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第一部
42話 災害級脅威
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「【同時詠唱】、【ファイアスプラッシュ】! 【アイシングコフィン】!」
「てぇえぇぇぇい! メガトンぱーんちッ!」
ルーフェンとルーラの声が街中に轟く。
私はその声の方に向かって走り続けた。
「……よし、こっちは片付けたぞ! ルーラ、そっちはどうだ!?」
「はい、兄様! ルーラも一撃必殺の拳でエルガルム、余裕の討伐完了ですッ!」
そう声を掛け合っていた二人の姿を私は遠目で見て、ひとまずホッと胸を撫で下ろす。
思わず勢いで飛び出してきちゃったけれど、やはり私の弟と妹は凄い。
そう思いながら彼らのもとへ駆け寄ろうとした時。
ルーフェンたちが気づいていない、更に大型のエルガルムが一体、民家の屋根から見下ろしているのが窺えた。
そのエルガルムは確実にルーフェンたちを敵とみなし、まさに今飛び掛かろうとしている。
「ルーフェン! ルーラ! 上ですわぁーッ!!」
「「姉様!?」」
私の叫び声に気づいた二人がすぐに見上げるも、時すでに遅し。
大型のエルガルムはすでに屋根から飛び立ち、ルーフェンへとその鋭い爪を振りかぶっていた。
「ルーフェンッ!!」
駄目だ、間に合わない。
ルーフェンに魔法を発動させる余裕がないし、ルーラも完全に反応が遅れている。
ああッ! もう駄目ッ!
私が思わず目を閉じた時。
ドォォオオオオーーーッ!
という轟音と共に
「ガルラァァォオオオオオオォオッーーーーー!」
と、響き渡る断末魔はルーフェンのものではなく、エルガルムのそれ。
何事かと私が目を開くと、そこには一瞬の間に黒焦げと化したエルガルムの亡骸が転がっていた。
「良かった、間一髪だったか」
「「シュバルツ兄様ッ!」」
ルーフェンとルーラが声を揃えて、その名を呼ぶ。
「シュバルツ様!」
私も彼の名を呼んだ。
エルガルムを屠ったのは、第二試練の真っ最中であるはずのシュバルツ様だったのである。
「た、助かったぜシュバルツ兄様。今のはさすがの俺も焦ったわ。それにしても、さっきのは兄様得意の【ライトニングボルト】だな? すんげぇ威力だったぜ」
「ありがとうですシュバルツ兄様ーーッ!」
ルーフェンとルーラが彼に近寄り礼を告げた。
そして私も彼のもとへと走り寄る。
「シュバルツ様! ご無事で何よりですわ。でも一体何故ここに……?」
「リフィルさんたちも無事で良かった。大変な事が起きてしまった。ひとまず大食堂に残された民間人を避難誘導しながら話そう!」
私たちはシュバルツ様の言葉に頷き、再び大食堂へと戻って行ったのだった。
●○●○●
避難誘導はルーフェンとルーラがそれぞれ請け負い、私はシュバルツ様と二人で一緒に行動する事にした。
ルーフェンが「姉様はシュバルツ兄様と一緒の方が安全だ」と言ったからである。
どうやら街中に侵入したエルガルムはシュバルツ様が倒したのが最後の一匹だったらしく、それ以上の被害はなかったのでひとまずは一安心できた。
――そして私たちは大食堂に集まっていた人々の避難誘導を終えた後、再び王都の大正門前に戻ってきていた。
それというのも。
「まさか、そんな事になっちまってるとはな……」
ルーフェンが大正門より南に見える森の方を見て呟く。
全ての事情を聞いた私たちであったが、今でも信じられない。
まさか、第二試練の最中に突然大量の魔物たちが出現し、英傑選の選手たちに襲い掛かってきただなんて。
「選手らの半分以上は突然の襲撃にその場で命を落とした。私はなんとか組んでいたメンバーの二人だけは守る事ができたが、他の者は散り散りになってしまい、行方もわからぬのだ……」
シュバルツ様は口惜しそうに、そう言った。
「「でも、我々は貴方様のおかげで命を救われました。本当にありがとうございます、シュバルツ殿ッ!!」」
そうお礼を告げているのは、大勢の騎士たちと、シュバルツ様が組んでいたメンバーの二名だった。
大勢の魔物たちを打ち倒したシュバルツ様は、この突然現れた魔物たちの数匹が王都の方へと走って行くのが見えた為、慌てて王都大正門前へと【空間転移】で戻ってきたのだという。
そしてそこで魔物たちを食い止めていたのだとか。
しかしそれでも僅かに見逃してしまったエルガルムたちを追いかけた先に私たちがいたというわけである。
「シュバルツ様が転移魔法で先に王都へ戻られていなければ、危うく大惨事になるところでした」
一人の騎士様が告げる。
「いや、私は大した事はしていない。問題はここからだ……」
そう、私たちが大正門前に集まっているのにはわけがある。
「っち。ルヴァイク共和国め。この日を狙ってやがったんだな」
ルーフェンの言葉通り、この唐突な魔物の襲撃はアルカード領より遥か南部にあるルヴァイク共和国からの攻撃であった。
それを知る事ができたのは、シュバルツ様が捕らえた一人の召喚師から情報を得たからである。
第二試練の最中、魔物らの襲撃に遭い、シュバルツ様や他の選手たちが対応していた時、妙な動きをして森の奥へと隠れ逃げるような人物をシュバルツ様が発見。
シュバルツ様はそいつを捕らえてから、大正門前に転移してきたのである。
そしてその者からこの襲撃の意図について白状させたのだ。
その意図とは、
「陛下の考案したこの英傑選で、未来の英傑を先に潰しちまうとはな」
ルーフェンの呟いた通りである。
「うむ。おそらくはエリシオン王国からルヴァイクへ情報をリークしている者がいたのだろう」
「だが、まさか王都にまで魔物を使って直接攻撃してくるとはな」
「衛兵が手薄になる事も事前に知られていたらしい事を考えると、やはり内通者がいたと見て間違いない」
「この前の南部の戦いの報復だろうな」
「そうであろうな。だが、問題なのは……」
「ああ。コイツの言う事が事実なら……」
シュバルツ様とルーフェンは互いに顔を見合わせ、そして縄でグルグル巻きにされているルヴァイク共和国の召喚師を睨め付けた。
「……く、くく! 貴様らが悪いんだぞ。貴様らエリシオンが、我がルヴァイクの思想を受け入れず、踏み躙ろうとするからだッ」
「ざけんじゃねえ! だからって、民間人全員を無差別に狙うってのはどう言う了見だ!」
「貴様らが言うのか? 貴様らエリシオンが先刻、我らルヴァイクの前線基地を潰しに来た際、近くの民家を焼き払い、あまつさえ女子供まで虐殺、陵辱の悪事を尽くしておいて何を言う! その時に我が同胞の幼き子供たちは皆行方知れずに……。その恨み、晴らさでおくべきかッ!! 我が息子や娘の恨みは貴様らエリシオンの血を以って贖われるのだッ!」
その召喚師の男はそう叫んだ。
それを聞き、先日、ルーフェンが言っていた孤児たちの話を私は思い出した。
つまりこれは全て戦争のしわ寄せとでも言うべきなのであろうか。
「っち。コイツに何を言っても無駄だな」
「うむ。それよりルーフェン殿……」
「ああ。問題なのはこれから襲い来る魔物の大群だ。しかもマジックデトネイター付きのクソッタレばかりを呼び出しやがって……ッ!」
ルーフェンの言う通り、それが大問題であった。
この召喚師はあろう事か、自爆コアを持っている魔物ばかりを大量に追加召喚したのである。
自爆コアとはその魔物が絶命する際、そのコア自体が爆発を引き起こす代物だ。
ただ、単体の爆発は小さなもので、それだけならば殺傷能力は低いのだが、その威力は近くにいる自爆コアの共鳴によって大きな爆発へと誘発する性質がある。
召喚師の話によれば、魔物の数はゆうに数百は超えているらしく、そんな魔物たちが一斉に爆発してしまえば、それはもはや災害級の脅威となる、とシュバルツ様や騎士様たちが言っていた。
そして魔物たちはもう間もなく、この王都の大正門目がけて突撃をしかけてくる。
ルーフェンは困った表情で、
「シュバルツ兄様がこの召喚師をとっ捕まえてくれたおかげで、なんとか先手で対策は打てそうだが正直厳しいぜ……」
そう呟くのだった。
「てぇえぇぇぇい! メガトンぱーんちッ!」
ルーフェンとルーラの声が街中に轟く。
私はその声の方に向かって走り続けた。
「……よし、こっちは片付けたぞ! ルーラ、そっちはどうだ!?」
「はい、兄様! ルーラも一撃必殺の拳でエルガルム、余裕の討伐完了ですッ!」
そう声を掛け合っていた二人の姿を私は遠目で見て、ひとまずホッと胸を撫で下ろす。
思わず勢いで飛び出してきちゃったけれど、やはり私の弟と妹は凄い。
そう思いながら彼らのもとへ駆け寄ろうとした時。
ルーフェンたちが気づいていない、更に大型のエルガルムが一体、民家の屋根から見下ろしているのが窺えた。
そのエルガルムは確実にルーフェンたちを敵とみなし、まさに今飛び掛かろうとしている。
「ルーフェン! ルーラ! 上ですわぁーッ!!」
「「姉様!?」」
私の叫び声に気づいた二人がすぐに見上げるも、時すでに遅し。
大型のエルガルムはすでに屋根から飛び立ち、ルーフェンへとその鋭い爪を振りかぶっていた。
「ルーフェンッ!!」
駄目だ、間に合わない。
ルーフェンに魔法を発動させる余裕がないし、ルーラも完全に反応が遅れている。
ああッ! もう駄目ッ!
私が思わず目を閉じた時。
ドォォオオオオーーーッ!
という轟音と共に
「ガルラァァォオオオオオオォオッーーーーー!」
と、響き渡る断末魔はルーフェンのものではなく、エルガルムのそれ。
何事かと私が目を開くと、そこには一瞬の間に黒焦げと化したエルガルムの亡骸が転がっていた。
「良かった、間一髪だったか」
「「シュバルツ兄様ッ!」」
ルーフェンとルーラが声を揃えて、その名を呼ぶ。
「シュバルツ様!」
私も彼の名を呼んだ。
エルガルムを屠ったのは、第二試練の真っ最中であるはずのシュバルツ様だったのである。
「た、助かったぜシュバルツ兄様。今のはさすがの俺も焦ったわ。それにしても、さっきのは兄様得意の【ライトニングボルト】だな? すんげぇ威力だったぜ」
「ありがとうですシュバルツ兄様ーーッ!」
ルーフェンとルーラが彼に近寄り礼を告げた。
そして私も彼のもとへと走り寄る。
「シュバルツ様! ご無事で何よりですわ。でも一体何故ここに……?」
「リフィルさんたちも無事で良かった。大変な事が起きてしまった。ひとまず大食堂に残された民間人を避難誘導しながら話そう!」
私たちはシュバルツ様の言葉に頷き、再び大食堂へと戻って行ったのだった。
●○●○●
避難誘導はルーフェンとルーラがそれぞれ請け負い、私はシュバルツ様と二人で一緒に行動する事にした。
ルーフェンが「姉様はシュバルツ兄様と一緒の方が安全だ」と言ったからである。
どうやら街中に侵入したエルガルムはシュバルツ様が倒したのが最後の一匹だったらしく、それ以上の被害はなかったのでひとまずは一安心できた。
――そして私たちは大食堂に集まっていた人々の避難誘導を終えた後、再び王都の大正門前に戻ってきていた。
それというのも。
「まさか、そんな事になっちまってるとはな……」
ルーフェンが大正門より南に見える森の方を見て呟く。
全ての事情を聞いた私たちであったが、今でも信じられない。
まさか、第二試練の最中に突然大量の魔物たちが出現し、英傑選の選手たちに襲い掛かってきただなんて。
「選手らの半分以上は突然の襲撃にその場で命を落とした。私はなんとか組んでいたメンバーの二人だけは守る事ができたが、他の者は散り散りになってしまい、行方もわからぬのだ……」
シュバルツ様は口惜しそうに、そう言った。
「「でも、我々は貴方様のおかげで命を救われました。本当にありがとうございます、シュバルツ殿ッ!!」」
そうお礼を告げているのは、大勢の騎士たちと、シュバルツ様が組んでいたメンバーの二名だった。
大勢の魔物たちを打ち倒したシュバルツ様は、この突然現れた魔物たちの数匹が王都の方へと走って行くのが見えた為、慌てて王都大正門前へと【空間転移】で戻ってきたのだという。
そしてそこで魔物たちを食い止めていたのだとか。
しかしそれでも僅かに見逃してしまったエルガルムたちを追いかけた先に私たちがいたというわけである。
「シュバルツ様が転移魔法で先に王都へ戻られていなければ、危うく大惨事になるところでした」
一人の騎士様が告げる。
「いや、私は大した事はしていない。問題はここからだ……」
そう、私たちが大正門前に集まっているのにはわけがある。
「っち。ルヴァイク共和国め。この日を狙ってやがったんだな」
ルーフェンの言葉通り、この唐突な魔物の襲撃はアルカード領より遥か南部にあるルヴァイク共和国からの攻撃であった。
それを知る事ができたのは、シュバルツ様が捕らえた一人の召喚師から情報を得たからである。
第二試練の最中、魔物らの襲撃に遭い、シュバルツ様や他の選手たちが対応していた時、妙な動きをして森の奥へと隠れ逃げるような人物をシュバルツ様が発見。
シュバルツ様はそいつを捕らえてから、大正門前に転移してきたのである。
そしてその者からこの襲撃の意図について白状させたのだ。
その意図とは、
「陛下の考案したこの英傑選で、未来の英傑を先に潰しちまうとはな」
ルーフェンの呟いた通りである。
「うむ。おそらくはエリシオン王国からルヴァイクへ情報をリークしている者がいたのだろう」
「だが、まさか王都にまで魔物を使って直接攻撃してくるとはな」
「衛兵が手薄になる事も事前に知られていたらしい事を考えると、やはり内通者がいたと見て間違いない」
「この前の南部の戦いの報復だろうな」
「そうであろうな。だが、問題なのは……」
「ああ。コイツの言う事が事実なら……」
シュバルツ様とルーフェンは互いに顔を見合わせ、そして縄でグルグル巻きにされているルヴァイク共和国の召喚師を睨め付けた。
「……く、くく! 貴様らが悪いんだぞ。貴様らエリシオンが、我がルヴァイクの思想を受け入れず、踏み躙ろうとするからだッ」
「ざけんじゃねえ! だからって、民間人全員を無差別に狙うってのはどう言う了見だ!」
「貴様らが言うのか? 貴様らエリシオンが先刻、我らルヴァイクの前線基地を潰しに来た際、近くの民家を焼き払い、あまつさえ女子供まで虐殺、陵辱の悪事を尽くしておいて何を言う! その時に我が同胞の幼き子供たちは皆行方知れずに……。その恨み、晴らさでおくべきかッ!! 我が息子や娘の恨みは貴様らエリシオンの血を以って贖われるのだッ!」
その召喚師の男はそう叫んだ。
それを聞き、先日、ルーフェンが言っていた孤児たちの話を私は思い出した。
つまりこれは全て戦争のしわ寄せとでも言うべきなのであろうか。
「っち。コイツに何を言っても無駄だな」
「うむ。それよりルーフェン殿……」
「ああ。問題なのはこれから襲い来る魔物の大群だ。しかもマジックデトネイター付きのクソッタレばかりを呼び出しやがって……ッ!」
ルーフェンの言う通り、それが大問題であった。
この召喚師はあろう事か、自爆コアを持っている魔物ばかりを大量に追加召喚したのである。
自爆コアとはその魔物が絶命する際、そのコア自体が爆発を引き起こす代物だ。
ただ、単体の爆発は小さなもので、それだけならば殺傷能力は低いのだが、その威力は近くにいる自爆コアの共鳴によって大きな爆発へと誘発する性質がある。
召喚師の話によれば、魔物の数はゆうに数百は超えているらしく、そんな魔物たちが一斉に爆発してしまえば、それはもはや災害級の脅威となる、とシュバルツ様や騎士様たちが言っていた。
そして魔物たちはもう間もなく、この王都の大正門目がけて突撃をしかけてくる。
ルーフェンは困った表情で、
「シュバルツ兄様がこの召喚師をとっ捕まえてくれたおかげで、なんとか先手で対策は打てそうだが正直厳しいぜ……」
そう呟くのだった。
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