この『異世界転移』は実行できません

霜條

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この『勧誘』は実行できません

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「お前も聞いたことはあるだろ? ――『異世界転移』事件をさ」
「……それってあれだろ? 突然行方不明になるってニュースの」

 『異世界転移』事件。
 今までも行方不明者の話は定期的にニュースになっていたが、ある時から突然テレビでも新聞でも、ネットニュースでも名前が載り始めた事件だ。
 クリックひとつでファイルを削除したかのように、忽然こつぜんと人が消えることから付いた名だったか。
 誰かと一緒だったのに振り返ったらいなくなっただとか、事故現場から被害者が消えてしまっただとか、現代科学もびっくりな事が起きているらしい。
 行方不明者を探す身内の映像なんかが流れては、まだやってるのかと思っていたが、子持ちの顧客と話すにはこと困らないネタでもあった。

「それそれ。いっし、――キカンシャの話は聞いたことはあるか?」
「きかんしゃ? ……蒸気機関車でもどこかで走ってるって話か?」
「バカ野郎。帰って来た人って書いて『帰還者』だ。誰が石炭くべて走れってんだ」

 いつの間にか諒馬りょうまは首からかけた包帯から右手を抜き、自由な指先だけを使って箸を使っていた。好きな唐揚げを先端に刺し、ひと口で頬張り、左のジョッキであっという間に流し込む。――――見た目の不自由さよりもずっと、諒馬はその身体を使いこなしているようだった。
 酔いでふらつく指をこちらに突き刺し、諒馬のとんでも持論が繰り広げられる予兆よちょうに耳を澄ました。

「――――戻って来た奴がいるんだ。こことは違う世界に行った奴らがな」

 臨死体験りんしたいけんみたいな話だ。
 昔、超常現象を紹介するミステリー番組でやってたなぁと、各務堂かがみどうは思い出した。――――あの頃は不思議な出来事にかれ、憧れたものだ。
 今ならスマホひとつで延々と時間を溶かすこともできるが、あの頃の娯楽は有限だった。何度も読んだ手元の本。買ってもらったゲームもクリアしてしまえば真新しさもなくなり、やりこむこともなく終わる。明日の話題のためにテレビやネットを使うと、勉強しろと親の声がかかってしまえばそこまでだ。
 ゲームは禁止されていた家だったので、友だちがゲームの話をするたび悔しいほどに羨ましかったものだ。
 親元を離れ、一人暮らしをしてからゲームに手を出してみたものの、付き合ってくれる人は諒馬くらいだった。
 ――――不思議な出来事に終わりはなく、あの後どうなるのかと思い巡らすだけで充分楽しめる。手元にある有限の中で、最も自由だった玩具ごらくだ。

「そいつらの話を聞いて俺は思ったんだ。……『異世界転移』事件は、警察にも一生解決できないだろうって!」
「へぇ、そうなのか」
「なぜなら、彼らは本当に異世界にさらわれていたからだ! 治外法権だし、何よりも人智じんちを越えた事象だ。このままじゃ誰にも止めることは出来ないだろう――っ!」

 右腕を振り夢心地で語るが、痛そうに腕が跳ねた。

「おいおい――、腕は本当に大丈夫かよ」
「あぁ……。これはシコウの傷なんだ。だから大したことない」
「しこう? なんだそれ」
「あまり気にしないでくれ。下手こいたってことだ」

 強がり右手で親指を立てて見せるが、諒馬は涙目だ。

「……はぁ。それで? なんでお前はそう思ったんだ。行方不明事件が解決できないって。日本の警察は優秀だってよく言うじゃないか」

 わんぱくな少年の顔をした諒馬に、続きをうながす。

「……『帰還者』が言うには、異世界で新たな力を授けられたって話だ。不幸、不遇ふぐう不慮ふりょ不運ふうん――――。なんの才能もなく、なんの財もない。家族もいなくて友だちもいない、神にすら哀れまれた人間だけが、開花させられなかった能力を認めてくれるんだ」

 『異世界転移』と言えば、街や電車の中でもよく見かける。――ある日、突然別の場所へと飛ばされ、常識が通用しない世界へ行ってしまうという漫画やアニメの話だ。
 事件と相まって巷で日々人気が高まっているらしく、広告を見ない日はないというくらい、どこにいてもそんな話題があふれている。

「自分が持つ知識と与えられたスキルで、一から自分の・・やり直しだ。自分から動かなければ何もならないが、あっちの世界では誰もがその世界の『主人公』になれる――」

 居酒屋特有の熱気に、始終騒がしい周囲の客たち。湿度の高い空調と、何度拭いてもべたつく机。音と酔いがぼんやりと学生の頃に戻してくれるような空気が、ここにはある。
 諒馬がする夢の話が好きだ。なんでそんなことを思いつくんだという馬鹿げた話を真面目に語り、巻き込まれ、叶うことのない夢を見ては互いに笑い合う。
 会社の飲み会じゃこんな話すら出ないだろう。昔からの友人だけは、無邪気に今でもそんな話をしてくれる。

「いっしも行ってみたくないか――? 新しい場所で、新しい自分をやり直すんだ」
「行ってみたいかどうかで言えば、そうだなぁ」

 空になりそうなジョッキを確かめ、店員に追加を頼み、手元のものを一気に飲み干した。
 世の人々の心を掴むだけの人気があるのは、夢があるからだろう。ままならぬ現実から遠ざかり、報われぬ人が認められるようになる、ささやかな願いが込められているのではないだろうか。

「行って帰って来れるなら楽しいかもな」

 各務堂は自分の中にある、異世界を記憶の中から呼び起こした。

「修学旅行で行った九州のテーマパークは良かったよな。中世ヨーロッパ風の景色や建物は良かったし、食べ物は美味しい。なにより日本語のままでいいし、遊ぶ場所もある。園内のホテルに泊まれたら最高だ」

 あの時は園から離れたホテルを拠点にしており、バスに揺られ始まりと終わりが決まっていた旅行だった。教師たちの付き添いもあったが、あの非日常感がよみがえる。
 遠い記憶に浸る各務堂と違い、向かいで言葉を待っていた諒馬は前に出していた身を退いた。

「……それってただの旅行じゃん。いっしらしいっちゃらしいけどよー。ははっ」
「旅行かぁー。二十代の頃はせっせと行ったけど、三十代になってから行くこともなくなったな。みんな家庭があったり、仕事で休めなかったり理由はいろいろだけど、行こうと考えることすらしなくなってきた」

 世間と違うタイミングで連休が取れるのが、各務堂の会社の強みだ。だから長期休みを取るとき、予定が合うのは同じ会社の人間しかいない。
 親しい同期と話し、どこへ行こうと出る話題のまま乗り掛かって旅行の計画を立ていた。

「――次誰かと旅行へ行くなら、諒馬、お前だ。いつか予定を合わせて、近くの温泉でもいいから一泊くらい行ってみたくないか」
「おいおい……、野郎同士で温泉なんか行って何が楽しいんだ? だいぶお疲れのようだな」
「はぁ? 行ったっていいだろ、友だち同士で。仕事関係なく仲の良い人間が、俺にどれだけ居ると思ってるんだ?」

 ジョッキを飲み干し、諒馬へと訴える。

「ゼロだぞゼロ。お前以外ゼロだ。――――お前があの時声を掛けてくれなきゃ、俺は今日もきっと仕事のこと考えてた。契約に繋がりそうな人を探しては連絡を取って、会いに行ってただろう。……今の仕事が楽しくない訳じゃないけど、このまま定年を迎えることになったら、家庭もないし無趣味だし友人ゼロで、世間に取り残されて、あっという間にボケて施設なんかに入るだけの老後になってたさ」

 仕事でも仲間内でもよくする話だ。――――親の介護、病気や老後問題。家族がいればその分心配ごとが増える将来に、備えをどうするかと客たちに訴える。
 ――――あらゆる問題は、金があれば解決出来る。
 だけど年々レートが上がる問題に、一体どこまで用意をすればと途方に暮れる。
 だが先を見てばかりいては、今度は現実が足りなくなる。

「はぁ……。仕事柄、金のことばかり考えてしまうけど、他にも大事なことのひとつやふたつはある気がするんだ。――同僚は結局同じムジナだから、仕事と金、あと家族以外に何が大事だ? って奴ばかりだけど」

 店員が追加のビールを運んでくると、空のジョッキと交換する――――。

「だったら、お前も一緒に話を聞きにいこう」
「なにを?」
「『帰還者』の話だよ!」

 身を乗り出す諒馬に気に留める事もなく、店員はさっさと立ち去った。

「――――実はコミュニティがあるんだ。世に公開されていないけど、帰ってきた人間だけが内々に集まって情報共有してくれててさ。一部の人間にはこちらの世界でもまだスキルが使えるけど、公になったら混乱が生じるから秘匿ひとくされているんだ」

 熱を持つ説明が勢い付くも、伝える声は抑えられている。大事な話を、誰にも聞かれないようにと慎重さのある話し方だ。

「実は少し前に、関係者と知り合うことが出来たんだ。……現実世界での数日は、異世界では数年。ぼんやりとしてると、死ぬこともある危険な場所だ。――――だけど自分が知っている知識を分けてあげるだけで、世界を救える。……今の自分を保持しながら、『新しい自分』になれるんだ」

 もしかして、ゲームの話だろうか。――流行りなんて街中で見かけるほどの上部だけの理解しかないが、最初とは違う昔馴染みの勢いに各務堂は言葉を探していた。
 熱中できるものがあるのだろう。ダラダラと続けてきた今までの会話と違い、諒馬はひとりしゃべり続けた。

「この世界から消えた人はみんな、『ブリオングロードテール』って世界に呼ばれているんだ。――――長い間、魔族たちの侵攻に合い、数多くの人種と文明が滅ぼされてきた。……今は数少ないけど人間種もいて、……その人たちは元々この世界にいた人たちなんだ。魔族がブリオングを破壊するたび、こちらの世界まで影響が出て、向こうの世界に人が呼ばれてしまうんだと。――だけど同時に、ブリオングで生きる人たちも、味方を増やそうとこちらの世界から能力者を求めるため呼び続けている。――だから最近、『異世界転移』事件が増えているんだ」

 早口で話される内容があまり頭に入ってこない。ただ真剣に語る眼差しが、いつもの夢見心地な柔らかさはなく、異様としか言いようがない。

「『異世界転移』するにしても、全くのゼロ知識で行くよりも、最低限の準備は必要だ。――いつ誰が呼ばれるか分からない上に、下手すると異世界に放り出されるだけになってしまう。極力仲間の元へ行けるように、強い味方がひとりでも多く必要だ」
「悪い、諒馬――。展開が早すぎてちょっと、話に追いつけてないんだけど、……その『帰還者』ってどんなやつなんだ? 職場とかで知り合えたってことか?」
「いっしとはいえ詳しくは明かせないんだけど、会って見ればわかる。――今は何も分からないだろうけど、お前なら理解してくれるはずだ」

 汗がびっしりついたジョッキを持つ各務堂の手を、諒馬が不自由な右手と一緒に握られた。

「俺も行くなら、お前が一緒だと心強い。――こんな何もない俺のことを、今でも友だちだって言ってくれるいっしのことは、支えになってたんだ。……でも、これ以上ここには居られない」
「なんで今生の別れみたいなことを言い出してるんだ。えっと、ブリオン……? だっけ。その帰還者って人はどうして帰ってきたんだ」

 諒馬の背負う雰囲気と必死さが、あることに気付かせる。――――営業していてたまに遭遇そうぐうする、『勧誘』だ。マルチやセミナー、カルト宗教など、実態の伴わない不安を人に与えるだけの空虚な悪徳。
 違法ではないが故に、あの手この手で負の連鎖を作り仲間を集め、人々を操るような手口に何度か各務堂も遭遇したことがある。
 大抵はやんわりと逃げることが出来たが、やはりそれも仕事だけの上部だけの付き合いで済む関係だからだろう。
 中には、皿ごと毒を飲み込もうとした同僚もいた。――結局そいつは毒に染まり、社内で問題を起こし追放された。
 この手の問題は、関わらないことが一番だ。
 ――――だけど、たったひとりの怪我をした昔馴染みを、各務堂は捨てることができなかった。

「……いっしでもその人のことは詳しく話せないけど、その人はこちらに危機を知らせ、仲間を集めるために戻ってきたんだ。帰還術は膨大なエネルギーを使うから、たくさんの人間を返すことはできないから選ばれて戻ってきた人だ。――――そして、ブリオングロードテールに人を送るために、呼ばれた人でもある」
「そっか、大層な役目を持って帰ってきたんだな。だけど、行方不明者が戻ってきたのなら、ニュースになりそうなのに……。家族の元へ帰ってないのか?」
「……突然の話で俺を疑うのは分かる。だけど、信じてくれ。――俺はお前をだまそうだなんて、一ミリも考えちゃいない。――――いっしみたいに正義感が強くて、偏見もなくて冷静な奴が仲間に必要だ。俺がそう思って、お前に話してるだけなんだから」
「分かるよ諒馬、大変な事態が起きているって。――そんな大事な活動だし、身を隠しながら生活をしなきゃいけないとなると、なにかしら先立つものは必要だ。そうだろ? 優れた能力があったところで、この社会で生活はしていかなきゃいけない。……隠れて誰の目を避けたところで、そいつが生活するには誰かの助けが必要だし、収入が必要だ」
「…………その通りだ。急を要することだけど、多くの人間には理解されない。地道な活動には金が必要だ」
「諒馬も出したのか」
「あぁ、三百万ほど。ちょうど親が死んで遺産整理でまとまった金があったんだ。……他の人はもっと資金提供をしていたけど、俺は出来る範囲のことしかしてない」
「――えっ、親父さん亡くなったのか……?」

 お金のことよりも、見覚えのある諒馬の父親に話題を引っ張られてしまった。
 寝耳に水だ。
 中学の頃に母親がおらず、長いこと二人で暮らしていたことは知っていた。理由は知らないが、言いたくなさそうにしていたし、踏み込んで触れたことは一度もない。――ただ、苦労していることはなんとなく知っていたし、各務堂の両親もそのことを気にかけていた。

「持病で。長いことわずらっていたけど、半年前にようやく、な。…………やっと気持ちの整理もついたから、お前に連絡したんだ」
「……親父さんに持病があったなんて知らなかったよ……。本当に大変だったんだな」
「ずっと看病してきたから慣れたものさ。…………ここ数年は認知症なのかせん妄なのか、支離滅裂しりめつれつなことが多くて、俺も頭がおかしくなりそうだった」

 気が抜けたように笑い、ガラスの外側を水滴が流れ落ちた自分のビールを飲んでいる。

「なんか酔いも覚めちまったな。――――ずっと父親と二人きりの生活も終わって、ようやく自分だけの時間がとれたけどさ。……自分がなにか分からないんだ」

 耳が痛くなるほどの喧騒の中、諒馬の声は聞いたこともないほど小さく弱々しかった。

「だから、『新しい』自分でも、『本当』の自分でもなんでもいい。――――『なにか』になりたくなっちまったんだよなぁ……」

 両腕を狭い机の上に置き、大きく項垂うなだれる諒馬。――――まるで鯨だ。

「だけど、いまさらこの年で憧れるには遅いよな――――。バカみたいだろ」

 浅瀬に迷い、座礁ざしょうした鯨のニュースを思い出す。――――自力で海に戻ることもできず、呼吸もずっとできなくて、ジリジリと命が削られているのをただ見つめることしか出来ない、あのニュース。

「……そんなことない。ただお前が何かに巻き込まれたんじゃないかって心配だったんだ」

 あの巨体がなぜ浜に打ち上がってしまったのか、その原因は分からないけれど、触らないでとニュースキャスターたちが注意を呼びかける。
 その知らせが一度ひとたび波及はきゅうすると、現場を見に行く人が増え、これだけ多くの人が来ていると新たなニュースとなってまた目に入る。
 そんな浜辺と関係ないところで、大して気に留めることもなく、物好きがこんなにいるんだと、そんな感想で終わらせていた日常。

「…………心配してくれてありがとな。『日常』から離れて、いっしとなんでも話せる時間は、俺にとって何よりも救いだったよ」

 疲労と失意、落胆と哀しみ。他にもまだ想像のつかない苦労も多くあったのだろう。――何も知らないから、ただ傍観することしか各務堂には出来なかった。

「お前からしたら胡散臭い事この上ない話かもしれないけど、の俺にとっては……、すがってみたい現実なんだ」

 ただ呼吸を繰り返す打ち上げられた鯨を見ている人たちは、何を思って集まっていたのだろう。

「――――今話してて思ったけど、急にこんな話を信じてくれなんてムリだよな。突拍子がなさすぎた。忘れてくれ」
「……諒馬」

 顔を上げれば、年相応の――――、いや、同い年のはずなのに、諒馬の方が何年も早く年月を重ねたような、遠い道のりを感じさせた。

「今日はもうお開きにしよう。――付き合ってくれてありがとう各務堂。また、気が向いたら付き合ってくれよ」

 『いっし』と呼んでくれた昔馴染みは、席を立ちあがってしまった。
 この遠くなってしまった距離に、どう手を伸ばせばいいのか分からない。

「諒馬……、今度親父さんに線香上げさせてくれないか」
「そういやお前も会ったことあったっけ。なら部屋を片付けなきゃ。ひどい有様なんだ」

 当たり障りのない大人の会話に、大人の対応。

「都合のいい時を教えてくれ。俺も連絡するから」

 お互いなんでもない自分を出せていた気がしたけれど、もうそれも今はムリだった。
 伝票を手に、飲みかけのビールを残してこの場を後にした。
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