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女の悔恨はその地へと

第十三話

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ダメだこれ…行かないとやばい気がする…

私は瞬時に悟り、右斜め前の碧君に目を向ける。

彼の表情は皆にはあまり分からないくらいだったが、確実に引き攣っていた。

『やち…どんまい…』

五尾の狐が私の肩をとんと叩く。

四尾の狐はいつの間にやら私の傍を離れ、碧君のところまで行くと、五尾と同じように『あおい、どんまい』と言って彼の肩をとんと叩いた。

果たしてこの先に待っているのはどんまいで済まされる事なのだろうか…

ああ…放課後よ来るな…






帰りのホームルーム終了のチャイムが鳴る。

ああ…来てしまった…いつもは嬉しいけど今日は嬉しくない放課後が…

ものすっごい気が向かないが、無理だな逃げられない…

そう思いながら私は重い腰を上げた。

そこで結が声をかけてくる。

「八千、大丈夫なの?もしダメなら私もついて行くわよ?昨日から一応生徒会執行部のメンバーにもなったし、案内とかしてあげましょうか?」

私のことを思いやっての言葉だった。

嬉しいなあ…

素直にそう思った。

それに結、ちゃんと執行部メンバーになれたんだ…良かったあ…

あの噂が本当なら、彼女は入れなかったはずだ。

でも、入れたなら、あの噂は真実ではないのかもしれない…

そこまで考えて私は結に断りの言葉を言う。

「すっ…ごく嬉しいけど、でも、これはきっと私の問題だから。自分で行って、自分の目で、耳で、確かめてくるね」

私の言葉に彼女は一瞬きょとんとするがすぐに笑顔になって答えてくれた。

「うん、分かったわ。でも、何か困った事があったら必ず私に言うのよ?」

私はそれにうん、と答えて教室を出た。

扉を閉めて左に進もうとするとそこには碧君が居た。

「覚悟…出来たか?」

ゆっくりと顔を上げて聞いてくる。

私はその言葉に笑いながら答えた。

「出来てないのは、そっちでしょ?」

彼は私のその言葉に肩を竦めた。

「そうかもな」
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