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34.こうして私たちは世界の果てを見た
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白髪マダムがゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。それだけで華子はホッとして涙が出る。
「泣かないのよ……怖くないわ、ね?そのエネルギーはこんな事で使っちゃダメ」
「ふ……すみません……」
さらっとヤるエネルギーを温存しろと言われたが、華子はその言葉すら嬉しい。
白髪マダムが女性たちの前に立ちはだかる。その眼光の鋭さにメガネの女性が虚勢を張り大声を出す。
「あなたも出て行ってもらうわよ!この二人もだけど、あなたも風紀を乱している……いかがわしい物を売って──」
「いかがわしい……いかがわしいですって!!この無礼者めが!!」
なぜお奉行風?
白髪マダムの一喝に女性陣だけじゃない、このフロアにいた人間全員がビクついた。すごい覇気だ。
「紫まむし極楽一発ドリンク……そして滋養強壮に効果絶大のすっぽん好ぃとうと……あれは近代薬品の三大発明の二つよ!」
「いや、それは言い過ぎじゃ……偉い人に怒られますよ……ってか、残り一つが気になります」
思わず華子は小声で突っ込むが白髪マダムは耳栓でもしているように反応しない。
「あなた……、そのハゲの人、あぁ、その真面目ぶった老眼鏡の殿方……。この商品の素晴らしさを感じてらっしゃるでしょう!いかがわしいですか!?」
白髪マダムに指を刺された男性たちはほくそ笑み親指を突き出した。出された指は力強かった。
言葉は……いらない──最高だ。
「ここにお集まりの方は、ほとんどが私の顧客よ……ドリンクのゴミが多いのはみんなが愛飲しているからよ、この子達のせいじゃないわ」
「え、ここの人たちほとんど?うそ……」
それが本当だとするとこのアパートから空き瓶を回収する業者はこのアパートの事をどう思っているんだろう。
最近、回収業者たちとすれ違った時に話していた言葉を華子は思い出していた──。
『さすがにこれはすごいな、お盛んだ』
『高齢者が多いんだろ?月に一回の自治会の会議を見てみたいもんだな!はは!』
どうやらド変態の集合住宅だと思われているようだ。
「なな、なんてこと!あなたたち!恥を知りなさい!……全部この二人のせいよ……絶倫のセックス依存症!」
「その罵倒の言葉の方がいかがわしいわ……恥を知りなさい」
白髪マダムの冷たい声が響く。葵の方を心配そうに見つめる……。心が傷ついていないか気になるようだ。
「……あの、絶倫で、セックス依存症で何が悪いんです?」
葵の声の調子に誰もが呆気にとられている。絶倫とセックス依存の組み合わせほどつらいものはないと思うのが普通だ。
皆、やはり只者ではない、この男……という目で葵を見つめていた。
「病気を、変な目で見ないでください。それに……あなただって、そのいかがわしい行為のおかげで今、ここにいるんですよね?」
「あ、あ……そ、それは……」
女性たちはあまりにも正論すぎて何も言い返せない。自分の両親を悪く言うわけにもいかず黙り込む。
白髪マダムは嬉しそうに髪を搔き上げる。
「ふふふ……さすがね……。いい?奥様方、このアパートにはこの二人を応援する人たちばかりなの。出て行くなら、あなたたちが出ていけばいい」
「そ、そんな……」
女性達が周りを見て愕然としている。自分たちの知らないところで絶倫応援プロジェクトが浸透しているとは思っていなかったようだ。
野次馬の中から声が次々と上がる。
「そうだ!絶倫の何が悪いんだ!昔は泣いて喜ばれたぞ!」
いつの時代?それ違う泣きじゃない?つらくて泣いたんじゃ……。
「この紫まむし極楽一発ドリンクはもはやワシの血液だ!飲むなと言われれば死ぬ!」
どんだけ飲んでんの?逆にそれで死んじゃうよおじいちゃん……年金大事に使おうよ。
「この絶倫カップルのおかげで、私たちの性生活も充実してるの……ね?あなた?」
「あ、あぁ、負けてらんないなって……さすがに五回の壁は超えられないけどね……」
いや、それ……もう十分ヤバイ域……とは言えない。
次第にフロア中の人たちから口々に抗議の声が上がる。二人を攻撃しようとしたのではなかった……庇おうとしてくれていたのだ。
絶倫でも、セックス依存症でもないが、華子は感動して涙が出る。葵も思わず笑みをこぼす。
「……もう、いいわ! もういいわよ! 絶倫アパートでもいいわ! 勝手にすればいい!!」
女性たちが逃げるようにその場をあとにしようとした。
「お待ちなさいな……奥様方……こちらを……」
白髪マダムは女性たちに何かの紙を手渡した。紙にはカラフルな色で文字が書かれている。
紫まむし極楽一発ドリンク初回に限り1セットプレゼント中!!
これであなたの人生変わります!
白髪マダムの店のチラシらしい……その他にもなかなかキャラの濃い商品が並んでいる?女性たちは悔しげにそのチラシを睨みつけている。
「──二箱、お願い」
「じゃ、私は三箱」
「私はこの【あなたの息子は大統領】を……」
ボソッと呟くとそのまま女性たちは立ち去った。
「あらあら、毎度ありぃっと……」
白髪マダムが微笑むと再びパンパンと手を叩いた。それを合図とばかりに野次馬たちが華子や葵に声をかけて各自部屋へと戻って行く。
「負けないでね」
「またコツを教えてね」
「年寄りの知恵が必要な時は言うんだぞ!」
その言葉に二人とも「ありがとうございます」としか言えない。
「大変だったわね……これでもう大丈夫よ! 安心して今からヤりまくっていいわ」
「いや? あの……あー……実はですね……その……」
華子が絶倫ではないと言おうとしているとその華子の肩を葵が抱きしめる。
「よかったです、寝足りなかったんで……。あぁ、目がすっかり覚めてしまったしこれからちょっと軽い跳躍運動でもしてきます」
葵の言葉に白髪マダムは真っ赤になる。手を仰ぎ顔に風を送る。
「お、おっふ……ちょうどポケットに試供品があったから試してみて?注文はうちの店でできるわ」
葵の手のひらに【あなたの息子は大統領】の試供品が置かれた。
「店?店を始めたんですか?」
「ええ、店の名前はね【世界の果て~絶倫に捧ぐ~】よ、かっこいいでしょ?」
うん、まぁ、なんか雰囲気は掴めてる感じはするよね。ただ、店名は言葉にしたくない。電話応対も嫌だ。
白髪マダムはウインクをしつつ颯爽と去って行った。誰もいなくなると葵は華子の腕を引き部屋の中へと戻る。
「あ、あの……葵さん……私たち住人たちに誤解を……」
「絶倫と、セックス依存症ですか?まぁ、不眠症と似たようなもんでしょう?それよりも……あんなに生き生きとしたみんなの姿を見たら、訂正できませんよ」
「いや、まぁ、そうなんですけど……」
葵の中で不眠症とそれらは同位置にあるらしい。
「俺は、絶倫でセックス依存症でも構いませんよ?だって、半分は合ってます……」
葵はさっきもらった試供品の袋を華子の目の前で揺らす。華子は一気に真っ赤になり口をきつく閉じると葵を睨みつける。
「絶倫の本家本元として……今、ここで、寝ないといけない……ですよね?」
「う、あの……その……」
「華子さん……寝たいです、今すぐに」
そう言って葵は笑った。
「泣かないのよ……怖くないわ、ね?そのエネルギーはこんな事で使っちゃダメ」
「ふ……すみません……」
さらっとヤるエネルギーを温存しろと言われたが、華子はその言葉すら嬉しい。
白髪マダムが女性たちの前に立ちはだかる。その眼光の鋭さにメガネの女性が虚勢を張り大声を出す。
「あなたも出て行ってもらうわよ!この二人もだけど、あなたも風紀を乱している……いかがわしい物を売って──」
「いかがわしい……いかがわしいですって!!この無礼者めが!!」
なぜお奉行風?
白髪マダムの一喝に女性陣だけじゃない、このフロアにいた人間全員がビクついた。すごい覇気だ。
「紫まむし極楽一発ドリンク……そして滋養強壮に効果絶大のすっぽん好ぃとうと……あれは近代薬品の三大発明の二つよ!」
「いや、それは言い過ぎじゃ……偉い人に怒られますよ……ってか、残り一つが気になります」
思わず華子は小声で突っ込むが白髪マダムは耳栓でもしているように反応しない。
「あなた……、そのハゲの人、あぁ、その真面目ぶった老眼鏡の殿方……。この商品の素晴らしさを感じてらっしゃるでしょう!いかがわしいですか!?」
白髪マダムに指を刺された男性たちはほくそ笑み親指を突き出した。出された指は力強かった。
言葉は……いらない──最高だ。
「ここにお集まりの方は、ほとんどが私の顧客よ……ドリンクのゴミが多いのはみんなが愛飲しているからよ、この子達のせいじゃないわ」
「え、ここの人たちほとんど?うそ……」
それが本当だとするとこのアパートから空き瓶を回収する業者はこのアパートの事をどう思っているんだろう。
最近、回収業者たちとすれ違った時に話していた言葉を華子は思い出していた──。
『さすがにこれはすごいな、お盛んだ』
『高齢者が多いんだろ?月に一回の自治会の会議を見てみたいもんだな!はは!』
どうやらド変態の集合住宅だと思われているようだ。
「なな、なんてこと!あなたたち!恥を知りなさい!……全部この二人のせいよ……絶倫のセックス依存症!」
「その罵倒の言葉の方がいかがわしいわ……恥を知りなさい」
白髪マダムの冷たい声が響く。葵の方を心配そうに見つめる……。心が傷ついていないか気になるようだ。
「……あの、絶倫で、セックス依存症で何が悪いんです?」
葵の声の調子に誰もが呆気にとられている。絶倫とセックス依存の組み合わせほどつらいものはないと思うのが普通だ。
皆、やはり只者ではない、この男……という目で葵を見つめていた。
「病気を、変な目で見ないでください。それに……あなただって、そのいかがわしい行為のおかげで今、ここにいるんですよね?」
「あ、あ……そ、それは……」
女性たちはあまりにも正論すぎて何も言い返せない。自分の両親を悪く言うわけにもいかず黙り込む。
白髪マダムは嬉しそうに髪を搔き上げる。
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女性達が周りを見て愕然としている。自分たちの知らないところで絶倫応援プロジェクトが浸透しているとは思っていなかったようだ。
野次馬の中から声が次々と上がる。
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いつの時代?それ違う泣きじゃない?つらくて泣いたんじゃ……。
「この紫まむし極楽一発ドリンクはもはやワシの血液だ!飲むなと言われれば死ぬ!」
どんだけ飲んでんの?逆にそれで死んじゃうよおじいちゃん……年金大事に使おうよ。
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「あ、あぁ、負けてらんないなって……さすがに五回の壁は超えられないけどね……」
いや、それ……もう十分ヤバイ域……とは言えない。
次第にフロア中の人たちから口々に抗議の声が上がる。二人を攻撃しようとしたのではなかった……庇おうとしてくれていたのだ。
絶倫でも、セックス依存症でもないが、華子は感動して涙が出る。葵も思わず笑みをこぼす。
「……もう、いいわ! もういいわよ! 絶倫アパートでもいいわ! 勝手にすればいい!!」
女性たちが逃げるようにその場をあとにしようとした。
「お待ちなさいな……奥様方……こちらを……」
白髪マダムは女性たちに何かの紙を手渡した。紙にはカラフルな色で文字が書かれている。
紫まむし極楽一発ドリンク初回に限り1セットプレゼント中!!
これであなたの人生変わります!
白髪マダムの店のチラシらしい……その他にもなかなかキャラの濃い商品が並んでいる?女性たちは悔しげにそのチラシを睨みつけている。
「──二箱、お願い」
「じゃ、私は三箱」
「私はこの【あなたの息子は大統領】を……」
ボソッと呟くとそのまま女性たちは立ち去った。
「あらあら、毎度ありぃっと……」
白髪マダムが微笑むと再びパンパンと手を叩いた。それを合図とばかりに野次馬たちが華子や葵に声をかけて各自部屋へと戻って行く。
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「いや? あの……あー……実はですね……その……」
華子が絶倫ではないと言おうとしているとその華子の肩を葵が抱きしめる。
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葵の言葉に白髪マダムは真っ赤になる。手を仰ぎ顔に風を送る。
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白髪マダムはウインクをしつつ颯爽と去って行った。誰もいなくなると葵は華子の腕を引き部屋の中へと戻る。
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「いや、まぁ、そうなんですけど……」
葵の中で不眠症とそれらは同位置にあるらしい。
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葵はさっきもらった試供品の袋を華子の目の前で揺らす。華子は一気に真っ赤になり口をきつく閉じると葵を睨みつける。
「絶倫の本家本元として……今、ここで、寝ないといけない……ですよね?」
「う、あの……その……」
「華子さん……寝たいです、今すぐに」
そう言って葵は笑った。
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