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第三章 王国を包む闇編
55話 ドリゼラの謝罪
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――翌日。
私は日の出と共にこそこそと一人で屋敷を出た。
今日こそ一人でのんびりと図書館で本に囲まれるのだと息巻いていたのだ。もちろん一番の目的は賢人会議の為だが、久々の図書館だから、もしかしたら新刊が何か補充されてるかもしれないと高揚していた。
……そう思っていたのに。
「ねえねえお姉様。それは何語なんですの?」
「お姉様お姉様! この魔導書のタイトルはなんて読むんですの!?」
「お姉様、この数式の解き方はどうやるんですの?」
私の聖域。つまり貴族学院の図書館で私はうんざりさせられていた。
ドリゼラのやつがずっとくっついてきているからだ。
「なあドリゼラ。私は言っただろう。今日は遊びで図書館に来ているわけじゃないんだぞ。仕事なんだよ」
「う……ご、ごめんなさいお姉様。でも、でも、私、前々からお姉様に色々教えてもらいたくって……」
くそ、そんな上目遣いで甘えた声を出されると無下にできないじゃないか。
「はあ、仕方のないやつだな。で、今度は何がわからないんだ?」
「はい! えっと、この数式のですね……」
すっかり懐かれてしまったな。
私などに引っ付いていないで、愛しのリヒャインのところにでも行けばいいと言ったのだが、お姉様がいる日はお姉様と一緒にいたいなどと抜かしたので仕方なく許可してやったらこのザマだ。
何がこいつをこれほど劇的に変えてしまったのやら、私には全くもって理解できん。
まるで本当の姉みたいに慕ってきやがって……。
「あー、ドリゼラじゃない。どうしたの? 今日はお休みよ?」
などと思っていると、不意に別の声がした。
「あ……サーシャ、ごきげんよう」
「うん、ごきげんよう。休みの日にドリゼラが学院にいるなんて珍しいわね。というか……隣にいるのって確かドリゼラのお姉さん、よね?」
私も見覚えがある。
この女は確かドリゼラの同級生で、いつもつるんでる友人の一人だったな。
この女の言う通り今日は休日だ。だから学院での授業はない。今日学院にいる生徒は何かしらの用事か、生徒会役員、もしくは部活動をしている者たちだけだ。
「え、ええ……そうよ、サーシャ。デレアお姉様よ」
「やっぱりそうよね。あ、なに? もしかしてドリゼラが勉強でも教えてたの? ドリゼラ、頭いいもんね!」
「あ、いえ……」
「それにしてもその数式問題、めちゃくちゃ難解なやつじゃない? 私、お兄様のお勉強で見た事あるから知ってるけれど、それ、学院高等部以上の内容でしょ?」
「う、うん……」
「あー、わかった! なんの取り柄もないお姉さんにせめて勉強くらいは頑張りなさいって事で教えているのね? ドリゼラ、いつも言ってたもんね、ただでさえ見た目も中身も能無しのお姉さんがいて恥ずかしいって」
「ち、ちが! わ、私は……」
「ちょっと、お姉さん。あなた、ちゃんとドリゼラに感謝してあげなさいよ。あなたみたいな不出来な姉がいるからドリゼラはいつもストレスで大変なのよ? わかってるの?」
私は黙したまま、ドリゼラの顔を横目で見ていた。
「サーシャ、や、やめてよ……。もう違うの……」
「いいのドリゼラ。たまには私みたいな第三者から言ってやんなきゃわからないのよ。こういう馬鹿で無作法な姉にはね」
「聞いて、そうじゃないの! 私の方が今日、お姉様にね……」
「あら? よく見たら魔導書や魔導力学の本まであるじゃない。お姉さん、魔力もないのにそんなの勉強してどうするの? 意味なくない? そもそも平民風情がこの学院にいる事自体、分不相応だというのにね」
「サーシャッ!!」
ガタン、っとドリゼラが勢いよく席から立ち上がって険しい形相で声を荒げた。
「な、何よドリゼラ? どうしたの?」
ドリゼラはつかつかとサーシャの方へと歩み寄って行ったので、私はすぐにその背後からドリゼラの腕を掴む。
「やめろドリゼラ」
私は小声で囁く。
「お、お姉様!?」
こいつはおそらくサーシャという女に手を上げるつもりだったのだろうと察していた。
だからこれ以上面倒な事にならないように、私はドリゼラをぐいっと引っ張って後ろに下げさせる。
「そうなの、サーシャさん。私は今ドリゼラに色々と教えてもらっているところなのよ」
そしてサーシャという女の言葉に合わせて答える。
「やっぱりそうなのね。まあ魔力はなくても学力が高ければ多少は良い仕事に就けるかもしれないし、せいぜいドリゼラを見習って頑張るのよ」
「ええ、ありがとう。頑張るわ。さあ、ドリゼラ。また続きを教えてね」
「お、お姉様……」
私に合わせろと言う意味を込めて私は軽くドリゼラをこづいた。
「え、ええ。わかりましたわ……」
「そういうわけだからごめんなさいね、サーシャさん」
私がそう言うとサーシャはドリゼラに手を振って、ようやくその場から立ち去って行った。
これがいつもの、今まで通りの私への風当たりだ。
面と向かって嫌味をぶつけられる事もそう珍しくもないし、この程度では今更特別なんとも思わない。
ただ、振り返った私は思わず目を見開いてしまった。
「……っひ……っひっく。ぐす……お、お姉……様……ごめ、ごめんなさい……うぅ……」
ドリゼラの奴が顔を両手で覆って、啜り泣いていたからだ。
「何故お前が泣く?」
「だって……お姉様の事……ひっく……」
「あんなのは今更気にもならない。お前が泣く必要も謝る必要も全くない」
「ち、違う、の……。わた、私……私が今までやってきた事が……言ってきた事が……あまりにも愚かで……私は……じ、自分が許せなくって……ごめんなさいお姉様。本当にごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
どんどんと涙を零すドリゼラを見て、無性にはがゆい気持ちに襲われた。
私は確かにドリゼラが嫌いだった。
血の繋がりもない、嫌味なだけの義理の妹。
妹とさえ思った事もなかった。
クソ虫だとしか思っていなかった。
人の感情など持ち合わせるはずもない、クソ虫の末裔。貴族。そのくらいにしか思っていなかったはずだ。
違うんだ。
貴族が皆、全てクソ虫なんかじゃない。
彼らもやはり同じ人間なのだ。
本当は私も気づいてた。
気づいていたんだ。
見ないフリをしていたのは私の方だった。
ドリゼラはこれほどまでに変わった。
自分の誤ちに気づいて、私に謝罪を繰り返した。
彼女はただ未熟なだけで私よりもよほど優れた感受性を持ち合わせている。人を思いやる気持ちもしっかりと持っていたのだ。
対して私はどうだ?
何もかも達観したつもりで、人を本当に見下していたのは私の方なんじゃないのか?
私の方がよほどクソ虫なんじゃないのか?
人を知れ。
ギランお父様のその言葉、今なら少しだけわかる気がする。
私は……あまりにも無知だ。
「すまなかった、ドリゼラ」
私は彼女の頭をそっと撫でて、謝罪の言葉を口にする。
「え……?」
「お前はこれまでの誤ちを認めて私に素直に謝ってくれた。なのに、私は自分の事を棚に上げてお前に素直に謝った事なんかなかった。すまなかったドリゼラ、許してくれ」
「そんな! お姉様は何にも悪い事なんてしていない! 私はお姉様の境遇も、お姉様の寂しさも全て知ってしまった! リヒャイン様から聞いてしまったの!」
リヒャインから聞いた、か。
あの大舞踏会の日の事か。
「お姉様の気持ちなんてこれっぽっちも考えずに、私は私の事ばかりを考えて……だから、本当に悪いのは私だけなんですわ!」
「いや、違う。私もお前たちに歩み寄ろうとしなかった。わざとツンケンしたりして、壁を作っていた。そういう私の態度が問題だったんだ。気づかせてくれてありがとうドリゼラ」
たくさんの涙に濡れたドリゼラの顔が、凄く切なくて、愛おしく感じた。
私がコイツのことをそんな風に思うなんて、な。
「さあ、さっきの数式の答え合わせでもしよう。仕方がないから今日は特別にお前が知りたい本とかも読んでやる」
「本当ですの? お姉様」
「ああ。だからもう泣きやめ」
「はい……はい!」
満面の笑みを浮かべるドリゼラを見て、ああ、これはリヒャインが夢中になるわけだ、と内心納得してしまった。
そんなこんなで結局この日はほとんどドリゼラに付き合わされてしまうのだが、一応私は私で賢人会議に関する資料等もそれなり読む事はできた。
それになんだか、一人で本を楽しむ時とはまた違った愉しさをドリゼラに教えてもらえた気がしたから、いいか。
そう、思った。
私は日の出と共にこそこそと一人で屋敷を出た。
今日こそ一人でのんびりと図書館で本に囲まれるのだと息巻いていたのだ。もちろん一番の目的は賢人会議の為だが、久々の図書館だから、もしかしたら新刊が何か補充されてるかもしれないと高揚していた。
……そう思っていたのに。
「ねえねえお姉様。それは何語なんですの?」
「お姉様お姉様! この魔導書のタイトルはなんて読むんですの!?」
「お姉様、この数式の解き方はどうやるんですの?」
私の聖域。つまり貴族学院の図書館で私はうんざりさせられていた。
ドリゼラのやつがずっとくっついてきているからだ。
「なあドリゼラ。私は言っただろう。今日は遊びで図書館に来ているわけじゃないんだぞ。仕事なんだよ」
「う……ご、ごめんなさいお姉様。でも、でも、私、前々からお姉様に色々教えてもらいたくって……」
くそ、そんな上目遣いで甘えた声を出されると無下にできないじゃないか。
「はあ、仕方のないやつだな。で、今度は何がわからないんだ?」
「はい! えっと、この数式のですね……」
すっかり懐かれてしまったな。
私などに引っ付いていないで、愛しのリヒャインのところにでも行けばいいと言ったのだが、お姉様がいる日はお姉様と一緒にいたいなどと抜かしたので仕方なく許可してやったらこのザマだ。
何がこいつをこれほど劇的に変えてしまったのやら、私には全くもって理解できん。
まるで本当の姉みたいに慕ってきやがって……。
「あー、ドリゼラじゃない。どうしたの? 今日はお休みよ?」
などと思っていると、不意に別の声がした。
「あ……サーシャ、ごきげんよう」
「うん、ごきげんよう。休みの日にドリゼラが学院にいるなんて珍しいわね。というか……隣にいるのって確かドリゼラのお姉さん、よね?」
私も見覚えがある。
この女は確かドリゼラの同級生で、いつもつるんでる友人の一人だったな。
この女の言う通り今日は休日だ。だから学院での授業はない。今日学院にいる生徒は何かしらの用事か、生徒会役員、もしくは部活動をしている者たちだけだ。
「え、ええ……そうよ、サーシャ。デレアお姉様よ」
「やっぱりそうよね。あ、なに? もしかしてドリゼラが勉強でも教えてたの? ドリゼラ、頭いいもんね!」
「あ、いえ……」
「それにしてもその数式問題、めちゃくちゃ難解なやつじゃない? 私、お兄様のお勉強で見た事あるから知ってるけれど、それ、学院高等部以上の内容でしょ?」
「う、うん……」
「あー、わかった! なんの取り柄もないお姉さんにせめて勉強くらいは頑張りなさいって事で教えているのね? ドリゼラ、いつも言ってたもんね、ただでさえ見た目も中身も能無しのお姉さんがいて恥ずかしいって」
「ち、ちが! わ、私は……」
「ちょっと、お姉さん。あなた、ちゃんとドリゼラに感謝してあげなさいよ。あなたみたいな不出来な姉がいるからドリゼラはいつもストレスで大変なのよ? わかってるの?」
私は黙したまま、ドリゼラの顔を横目で見ていた。
「サーシャ、や、やめてよ……。もう違うの……」
「いいのドリゼラ。たまには私みたいな第三者から言ってやんなきゃわからないのよ。こういう馬鹿で無作法な姉にはね」
「聞いて、そうじゃないの! 私の方が今日、お姉様にね……」
「あら? よく見たら魔導書や魔導力学の本まであるじゃない。お姉さん、魔力もないのにそんなの勉強してどうするの? 意味なくない? そもそも平民風情がこの学院にいる事自体、分不相応だというのにね」
「サーシャッ!!」
ガタン、っとドリゼラが勢いよく席から立ち上がって険しい形相で声を荒げた。
「な、何よドリゼラ? どうしたの?」
ドリゼラはつかつかとサーシャの方へと歩み寄って行ったので、私はすぐにその背後からドリゼラの腕を掴む。
「やめろドリゼラ」
私は小声で囁く。
「お、お姉様!?」
こいつはおそらくサーシャという女に手を上げるつもりだったのだろうと察していた。
だからこれ以上面倒な事にならないように、私はドリゼラをぐいっと引っ張って後ろに下げさせる。
「そうなの、サーシャさん。私は今ドリゼラに色々と教えてもらっているところなのよ」
そしてサーシャという女の言葉に合わせて答える。
「やっぱりそうなのね。まあ魔力はなくても学力が高ければ多少は良い仕事に就けるかもしれないし、せいぜいドリゼラを見習って頑張るのよ」
「ええ、ありがとう。頑張るわ。さあ、ドリゼラ。また続きを教えてね」
「お、お姉様……」
私に合わせろと言う意味を込めて私は軽くドリゼラをこづいた。
「え、ええ。わかりましたわ……」
「そういうわけだからごめんなさいね、サーシャさん」
私がそう言うとサーシャはドリゼラに手を振って、ようやくその場から立ち去って行った。
これがいつもの、今まで通りの私への風当たりだ。
面と向かって嫌味をぶつけられる事もそう珍しくもないし、この程度では今更特別なんとも思わない。
ただ、振り返った私は思わず目を見開いてしまった。
「……っひ……っひっく。ぐす……お、お姉……様……ごめ、ごめんなさい……うぅ……」
ドリゼラの奴が顔を両手で覆って、啜り泣いていたからだ。
「何故お前が泣く?」
「だって……お姉様の事……ひっく……」
「あんなのは今更気にもならない。お前が泣く必要も謝る必要も全くない」
「ち、違う、の……。わた、私……私が今までやってきた事が……言ってきた事が……あまりにも愚かで……私は……じ、自分が許せなくって……ごめんなさいお姉様。本当にごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
どんどんと涙を零すドリゼラを見て、無性にはがゆい気持ちに襲われた。
私は確かにドリゼラが嫌いだった。
血の繋がりもない、嫌味なだけの義理の妹。
妹とさえ思った事もなかった。
クソ虫だとしか思っていなかった。
人の感情など持ち合わせるはずもない、クソ虫の末裔。貴族。そのくらいにしか思っていなかったはずだ。
違うんだ。
貴族が皆、全てクソ虫なんかじゃない。
彼らもやはり同じ人間なのだ。
本当は私も気づいてた。
気づいていたんだ。
見ないフリをしていたのは私の方だった。
ドリゼラはこれほどまでに変わった。
自分の誤ちに気づいて、私に謝罪を繰り返した。
彼女はただ未熟なだけで私よりもよほど優れた感受性を持ち合わせている。人を思いやる気持ちもしっかりと持っていたのだ。
対して私はどうだ?
何もかも達観したつもりで、人を本当に見下していたのは私の方なんじゃないのか?
私の方がよほどクソ虫なんじゃないのか?
人を知れ。
ギランお父様のその言葉、今なら少しだけわかる気がする。
私は……あまりにも無知だ。
「すまなかった、ドリゼラ」
私は彼女の頭をそっと撫でて、謝罪の言葉を口にする。
「え……?」
「お前はこれまでの誤ちを認めて私に素直に謝ってくれた。なのに、私は自分の事を棚に上げてお前に素直に謝った事なんかなかった。すまなかったドリゼラ、許してくれ」
「そんな! お姉様は何にも悪い事なんてしていない! 私はお姉様の境遇も、お姉様の寂しさも全て知ってしまった! リヒャイン様から聞いてしまったの!」
リヒャインから聞いた、か。
あの大舞踏会の日の事か。
「お姉様の気持ちなんてこれっぽっちも考えずに、私は私の事ばかりを考えて……だから、本当に悪いのは私だけなんですわ!」
「いや、違う。私もお前たちに歩み寄ろうとしなかった。わざとツンケンしたりして、壁を作っていた。そういう私の態度が問題だったんだ。気づかせてくれてありがとうドリゼラ」
たくさんの涙に濡れたドリゼラの顔が、凄く切なくて、愛おしく感じた。
私がコイツのことをそんな風に思うなんて、な。
「さあ、さっきの数式の答え合わせでもしよう。仕方がないから今日は特別にお前が知りたい本とかも読んでやる」
「本当ですの? お姉様」
「ああ。だからもう泣きやめ」
「はい……はい!」
満面の笑みを浮かべるドリゼラを見て、ああ、これはリヒャインが夢中になるわけだ、と内心納得してしまった。
そんなこんなで結局この日はほとんどドリゼラに付き合わされてしまうのだが、一応私は私で賢人会議に関する資料等もそれなり読む事はできた。
それになんだか、一人で本を楽しむ時とはまた違った愉しさをドリゼラに教えてもらえた気がしたから、いいか。
そう、思った。
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