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54.ソファー
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「あはは……やっぱ面白いね、この番組」
「ああ、そうだな」
今日は日曜日の朝だ。夫の春樹と一緒にソファーに座り、録り溜めていた番組を見ていた。
絵里はテレビっ子だ。若い頃からテレビがあれば何もいらないぐらいにテレビに夢中だった。それは結婚した今も変わらない。
「絵里、お茶いる?」
「…………」
「絵里、お茶は?」
「あ、ごめんごめん、いるー。ありがとう
」
こんな風に集中しすぎて春樹の声が聞こえなくなることもしばしばだ。
春樹は冷蔵庫からボトルを取り出しお茶を注ぐと絵里の目の前のテーブルにコップを置く。
「ありがとー」
一瞬だけ視線をカップにやるがすぐさまテレビ画面に戻す。
うーん……暇だ。面白くない。
春樹はクッションを胸に抱えたまま座る絵里の横にぴったりと寄り添うように座る。相変わらず反応はない。
次にクッションを絵里から奪う。
一瞬だけテレビから春樹へと視線を移すが春樹がクッションが欲しいのかと思ったようでそのままテレビを見て声を出して笑う。
次に絵里の後ろに回り込み抱きしめてみる。
「んー? よしよし」
絵里が腕を上げて春樹の頭をポンポンと叩き撫でる。まるで子供をあやすようだ。
春樹は絵里の襟元を引っ張り首の付け根や背中へキスをする。
「ん……もう、テレビが……」
絵里は首が弱い。キスをして舌で首のラインをなぞると耳朶にキスをする。そのあと大きく口を開けて服に当てると、ハァっと温かい息を吹きかけてやる。背中に温かみを感じた絵里は嬉しそうに笑う。
ようやくテレビ以外で笑いが出た。もう一息だ。そのまま絵里の頰にキスをする……。絵里はもうテレビ画面から目を逸らし始めている。
体を捩り春樹の方へ向くと絵里は自分から春樹の唇にキスをした。
ふ、勝ったな。
今回もなんとかテレビとの戦いに勝った春樹は満足そうに微笑んだ。
「ああ、そうだな」
今日は日曜日の朝だ。夫の春樹と一緒にソファーに座り、録り溜めていた番組を見ていた。
絵里はテレビっ子だ。若い頃からテレビがあれば何もいらないぐらいにテレビに夢中だった。それは結婚した今も変わらない。
「絵里、お茶いる?」
「…………」
「絵里、お茶は?」
「あ、ごめんごめん、いるー。ありがとう
」
こんな風に集中しすぎて春樹の声が聞こえなくなることもしばしばだ。
春樹は冷蔵庫からボトルを取り出しお茶を注ぐと絵里の目の前のテーブルにコップを置く。
「ありがとー」
一瞬だけ視線をカップにやるがすぐさまテレビ画面に戻す。
うーん……暇だ。面白くない。
春樹はクッションを胸に抱えたまま座る絵里の横にぴったりと寄り添うように座る。相変わらず反応はない。
次にクッションを絵里から奪う。
一瞬だけテレビから春樹へと視線を移すが春樹がクッションが欲しいのかと思ったようでそのままテレビを見て声を出して笑う。
次に絵里の後ろに回り込み抱きしめてみる。
「んー? よしよし」
絵里が腕を上げて春樹の頭をポンポンと叩き撫でる。まるで子供をあやすようだ。
春樹は絵里の襟元を引っ張り首の付け根や背中へキスをする。
「ん……もう、テレビが……」
絵里は首が弱い。キスをして舌で首のラインをなぞると耳朶にキスをする。そのあと大きく口を開けて服に当てると、ハァっと温かい息を吹きかけてやる。背中に温かみを感じた絵里は嬉しそうに笑う。
ようやくテレビ以外で笑いが出た。もう一息だ。そのまま絵里の頰にキスをする……。絵里はもうテレビ画面から目を逸らし始めている。
体を捩り春樹の方へ向くと絵里は自分から春樹の唇にキスをした。
ふ、勝ったな。
今回もなんとかテレビとの戦いに勝った春樹は満足そうに微笑んだ。
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