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第一部
44話 冷酷なる悪魔と愚者
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私が幼き頃、リアナお母様から絵本と共に教えられた物語のひとつ。
冷酷なる闇の悪魔、というお話がある。
冷酷なる闇の悪魔は魔界にしか生息できない魔物だが、悪意と憎悪の深い心を持った者が自身を生贄に捧げた時、この世界に呼び出す事ができると言われていた。
ひとたびこの魔物が呼び出されれば、その魔力か命が尽きるまで、目に入ったありとあらゆる生物を根絶やしにしてしまうらしい。
リアナお母様が聞かせてくれた物語では、そのグレーターデーモンを呼び出されたとある国は、たった数日で壊滅させられてしまったのだとか。
「おいおい、冗談じゃねえぜ……。マンティコアといい、あんな伝説級の化け物を呼び出すなんざ、ルヴァイク共和国はイカれてやがんのか!?」
ルーフェンが大量の冷や汗を流しながら、激しく警戒を高めているのがわかる。
「アレはシャレにならないレベルです。ルーラもおふざけ無しでやります」
ルーラでさえ、あの悪魔を見据えて戦闘態勢を整える。
「ヤツは危険だ! 力のある者以外は全員下がれっ!」
シュバルツ様も叫ぶ。
そして私は。
「シュバルツ様!」
「リフィルさ……ん!?」
私は少しでもシュバルツ様に力を与えたくて、彼の唇を強引に奪ってキスをした。
「必ず、死なないでください! 約束ですッ!」
私の声に彼は笑顔でこくんと頷く。
「や、やべえ! ヤロウ、なんか始めるぞ!?」
ルーフェンがグレーターデーモンの所作に気づく。
「全員そこから離れろぉ!!」
と叫ぶと同時にグレーターデーモンは右手を天へとかざし、
「……【バースト・ワルツ】」
と、唱え右手をその頭上から地面へと降り下ろす。
「不味い! 全員俺の後ろで身体を小さくしろ!!」
ルーフェンが叫び、
「【同時詠唱】ッ! 【魔法障壁】、【衝撃吸収】ッ!!」
とすぐさま詠唱し、両手を前へとかざす。
淡い青と緑の障壁がルーフェンの手の平から広範囲を護るように展開された。
「私も手伝うッ! 【魔力抵抗】ッ!」
ほぼ同時にシュバルツが自身を中心にして、魔法から身を守る力を上昇させる魔法を展開。
直後。
「衝撃に備えろッ!」
ルーフェンが叫ぶと同時に、
ズォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!
と、かつてない振動と熱波が私たちを襲った。
「「きゃあああああああああああーーーーッ!」」
あまりの衝撃に、私はシュバルツ様の背中にギュッと強く抱きついた。
「ゔぐぐぐ……な、なんつー威力だ! 俺とシュバルツ兄様のコレでもこのプレッシャーかよッ! クソッタレがぁ! フルパワーだ、オルァーッ!」
ルーフェンが苦しそうな表情で更に守護系魔法の出力を引き上げる。
そしてしばらくして、ようやくグレーターデーモンの魔法の効力が沈静化した頃。
「はあッ……はあッ……」
ルーフェンが肩で息をさながら、ギリっと奥歯を噛み締めて、
「なんて……こった……」
ルーフェンらしからぬ絶望の表情で、グレーターデーモンの居たその場所を見ていた。
そしてルーフェンとシュバルツ様の背後で護られた私たちは、全員同じように目を見開き、そして絶句した。
何故ならグレーターデーモンの周辺は、跡形もなく何もかもを消滅させてしまっていたからである。
「う、嘘……みんな、死んでしまったんですの!?」
信じられないような光景だった。
ルーフェンとシュバルツ様の背後で護られていた私たち数十人は無事であったが、それ以外の騎士様や衛兵、他戦士たちは皆、その存在自体も無くなってしまったのである。
そして更に最悪な事に、その近くの城塞外壁すらも衝撃の余波で破壊してしまっていたのだ。
「こ、こんな状態でマジックデトネイターどもまで押し寄せてきたら……王都は……終わりだ……」
言葉に力を無くしながら、ガクっと、ルーフェンは膝をついた。
しかし絶望の足音は更に私たちへ追い打ちを掛けてくる。
「……コロス、コロス」
ゾクっと、背筋が凍るような不気味な声が響く。
それは先程の爆発を引き起こしたグレーターデーモンから発せられていた。
あの魔物は、殺意をたぎらせて私たちの方へヒタヒタと歩み寄ってきているのである。
「全員逃げろ……こんな状態でアレと戦っても勝ち目はねえ。すぐに陛下たちに連絡して……」
ルーフェンが警戒心を高めつつ、そう言った時。
「私に任せよッ!!」
そう言って私たちの前へと歩み出たのは、まさかのダリアス様だった。
「ダリアス! キミでは無理だ!」
シュバルツ様がそう引き止めるが、
「ふん! たかが少し魔力が上がったからと調子に乗りおって! 能無し貴族が私に指図するんじゃあないッ!」
ダリアス様はシュバルツ様に助けられたというのに、強気の姿勢を崩さず、そう言い放つ。
「……やめとけダリアス。てめぇじゃ殺されて終わりだ」
ルーフェンもそう説得するが、
「みくびるな! 私を誰だと思っているッ! マクシムス家、最高にして最強の魔導師、ダリアス・マクシムスであるぞッ! あのような下等な魔物、私の魔法ですぐに蹴散らしてくれるわッ!」
「やめろ! 迂闊に手を出すんじゃねえ!」
「うるさい! 黙って見ておれッ!」
そう言うとダリアス様は魔力を練成し、
「喰らえ! 我が最大の火炎魔法、【ファイアボール】ッ!!」
グレーターデーモンへと大きな火球を発射させる。
私から離れ、魔力が落ち始めているはずとはいえ、まだ上位魔法が扱えるのには驚かされた。
が。
それを避けようとすらもせず、グレーターデーモンは火球に包まれた。
「はーっはっはっは! 見たか! 奴め、よけきれずに燃え尽きおったわッ! 我が火炎魔法は並の魔導師とは速さも威力も比べ物にならんのだぁッ!」
と、勝ち誇るダリアス様だったが、私ですらわかる。
あの程度の攻撃魔法ではグレーターデーモンに傷ひとつ付ける事すら叶わないという事に。
「はーっはっは……はえ?」
ダリアス様が違和感に気付いた直後。
ピシュンッ! と高速な何かが、ダリアス様が放った火炎に包まれているグレーターデーモンのいる方向から打ち出された。
そしてそれはドシュッと、ダリアス様の右肩を一瞬で貫いたのである。
「ぎぃやぁぁぁぁあああああーーッ! い、いでぇええええええ!!」
肩に小さな風穴を空けられたダリアス様は、地べたに転がりのたうち回る。
「いでぇよぉおおおおおッ! うぐぁぁああああッ! 死ぬぅううううッ!! だ、誰か助けろぉおおお!」
あまりに下品な叫び声にその場にいた全員が彼を、残念そうに見下ろしていた。
「……【聖なる癒し】」
そんな中、シュバルツ様だけが彼の肩に手を当て、魔法で彼の傷を癒した。
「い、痛みが引いて……」
「ダリアス、よく聞け」
シュバルツ様が真面目な顔でダリアス様の目を見据えて、
「アレはグレーターデーモン。魔界の中でも最強種の魔族なのだ。上位魔法程度では傷をつける事などほぼ不可能だ」
「そ、そんな化け物が何故、急にこんな場所に……!?」
「おそらく私が捕らえたあの召喚師が、自らの命を犠牲にして呼び出した最強にして最後の一手なのだろう」
「そ、そそ、それでは全て貴様のせいではないかッ! この能無し貴族めがッ! 全部貴様のせいだッ!」
そんなダリアス様の言葉についに、私は我慢の限界となり、
パァンッ!
と彼の頬を力一杯ひっぱたいた。
「ダリアス様ッ! 貴方はどこまで愚かなのですか! 誰も貴方の事なんて見ておりませんッ! 助けようとすらしておりませんッ! そんな中、シュバルツ様だけは貴方のような方の傷ですら、癒してくれたというのにッ!!」
私の言葉を聞き、ダリアス様は辺りを見回す。セシリア含め、誰一人としてダリアス様に手を差し伸べようとした者などいなかった事を、皆の視線や距離感から、ようやく愚かで大馬鹿なダリアス様でも気づいたようだ。
「……」
おかげでようやく彼は静かになった。
「そんな馬鹿は放っておけ! 全員早く逃げろッ!」
ルーフェンが声を荒げる。
「くるぞッ!」
ルーフェンの言葉通り、グレーターデーモンは私たちに向かって突撃してきた。
「やれるだけやるっきゃねえ! 戦えるやつぁ、ありったけの魔法で奴を足止めしろぉッ!」
「「おおーッ!!」」
ルーフェンの合図と共に、その場にいた魔導師や騎士様たちは、持てる力の全てでグレーターデーモンに攻撃魔法をぶつけたのだった。
冷酷なる闇の悪魔、というお話がある。
冷酷なる闇の悪魔は魔界にしか生息できない魔物だが、悪意と憎悪の深い心を持った者が自身を生贄に捧げた時、この世界に呼び出す事ができると言われていた。
ひとたびこの魔物が呼び出されれば、その魔力か命が尽きるまで、目に入ったありとあらゆる生物を根絶やしにしてしまうらしい。
リアナお母様が聞かせてくれた物語では、そのグレーターデーモンを呼び出されたとある国は、たった数日で壊滅させられてしまったのだとか。
「おいおい、冗談じゃねえぜ……。マンティコアといい、あんな伝説級の化け物を呼び出すなんざ、ルヴァイク共和国はイカれてやがんのか!?」
ルーフェンが大量の冷や汗を流しながら、激しく警戒を高めているのがわかる。
「アレはシャレにならないレベルです。ルーラもおふざけ無しでやります」
ルーラでさえ、あの悪魔を見据えて戦闘態勢を整える。
「ヤツは危険だ! 力のある者以外は全員下がれっ!」
シュバルツ様も叫ぶ。
そして私は。
「シュバルツ様!」
「リフィルさ……ん!?」
私は少しでもシュバルツ様に力を与えたくて、彼の唇を強引に奪ってキスをした。
「必ず、死なないでください! 約束ですッ!」
私の声に彼は笑顔でこくんと頷く。
「や、やべえ! ヤロウ、なんか始めるぞ!?」
ルーフェンがグレーターデーモンの所作に気づく。
「全員そこから離れろぉ!!」
と叫ぶと同時にグレーターデーモンは右手を天へとかざし、
「……【バースト・ワルツ】」
と、唱え右手をその頭上から地面へと降り下ろす。
「不味い! 全員俺の後ろで身体を小さくしろ!!」
ルーフェンが叫び、
「【同時詠唱】ッ! 【魔法障壁】、【衝撃吸収】ッ!!」
とすぐさま詠唱し、両手を前へとかざす。
淡い青と緑の障壁がルーフェンの手の平から広範囲を護るように展開された。
「私も手伝うッ! 【魔力抵抗】ッ!」
ほぼ同時にシュバルツが自身を中心にして、魔法から身を守る力を上昇させる魔法を展開。
直後。
「衝撃に備えろッ!」
ルーフェンが叫ぶと同時に、
ズォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!
と、かつてない振動と熱波が私たちを襲った。
「「きゃあああああああああああーーーーッ!」」
あまりの衝撃に、私はシュバルツ様の背中にギュッと強く抱きついた。
「ゔぐぐぐ……な、なんつー威力だ! 俺とシュバルツ兄様のコレでもこのプレッシャーかよッ! クソッタレがぁ! フルパワーだ、オルァーッ!」
ルーフェンが苦しそうな表情で更に守護系魔法の出力を引き上げる。
そしてしばらくして、ようやくグレーターデーモンの魔法の効力が沈静化した頃。
「はあッ……はあッ……」
ルーフェンが肩で息をさながら、ギリっと奥歯を噛み締めて、
「なんて……こった……」
ルーフェンらしからぬ絶望の表情で、グレーターデーモンの居たその場所を見ていた。
そしてルーフェンとシュバルツ様の背後で護られた私たちは、全員同じように目を見開き、そして絶句した。
何故ならグレーターデーモンの周辺は、跡形もなく何もかもを消滅させてしまっていたからである。
「う、嘘……みんな、死んでしまったんですの!?」
信じられないような光景だった。
ルーフェンとシュバルツ様の背後で護られていた私たち数十人は無事であったが、それ以外の騎士様や衛兵、他戦士たちは皆、その存在自体も無くなってしまったのである。
そして更に最悪な事に、その近くの城塞外壁すらも衝撃の余波で破壊してしまっていたのだ。
「こ、こんな状態でマジックデトネイターどもまで押し寄せてきたら……王都は……終わりだ……」
言葉に力を無くしながら、ガクっと、ルーフェンは膝をついた。
しかし絶望の足音は更に私たちへ追い打ちを掛けてくる。
「……コロス、コロス」
ゾクっと、背筋が凍るような不気味な声が響く。
それは先程の爆発を引き起こしたグレーターデーモンから発せられていた。
あの魔物は、殺意をたぎらせて私たちの方へヒタヒタと歩み寄ってきているのである。
「全員逃げろ……こんな状態でアレと戦っても勝ち目はねえ。すぐに陛下たちに連絡して……」
ルーフェンが警戒心を高めつつ、そう言った時。
「私に任せよッ!!」
そう言って私たちの前へと歩み出たのは、まさかのダリアス様だった。
「ダリアス! キミでは無理だ!」
シュバルツ様がそう引き止めるが、
「ふん! たかが少し魔力が上がったからと調子に乗りおって! 能無し貴族が私に指図するんじゃあないッ!」
ダリアス様はシュバルツ様に助けられたというのに、強気の姿勢を崩さず、そう言い放つ。
「……やめとけダリアス。てめぇじゃ殺されて終わりだ」
ルーフェンもそう説得するが、
「みくびるな! 私を誰だと思っているッ! マクシムス家、最高にして最強の魔導師、ダリアス・マクシムスであるぞッ! あのような下等な魔物、私の魔法ですぐに蹴散らしてくれるわッ!」
「やめろ! 迂闊に手を出すんじゃねえ!」
「うるさい! 黙って見ておれッ!」
そう言うとダリアス様は魔力を練成し、
「喰らえ! 我が最大の火炎魔法、【ファイアボール】ッ!!」
グレーターデーモンへと大きな火球を発射させる。
私から離れ、魔力が落ち始めているはずとはいえ、まだ上位魔法が扱えるのには驚かされた。
が。
それを避けようとすらもせず、グレーターデーモンは火球に包まれた。
「はーっはっはっは! 見たか! 奴め、よけきれずに燃え尽きおったわッ! 我が火炎魔法は並の魔導師とは速さも威力も比べ物にならんのだぁッ!」
と、勝ち誇るダリアス様だったが、私ですらわかる。
あの程度の攻撃魔法ではグレーターデーモンに傷ひとつ付ける事すら叶わないという事に。
「はーっはっは……はえ?」
ダリアス様が違和感に気付いた直後。
ピシュンッ! と高速な何かが、ダリアス様が放った火炎に包まれているグレーターデーモンのいる方向から打ち出された。
そしてそれはドシュッと、ダリアス様の右肩を一瞬で貫いたのである。
「ぎぃやぁぁぁぁあああああーーッ! い、いでぇええええええ!!」
肩に小さな風穴を空けられたダリアス様は、地べたに転がりのたうち回る。
「いでぇよぉおおおおおッ! うぐぁぁああああッ! 死ぬぅううううッ!! だ、誰か助けろぉおおお!」
あまりに下品な叫び声にその場にいた全員が彼を、残念そうに見下ろしていた。
「……【聖なる癒し】」
そんな中、シュバルツ様だけが彼の肩に手を当て、魔法で彼の傷を癒した。
「い、痛みが引いて……」
「ダリアス、よく聞け」
シュバルツ様が真面目な顔でダリアス様の目を見据えて、
「アレはグレーターデーモン。魔界の中でも最強種の魔族なのだ。上位魔法程度では傷をつける事などほぼ不可能だ」
「そ、そんな化け物が何故、急にこんな場所に……!?」
「おそらく私が捕らえたあの召喚師が、自らの命を犠牲にして呼び出した最強にして最後の一手なのだろう」
「そ、そそ、それでは全て貴様のせいではないかッ! この能無し貴族めがッ! 全部貴様のせいだッ!」
そんなダリアス様の言葉についに、私は我慢の限界となり、
パァンッ!
と彼の頬を力一杯ひっぱたいた。
「ダリアス様ッ! 貴方はどこまで愚かなのですか! 誰も貴方の事なんて見ておりませんッ! 助けようとすらしておりませんッ! そんな中、シュバルツ様だけは貴方のような方の傷ですら、癒してくれたというのにッ!!」
私の言葉を聞き、ダリアス様は辺りを見回す。セシリア含め、誰一人としてダリアス様に手を差し伸べようとした者などいなかった事を、皆の視線や距離感から、ようやく愚かで大馬鹿なダリアス様でも気づいたようだ。
「……」
おかげでようやく彼は静かになった。
「そんな馬鹿は放っておけ! 全員早く逃げろッ!」
ルーフェンが声を荒げる。
「くるぞッ!」
ルーフェンの言葉通り、グレーターデーモンは私たちに向かって突撃してきた。
「やれるだけやるっきゃねえ! 戦えるやつぁ、ありったけの魔法で奴を足止めしろぉッ!」
「「おおーッ!!」」
ルーフェンの合図と共に、その場にいた魔導師や騎士様たちは、持てる力の全てでグレーターデーモンに攻撃魔法をぶつけたのだった。
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