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第二部
68話 大精霊の庇護
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「テロメア様ッテロメア様ッ! どうかこの愚かな者に天罰をお与えくださいませ!」
姿形はどこにも見えない。
しかし確実にそこにいると思わせるほどの圧倒的な存在感をすぐ傍に感じさせる。
「……騒々しい。我が神聖なる森の中で騒動を起こすとは無礼にもほどがある。ここは静寂なる我が住処だ。弁えよニンゲンども」
そして中性的な声だけが森の中、あるいは私たちの頭の中に響いた。
よく覚えているこの声は間違いなく大精霊テロメア様だ。
「テロメア様! お聞きください! このリフィルという者はテロメア様より授けられた魔法、【魔力提供】を僕に知られた事で多くの者にその存在を知らしめ、魔法界の理を崩してしまった邪悪な魔導師です!」
ザリアス、この男は……ッ!
私は憎々しげに睨む。
元はと言えばこの男が勝手に私の記憶を盗み取ったのが原因だというのに。
「魔法とは制約に基づいてその効力を発揮するもの! その禁忌を破ったうえで魔法の効力が残るなどもってのほか! そうでしょう、テロメア様ッ!」
深い森の中に響き渡るように、ザリアスは声高らかにそう叫ぶ。
「確かにキミの言う通りだ、ザリアス」
「しかしテロメア様! この僕、ザリアス・マクシムスならば彼女の魔法をなかった事にできます! 彼女の魔法を知る者たちの記憶を書き換える事ができます! だからどうかこの僕にどうか力を! テロメア様の特別恩赦にて【思考共有】の魔法を最上位魔法である【思念強奪】に進化させてくださいませんか!?」
これがザリアスの最後の手段という事ね。
そうやってテロメア様を味方につけてしまおうという算段は実に汚らしいやり方だと思ったが、確かに私の禁忌は破られてしまった。
禁忌を犯した私の魔法の効力はなくなってしまうのだろうか。
そして彼の言う通り、私はテロメア様に罰せられるのだろうか。
と、懸念するも。
「……残念だけど、ザリアス。それはできないよ」
「何故です!? 僕ならこの魔法でリフィルの【魔力提供】について知る者の記憶を書き換えられます!?」
「そんな事する必要はないよ。別に知られたところでどうなるものでもないからね」
「そ、それはどういう!?」
「リフィルの魔法【女神の祝福】は、使い切りの魔法だ。一度使ってしまえばもう二度と復元する事はないし、普通の魔法のように下位魔法の【魔力提供】に成り下がる事もない。制約のもと、リフィル自身から他者に伝える事ができなかっただけだからね」
「そんな馬鹿な……し、しかしそれでも彼女は制約を破った! それなのに魔法が永続するのはおかしいでしょう!?」
「いいんだよ、ザリアス。これは結果としてそうなっただけで、こうなったら魔法の効力が失われるというわけでもないし、他の魔法のように禁忌による罰も別にない。と、我が今そう決めたんだ」
「そんな、そんな馬鹿な事が……! ありえない! テロメア様、それではリフィルだけが贔屓にされてやしませんか!?」
「ザリアス。我は条件と魔力さえ満たせばどのような悪党にも等しく魔法は授けるし、対価によってはその手助けもするし、可能な限り平等に魔法界への無礼侮辱には厳しく罰する」
「ならばリフィルも!」
「けど、我はリフィルには何もしない」
「ふ、ふざけないでください! 大精霊様ともあろうお方がそのようないち個人をえこ贔屓するなど……!」
「ザリアス、キミさあ、我の事を神様かなんかだと思ってんの?」
「……は?」
「我は大精霊なんだよ。神とは違う。万物の創造神じゃあない」
「テ、テロメア様……何を?」
「我はニンゲンを下等生物だと思っている。キミたち貴族と呼ばれる者たちが自身の地位より低い者を見下すように、我も自分より地位の低いキミたち全体を見下しているんだよ。わかるかいザリアス?」
「そ、それはテロメア様は我らよりも強大な力をお持ちですから当然です!」
「だろう? だからね、我は神と違って、キミたちの中でも好き嫌いで区分しているんだ。その中でも我は、リフィルが一番好きなんだ」
「な!?」
「ひとつだけキミのいう通りだ、ザリアス。我はリフィルだけをエコ贔屓しているんだ」
「そん、な……」
「ああ、でも勘違いしなくていいよ。別にここにいる他の者、ザリアス、キミとか、そこにいるシュバルツ、ジルベールにルーフェン。キミたちの事は別に好きでも嫌いでもない、地を這う虫ケラと同じくらいにしか思っていないからね。安心していいよ。リフィルだけが特別だから」
テロメア様のその言葉でガクっとザリアスはその場に崩れ落ちた。
テロメア様がまさか私の事をそんな風に思ってくださっているなんて……。
「用事はそれだけかな? 新しい魔法が覚えたいとかそういう用件がないのなら我は帰るよ?」
「お、お待ちくださいテロメア様!」
いてもたってもいられず、私はテロメア様を呼び止める。
「なんだいリフィル?」
「その……何故、テロメア様は私にだけこのような恩赦をお与えになってくださったのですか……?」
「キミたちアルカードのニンゲンにはこの森を大事にしてもらっていたからね。特にリフィルは幼い頃からよくここに遊びに来ていただろう? その頃からキミには注目していたんだ」
「私に……?」
「キミほど強烈な魔力を内に秘めたニンゲンは初めて見たからだよ。あまりにも圧縮されていたその魔力はどういうわけが上手く出力できていなくてね」
「私がそんな魔力を……?」
「それでもキミの行動や生き様次第で多様な魔法を覚えられたかもしれないだろうけど、キミが望んだのは他者の支えになる事だけだった。だからこの世で一番強力なサポート魔法【魔力提供】をキミに授けたんだよ」
「そうだったんですね。私、そんな事ちっとも知りませんでした……」
「リフィル、キミがその魔法を何に使い、何を成すのかをずっとずっと見てきた。キミは自分の愛の為にその魔法を使ってきた。父や弟、妹。そして今は最愛の男に」
「はい。私は愛する者たちを支えたかったのです。そして愛する者たちからの愛をずっと享受したかったんです」
「いいんだそれで。その愚直なまでの愛に我はそそられた。キミというニンゲンを観測するのが楽しくて、そして我もまたキミを愛おしい子供のように思えた。人の精神が色濃く見えてしまう我にはリフィル、キミのようなニンゲンの魂を眺めている事が楽しいし、嬉しいんだよ」
「一体それはどういう……」
「キミたちニンゲンが素晴らしい絵画や絶景、はたまた研ぎ澄まされた美麗な宝石を見て感嘆する感情に近い。美しいリフィルの魂を見ている事が我の楽しみなんだよ。だからこそ我はキミだけは少しだけ贔屓させてもらってる」
「そ、そんな……私なんかを……」
「誇っていいよリフィル。キミはおそらくこの世界で唯一大精霊の特別な庇護を受けた者と言ってもいいくらいに」
「あ、ありがとう、ございます……!」
「さあ、我はそろそろ帰るよ。あ、ついでにザリアス。キミに最後にひとつだけ言っておくけど」
不意に名を呼ばれたザリアスが周囲を見渡す。
「もし今後もリフィルに手を出すようなら、この我、大精霊テロメアがその背後にはついているという事も理解しておいてくれるといいよ。だからと言ってキミやキミの仲間たちに魔法を授けないといった事はしないし、そこは可能な限り平等に扱うけれどね」
「……く、ぐ」
「けれどもしその結果リフィルの魂を汚すような行ないをするのであれば、我は容赦なくリフィルにだけ特別に力を貸す。この言葉をアルベスタの仲間やルヴァイクに伝えるといい」
「……」
ザリアスは黙り込んでしまった。
「我はキミたちニンゲンどものくだらない戦争には欠片も興味はないけれど、ルヴァイクがこの先エリシオンの脅威となり、リフィルを脅かすというのであれば、この我、大精霊テロメアとも戦うという前提で覚悟するといい。それじゃあね」
テロメア様はそこまで告げると、その存在感を消していった。
姿形はどこにも見えない。
しかし確実にそこにいると思わせるほどの圧倒的な存在感をすぐ傍に感じさせる。
「……騒々しい。我が神聖なる森の中で騒動を起こすとは無礼にもほどがある。ここは静寂なる我が住処だ。弁えよニンゲンども」
そして中性的な声だけが森の中、あるいは私たちの頭の中に響いた。
よく覚えているこの声は間違いなく大精霊テロメア様だ。
「テロメア様! お聞きください! このリフィルという者はテロメア様より授けられた魔法、【魔力提供】を僕に知られた事で多くの者にその存在を知らしめ、魔法界の理を崩してしまった邪悪な魔導師です!」
ザリアス、この男は……ッ!
私は憎々しげに睨む。
元はと言えばこの男が勝手に私の記憶を盗み取ったのが原因だというのに。
「魔法とは制約に基づいてその効力を発揮するもの! その禁忌を破ったうえで魔法の効力が残るなどもってのほか! そうでしょう、テロメア様ッ!」
深い森の中に響き渡るように、ザリアスは声高らかにそう叫ぶ。
「確かにキミの言う通りだ、ザリアス」
「しかしテロメア様! この僕、ザリアス・マクシムスならば彼女の魔法をなかった事にできます! 彼女の魔法を知る者たちの記憶を書き換える事ができます! だからどうかこの僕にどうか力を! テロメア様の特別恩赦にて【思考共有】の魔法を最上位魔法である【思念強奪】に進化させてくださいませんか!?」
これがザリアスの最後の手段という事ね。
そうやってテロメア様を味方につけてしまおうという算段は実に汚らしいやり方だと思ったが、確かに私の禁忌は破られてしまった。
禁忌を犯した私の魔法の効力はなくなってしまうのだろうか。
そして彼の言う通り、私はテロメア様に罰せられるのだろうか。
と、懸念するも。
「……残念だけど、ザリアス。それはできないよ」
「何故です!? 僕ならこの魔法でリフィルの【魔力提供】について知る者の記憶を書き換えられます!?」
「そんな事する必要はないよ。別に知られたところでどうなるものでもないからね」
「そ、それはどういう!?」
「リフィルの魔法【女神の祝福】は、使い切りの魔法だ。一度使ってしまえばもう二度と復元する事はないし、普通の魔法のように下位魔法の【魔力提供】に成り下がる事もない。制約のもと、リフィル自身から他者に伝える事ができなかっただけだからね」
「そんな馬鹿な……し、しかしそれでも彼女は制約を破った! それなのに魔法が永続するのはおかしいでしょう!?」
「いいんだよ、ザリアス。これは結果としてそうなっただけで、こうなったら魔法の効力が失われるというわけでもないし、他の魔法のように禁忌による罰も別にない。と、我が今そう決めたんだ」
「そんな、そんな馬鹿な事が……! ありえない! テロメア様、それではリフィルだけが贔屓にされてやしませんか!?」
「ザリアス。我は条件と魔力さえ満たせばどのような悪党にも等しく魔法は授けるし、対価によってはその手助けもするし、可能な限り平等に魔法界への無礼侮辱には厳しく罰する」
「ならばリフィルも!」
「けど、我はリフィルには何もしない」
「ふ、ふざけないでください! 大精霊様ともあろうお方がそのようないち個人をえこ贔屓するなど……!」
「ザリアス、キミさあ、我の事を神様かなんかだと思ってんの?」
「……は?」
「我は大精霊なんだよ。神とは違う。万物の創造神じゃあない」
「テ、テロメア様……何を?」
「我はニンゲンを下等生物だと思っている。キミたち貴族と呼ばれる者たちが自身の地位より低い者を見下すように、我も自分より地位の低いキミたち全体を見下しているんだよ。わかるかいザリアス?」
「そ、それはテロメア様は我らよりも強大な力をお持ちですから当然です!」
「だろう? だからね、我は神と違って、キミたちの中でも好き嫌いで区分しているんだ。その中でも我は、リフィルが一番好きなんだ」
「な!?」
「ひとつだけキミのいう通りだ、ザリアス。我はリフィルだけをエコ贔屓しているんだ」
「そん、な……」
「ああ、でも勘違いしなくていいよ。別にここにいる他の者、ザリアス、キミとか、そこにいるシュバルツ、ジルベールにルーフェン。キミたちの事は別に好きでも嫌いでもない、地を這う虫ケラと同じくらいにしか思っていないからね。安心していいよ。リフィルだけが特別だから」
テロメア様のその言葉でガクっとザリアスはその場に崩れ落ちた。
テロメア様がまさか私の事をそんな風に思ってくださっているなんて……。
「用事はそれだけかな? 新しい魔法が覚えたいとかそういう用件がないのなら我は帰るよ?」
「お、お待ちくださいテロメア様!」
いてもたってもいられず、私はテロメア様を呼び止める。
「なんだいリフィル?」
「その……何故、テロメア様は私にだけこのような恩赦をお与えになってくださったのですか……?」
「キミたちアルカードのニンゲンにはこの森を大事にしてもらっていたからね。特にリフィルは幼い頃からよくここに遊びに来ていただろう? その頃からキミには注目していたんだ」
「私に……?」
「キミほど強烈な魔力を内に秘めたニンゲンは初めて見たからだよ。あまりにも圧縮されていたその魔力はどういうわけが上手く出力できていなくてね」
「私がそんな魔力を……?」
「それでもキミの行動や生き様次第で多様な魔法を覚えられたかもしれないだろうけど、キミが望んだのは他者の支えになる事だけだった。だからこの世で一番強力なサポート魔法【魔力提供】をキミに授けたんだよ」
「そうだったんですね。私、そんな事ちっとも知りませんでした……」
「リフィル、キミがその魔法を何に使い、何を成すのかをずっとずっと見てきた。キミは自分の愛の為にその魔法を使ってきた。父や弟、妹。そして今は最愛の男に」
「はい。私は愛する者たちを支えたかったのです。そして愛する者たちからの愛をずっと享受したかったんです」
「いいんだそれで。その愚直なまでの愛に我はそそられた。キミというニンゲンを観測するのが楽しくて、そして我もまたキミを愛おしい子供のように思えた。人の精神が色濃く見えてしまう我にはリフィル、キミのようなニンゲンの魂を眺めている事が楽しいし、嬉しいんだよ」
「一体それはどういう……」
「キミたちニンゲンが素晴らしい絵画や絶景、はたまた研ぎ澄まされた美麗な宝石を見て感嘆する感情に近い。美しいリフィルの魂を見ている事が我の楽しみなんだよ。だからこそ我はキミだけは少しだけ贔屓させてもらってる」
「そ、そんな……私なんかを……」
「誇っていいよリフィル。キミはおそらくこの世界で唯一大精霊の特別な庇護を受けた者と言ってもいいくらいに」
「あ、ありがとう、ございます……!」
「さあ、我はそろそろ帰るよ。あ、ついでにザリアス。キミに最後にひとつだけ言っておくけど」
不意に名を呼ばれたザリアスが周囲を見渡す。
「もし今後もリフィルに手を出すようなら、この我、大精霊テロメアがその背後にはついているという事も理解しておいてくれるといいよ。だからと言ってキミやキミの仲間たちに魔法を授けないといった事はしないし、そこは可能な限り平等に扱うけれどね」
「……く、ぐ」
「けれどもしその結果リフィルの魂を汚すような行ないをするのであれば、我は容赦なくリフィルにだけ特別に力を貸す。この言葉をアルベスタの仲間やルヴァイクに伝えるといい」
「……」
ザリアスは黙り込んでしまった。
「我はキミたちニンゲンどものくだらない戦争には欠片も興味はないけれど、ルヴァイクがこの先エリシオンの脅威となり、リフィルを脅かすというのであれば、この我、大精霊テロメアとも戦うという前提で覚悟するといい。それじゃあね」
テロメア様はそこまで告げると、その存在感を消していった。
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