62 / 70
第二部
61話 迷走
しおりを挟む
「リフィルさんッ!」
私が放心状態でフレスベルグ邸に戻ったのは、もうお日様がてっぺんに登る頃。
どうやって帰って来たのかすらハッキリと思い出せないくらいフラフラとした足取りで、ようやく私のお家……シュバルツ様のお家の付近に辿り着いた。
「シュバルツ……さ、ま……」
「リフィルさんッ! 一体今までどこに……心配した……リ、リフィルさんッ!?」
偶然その場にいたシュバルツ様に抱かれた直後、私は安心感からか、また意識を失った。
●○●○●
――それから。
「……」
私が今度意識を取り戻すと、そこは見慣れた天井。
過ごし始めてからまだ一年と数ヶ月しか経っていないけれど、すっかり慣れ親しんだフレスベルグ邸での私のお部屋。
「リフィルさん! 私がわかるか!?」
「シュバルツ……様……」
私はベッドに横になったまま答える。
ふと、ぬくもりを感じてそちらを見やると、私の左手が彼に握られている事がわかり、安堵した。
「良かった、わかるんだね。リフィルさん、一体何があったんだ。昨日、突然姿を消してから、行方が全くわからなくなってしまって……。私やルーフェン殿、それにフレスベルグ家の者総動員で探し回っていたが、全くキミを見つけられなくて……」
そんな風に仰ってくださるシュバルツ様のその手は震えていた。
よくよく彼の顔を見ると、瞳はやや充血しかけ、目の下にはクマもできている。
本当に行方のわからなくなった私を一晩中探し続けてくれていたんだ。
「でも、こうやってキミが無事に帰ってきてくれて本当に、本当に良かった……!」
シュバルツ様はそう言って微笑んでくれた。
「シュバルツ……様。私……私……」
彼が一晩中私を探し求めてくれていた事は嬉しい。
私は彼を心から愛しているし、彼も私の事をとても愛してくれている事を感じられる。
けれど私の身体は……。
ドクン、という動悸と共に昨晩の記憶が強く蘇る。
私は昨晩、出逢ったばかりのあの男と――。
自分のみだらな姿を、その声を、吐息を、熱を。
思い返せば思い返すほどに強烈な罪悪感に苛まれて。
「わ、私は……」
カタカタと小刻みに震える私の事をジッと心配そうに見据えてくるシュバルツ様のお顔を、まともに見る事ができない。
「わた……ッ。あ……ああっ……うぁ、あああうううぅぅぅぅ……ッ!」
自分の身に何が起きたのかを話す事が恐ろしくて、涙が止まらなくなってしまった。
嫌悪感が全身を駆け巡る。
シュバルツ様以外の人に抱かれた。
身体の全てを見られ、触られ、そして――。
夢なんかじゃないほどの現実感。
そしてそれを受け入れてしまった、愚かな自分の決断を。
「……ッ、リ、リフィルさん。とりあえず今は落ち着くまでゆっくり寝ているんだ。もう少ししたら町医者の他に、ルーフェン殿やルーラ殿もやってくる。その前にメイドに飲み物を持ってこさせるから待っていてくれ」
シュバルツ様は何かを察したのか、私からそれ以上を聞き出そうとはせず、まるで逃げるように私の部屋から出て行ってしまった。
「……ごめんな、さい」
私は一人、彼へと謝罪の言葉を呟いた。
●○●○●
「――お身体の方は特に異常はないようです」
シュバルツ様が連れて来てくれた女性の町医者に私は身体を診てもらい、健診が終わったところでシュバルツ様の他、彼のご両親とルーフェンも私の部屋に来ていた。
「そうか、外傷はねえんだな!? 乱暴されたりした跡も絶対にねえんだな!?」
「だ、大丈夫です。無理やりに何かをされたような形跡は見受けられませんでした」
「ふうぅー……そうか、良かった」
ルーフェンがホッとしたように息を吐き出す。
うちの家族は皆、愛情が深い。
いえ、うちだけじゃない。フレスベルグ家のお義母さんもお義父さんも。
そしてシュバルツ様も。
皆が私の事をこんなにも心配そうに見守ってくれている。
だからこその罪悪感。
今のお医者様の言葉が深く胸に刺さる。
『無理やりに』
そう。
私は無理やりには、されていない。
心は抵抗していたつもりだけど、身体は……私から受け入れてしまったのだから。
私の身体を診終えて、家族に状況を伝えるとお医者様はフレスベルグ邸から出て行った。
リドルお義父様とマリーナお義母様も大変に私の事を案じてくれて嬉しかったけれど、心はずっと張り裂けそうだった。
「じゃあ姉様はもう少し横になって、ゆっくり身体を休めておけよ。俺とシュバルツ兄様はちっと向こうで話しをしてくっから」
「ええ、わかりましたわ……」
「リフィルさん。何かあれば遠慮なく私を呼んでくれ。今日は家から出ないから」
「ええ、ありがとうございますわ、シュバルツ様」
彼らが出て行こうとしたので、「そういえば」と、聞かなければならない事をひとつ思い出す。
「ルーフェンはザ・ワンって何の事だかわかるかしら……?」
「ん? ああ。大精霊様と魔法の契約をする時、既存の魔法ではなくて、世界で一つしか存在する事が許されない強力な魔法の事だが、それがどうした?」
「そう、なんですのね……」
という事は私の魔法は本当に私しか扱えなかったんだ
「あ、別になんでもないですわよ。ごめんなさい、引き止めて……」
「……そうか。じゃあまたな姉様。ちょっと話しをしてくるわ」
ルーフェンとシュバルツ様は物憂げな表情を残し、部屋から出て行った。
虚無感。
なんだか何も考えられない。
今すぐ存在自体を自ら消してしまいたい。
ザリアス・マクシムスという男に抱かれる事を選んだ私。
それは本当にシュバルツ様の為なの?
昨晩の思い出したくない記憶の中に、ザリアスの言葉が蘇る。
『そんなに嬉しそうに僕を求めてくれる今のキミこそが本来のキミの姿なんだよ。わかるか? 愛とは所詮、快楽なんだから』
違う。
と、思いたい。
けれど、昨晩の自分を思い返せば思い返すほど、私の愛は本当にシュバルツ様だけに向けられているのか不安で不安でどうしようもなくなる。
それにザリアスは言っていた。
「今後も僕に身体を差し出せ」
と。
つまり私はあの男に都合のいいように、これからも抱かれなくちゃいけない。
そんなのは嫌。
嫌だけれど、そうしないとシュバルツ様にかけた魔法の事がバラされてしまう。
もしそんな事になったら……。
彼がここまで積み上げて来た輝かしい栄光を奪ってしまう。
「私は……どうすれば、いいの……」
またひとり、涙を溢し続けた。
私が放心状態でフレスベルグ邸に戻ったのは、もうお日様がてっぺんに登る頃。
どうやって帰って来たのかすらハッキリと思い出せないくらいフラフラとした足取りで、ようやく私のお家……シュバルツ様のお家の付近に辿り着いた。
「シュバルツ……さ、ま……」
「リフィルさんッ! 一体今までどこに……心配した……リ、リフィルさんッ!?」
偶然その場にいたシュバルツ様に抱かれた直後、私は安心感からか、また意識を失った。
●○●○●
――それから。
「……」
私が今度意識を取り戻すと、そこは見慣れた天井。
過ごし始めてからまだ一年と数ヶ月しか経っていないけれど、すっかり慣れ親しんだフレスベルグ邸での私のお部屋。
「リフィルさん! 私がわかるか!?」
「シュバルツ……様……」
私はベッドに横になったまま答える。
ふと、ぬくもりを感じてそちらを見やると、私の左手が彼に握られている事がわかり、安堵した。
「良かった、わかるんだね。リフィルさん、一体何があったんだ。昨日、突然姿を消してから、行方が全くわからなくなってしまって……。私やルーフェン殿、それにフレスベルグ家の者総動員で探し回っていたが、全くキミを見つけられなくて……」
そんな風に仰ってくださるシュバルツ様のその手は震えていた。
よくよく彼の顔を見ると、瞳はやや充血しかけ、目の下にはクマもできている。
本当に行方のわからなくなった私を一晩中探し続けてくれていたんだ。
「でも、こうやってキミが無事に帰ってきてくれて本当に、本当に良かった……!」
シュバルツ様はそう言って微笑んでくれた。
「シュバルツ……様。私……私……」
彼が一晩中私を探し求めてくれていた事は嬉しい。
私は彼を心から愛しているし、彼も私の事をとても愛してくれている事を感じられる。
けれど私の身体は……。
ドクン、という動悸と共に昨晩の記憶が強く蘇る。
私は昨晩、出逢ったばかりのあの男と――。
自分のみだらな姿を、その声を、吐息を、熱を。
思い返せば思い返すほどに強烈な罪悪感に苛まれて。
「わ、私は……」
カタカタと小刻みに震える私の事をジッと心配そうに見据えてくるシュバルツ様のお顔を、まともに見る事ができない。
「わた……ッ。あ……ああっ……うぁ、あああうううぅぅぅぅ……ッ!」
自分の身に何が起きたのかを話す事が恐ろしくて、涙が止まらなくなってしまった。
嫌悪感が全身を駆け巡る。
シュバルツ様以外の人に抱かれた。
身体の全てを見られ、触られ、そして――。
夢なんかじゃないほどの現実感。
そしてそれを受け入れてしまった、愚かな自分の決断を。
「……ッ、リ、リフィルさん。とりあえず今は落ち着くまでゆっくり寝ているんだ。もう少ししたら町医者の他に、ルーフェン殿やルーラ殿もやってくる。その前にメイドに飲み物を持ってこさせるから待っていてくれ」
シュバルツ様は何かを察したのか、私からそれ以上を聞き出そうとはせず、まるで逃げるように私の部屋から出て行ってしまった。
「……ごめんな、さい」
私は一人、彼へと謝罪の言葉を呟いた。
●○●○●
「――お身体の方は特に異常はないようです」
シュバルツ様が連れて来てくれた女性の町医者に私は身体を診てもらい、健診が終わったところでシュバルツ様の他、彼のご両親とルーフェンも私の部屋に来ていた。
「そうか、外傷はねえんだな!? 乱暴されたりした跡も絶対にねえんだな!?」
「だ、大丈夫です。無理やりに何かをされたような形跡は見受けられませんでした」
「ふうぅー……そうか、良かった」
ルーフェンがホッとしたように息を吐き出す。
うちの家族は皆、愛情が深い。
いえ、うちだけじゃない。フレスベルグ家のお義母さんもお義父さんも。
そしてシュバルツ様も。
皆が私の事をこんなにも心配そうに見守ってくれている。
だからこその罪悪感。
今のお医者様の言葉が深く胸に刺さる。
『無理やりに』
そう。
私は無理やりには、されていない。
心は抵抗していたつもりだけど、身体は……私から受け入れてしまったのだから。
私の身体を診終えて、家族に状況を伝えるとお医者様はフレスベルグ邸から出て行った。
リドルお義父様とマリーナお義母様も大変に私の事を案じてくれて嬉しかったけれど、心はずっと張り裂けそうだった。
「じゃあ姉様はもう少し横になって、ゆっくり身体を休めておけよ。俺とシュバルツ兄様はちっと向こうで話しをしてくっから」
「ええ、わかりましたわ……」
「リフィルさん。何かあれば遠慮なく私を呼んでくれ。今日は家から出ないから」
「ええ、ありがとうございますわ、シュバルツ様」
彼らが出て行こうとしたので、「そういえば」と、聞かなければならない事をひとつ思い出す。
「ルーフェンはザ・ワンって何の事だかわかるかしら……?」
「ん? ああ。大精霊様と魔法の契約をする時、既存の魔法ではなくて、世界で一つしか存在する事が許されない強力な魔法の事だが、それがどうした?」
「そう、なんですのね……」
という事は私の魔法は本当に私しか扱えなかったんだ
「あ、別になんでもないですわよ。ごめんなさい、引き止めて……」
「……そうか。じゃあまたな姉様。ちょっと話しをしてくるわ」
ルーフェンとシュバルツ様は物憂げな表情を残し、部屋から出て行った。
虚無感。
なんだか何も考えられない。
今すぐ存在自体を自ら消してしまいたい。
ザリアス・マクシムスという男に抱かれる事を選んだ私。
それは本当にシュバルツ様の為なの?
昨晩の思い出したくない記憶の中に、ザリアスの言葉が蘇る。
『そんなに嬉しそうに僕を求めてくれる今のキミこそが本来のキミの姿なんだよ。わかるか? 愛とは所詮、快楽なんだから』
違う。
と、思いたい。
けれど、昨晩の自分を思い返せば思い返すほど、私の愛は本当にシュバルツ様だけに向けられているのか不安で不安でどうしようもなくなる。
それにザリアスは言っていた。
「今後も僕に身体を差し出せ」
と。
つまり私はあの男に都合のいいように、これからも抱かれなくちゃいけない。
そんなのは嫌。
嫌だけれど、そうしないとシュバルツ様にかけた魔法の事がバラされてしまう。
もしそんな事になったら……。
彼がここまで積み上げて来た輝かしい栄光を奪ってしまう。
「私は……どうすれば、いいの……」
またひとり、涙を溢し続けた。
3
お気に入りに追加
1,307
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
「自分より優秀な部下はいらない」と国を追い出されました。それから隣国で大成した私に「戻って来て欲しい」なんてよく言えましたね?
木山楽斗
恋愛
聖女の部下になったレフィリアは、聖女以上に優秀な魔法使いだった。
故に聖女は、彼女に無実の罪を着せて国から追い出した。彼女にとって「自分より優秀な部下」は、必要がないものだったのである。
そんなレフィリアは、隣国の第二王子フォルードによって救われた。
噂を聞きつけた彼は、レフィリアの能力を買い、自国に引き入れることにしたのだ。
フォルードの狙い通り、レフィリアは隣国の発展に大きく貢献した。
それを聞きつけたのか、彼女を追い出した王国は「戻って欲しい」などと言い始めた。
当然、レフィリアにとってそれは不快な言葉でしかない。彼女は王国を批判して、その要求を突っぱねるのだった。
そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。
秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」
私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。
「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」
愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。
「――あなたは、この家に要らないのよ」
扇子で私の頬を叩くお母様。
……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる