虹色小判

しまたろす

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第1章 学生編

6 入学

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卒業式の後、両親とバイト先に挨拶に行った。
墓参りした後に店に行くと、店長が
『第1回チキチキ澪音くん送別会』を開いてくれた。
僕以外の従業員の人は全員知っていたらしく、
店を閉め、休みの人まで来てくれた。
ちょっとウルッときたが、開始10分で店長が
号泣してしまい、和やかムードに切り替わってしまった。
なんだかんだで約3年共にしたため、
思い出が溢れ出たのと、いい感じの従業員が見つからず、
この先やって行けるか不安になったためらしい。
終始嬉し楽しく、とても良い思い出になった。
お酒が入っていたせいか、俺の右足に掴まり、
涙と鼻水を流しながら『行かないで~』を連呼して、
最後まで店長に引き止めたられたのも、
良い思い出になった。




「んじゃ行ってくるよ。じいちゃん。」

「気をつけて行きんさい。」

「まあ落ち着いたら、週に1回くらいは帰ってこれるようにしようと思うからさ。」

「ほいほい。いつでも帰ってきんさい。」

「何かあったらすぐ電話ね。」

「わかっとるわかっとる。」





初日は校長室に来てくれとのことだった。
どうやら入学式的な行事は無いらしい。
学校というよりかは、研究所や訓練所に近いのか?


そして、大きい広いの繰り返しで再び校長室へ。
もちろん案内人の方とご一緒に。

「失礼します。黒蜂様をお連れしました。」

「おお!入ってくれ!」

「失礼します。」

「わざわざ校長室まで悪いね。初日に話したグループの1人を紹介しようと思ったのだが、如何せん遅刻癖が抜けない奴でね、まだ到着してないんだよ。だから来るまで少し待ってもらえるかな?住む寮も決まってるし、他にすり合わせたり、質問あったら教えて。」

雑談を交えながら1時間くらい話した頃に、
痺れを切らしたのか
『はぁ~。これでも私、校長だよ?』っと
ため息をつく校長。この反応は
やはり相当な問題児なんだろうな~
と他人事の様に考えていると、
勢い良くドアの開く音がした。ノックの音もなく。

「お邪魔しまーす。いや~すみませんね~。中々抜け出せなくて~」

「遅すぎる!まあ今に始まったことではないが。まあわしは良いわ。先ずは入学生の紹介だ。『幸運の持ち主』である黒蜂 澪音君だ。」

「ほぉ~。そっか~。遅くなっちゃってごめんね!子猫ちゃんが中々鳴きやまなくてね~。僕の名前は黄瀬 雷牙(きせ らいが)!校長は俺の叔父にあたるのさ。よろしく!」

と、ちょっとチャラい感じのイケメンの人が、
握手を求めてきた。結構フレンドリー。

「よろしくお願いします。黒蜂 澪音です。」

頭を下げると

「いいよいいよ、そんなかしこまらなくても。先ずはお友達から始めようか。雷牙って呼んで!」

キラッとハニカムイケメンらいが

「わかりました。雷牙くん。俺の呼び方は何でもいいので。」

「じゃあ、澪音ちゃんで!」

軽いっ!なんか掴みどころのない人だな~
お茶目感は校長と似ているかな?

「まあ、雷牙も来て挨拶が終わって早速だが、雷牙!校内の案内をしてやれ。」

「へいへーい。んじゃ早速いきやすか。」
 


こうして俺の新たな学校生活が始まった。
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