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67.日焼け
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「いやいやいやいや……いらんって」
「うだうだ言わずに脱ぎなよ」
久し振りに彼氏の智也が我が家にやってきた。盆に和歌山の実家に帰ったらしいが、帰ってくると別人のように真っ赤に日焼けして帰ってきた。ビーチバレーをしたようなのだが、膝下と上半身が真っ赤になって皮がめくれているらしい。
薬を塗ってあげると言うのだが、なぜか智也は頑なに拒否をする。かなり怪しい。
「ふーん? ビーチバレーねぇ? 実家の海ねぇ?──実はナンパして浮気してたんでしょ? キスマークでも付いてるの?」
「あ、アホ言うな! んな訳あるか!!」
真っ赤に日焼けした顔をより真っ赤にさせて怒り出す。
「じゃ、脱げば?」
私の言葉に智也は固まる。言葉に詰まり何も言えないようだ。
後ろめたい気持ちがなければできるよね?
そんなオーラを全身から放ち続けると智也が溜息をついた。
「……知らんからな……」
智也が意を決して脱ぎ始めた。
すぐに胸元や首の根元に浮気の痕跡がないか確認する。
「浮気の証拠は残ってないみたいね……ほら、背中向いて! 薬を──……」
「…………」
智也は黙ったまま動かない。視線も私から逸らしてじっと耐えているようだ。
真っ赤な背中に日焼けの甘い部分が残っている。日焼け止めでなぞられたのだろう……文字がはっきりと見える。
あい スキ
あいとは、私の事だ。スキとは好きって事だ。真っ赤な顔した智也と目が合う。その瞳は揺らいでいた……。
なんでそんな顔、してんのよ、智也のくせに──。
顔が一気に赤くなる。恥ずかしいってもんじゃない。
「何やねん! なんか言えや! ツレに知らん間にやられて……こんなん恥ずかしくて見せられへんやろ!?」
「あ、いや、ゴメン」
思わず謝る。
どうやら砂浜で寝ていると悪友に悪戯されたようだ。気づいた時にはしっかりと焼けており、どうにかごまかせないかと余計に太陽の日差しを浴びたらしい。
その結果こんな有様になったようだ……。
「当分人前で服も脱がれへんし、浮気もできんわ! よかったな! 愛にしか、見せれんし……」
智也はヤケクソで私に近づき胸の中に閉じ込めてキスをした。智也の胸は日焼けと恥ずかしさで熱かった。
「……薬、塗ってくれるか?」
「塗るけど……背中のやつ、写真撮っていい?」
「アホか!」
智也は私の頭を軽く叩いた。その口元は緩んでいた。私は智也の首の後ろに手を回してキスをした。
「うだうだ言わずに脱ぎなよ」
久し振りに彼氏の智也が我が家にやってきた。盆に和歌山の実家に帰ったらしいが、帰ってくると別人のように真っ赤に日焼けして帰ってきた。ビーチバレーをしたようなのだが、膝下と上半身が真っ赤になって皮がめくれているらしい。
薬を塗ってあげると言うのだが、なぜか智也は頑なに拒否をする。かなり怪しい。
「ふーん? ビーチバレーねぇ? 実家の海ねぇ?──実はナンパして浮気してたんでしょ? キスマークでも付いてるの?」
「あ、アホ言うな! んな訳あるか!!」
真っ赤に日焼けした顔をより真っ赤にさせて怒り出す。
「じゃ、脱げば?」
私の言葉に智也は固まる。言葉に詰まり何も言えないようだ。
後ろめたい気持ちがなければできるよね?
そんなオーラを全身から放ち続けると智也が溜息をついた。
「……知らんからな……」
智也が意を決して脱ぎ始めた。
すぐに胸元や首の根元に浮気の痕跡がないか確認する。
「浮気の証拠は残ってないみたいね……ほら、背中向いて! 薬を──……」
「…………」
智也は黙ったまま動かない。視線も私から逸らしてじっと耐えているようだ。
真っ赤な背中に日焼けの甘い部分が残っている。日焼け止めでなぞられたのだろう……文字がはっきりと見える。
あい スキ
あいとは、私の事だ。スキとは好きって事だ。真っ赤な顔した智也と目が合う。その瞳は揺らいでいた……。
なんでそんな顔、してんのよ、智也のくせに──。
顔が一気に赤くなる。恥ずかしいってもんじゃない。
「何やねん! なんか言えや! ツレに知らん間にやられて……こんなん恥ずかしくて見せられへんやろ!?」
「あ、いや、ゴメン」
思わず謝る。
どうやら砂浜で寝ていると悪友に悪戯されたようだ。気づいた時にはしっかりと焼けており、どうにかごまかせないかと余計に太陽の日差しを浴びたらしい。
その結果こんな有様になったようだ……。
「当分人前で服も脱がれへんし、浮気もできんわ! よかったな! 愛にしか、見せれんし……」
智也はヤケクソで私に近づき胸の中に閉じ込めてキスをした。智也の胸は日焼けと恥ずかしさで熱かった。
「……薬、塗ってくれるか?」
「塗るけど……背中のやつ、写真撮っていい?」
「アホか!」
智也は私の頭を軽く叩いた。その口元は緩んでいた。私は智也の首の後ろに手を回してキスをした。
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