は何処の誰なんだろ?疑問は尽きないけど赤ん坊のあたしじゃ問いかけることも出来ない


さ・・・・寒いよ~っていうかお尻が冷たいんだけどおむつ替えてくんないかな



なんて思ってたら再び何処かに置かれたらしい



地面が近いし暖かいぬくもりが消えたのでぱっと辺りを見回した


え・・・?彼女は?



あたし捨てられた?



ばたばた走ってく音が微かに聞こえる


ま・・・・待ってよ!!こんなところに置かれたら死んじゃうよ


こんなのってある?!


そもそもここは何処なの?泣きたくなってきた泣いていいよね?


近所迷惑?そんなの知らない命の危機なんだよ



あたしは寒さとお尻の冷たさに耐え兼ね思い切り泣き出した













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